「シンフォニーのスタジオ録音評価」
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b.モーツァルトのピアノ協奏曲全集は内田光子とテイト指揮ECO(イギリス室内管弦楽団)がダントツのイチ押しでしたが、シンフォニー全集はどうなんすか、
a.残念ながらまったくこれというものが見当たらない、
b.かなりたくさんの全集が出てるけど、
a.前半はピアノ協奏曲より目鼻立ちがハッキリしないから面白くないし、20番台以降は、どれを聞いてもほとんど満足できない、
b.20番台以降に名演がないっていうのは、ちょっと極論では、
a.たしかに、素晴らしい演奏がないわけじゃない、ただ80点の解答はざらにあるけど、ずば抜けた、コレがあれば他はいらないっていうような決定版に出会えない・・・もしかすると、モーツァルト自身のシンフォニー作曲能力自身に問題があるのか、って思えるほど、
b.ピアノコンチェルト(=ピアノ協奏曲)は内田光子盤で決定なんすか、
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感想(0件)
a.うん、しかも全曲にわたって素晴らしい、これがあれば他はいらないってほど決定的な演奏になってる、だけど、同じメンバー、つまりテイト=ECOのコンビで録音した20番台以降のシンフォニーはまったく決定的じゃない、同じコンビかと疑うほど、あたりさわりの無い平均的な響きになってる、
b.やはり30代でこの世を去ってるから、いくら天才モーツァルトでも苦手ジャンルはあったんかなあ、
a.シンフォニーの場合は誰が振ってもどっかもどかしさが残る・・・モーツァルトにとってオーケストラは声楽やソロ楽器のサポート役としてはじめて光り輝くような気がする、シンフォニーの場合は後期になるほど最後まで言い切れてないような、吹っ切れない感じがある、
b.そんな中、クレンペラーのモーツァルトどうなんすか、シンフォニーに限っていうと、
a.クレンペラーの場合も決定盤は少なくて、煎じ詰めたら圧倒的名演は29・33・34の3曲のみ、それに近い名演は31と38、この5曲、
b.11曲のスタジオ録音でわずかに5曲か、しかも最重要な後期6大シンフォニーは38番「プラハ」だけという寂しさ、一般的にはクレンペラーの「ジュピター」が高評価みたいやけど、
a.YouTubeでかつて紹介されて今は聴けないんやけど、1968年にウィーンフィルを振ったライブ録音があって、スタジオ録音より何倍も素晴らしいとは思うけど、やはり何かもっとやれそうな気がしてならない、
b.じゃあ決定的名演とした29・33・34は、
a.他を寄せ付けない圧倒的名演に仕上がってる、この調子で他の曲も全部やりきって欲しかった、
b.具体的にどういう感じの名演なんすか、
a.俗にいうモーツァルトらしさ、つまり貴族が好みそうな軽快な気晴らし音楽って側面をすべてそぎ落として、ただひたすらに重厚な音楽が鳴り響くばかり、時にベートーベンかと思うほどのきびしくいかつい響き、
b.流麗(リュウレイ=なめらかで華やか)の真逆か、
a.ひとつひとつの音をハッキリ鳴らし切ることで、どんな細部も力強い表情をそなえていて、圧倒的な立体感・説得力で聴く者に迫ってくる、
b.これは70歳後半からのクレンペラーの名演すべてに当てはまることですよね、
a.この立体感を一度味わってしまうと、他の演奏が生ぬるくて聴く気がしなくなる、平板で表面的に聞こえてしまう、
b.「フィガロの結婚」序曲も圧倒的名演ですね、遅すぎるテンポで取っつき悪いけど、この立体感と腰の強さは1度その味わいが分かるともう他では満足できなくなる、
a.それから「ドンジョバンニ」序曲も、特に序曲だけ単独で録音した演奏は他を寄せつけない名演、出だしなんかまるでベートーベンのレオノーレ序曲みたいや、それに比べると「魔笛」序曲は割とありきたりな演奏に終わってる、
冒頭6分半。序曲単独のテイクは3割増しの素晴らしさ!
b.すると、フィルハーモニー時代よりもニューフィルハーモニーになってからの方が名演が多いような、
a.ニューフィルハーモニーはクレンペラーを尊敬する楽員たちで構成されてるから、意気込みがぜんぜん違うし、クレンペラーの意図が的確に伝わってる・・・ただ残念ながら死の三年前、1970年ごろからビックリするほど冴えない演奏が増えてくる、これもYouTubeで確認できるけど・・・
b.じゃあクレンペラーの旬(シュン=いちばん美味しい時期)は、1960年代ってことか、
a.フィルハーモニー時代の終わりからニューフィルハーモニー時代の始めにかけて、1970年以降は諦めた方が無難や、
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