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2006.04.29

「欧州は罪の文化」、「日本は恥の文化」　「格差と共産主義」

(3)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(435)

カテゴリ： 🔴 C 【文化・歴史・宗教】

■■■■　コメント　１　■■■■

○ 「欧州は罪の文化」、「日本は恥の文化」というのは、ルース・ベネディクトの比較文化人類学上のひとつの仮説であって、それを絶対的な真理・前提とすると、現実的で無いと思う。
学者というのは、自分の学説のために、現実を誇張し、極化する傾向がある。

私の欧州人と住んだ実感から言えば、その人の信仰心の程度も関係するが、欧州人から実際に罪の文化をそれほど強く感じたことは無いし、恥の文化を感じたことも数多くある。
日本だって、例えば、閻魔さんが罪をとがめる象徴ではありませんか？

■■■■　コメント　２　■■■■

○ 格差はあまり大きくない方がいいし、セイフティーネットは必須である。

しかし、「格差の無い社会」がいいかというと、それは自己責任と選択の問題だと思う
「他人との間に競争により格差をつけたい！」のが人間性でもあり、人生の目標でもあるという点を見逃してはいけない。
それも一因で共産主義世界は破綻したはずでは？

■■■■　msk222さんのレス　■■■■

＞それも一因で共産主義世界は破綻したはずでは？
共産主義（的国家）の破綻はその思想というより、思想を悪用した強権によって好き放題にしたため、自己破壊したのだと思います。
ただ、人間を画一的に管理するという実験は、モノの見事に失敗したことはたしかです。

■■■■　私のレス　■■■■

共産主義という思想そのものは素晴らしいが、それは理論としての素晴らしさであって、人間社会の中でそれが実践されると、無理がありますね。
人間の「人間性または欲望」とそぐわない。
また、共産主義は、強権で管理しないと実現できない思想でもある。
したがって、共産主義国家の強権が腐敗することは必定ですね。

■■■■　私の考え　■■■■

「欧州は罪の文化」、「日本は恥の文化」というのは、ルース・ベネディクトの著書「菊と刀」の中で論じられたことで、第二次世界大戦で日本軍と戦った米国側の理解に役立ったと言われる。

しかし、「欧州は罪の文化」をあまりそのままに受け取ると人間性というものを誤解することになると思う。
逆に言えば、欧米人は、恥の感覚が無いのか？少ないのか？というと、そういうことはまず、あり得ないだろう。
欧米人だって「恥ずかしい」とよく言う。

上に述べたように、学者は、自分の学説のために、現実を誇張し、極化する傾向がある。

こう考えてはどうだろう？

「欧州人はキリスト教への信仰心が強いために、行動の指針として戒律・教義・罪悪感を意識する度合いが、日本人より強い」

「日本人は、信仰心が比較的に強くない民族であり、また日本仏教や神道が、あまり戒律・教義において厳しくない事により、行動のしばりを自分と社会・他人という、つまり相対的な関係に於いての、恥の感覚に求めがちである」

　　　　　　　～～～～～～～～

日本人にだって、罪の、罪悪感の文化はある。
しかし、それはどの程度、宗教的なものであろうかというと、あまりハッキリした事を言えない。

■■■■　追記　■■■■

ここまで書いてきて、どうもしっくり来ない。
自分で納得できない。
もっと他に言いたいことがあったはずだ、もっとうまく言えるはずだと感じる。

日本人についてはこれでほぼいいのだが、欧州人。
というかキリスト教徒のものの考え方について、考えてみたい。
ただし、欧州人だって、ほとんどが洗礼を受けているが、実質的には無宗教的な意識の人間が大勢いる。
英国人は、かなり無宗教的だし、旧共産圏のロシア・東欧などは、共産主義が宗教を否定していたのだから、宗教教育は受けていない。
ポーランドは、それでも例外的にカトリックが強く浸透している国だが、これにはちょっと特殊な背景があって、歴史的に、ドイツ・ロシアという大国に蹂躙（じゅうりん）され、その反抗の精神的礎（いしずえ）、愛国心の源をカトリック・教会に求めたと思う。

やはりカトリックだが、ラテンの人びととは、駐在経験がないので、それほど深いつきあいをしていない。