2015年シーズンにマクラーレンと手を組んでF1へ復帰したホンダですが、当初はマクラーレンが1社独占のワークス体制を望んでいたことや、ホンダのパワーユニットがパフォーマンスと信頼性で苦しんだことなどから、復帰から3年目を迎える今季まで、マクラーレン以外のチームへパワーユニットを供給することはありませんでした。
しかし、その後、FIAのパワーユニット供給に関するF1規則が変更されたことにより、パワーユニットを確保できないチームが現れた場合、FIAが提携チームが最も少ないマニュファクチャラーに対して供給を強制することが可能になりました。
これまでホンダはパワーユニットのパフォーマンスだけでなく、実走テストのデータ量の不足にも悩まされてていました。
ホンダとしてはパワーユニット供給先が増えることで、限られた時間でより多くの走行データを集めることが可能になり、より早いペースで開発を進めることもでき流ようになります。
また第2チームへの供給で期待されるのが、日本人ドライバーへのレギュラーシートで、パワーユニットだけでなく、今後の日本でのモータースポーツ発展を支えるためにも、ホンダは日本人F1ドライバー誕生への道筋を作っていこうとしているようです。
新たにホンダからパワーユニットを受け取るザウバーは、過去にはメルセデスやBMWなどさまざまなメーカーとタッグを組み、近年はフェラーリ製パワーユニットでシーズンを戦っていて、今季は1年落ちのフェラーリを搭載しています。また、キミ・ライコネンやフェリペ・マッサがF1デビューを飾り、また小林可夢偉が3シーズン在籍した伝統的なチームでもあります。
ザウバー側としても、現在のパワーユニットサプライヤーであるフェラーリは昨年から新興チームでフェラーリのセカンドチームと言われているハースF1との関係を強化しており、ザウバーはフェラーリ陣営の3番手というポジションになっています。ザウバーチームとしてはメーカー内3番手のポジションからの大きな飛躍は難しく、ホンダの第2チームとなることで、今後の可能性に懸けたことが考えられます。
2017年に厳しい戦いを強いられているホンダですが、来季のパワーユニットの供給先が増えることで走行時間とデータ量が多く得られることは間違いなく、その実戦データをもとに開発を促進させ、ライバルを追い抜く足がかりにしたいはずです。
来季の日本人F1ドライバーの可能性については、ホンダはすでに欧州の主要カテゴリーに3名のドライバーを参戦させており、その中ではF2(旧GP2)の松下信治、FIAヨーロピアンF3に参戦する牧野任祐のふたりが有力候補に挙げられており、レギュラードライバーとはならないかもしれませんが、予選前の練習や開発テストなどで日本人ドライバーを起用することが見込まれています。
有力視されている今季の成績次第では小林可夢偉以来の日本人F1ドライバーが誕生する可能性も高い。
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