2016年02月26日
菊地成孔 「CDは株券ではない」
この時代すら牧歌的だったと言わざるを得ないくらい、今はもうドン底というか、底が抜けてしまっているのにも慣れてしまった感がある。一応私は、腐ってゾンビ化していてもミュージシャンもどきっぽいし、バイトも音楽関係(のモノをひたすら箱に詰める)だ。
実感としてリアルにここ10年くらいどうしようもない。
「ミリオンヒットが出ない」なんつっても、いまや「でしょうね」としか言いようがない。AKBは好きだが、100万枚売れましたって言われてもそこに音楽的な価値を感じたり分析したりする気にはならない。むしろ社会学的な興味だ。あと若い子は可愛いっていう。今や自分の下半身と関係がない可愛さだと諦めてしまっているところが悲しいが。
CDの売り上げ予想なんて、売れたらミリオン、コケたら全然、という状況があってこそのもんで、この本はリアルに売り上げを考えるのではなく曲だけを聴いて考える実験なのだが、だといっても今は幅が狭すぎるだろう。
例によって3回目くらいの買いなおしで、風呂でぼんやり読んでいただけなのだが、なんかもう隔世の感がある。
ファンとしては菊地成孔の変化の途中経過を見たりするのがちょっと面白かったかな。意地悪っちゃ意地悪な見方だけど。
山下洋輔のバンドにいた若干ふっくらした頃や、QJに載りだした頃のノベルティのTシャツそのまま着てるようなダサっぷりから、第2期SPANK HAPPYでのキャラクターがそのまま移ったようなセレブっぽい感じになり、ハイファッションだけどテンガロンみたいな崩した感じになり、今はキャラクター的にもa.k.a.な感じでB系にもなっているのだけど、加藤ミリヤ「ディア・ロンリーガール」を分析!の回で
(『SAMURAI-MAGAZINE』でのインタビューで使われなかった部分として)
「僕は今42で、金もあるし、地位もそこそこある。フードも被らない。靴はドルチェ&ガッバーナだ。でも、僕はブラック・ミュージックに強いリスペクトがあるし、自分で、自分がヒップホップだと思ってるんだ。」
と言った。と書いている。
時は過ぎていくもんだなぁ、とか思ったり。
内容の事書いてねー。
えーとね、単純に言って悪ふざけ。うん。タイトルそのままな感じのコンセプトがありーので、要はJ-POP売り上げ予想。
ミリオンが年に1曲あるかないかくらいになってきた頃。2003年後半〜2005年頃です。約十年前ですね(遠い目。来月で俺30かぁ・・・)。
ハロプロの勢いがなくなって、オレンジレンジや歌謡ヒップホップが売れてて、一昔前ならそれなりに売れたはずの企画物が一切カスリもしなくなった頃です。
風呂で読んでてねぇ、「この頃でもまだ全然マシなんだよなぁ・・・まだ希望はあった・・・自分自身にも・・・」ブクブクブクーッなんつってね!
文庫化はしないだろうから、古本屋で100円とかで買ったらいいんじゃん?ファンなら面白いよ。ファンで30代なら。
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