日刊ゲンダイDIGITAL 過去ログから 2017年6月30日
64万円は嘘 国家公務員ボーナス「平均85万円」4年連続増
30日、全国の国家公務員に一斉にボーナスが支給される。(6月30日のことで既に支給済み)
内閣人事局によると、平均支給率は2.045カ月分。人事院発表の資料では、公務員給与(一般職)の平均は43.3歳で41万7394円だから、平均支給額は85万3570円で、4年連続の増加となる。
日本経団連の「2017年夏季賞与・一時金大手企業業種別妥結状況」(第1回、6月9日)だと、1社当たりの平均は76万7986円。公務員の給与は「民間準拠」が建前なのだが、あの手この手をつくしてお手盛りに余念がなく、結果として民間を上回っている。
そもそも、ボーナスの実支給額85万円という数字を国は公表していない。とはいえ、人事院の資料から簡単に推計できるのだが、内閣人事局は「平均64万円」という“ダミー”の数字を記者クラブに流し、大新聞やテレビはそのまま報じている。
しかし、この数字にはカラクリがある。「管理職を除く行政職、成績標準者」という注釈で、これがくせものだ。国家公務員の総数は58万人。このうち自衛官や専門職、幹部を除いた事務系(一般行政職)は14万人。内閣人事局の公表数字はさらに課長などの中間管理職も除いたヒラの平均額なのだ。しかも、公務員は民間と違い、年功序列で誰でも昇進できるので、職員の過半数が管理職である。
さらに、国家公務員の人事評価では、上位6割が「成績優秀者」、下位4割が「成績標準者」である。つまり、「成績標準者」の平均とは成績下位者の平均ということである。
ところで、30日は全国の都道府県庁、市町村の役所でも夏季特別給が支給される。日曜に都議選を控える東京都は、国より多く2.125カ月分、平均88万円が17万人の職員に支給される。
国より多い理由は、支給率だけでなく物価手当分もある。国家公務員は全国におり、在勤地の物価に応じて額が変わる。首都圏、それも霞が関で働く国家公務員に限ると、都職員よりも給与は高いのだ。
(ジャーナリスト・若林亜紀)
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