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プロフィール

鹿宮千木
かみや せんぎ と読みます。 趣味はサッカー、水泳、スキー、マラソン等。 最近はマラソンが主軸。 国内外にプライベート、仕事と 各地へ旅しています。

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2013年02月09日
地震体験から探る対策
2011.3.11 午後3時前

写真に残る、その時落ちて壊れた時計・・・
あの大きな地震から、もうすぐ2年が経とうとしている。
私の住む地域は、今回大きく騒がれている津波に襲われた地域や
原発の避難地域からは離れている。襲った震度は6強。

地震発生時、職場で仕事中だった私は信号機が消えて混乱する道路を、
焦りながら家族の住む家に急いだ記憶が残っている。

倒れた塀や余震の揺れで落ちてくる屋根瓦に気を付けながら家に着くと
近所の人が、私の家族が皆無事空き地に避難している事を教えてくれた。

家の横側の地面に大きく地割れが走っているのが見えた。

家の中は、家具は倒れ、割れた食器が床に飛び散り足の踏み場も無い。
食器棚は、大地震の際にはロックがかかる仕組みになっていたのだが、
下記写真にあるような扉ロック4個のうち3個がロックがかからず、
開いた扉から食器が投げ出された状態になってしまっていた。
ロックは下りたが間に合わなかったのか?それとも揺れで外れたのか?
地震発生時、食器棚のそばには誰もいなかったので良かったが・・・。

比較的新しく、地震にも強いと言われる2×4住宅だった為、
家は無事かと少し期待していたが、見るも無残に壁の石膏ボードは
あらゆる場所がヒビだらけになっていた。

日は傾き暗くなってきたが停電で電気もつかず、断水で水も出ない。
震度4〜5と思われる余震も頻繁に発生。本震の恐怖からか、
少しでも揺れると外に毎回逃げ出していた。
片付けも出来ないまま時間は経過し、冷え込みも厳しくなってきた。

これじゃ今夜は家の中では寝られないな。
そう判断して、車のなかで家族と過ごした。

結局、水道や電気の復旧まで約2日間。
後で聞いた話だが、ガスはその間も使用できていたらしい。
使えると言ってもガス漏れが怖い気もするが・・・。
うちはオール電化住宅だった為、2日間湯を沸かすことすらできなかった。

こんな中、私は色々な貴重な体験をした。
この事は今後の災害への備えに生かしていくべきだ。
そう思いここに記したいと思う。

今回の災害で私が置かれた状況は下記の通り。
(状況により異なると思われます。あくまでもこの状況での体験です。)
・ 家は多少壊れたが出入りは出来る。
・ 家の中はグチャグチャで、すぐには生活出来ない。
・ 水、電気は止まっている(2日間)。
・ オール電化住宅の為、ガスは引いていない。
・ 家族が入れる自家用車を持っている。
・ 幸いけが人はいない。

元々、少し災害時の対策に興味をもっていた私は、
一般的に売られている「非常用持出袋」なる物を購入し備えていた。

それに入っていたグッズは、大きいビニール袋、軍手、絆創膏、
防寒シート、乾パン、水500mlペットボトル×2本、懐中電灯、
手動発電タイプのラジオ、ホイッスル(笛)。

その他に、自分で準備していた物として、
ミネラルウォーターやお茶の2Lペットボトル10本程度、
ロングライフパン、コンビーフやシーチキンなどの缶詰、カップラーメン等。

この中で、準備していて特に良かった物、
準備しておけば良かったと今回の体験を通じて感じた物、
これらを整理しておきたい。

今回、家に出入り出来た為、毛布や防寒着を車へ持ち出す事が出来た。
その為、防寒シートは使用しなかった。ただ車が無い場合などの状況では
防寒シートがあった方が良いかもしれない。
大きなゴミ袋等のビニール袋でも防寒シート代わりになるので
そういった代用案でも良いと考える。

夕方薄暗くなる中、家の中から必要な物を持ち出すのに
懐中電灯は役立った。
また、ホームセンター等で売っている、庭に飾りで置いてあった、
太陽光で充電し夜光るライトなども明かりを取るのに非常に役立った。


割れたガラスや陶器の破片があったりするので軍手も役立つ。
今回は手を切ったりしなかったが、絆創膏も必要になった可能性はある。

人間、まず水分を取らないと短期間で死んでしまうので、水やお茶の
ペットボトルは助かったし、いつ水が復旧するのか?と言う不安な状況では
いくら持っていても良いという感じがした。
今回は3月で水を飲む量も少なかったが、これが夏場だとかなりの
消費量になると予測できる。
水かお茶のペットボトルを箱買いして常にストックしておいた方が良い。

水と言えば、今回最も困ったのがトイレ。
タンクに元々たまっていた一回分を流してしまうと
水をタンクに補充しない限り流すことが出来ない。
小であれば流さなくても少しは耐えられるが、大となると・・・。

お風呂の残り湯を流さず、常にためておくと災害時トイレの流す水等に使える。
ただ、うちみたいに幼児がいたりする家庭では、水をためっぱなしにしておくと
子供の水の事故につながる可能性もある。その為、我が家では風呂の水は
使用後はなるべく直ぐ流すようにしていた。

今回の地震で知ったことだが、避難所に指定されている学校や
公園などは一時タンクに水を貯め、それを水道などから出しているらしい。
その為、断水時でも水道が使用できるのだ。
ペットボトルなど水を汲む容器を持っていけば持って帰れるし、
学校のトイレは解放されており水も流れた。
この事は知っておくと非常に便利である。

自衛隊の給水車が来た時に、長蛇の列が出来たが
学校の水道は、あまり知られていないのか、混雑せずに汲む事ができた。

ロングライフパンや菓子類も手軽に車内でも食べられ助かった。
缶詰類も、パンだけでは飽きるのでこちらも助かった。
日持ちのする食材を常にストックしておいた方が良い。

なんといっても辛かったのが、寒さの中温かい物が食べられなかったこと。
家がオール電化で、電気が来ないとお湯も沸かせない。
カップラーメンや即席みそ汁など持ってはいたが食べられなかった。
我が家では、これを機にカセットコンロを購入した。

電気、水道が復旧しない中、水の確保へ外出、ラジオ等から情報確認、
はたまた、寒さをしのぎ生活空間として大活躍したのが自家用車。

反省点としては、ガソリンが少ししか入っていなかった事。
残りのガソリンを考慮し、エンジンをこまめに切りながらの生活となった。
今は、半分以上ガソリンが入っている状態を維持する様に心掛けている。

携帯電話は地震直後の混乱時には使用できない。
そして広範囲で停電が起こると、電波基地の電源は1日くらいは
蓄電で維持できるが、その後電波も入らなくなる。
つまり、地震の次の日はある程度使用できたのである。
その頃には携帯の充電が・・・。
携帯電話が車で充電できるよう対策として装備した。

発電機式のラジオは、かなりハンドルを頑張って回しても数分しかもたず、
災害で疲弊した状況での使用は結構厳しかった。

今回の災害でとてもありがたかったのが人の優しさ。
近所の方々が、どこどこに給水車が来てるか情報をくれたり、
給水所で食料配っていたからとお裾分けしていただいたり、
学校のトイレや水道が使えると教えて頂いたのも近所の方からだった。

普段からの近所の方々と挨拶を交わして良い関係を作っておく事の
重要性を感じた。

時間と共に対策が忘れがちになる。
次に生かせるよう対策を再度考えたい。
(以上)

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