2013年11月30日
ZAZEN BOYS 「Matsuri Session Live at Nagoya」
好きそうで好きじゃない時代が長かった向井秀徳。
そもそも私はメタラーだったわけで、ゼロ年代というくくりの大人気バンド勢を見ながら地下に潜ってデスメタルなんかやってたりして完全スルーだったのだ。偽アルビニじゃん、みたいな。
しかし、初々しさや勢いがなくなった頃にアイデアの貧困さを機材で埋めるようになり、やがて消えていったバンドたちとは違って生き残った、そして今だに「これは今の世代の『透明少女』だ!」みたいなポップをCD屋で見かけるほどあの頃のブームの象徴となったナンバーガールを、メチャメチャ後追いながらも「聴かない」という選択肢はやはりなかった。
ナンバーガールは好きな曲は大好きだがアルバム1枚通して聴くことは無い、という感じなのだが、はっきり言ってZAZEN BOYSは最初好きではなかった。
なんというか、ナンバーガール後期に色濃く漂っていた向井の嫌な部分の結晶のように感じられたのだ。まぁ向井のやりたいようにやる為のバンドなので当たり前なのだけど。
ブルーハーブの影響を受けたと公言し、文字数の多いラップをするが結局いままでと同じようなことしか言えなくなっている上に、やりたいことに対してメンバーの力量も足りていないように感じて、「やりたいように」出来てさえいないように見えるのにやけに強気だなぁ、ファンもよくついて行くなぁ、などと思っていたのだ。
なんだかんだでたまにyoutubeとかでチェックはしていたのだが、好きになっていったのはメンバーが変わったのがきっかけで、変わったとは聞いていたがこんないいドラムが(バッファロー・ドーターの人だってわかって驚いた)、ベースが、となったのだ。
ニュー/ノーウェーブ、ファンク、テクノ、フュージョンとどう考えても「80年代」という自身のルーツを忠実になぞっていったと思われる流れを確実にこなせる力量を持つメンバーチェンジの甲斐あって、実にのびのびとやっているように見える向井は楽しそうで、その曲自体の好き嫌いとは別にしても、才能のある一個人のアーカイブとして楽しめた。
その後決定的に好きになったのはディレイ好きの私にピッタリきた「Honnouji」。だからまぁ、アルバムで言うと「ZAZEN BOYS4」かな。他のアルバム持ってないけど。
その程度のファンなのだけれど、ちょうどその時期のライブDVDが安く売っていたので買ってみた。
会場限定販売ということで言ってみればオフィシャルブート的なモノ。でも元々派手なステージを見せるタイプでもないのでこのくらい荒い感じの映像の方が私は好き。
ライブだと余計リズム隊の良さが出ている、というかドラム単体でお金の取れる人なのだ。彼だけ見ていても楽しい。まぁでもCDでよかったかな。ずっと映像を観てるのはちょっとしんどいわ。音聴いてる分には楽しいけど。
しかし、やはり私が惹かれるのは後から入ったリズム隊で、そう考えると向井色が随分薄くなったように感じた。なので好きにはなったが、それは果たしていいことなのか?いい聴き方なのか?とか考えてしまった。
しかしこう、ライブをフルで、家で冷静に映像として見ていると、意外とフレーズの引き出し少ないのかもなぁ・・・とか思っちゃうんだよね。
ちなみに実は向井は80年代にサブカルっ子だった普通の人なんじゃないかと思い始めているので、最新作から先行公開された「ポテトサラダ」聴いて、本当に言うことがなくなったんだな、っていうかビール飲みながらアメトーク見てたりして、とか考えました。
てかこれも1年以上前の話か、時間が経つのは早いなぁ、とか毎年年末になると思います。
今のベースもハードコア感あって好き。
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