ドラフト候補と言えば、過去に忘れられない事件がありました。
江川卓投手のドラフトに関する騒動、いわゆる江川事件というものです。

江川選手は、まず作新学院高校時にドラフト候補で阪急の指名を拒否して法政大学へ入学しました。

そして、4年後のドラフトでは、クラウンライターが交渉権を獲得しました。
江川は福岡が本拠地なので遠いことから拒否しました。
そして問題の一日です。
当時のドラフトでは交渉権はドラフト会議の前々日までとされていました。
前日までとすると、天候や交通マヒでドラフト候補と会えなくなる可能性があったからです。

江川選手は、ドラフト前日はどこにも交渉権のない自由の身であると解釈し、巨人と電撃契約しました。

ドラフト当日、さすがに今回は指名を回避する予定だった他球団も抗議の意味で江川選手を指名し、阪神が交渉権を獲得しました。
コミッショナーは苦慮しましたが強権発動で阪神と契約し、すぐに巨人にトレードに出すように提案しました。
阪神は交渉が長引くことを避け、そのときエースだった小林繁と交換することで合意しました。
しばらくは江川選手に対しては批判の嵐、小林選手に対しては同情が集まり、小林投手はその悔しさをバネに翌年、巨人戦8勝を含む22勝という見事な成績を残しました。

今年のドラフトもそうですが、後に遺恨を残すようなものであってはならないと思います。
2018年のペナントレースが素晴らしいものになるようなドラフト会議であってほしいものです。