京都府立医科大学 星野温助教
「ウイルスが感染する前に先回りしてくっついて、ウイルスが細胞に感染できなくなるようにする薬です。」
体内に侵入した新型コロナウイルスは「肺の細胞の表面」にある『ACE2』と呼ばれるタンパク質にくっつき、細胞に侵入して感染することがわかっています。研究チームはこの 『ACE2』を作り変えてウイルスとくっつく力を100倍以上強くした“特殊なタンパク質”を開発 しました。
これを薬として患者に投与すれば、新型コロナウイルスに先回りしてくっつき、細胞に侵入するのを防ぐことができるといいます。
「それが肺に広がって肺炎にならないように、言ってみれば感染するけれども命に関わることがないように、しっかり予防できる薬になることを想定してます。」
“重症化を防ぐ治療薬” 開発に向け、研究チームは来年度にヒトへの臨床試験開始を、再来年度の実用化を目指しています。
国立国際医療研究センター 杉山真也・副プロジェクト長
「この装置が実際に患者さんの血液中のタンパク質の濃度を、短時間で測定してくれる自動装置です。」
コロナ患者の血液を調べた研究チームは、 重症化するかどうかを感染初期に予測できるタンパク質を発 見しました。血液中に含まれる5つのタンパク質のうち、 「CCL17」は、健康な人は300前後の数値ですが、重症化する人は感染初期から100以下の低い値になっている ことが世界で初めてわかりました。また他の4つのタンパク質は、重症化する数日前に急激な濃度上昇があると分かったのです。
これらのタンパク質の濃度変化で、 『重症化する可能性がある人』が事前に見極められる ため、早期治療も可能になるといいます。
タグ: CCL17
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