今日はまゆみさんの息子の命日です。
まゆみさんには娘の下にもう一人子供がいました。
胎内にいるときから心臓の病気がわかっていました。
その頃娘は4歳で、夫はシャバにはいませんでした。
母子手帳をもらって以来ずぅっと定期健診に行ってなかったので、たまには検診に行かなくちゃ・・・
そう思って明石市民病院に行って検査を受けると
「胎児の心臓が普通の4倍あります。これはウチではとてもムリです。
大阪の循環器病センターに紹介状を書きますからそこへ行ってください。
循環器病センターは心臓病に関しては日本で1,2位のレベルの病院ですから
最善の医療が受けられます」
そう告げられました。
家に帰ってそれを姑に告げると
「うちはいらんでぇー!! そんな心臓の悪い子なんかうちはいらん。堕ろしてまいんか!!」
そう叫びました。
うちはいらんでぇって、私の子やんか。あんたの子とちゃう。
親戚中が集まって私のおなかの子を堕ろすための相談をし始めました。
子供は私のおなかにいるのにあんたたちがどうやって堕ろせるの?
バカみたい。
親戚たちがああだこうだと話をしている間、私は話しに加わらず
黙々と台所仕事をしました。
循環器病センターに行くと5万人に1人の病気でしかも相当な重症とのこと。
三尖弁閉鎖不全と肺動脈閉鎖と心室中核欠損。
肺動脈が閉鎖しているため流れて行くはずの血液が逆流するために
心臓がどんどん肥大しているとのこと。
胎児に負担がかからないように入院して安静に過ごすようにとのこと。
姑は「入院なんかさせへんでぇ! ほなこの子いらんねんな?この子放かすんやな?」と言う。
「Mがいらんのと違う。ちょっとの間我慢してもらうだけや。おなかの子が一刻を争うんや。
おなかの子も私の子やねんで。」
「そやから堕ろしてまい言うとんやないか!」
自分の孫なのに、心臓が悪いという理由でそんなにこの子が憎いんだろうか?
生まれても1度も顔を見に来てももらえませんでした。
誰にも愛されずに病気と闘った子はついに亡くなりました。
私が一人で産んで、一人で見送りました。
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2012年08月08日
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