【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

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2004.09.28

血液型と性格

(55)

テーマ：深夜の不眠症カフェで読書 Insomnia Cafe(92)

カテゴリ： 🔴 Ｊ【日本】【考古・人類学】

この頃は、テレビなどでは血液型と性格の相関性が、もう常識のように語られていますが、私はこれはおかしいと思っています。

血液というものの、そもそもの機能は、栄養を人間の身体各部に運搬する宅配便のトラックのようなもので、血管はそのトラックが通る道路のようなものです。
そのトラックである血液のわずかなちがいで、宅配便で配達された郵便物がその性質をカエルでしょうか？
たかが血液が、人間の性格形成という機能に関係するものではないと思うのです。

日本以外の国で、相関性が常識としてあつかわれている国は無いと思います。
なぜ日本人は、科学的に証明されても居ないことを、疑うこともなく信じるのでしょうか？

特に、占いと同じ程度の軽い扱いなら、まだ許せるのですが、現在はもう完全に『決めつけ』段階ですから、腹が立つのです。
日常の会話でも、常識としてことあるごとに語られますね。

あるサイトで、優勝した中日の落合監督の血液型がAB型だからどうだこうだ・・・というコメントがあったので思い出したことなのですが。

ここで大切なことは、科学的に証明されていない血液型と性格の相関で、当然のように人間を判断するのは偏見だと思いますけれど間違っているでしょうか？

私は、私の血液型を相手に教えたり、アンケートに記入することはしません。
私の性格・思考方法を、私の信用していない理論で予測されるなど、まっぴらですから。

それにもし、それでも相関性があるというのなら・・・。

いっそうのこと、下記を法律で義務化・強制すればいいのではないでしょうか？

★　戸籍・住民票・運転免許証・名刺・クレジットカードなどに、血液型の記載
★　名前も、例えば、小泉・AB・純一郎と言う風に、血液型をミドル・ネームにする

これなら、政府にとって、国民を四種類のステレオタイプに分ければいいだけの話ですから、国民の見分け方、コントロールが容易になるでしょう。

われわれ個人も、昨日書いた、どこでもコンピューターのユビキタスを使えば、初対面でも、話をしないでも相手の性格と、思考・行動の予測がつくという夢のような（？）世界が実現できます。

銀行の窓口も、血液型で窓口を分けます。
これで、お客の対応も楽。
相手の性格がわかっているのですから。
ローン貸し付け窓口も、血液型によって利率を変えます。

大学入試も血液型別に入学者枠を決める。
Ｂ型などの劣等者は入学させないようにする。
幼稚園・保育所も。

会社の入社試験も同じ。
（これはもう一部で実行されています）

老人ホームも、うるさい血液型の人間は入園させない。

病院も、血液型別に病棟を管理する。
ある血液型の患者達には、本気で治療・手術はしない。

警察も管轄の人間の血液型を把握しておけば、個別調査と併せて、犯罪の予防が出来ます。

自衛隊も、陸上型・海上型・航空型と分ける。

こういう事を書く私の血液型は？
墓穴を掘りそうです。

あなたは○×型だから、こういう性格だと決めつけられて、腹が立たないものでしょうか？
おかしいと思わないものでしょうか？
私はそんな性格ではないよ！と、思わないものでしょうか？

私は、そもそも四つの性格分類になんの意味もないと思っています。
だれがこんな類型的性格を作り上げたのでしょうか？
心理学などで裏打ちされているのでしょうか？

私は、私自身にはいろんな複雑な性格の部分があることを知っていて、あの『科学的根拠無く作り上げられた四つの類型的性格』に分類などされたくないのです。

人格理論の中で、まずだれもが思い出すのは、精神病者を観察して『気質と体格』を書き、気質の類型理論を作り上げた、ドイツのクレッチマー。

☆　分裂気質（やせ形）
1) 非社交的、静か、控えめ、まじめ（ユーモアを解さない）、変人
2) 臆病、恥ずかしがり、敏感、神経質、興奮しやすい、自然や読者に親しむ
3) 従順、気立てがよい、正直、落ち着き、鈍感
☆　循環気質（デブ）
1) 社交的、善良、親切、温厚
2) 明朗、ユーモアがある、活発、激しやすい
3) 寡黙、平静、陰鬱、気が弱い
☆　粘着気質（筋骨隆々型）
1) 粘り強い、頑固、融通が利かない、テンポが遅い
2) 気分は安定している、時々爆発する

人格論の中で最初に唱えられた、この類型論というものは、理論や基準に基づいて、『多様な人格』の中から、『似たような類型』を見出して、その典型を作るものですが、『多様な人格』を『特定の一部分だけ』　で、単純に過剰にカテゴリー分けし、類型化しています。

類型論より新しい『特性論』というものがあるそうだ。
これは『人格の構成要素』を積み上げる人格論。
これはまた、下記の二つに分かれる。
１）だれもが持っている特性を論じる共通特性論
２）個人ごとに異なる特性を論じる個別特性論にわかれるという。
特性論の中でも盛んなビッグファイブと言う特性論は、１）神経症的傾向、２）外向性、３）経験への解放性、４）協調性、５）誠実性の5つの特性をあげる。

この他に、そもそも、そんな特性というものが、存在するのか？　人は状況によって規定されるという『状況論』があるという。

私は、この『状況論』にもっとも共感する。
血液型というものは、まだ血液が性格（＝脳）に影響を及ぼすことが科学的に実証されていない上に、どうしてこういう類型が作り上げられたのか？　理論的な過程が不明な、典型的な類型理論（？？？）だと思う。