より大きな地図で 長谷川峠〜大津川あたり を表示
b.557号線の峠をひたすら下って、残すは赤穂の城下町のみとなりましたが、
a.とは言っても、城下まではまだ距離を残すエリア、ここはここで城下町とちがった魅力があるんで、そのあたりを探りながら例によって迂回旅じゃ、
b.どんな魅力ですか、
a.峠を越えてすぐ感じることだけど、とにかく明るい、これは瀬戸内海に面した町すべてに言える事だろうけど、
b.海が近いと明るいか、そりゃ日影無いすもんね、海には、
a.特に光が少ない冬場は驚くほど明るくて、ココロまでそうなる、
b.ココロまでそうなるんすか、
a.そうココロまで、明るく暖かくなるんだ、寒けりゃ寒いほど、
b.やはり瀬戸内海は良いっすね、
a.琵琶湖も良いけど、また違った魅力があるなあ、何やろ、この魅力、
b.とはいえ、瀬戸内海はまだ数キロ先、どうします?
a.先ほどの峠から流れ出たこの大津川にそって進むことにしよう、
大津川上流
大津川下流
b.貝かエビか居るのかなあ、おじさんおばさん、川で何か採ってますよ、
a.夕飯のおかずになんのかなあ、ここで一句「家の前、川砂掘れば食卓へ」、
b.なんか、ワイルド&便利だなあ、買ったらけっこうするやろうし、
a.ところで、ここ大津川流域も全国の地方都市同様、丘を造成して新しい宅地が高台に集まり、歴史的集落と田園がそれを取り囲むかたち、
b.道路もそれに合わせて新旧ふた通りありますね、昔ながらのうねうねした細い道と、クルマが楽に走れる広くてまっすぐな道、
a.海岸線が近づくにつれて、家も道路も窮屈なスペースへぎゅっと押し込まれるようになって走りづらくなってきた、
b.そろそろ渡りますか、クルマだらけの幹線道路、
a.そうだな、ここで降参、道を渡って、しかし、正面に良さそうな細道があるではないか、
b.いかにも行き止まりの気配が漂っておりますが、
a.行ってみよう、きっと良いことが待ってるはずだ、こちとらチャリンコでい、
b.おお、瀬戸内海とおぼしき物が見えて参りました、
a.もうちょっと、感動無いのか、やっとこさ山越えてたどりついたってのに、
b.しかし、これはまだ、海というか、
a.なるほど、これじゃ無理もない、まだ感動するにはちと早いようじゃな、
b.JR赤穂線の鉄橋やセメント工場の煙突が並んで、海というにはちょっと、
大津川河口にかかるJR赤穂線の鉄橋
a.そうやなあ、でも、海の気配は濃厚でござるな、
b.そうっすね、この分厚いコンクリート堤防も高潮対策か、ずいぶん背が高いし、漁に出る船もちらほら、
a.ここからだと、工場にブロックされて海岸に出るのは不可能だし、とりあえず塩屋公園に立ち寄って仕切り直しじゃ、
塩屋公園
b.いかにも塩の町、赤穂らしい名前の公園や、
a.赤穂に何度か立ち寄るにつれて分かったけど、公園がたくさんあるんだ、特に戦後の新しい町並にステキな公園がさりげなく作られてて、ちょっとうらやましい、
b.なんでうらやましいんすか、
a.心が豊かになるから・・・家がびっしり建てこんでるより、ちょっと公共のスペースが確保されてるとホッとするやんか、
b.なるほど、ベンチでジイちゃんバアちゃん笑ってたり、とか、
a.中学生のアベックが並んでブランコこいでたり、とか、ええやろ、そういうの、自分とは関係ないけど、町の風景として、
b.そうっすね、なんか映画のワンシーンで使えますねえ、新しい町に新しい公園、
a.そして新しい恋の始まりか、しかし、恋をしてないなあ、ここんとこ、
b.もう50も半ばにさしかかるとダメなんすかねえ、色々と、
a.いやいや、そんな事はないはず、でも今はマルちゃんみたいな猫ニャンと暮らしたいなあ、
b.猫の娘さん亡くしてもう3年ですもんね、そろそろ玉(=お宝)のような猫ニャンがどっからかやって来るころかも・・・
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