ドラマの収録後の食事中に腹痛を訴え、現場にいた共演者とタクシーで病院に向かったということでした。
後日、腹痛を訴えて急性心不全に陥ったということで、この腹痛は放散痛ではないかと報じられていました。
心不全の場合、胸痛、腹痛、歯痛、頭痛、肩こりなどが放散痛として現れることがあります。
特に、左側の肩こり、歯痛、頭痛が突然発生する場合は、心不全の可能性があるかもしれません。
今回は、この放散痛と関連痛について、少し深堀してみたいと思います。
放散痛と関連痛の違い
放散痛と似たような症状として、関連痛というものがあります。
痛みの原因となる場所とは違うところで痛みが発生するという点では似ていますが、 関連痛の場合は、脳が痛みを誤認することで発生する と言われています。
関連痛の代表的なものには、アイスクリーム頭痛があります。
アイスクリーム頭痛は、ノドや食道の急激な冷えが身体全体が急激に冷えたと脳が勘違いして全身を温めようとして血管を拡張されることで起こると言われています。
一方、放散痛は、原因となる場所から、末梢神経を経由して、全く違う場所で痛みが発生すると考えられています。
広い意味では、放散痛も関連痛の一種のようですが、放散痛の場合は脳が誤認してしまうという現象ではないと考えられているようです。
心不全の時の放散痛
一般的に、心不全の前兆としては、息切れ、胸痛、むくみ、倦怠感、動悸などが知られています。
しかし、必ずしも前兆があるわけではありません。
大杉漣さんの場合のように、前兆が無く突然放散痛のような痛みが発生することもあります。
もしかすると、誰にも言っていない息切れや胸痛、動悸などがあったかもしれませんが・・・。
心不全の放散痛の場合は、首、左肩(または両肩)、下あご、歯痛、左即頭部(または両側)、みぞおち、腹部、肋軟骨部分などに痛みが広がっていく場合があります。
いずれにしても、 いつもと違う痛みがある場合は、速やかに精密検査をした方がよい かもしれません。
頭痛として現れる放散痛
では、逆に頭痛として現れる放散痛には、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは代表的なものをいくつか挙げてみました。
【歯痛・歯周病】
日本頭痛学会でも発表されていますが、口腔顔面痛という概念が広まっており、下あごの歯周病、歯痛、顎関節症などによる頭痛は、よく知られています。
【副鼻腔炎】
一般的には蓄膿症と言われていますが、副鼻腔炎の放散痛は歯痛が多いそうですが、頭痛が発生することもあるようです。特に頭頂部に痛みが現れる場合があります。
【緑内障・眼精疲労】
目の疲れからくる眼精疲労は、緊張型頭痛の原因のひとつにも数えられています。
緑内障も目の周辺や目の奥に痛みを伴い、頭痛へとつながっているようです。
【くも膜下出血】
後頭部に突然バットで殴られたような頭痛が発生すると言われています。
雷鳴頭痛の最も顕著な例で、他にも脳出血、脳梗塞などでも発生する場合があります。
まとめ
放散痛とは、原因となる部位とは異なる部位で痛みが発生する症状で、末梢神経を経由して全く別の箇所で痛みが発生するため本来の原因箇所に気づきにくいことが多いようです。
いつもと違う感じの痛み、突然の激しい痛みなどが起きた場合は、すぐに検査を受けた方がよいかもしれません。
例えば、左肩や首の痛みの場合、通常の肩こりや筋肉痛などは、動かすと痛い、稼動域が小さくなる(腕が上がらない等)の症状がありますが、放散痛の肩こりや首の痛みの場合は、腕や首を動かしても痛みが変わらない(腕を上げることができる等)場合があるようです。
いつもの自分の痛みは、こんな感じというのを把握できると、いつもと違う痛みだと気づきやすくなるのかもしれませんね。
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