この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
広告
posted by fanblog
2016年03月27日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part58 第1Q終了
神奈川 15
秋田 8
深津は、少し楽になっていた。攻撃ではあまり期待できなかった一ノ倉に代わり松本が入ったからだ。
堂本監督の狙い通り、落ち着いてパスを回し始めた。
再び、深津にボールが戻ってきた際、深津はつぶやいた。
深津「深澤さん、今日ばかりは好きにプレーをさせて頂きますよ。」
つぶやくや否や、牧顔負けのペネトレイトで突っ込んできた。
牧「面白い。」
そういって、牧は深津の前に立ちはだかった。
しかし、深津はすぐにバックステップをし、シュートを放った。
牧「なにっ!?」
(ガンッ!!)
無情にもそのシュートはリングにはじかれた。
深津「リバウンドーーーっ!」
深津は声を上げた。しかし、それは慌てるではなく、信頼だった。
オフェンスリバウンドだろうと、河田、野辺の二人が負けるはずがないと思っていたのだ。
その通り、野辺がリバウンドを奪い取った。
仙道も頑張ってみたが、リバウンドは魚住、福田が中心でさばいていたのでそれほど得意ではなかった。さらに、相手は全国屈指のリバウンダーである野辺。
簡単ではなかった。
野辺はリバウンドを取るとすぐに松本にボールを回した。
三井がすぐにマークについたが、その時には、すでにボールが河田に回っていた。
河田は力強く踏み込み、赤木を弾き飛ばした。
三井「ファールだ!」
しかし、ポジション取りがうまく、むしろはた目から見ると赤木がファールをしているように見えた。河田は、あっさりとシュートを決めた。
神奈川 15
秋田 10
弥生「なかなか、秋田も離されないわね。」
中村「しかし、深津君も強引でしたね。リバウンドを取ってくれたからよかったようなものの。」
弥生「入ればそれに越したことはないけど、おそらく取ってくれると信じていたのよ。」
弥生は言いながら考えていた。
弥生「(まるで山王と試合したときの湘北のようね。)」
牧も深津の神経が研ぎ澄まされてきているのを感じていた。
牧はそれでもあえて深津の方から攻めた。
作戦変更を言われていなかったこともあるが、自分が楽しんでいた。
体調を崩し、決勝まで体力を温存していたのだ。暴れ足りていなかったのだ。
牧「コイツ・・・。」
深津はさっきよりさらに牧に密着してディフェンスをしてきた。
三井「おいおい、あんなディフェンスをしていて、最後まで体力が持つのか?」
松本「深津が体力で負けるわけねぇ。」
そういう会話がされている一方で深津のディフェンスが荒々しくなってきた。
河田「アイツはああなると誰の声も聞かないからな。」
牧「うおっ!」
一瞬ボールのコントロールを失いかけたが、なんとかキープした。
藤真「ちっ。楽しそうにNO1争いをするなよ・・・・。」
花形「藤真・・・。」
牧の陰に隠れているが藤真も本来ならあそこでプレーできるくらいの実力を持っているはずだ。花形は心からそう感じていた。
牧は、それでも一瞬のバックステップでスペースを作り、深津を置き去りにした。
(ピピーーー)
深津はファールをして牧を止めた。
審判「ディフェンスチャージング」
先程までは、一瞬で置き去りにされたらそのままシュートまでいかれていたが、深津も牧のスピードに慣れてきていた。
そのため、抜かれた後も牧を追いかけられるようになったのだ。
タイミングが悪くファールを取られたが、深津からすれば、ファールではないと感じていた。
高頭「一筋縄ではいかんか・・・。」
高頭は、作戦変更を指示した。
元々、これは藤真の策であり、少し混乱させればいいなというくらいに考えていた作戦であり、それほどこだわりがなかったのだ。
智将高頭は次なる手を打った。高頭の扇子がパチッと音を立てた。
牧から赤木へ鋭いパスが通った。赤木は、いまするべきことをわかっていた。
スピンムーヴで河田を抜きにかかると、
河田「そのパターンは前も止めただろ・・・」
って言い終える前に外の流川へボールを出していた。
急な戦術変更に場慣れしていない中山が戸惑っていた。
流川はミドルレンジからシュートを決めた。
神奈川 17
秋田 10
このタイミングで第1Qは終わった。
(続く)
秋田 8
深津は、少し楽になっていた。攻撃ではあまり期待できなかった一ノ倉に代わり松本が入ったからだ。
堂本監督の狙い通り、落ち着いてパスを回し始めた。
再び、深津にボールが戻ってきた際、深津はつぶやいた。
深津「深澤さん、今日ばかりは好きにプレーをさせて頂きますよ。」
つぶやくや否や、牧顔負けのペネトレイトで突っ込んできた。
牧「面白い。」
そういって、牧は深津の前に立ちはだかった。
しかし、深津はすぐにバックステップをし、シュートを放った。
牧「なにっ!?」
(ガンッ!!)
無情にもそのシュートはリングにはじかれた。
深津「リバウンドーーーっ!」
深津は声を上げた。しかし、それは慌てるではなく、信頼だった。
オフェンスリバウンドだろうと、河田、野辺の二人が負けるはずがないと思っていたのだ。
その通り、野辺がリバウンドを奪い取った。
仙道も頑張ってみたが、リバウンドは魚住、福田が中心でさばいていたのでそれほど得意ではなかった。さらに、相手は全国屈指のリバウンダーである野辺。
簡単ではなかった。
野辺はリバウンドを取るとすぐに松本にボールを回した。
三井がすぐにマークについたが、その時には、すでにボールが河田に回っていた。
河田は力強く踏み込み、赤木を弾き飛ばした。
三井「ファールだ!」
しかし、ポジション取りがうまく、むしろはた目から見ると赤木がファールをしているように見えた。河田は、あっさりとシュートを決めた。
神奈川 15
秋田 10
弥生「なかなか、秋田も離されないわね。」
中村「しかし、深津君も強引でしたね。リバウンドを取ってくれたからよかったようなものの。」
弥生「入ればそれに越したことはないけど、おそらく取ってくれると信じていたのよ。」
弥生は言いながら考えていた。
弥生「(まるで山王と試合したときの湘北のようね。)」
牧も深津の神経が研ぎ澄まされてきているのを感じていた。
牧はそれでもあえて深津の方から攻めた。
作戦変更を言われていなかったこともあるが、自分が楽しんでいた。
体調を崩し、決勝まで体力を温存していたのだ。暴れ足りていなかったのだ。
牧「コイツ・・・。」
深津はさっきよりさらに牧に密着してディフェンスをしてきた。
三井「おいおい、あんなディフェンスをしていて、最後まで体力が持つのか?」
松本「深津が体力で負けるわけねぇ。」
そういう会話がされている一方で深津のディフェンスが荒々しくなってきた。
河田「アイツはああなると誰の声も聞かないからな。」
牧「うおっ!」
一瞬ボールのコントロールを失いかけたが、なんとかキープした。
藤真「ちっ。楽しそうにNO1争いをするなよ・・・・。」
花形「藤真・・・。」
牧の陰に隠れているが藤真も本来ならあそこでプレーできるくらいの実力を持っているはずだ。花形は心からそう感じていた。
牧は、それでも一瞬のバックステップでスペースを作り、深津を置き去りにした。
(ピピーーー)
深津はファールをして牧を止めた。
審判「ディフェンスチャージング」
先程までは、一瞬で置き去りにされたらそのままシュートまでいかれていたが、深津も牧のスピードに慣れてきていた。
そのため、抜かれた後も牧を追いかけられるようになったのだ。
タイミングが悪くファールを取られたが、深津からすれば、ファールではないと感じていた。
高頭「一筋縄ではいかんか・・・。」
高頭は、作戦変更を指示した。
元々、これは藤真の策であり、少し混乱させればいいなというくらいに考えていた作戦であり、それほどこだわりがなかったのだ。
智将高頭は次なる手を打った。高頭の扇子がパチッと音を立てた。
牧から赤木へ鋭いパスが通った。赤木は、いまするべきことをわかっていた。
スピンムーヴで河田を抜きにかかると、
河田「そのパターンは前も止めただろ・・・」
って言い終える前に外の流川へボールを出していた。
急な戦術変更に場慣れしていない中山が戸惑っていた。
流川はミドルレンジからシュートを決めた。
神奈川 17
秋田 10
このタイミングで第1Qは終わった。
(続く)
2016年03月21日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part57 河田と深津
神奈川 13
秋田 6
試合が再開された。
三井「おっ、一ノ倉は変わったのか。そうなると守備にも力を入れないとな。」
そう、三井は、一ノ倉は守備だけを気をつければいいと感じるほどに、余裕でプレーをしていたのだ。
2年半、山王の厳しい環境で最善の努力をしてきた一ノ倉に対して、1年以上のブランクがあり、復帰間もなく迎えたIHの三井。三井は体力も試合勘も十二分に戻ってきて、本来の実力が一段と伸びていた。一ノ倉がいくら練習を重ねていても夏のIHからの伸びしろで考えると、差は開いていた。
しかし三井は、松本のセンスを買っていた。攻撃のセンスと絶妙のタイミングでのシュートを放つのは独特のセンスが感じていた。
そのため、一ノ倉より警戒をしていた。
その松本にボールが回ってきた。
三井「早速かっ!?」
と三井が思った瞬間、松本は、ミドルレンジからシュートを放った。
三井「なにっ!?もう打つのか?」
誰もが虚を突かれた。流れが神奈川へ向かいそうな展開だったので、じっくり攻めると考えていたが、あっさりとシュートを選択したので三井も対応しきれなかった。
(スパッ!!)
神奈川 13
秋田 8
観客「おおーーっ!いきなりシュートを決めたぞ。」
松本「これからは、好き勝手させん。」
クールな松本だったが、夏のIHで苦渋を飲んだ湘北メンバーが相手にいるとなると感情をむき出しにしていた。
弥生「さて、どうするのかしら?」
弥生は、秋田がタイムアウトの後どういう守備を引くのかが興味があった。
深津は、ブツブツと何やらつぶやいていた。
河田「・・・深津!?」
河田は、どこかでこの深津の姿を見たような気がして、思い出そうとしていた。
深津はさらにつぶやきながら牧のマークについていた。
神奈川は、相変わらずアイソレーションの体形で攻めている。
牧「さて・・と。」
宮城「真っ向勝負だ。」
宮城は牧のタイミングをかなりつかんでいた。夏の予選や合宿で嫌というほど牧のすごさを目の当たりにしていたからだ。
牧の強引なペネトレイトで切れ込み、深津を抜き去った。しかし、さっきまでと違うのは、深津がさらに牧を追いかけてきて、牧のドリブルを狙っていたことだ。
牧「何っ!」
しかし、辛うじて牧はボールをキープし、絶妙なボディバランスで深津を抜き去った。
深津「ちっ。まだ距離を詰めないといけないか。」
神奈川 15
秋田 8
河田「思い出した。1年のころだ。」
そう河田は思い出した。「ピョン」を付けずに話す深津の言葉を聞いて。
(山王工業1年のころ)
河田と深津は、歴史ある山王工業でも数少ない1年生の秋からレギュラーチームに入っていた。
河田はその時はスモールフォーワード、深津は変わらずポイントガードで抜擢されたのだ。
しかし、二人の扱いは対照的だった。
深津は1年生ながら自己中心的なプレーを数多くしていた。それは、中学時代が弱小チームに属しており、自分が活躍しないとチームが勝てなかったからだ。
そう、元々深津のプレースタイルは牧に近かったのだ。
そんな深津とチーム内の紅白戦で対峙したのが、現ヤマト工業所属の深澤信二だった。
当時の3年生のポイントガードだった。深津は彼のバックアッパーだったのだ。
しかし、深津は彼に負けまいと練習試合でもかみつくような勢いでプレーをしていたのだ。
河田は今のプレーを見て、その当時の深津を思い出していたのだ。
その後、深津は深澤のプレーを見て、周りの選手を活かせば楽に勝てるということを理解し、深澤のプレーを目で追うようになり、そっちのプレースタイルに変化していったのだ。
河田、沢北など豪華な攻撃陣がいたため、自分では攻めなくても問題なかったからだ。
しかし、今、闘争本能が戻ってきて、「ピョン」という言葉を無意識に使わないほど集中をしてきたのだ。
(続く)
2016年03月13日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part56 神奈川の流れ
神奈川 10
秋田 6
弥生「意外ね。どちらも屈指のポイントガードだけど、こんなところで違いがあるとはね。」
中村「違い!?」
弥生「いつも豪華なメンバーで、しかも困ったときには沢北、河田という日本一のメンバーを駆使して仲間を活かすプレーをしていた深津君に対して、自分が中心で攻めを組み立てを考え、補助的に周りを活かしてきた牧君。
プレースタイルの違いは明らかよ。その牧君の個人技を活かすために、神奈川はあえて、アイソレーションをしてより自由度を上げたのよ。」
中村「な、なるほど。先輩も意外と考えているんですね。」
間髪入れずに弥生のノートが中村の脳天を直撃した。
中村「い、いてぇ!」
弥生「しかし、いつまでもこのスタイルが続くかしら?深津君も面を食らっているだけで対応してくると思うし。まして、ゾーンで守られたらこの戦略は使えないわ。」
中村「そうでしょうか?王者のプライドがゾーンディフェンスをすることを認めますかね?深津君のプライドもあるでしょうし。」
中村の推測も半ば当たっていた。
堂本監督は悩んでいた。深津が牧に負けているとは思っていない。単純にプレースタイルが異なるだけなのは十分理解していた。
ただ、ここでゾーンディフェンスに切り替えると、見た目には、深津が牧に負けたと認めるようなもので、それは深津を傷つけることになってしまうと考えていた。
それこそが、藤真の狙いだったのだ。
そうやって、堂本が少し悩んでいる間に仙道がパスカットをし、再び神奈川ボールになった。
再びアイソレーションの体形で先程とは逆サイドに牧が展開しようとした。
一ノ倉「ちっ、今度は逆か?」
一ノ倉がそうつぶやき、牧に注意をそらした瞬間、三井が一瞬でスリーポイントラインを超えてフリーになった。
その一瞬を逃さず、牧から鋭いパスが三井に渡った。
三井「別に牧だけが攻めるとは言っていないぜ。」
(パスッ)
観客「来たーーーー。三井のスリーだーーーー。」
神奈川 13
秋田 6
清田「相変わらず汚ねぇ。」
神「しかし、こういう時に三井は外さない。流れをつかむタイミングをよく知っているんだ。」
ここで一度秋田がタイムアウトを取った。
秋田選抜も流れの悪さを実感していた。
河田「少し流れが悪いな。」
しかし、堂本はこのままでいくことを決断した。深津のセンスにかけたのだ。
堂本「一ノ倉、交代だ。今のままでは、攻守に深津への負担が大きい。
攻めの負担を下げてやりたい。松本、行けるな?」
松本「もちろんです。」
堂本「深津。お前が牧に負けるとはこれっぽっちも思っていないぞ。これから大学バスケでもお前とはいいライバルになるだろう。しっかりやって来い。」
深津は、堂本の言葉を半分聞いていなかった。
何やら考えているようだった。
一方神奈川ベンチでは、三井が大騒ぎしていた。
三井「はっはっは。急にスリーが来て面食らってやがる。馬鹿正直に攻める馬鹿がどこにいるってんだ。」
牧「いいタイミングでの飛び出しだったな。」
牧も三井のタイミングが絶妙だったため、何も考えずにパスができた。
神へ出すタイミングと似ていたのだ。
高頭もそれを感じていた。
高頭「(三井の奴。あのタイミングで飛び出すとは。さすがにセンスの塊のような奴だな。)」
高頭は、三井のセンスを再認識している一方で、藤真の作戦が予想通りに運んでいることにも驚きを隠せなかった。こんなにはまるとは思わなかったのだ。
アイソレーションをするのなら、仙道、流川の当たりで攻めるのが定石だが、まさかの牧で攻めるという発想はなかったからだ。
高頭「(翔陽が監督を採用しないせいで幅広い視野を身に着けているな。選手もしながら監督の能力も身につけてきている。コイツも化け物の一人だな。)」
そんな各ベンチの思惑の中、プレーが再開された。
(続く)