神奈川代表 60
大阪代表 60
高頭「なかなか苦労しているな。思ったより大阪のディフェンスがよいな。」
牧「そうですね。意外としっかりディフェンスをしますね。」
高頭「少し、オフェンスが単調になってきているな。牧よ、体調が悪いのに無理させたな。
仲間にあとは任せろ。」
牧「!!」
赤木「体調が悪い!?」
高頭「俺が体調が悪いのに気付いていないとでも思ったか?ずっとお前のプレーを見てきているんだ。
いくらトリッキーだったとはいえ、土屋にあんなにやられるお前ではあるまい。
体のキレがいつもより悪すぎる。彦一、すまんが保健室に連れて行ってくれないか?」
彦一「え、ええっ。(チェックができへんけど、牧さんと話をするチャンスや。)」
牧「大丈夫だと思ったんですが、結果的に迷惑をかけてしまいましたね。すみません。」
高頭「少し戦略を変えよう。割と赤木、仙道、流川のインサイドで攻めてきているので外に広げさそう。
藤真よ。準備はいいか?」
藤真「もちろんです。」
高頭「神、行くぞ!仙道、少し休んでくれ。」
神「・・!!」
三井「監督、3Pで攻めていくということですか?もう第4Qで、リスクが高くないですか?
インサイドで確実に攻めた方が?」
高頭「三井よ。自信がないのか?神は大事なところでは決して外さないぞ。」
三井「・・・。この神奈川のスーパースター三井が外すわけないでしょう。俺が決めてやる。」
高頭「それなら自信を持っていけ。藤真よ。このメンバーのコントロールを頼んだぞ。」
藤真「そうですね。ここで負けたら牧に何を言われるかわかりませんからね。」
その頃、保健室では牧の体温が38度9分あることが分かった。
彦一「牧さん、ちょっと無茶でっせ。」
牧「・・・。大丈夫だと思ったが。すまないな。」
彦一「そこまでして試合に出なくてもよかったんでは?」
牧「神奈川の層は厚いんでな。弱気なところは見せられかったからな。
藤真に、宮城。優秀なポイントガードが多いからな。」
彦一「(いつになくしゃべりはるな。こっちに来てよかった。
やはり熱があるからかな?
しかし、牧さんほどの選手でも危機感もってはるんや。
藤真さんは当たり前として、宮城さんも買われているんやな。
要チェックや。)」
牧「彦一よ。ここはもういいから試合を見ておけ。
お前もマネージャーで終わるつもりはないんだろう?
いいプレーをたくさん見ておけ。」
彦一「(ジーン!牧さんがワイのことも選手として見てくれてはる。)わ、わかりました。
またあとで来ますんで。」
彦一が試合会場に戻ったころ、第4Qが半分ほど終わっていた。
神奈川代表 81
大阪代表 70
彦一「な、なんで一気に差がついてはるんですか?」
池上「彦一よ、三井と神と藤真を見てろ。」
土屋「アイツら、手に負えんな。」
南「負けるわけにはいかん。まだまだ走るんや。」
河田「神奈川は飛び道具があんなにあるのか?確かに三井の3Pにはうちもやられたが。
4Qは三井が3本、神が3本、藤真が1本と全部3Pでとってるぞ。百発百中だ。」
深津「誰も外しそうな感じがないピョン。マークも大変ピョン。」
堂本「さっきまでのインサイド主体のチームからアウトサイド主体のチームに変わるとは。
大阪は全くディフェンスがついていけてないな。知らない間に三井と神がフリーになっている。」
三井「やはり板倉のディフェンスはザルだな。」
藤真「油断するな。もっと突き放すぞ。」
藤真も久々の試合で燃えていた。まして、1年前のインターハイで負けた雪辱の相手がいる大阪代表
との試合で燃えないわけがない。
また、翔陽では監督を兼務していたが、このチームでは選手に専念できることも藤真のプレーを冴えわたらせていた。
花形「藤真の実力は、牧にも負けていないと思っている。この結果は当たり前だ。」
宮城「プレーヤーに専念すると藤真もこのレベルのプレーを安定してするのか・・・。
負けられないな。」
彦一「おおっ。また神さんや。」
三井「ちっ。アイツもフリーになるのがやはりうまいな。」
(パサッ!!)
戦慄の3Pだった。寸分の狂いもなく、ネットをくぐった。
神奈川代表 84
大阪代表 70
(続く)
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