b.近江といえば琵琶湖のイメージだけど、琵琶湖の東はかなりな奥行きありますねえ、
a.そうなんだ、ときどき迷いそうになるほどたっぷり広がりがあって、琵琶湖を完全に忘れていたりする、
b.旅の終わりになって、「ああ、そうだった、ここまで来てまだ琵琶湖見てないや」って事もよくありましたね、
a.そんな奥行きたっぷりの東近江エリア、前から気になってるお寺があって、今回はそこを目指してみよう、
b.石塔寺、「せきとうじ」?
a.そうとも読めるけど、どうやら「いしどうじ」が正解らしい、
b.だけど、いつもなら、ふらふら風まかせなのに、今回はいきなり目的地ハッキリしてますね、
a.いつもフラフラ風まかせで悪かったなあ、近江は風の町やから、風まかせに旅するんがいちばん楽しいんじゃ、
b.なるほど、そんじゃまあ、さっそく旅の日付など、お願いします、
a.2011年7月24日(日)、薄曇りの蒸し暑い一日。京都嵐山の自宅を朝の8時過ぎに出発、JR桂川駅から野洲駅まで輪行して、東近江市の石塔寺(イシドウジ)をたずねるという日帰り旅。カメラはキヤノンのパワーショットG12、自転車は テスタッチのシクロフレーム にMTB(マウンテンバイク)の駆動系をはめ込んだクロスバイク、スポーツドリンクにビタミンCと乳酸菌の錠剤を溶かしてキャメルバックに詰め、ボトルケージにはほうじ茶900ml、玄米の梅干しおむすび、輪行袋、着替え、などなど、少しくどくど長いか、
b.ところで、最初の写真、ここはどこすか、えらい立派な木が生えてるけど、
a.嵐山から山ぞいに生活道路をたどると、苔寺(コケデラ)にむかう目印の交差点に立派な椋(ムク)の木が立ってるんだ、
b.なんか、さすがですねえ、何気ない住宅街の一角に、こんな風格ある老樹が、
a.左手にスーパーがあって、ここで買い物すると、レジのあと、この木を眺めながら食品をバッグに詰められて、ほんのちょっとだけ幸せなんだ、
b.よく見ると、右手に大きなつっかえ棒が、
a.年とってるしなあ、人間と一緒で杖が居るんだなあ、
b.「杖(ツエ)ついて椋(ムク)の長老、苔寺(コケデラ)へ」、
a.新駅らしくスッキリ明るいJR桂川駅から各駅停車で40分、平日は通勤通学で込み合うだろうJR野洲駅も休みはひっそりしてるなあ、
b.南口のエレベーターをおりて、自転車の前後輪はめて起動開始、さておすすめコースは、
a.駅前通りを北東へ進み、片岡商店から左の細道に入れば、クルマとかぶらずJRを渡れる、
b.この踏切、狭(セマ)っ、地元住民用っすね、
a.しばらく線路ぞいを東北へ進むと、森利工務店から左ななめに小川が流れてるから、左岸(サガン)の小道を進もう、
b.右手にこんもり神社らしい森が、夏休みらしく、お父さんと子供が虫取りアミと虫カゴさげてやってますね、昆虫採集、
a.じつはお父さんの方が積極的に楽しんでたりして・・・
b.「せいわ」って読むのかと思ったら、生和(イクワ)神社っていうのか、
a.ウェブで調べたら京都新聞社に詳しく 神社ゆかりの伝説 が紹介されてる、
b.大蛇退治か、よくあるパターンすね、
a.でも、もっと興味深いのは、周囲の小川、
b. 祇王井川(ギオウイガワ)っていう平安時代の農業用水路 なのか、
a.嵯峨嵐山に、 祇王寺(ギオウジ) って有名なお寺があるけど、そこに21才で仏門入りした妓王(ギオウ)って地元の美女が、水不足に困る村の現状を訴え、この川を作るよう平清盛(タイラノキヨモリ)に働きかけたそうだ、
b.平清盛(タイラノキヨモリ)に愛された地元の美女、妓王ゆかりの農業用水路か、
a.「祇王寺( ぎおうじ )の妓王( ぎおう )ゆかりの用水路」、
b.世の中を動かすチカラから言えば、まさに平安時代のAKBっすね、
a.ぜんぜん違うような気もするけど、まあいいか、さき行ってみよう・・・
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