【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

2009.02.17
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楽天日記リンク先の科学ライター、『タラナイ』さんのメルマガを購読させてもらっているが、面白い。

タラナイさんのこの科学エッセイは、タラナイさんがご自分で英語の文献に当たって、ご自分で翻訳されているものだから、ありきたりの材料を何度も使いまわす他のエッセイとはちがって、目新しい最新の情報が詰まっている。
しかも、オッと思うような視点で選んでいるので、他のソースからの情報とダブらない。
そのメルマガ、『メルマガ奇天烈科学・飛んでる博士列伝』の第23号 (2004/10/06発行) に、『愛は盲目?』という記事がある。
タラナイさんのご許可をもらってあるので、引用してみよう。

      ★ ★ ★ ★ ★ ★

『愛は盲目?』
■ 愛は麻薬と同じ
 愛は盲目、というのは、恋に落ちた者が、ほかのものが目に入らなくなる様を、
比喩的に表現した言葉だ。
しかし、この言葉が単なる比喩ではなく、本当であることを発見した博士らがいる。
英国ロンドン大学のアンドレアス・バーテルズ(Andreas Bartels)博士と、セミア・ゼキ(Semir Zeki)博士がその人たちである。

博士らは、22人の母親が、自分の子どもの写真を見たとき、脳のどこが活性化するか調べることにした。
また、ほかのボランティアを使って、恋人、親友を見たときに、どのような反応が起こるかも調べた。
実験は、fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を使って、脳の活性部分を観察することによって行なわれた。

その結果、子どもの写真を見た場合と、恋人を見た場合に活性化する脳の領域は、かなり重なることがわかった。
しかも、そこは、ごちそうにありついたときや、金銭的報酬が与えられたときや、麻薬をやったときに活性化する場所と同じだった。
なんと、愛は、麻薬と同じなのである。

■ 恋すると相手の欠点が見えなくなる
 しかし、博士らによれば、もっとおもしろいのは、愛によって、脳が活性化する場所のことではなく、非活性化する場所が存在することであるという。
博士らの実験では、恋心や母性愛が働いているときには、社会的な判断に関連する前部前頭葉部と、ネガティブな感情や、攻撃的感情、恐怖などに関連している脳の領域とをつなぐ部分が、非活性化しているという。

つまり、恋しているときは、相手に対する社会的評価という点では、ネガティブな感情や、攻撃的な感情が働かないようになっているのである。
そのため、恋に落ちているときには、相手に対する否定的な評価はなされない。
つまり相手の欠点を客観的に見られなくなる傾向にある。
客観的評価をする脳の部分と、ネガティブな感情を担う回路とのリンクが切られているからだ。
相手の欠点は目に入らなくなるのである。
つまり、ほんとうに、愛は盲目であることが、生物学的にも証明されたのだ。
私たちが、なぜ、愛している人間の欠点に気づくまで時間がかかるのか、なぜ、相手への情熱がさめてくると、急に相手の欠点が目につきだすのか、科学的にも立証さ
れたということだ。

ただ、博士らによれば、子どもへの愛と、恋人への愛では、脳が活性化する場所が少しだけ違うという。
恋人を愛しているときは、視床下部に近い脳の一部が活性化し、テストテスロンのような性的なホルモンが調整される。
子どもへの愛の場合は、この部分は働かないそうだ。当たり前のようだが。

と、まあ、愛に関する科学が明らかになってきているのですが、恋する切なさにつける特効薬にはなりそうもありませんね。

(出典・the age)

      ★ ★ ★ ★ ★ ★



う~~ん、なるほど!!
『恋は盲目』とか、『親ばか』とか、昔から言い古されたこれらの言葉には、チャンとした脳科学的な根拠があったのだ。
愛情があると、否定的な感情、攻撃的な感情が制御され、冷静な客観的な見方が出来にくい。
しかし、愛情が冷めると・・・。

恋人や夫婦なんてしょせん、人生でニアミスしてしまっただけの赤の他人である。
・・・というと実もフタもないが、一方で「割れ鍋に綴じ蓋」という言い方もある。
古来、格言というか箴言(しんげん)とかいうものは、矛盾したことを言っている。
例えばであるが、「君子、危うきにちかよらず」で、安全保障的な見識を見せながら、「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」と、「No risk, NO return ノーリスク・ノー・リターン」論の果敢な積極経営をすすめたりする。
それはともかく・・・。

そこへ行くと親子はいつまでも親子。
生物学的に親子なのだから、DNAを共有するのだから、やはり通じ合うものがあるのが当然。
いざとなると頼りになるのは肉親。
これは、私自身がつくづく感じる所である。

赤の他人である夫婦の情愛というものは、男女の恋愛感情が段階的にさめてゆくと、あとは当人同士の努力によって、【家族構成員同士】として暮らして行くことになる。
または、良き友人として、人生のパートナーとして、ルームメイトとして暮らして行くことになる。
ただし、夫の方は老いては、「濡れ枯葉」だとしてうるさがられたり、「粗大ゴミ」とさげすまれ、退職金が出たとたんに離婚されるという悲劇的なエンディングが用意されているケースもある。

ある説によると、男女の恋愛感情の持続期間は、【二年】が限度らしい。
私のような純粋な魂を持った男の経験からしてもさえ、ある意味でうなずける学説だ。
特に男の場合、相手を性的に征服した瞬間に、恋愛感情の【賞味期限】が切れるという、【揮発性の強い】恋愛感情もあるから、女性の側も油断できない。
そのくせ、男性は女性とちがって、一度好きだった女性の事はいつまでも覚えていて、ときどき牛のように反芻する性癖があるのだから始末が悪い。

とにかく、片方に恋愛感情が無くなると、そのとたんに、相手に対して否定的な感情・攻撃的な感情を感じることが、「普通に」出来るようになるし、冷静な、客観的な見方も復活する。
相手にとっては、キビシ~イ状況になる。

だから~、冷静な? 私が、常々言っているように?、恋愛とは『熱病』のようなものなのだ。
そう言えば、ジャズ歌手のペギー・リーの持ち歌で【FEVER】という歌があった。
恋を39度の高熱に例えているのだが、・・・つまり、そういうことなのだ。

いったん恋愛感情がわき起こると、相手への熱い想いがつのるばかりで、端から見れば『バカ』みたいなもの、熱病の患者みたいなもの。
いわば、一杯に踏み込んだアクセルが戻らない、ロックされてしまったままのようなもので、ブレーキも効かない『暴走状態』と言ってもいい。

他人から自分の恋人のことを悪く言われるといい気がしない。
欠点を指摘されてもムキになって反論する。
出来るだけ長所を見つけて、短所には目をつむろうとする。
それどころか、人に恋人の悪口を言われると、かえって恋人がいじらしく感じたりする。

しかし一体どうして、このようなフル・アクセル、ノー・ブレーキ状態になってしまうのだろう。
生物学的には意味があるはずだと思う。
それは、やはり種族保存の本能ではないだろうか?
親子の場合を考えてみると、子どもを保護し、育てるのは、他の誰でもなく、両親だ。
特に、直接的には母親。
「育児」と言えば、普通は母親に決まっている。
「協力すれど介入せず」ということで、男性は控え目になる。
その母親が献身的な愛情をこどもに感じて献身的な育児をするために、集中するために、「愛は盲目モード」に入った方がいいのだ。
それでこそ人類は繁栄して行けると言うことになる。

~~~~~~~~~

恋愛の場合は、どうだろう?
欠点に目が行って、相手の本性が見えてしまっては、種族保存の行為が出来なくなる。

男性なら、緊急の場合には、相手の容貌も、性的魅力も問題で無いときがある。
とにかくお相手をしていただきたい場合がある。
それほどに、火急の時と言うものが若いころにはある。
それに、その一心で、その時に口走った一言が、後に重大な問題を引き起こす事もあるのだが、「男はそれを我慢できない」のである。
だから、普段から恋愛感情に関係なく24時間「盲目モード」にいるのが若い男性だとも言える。しかし、女性の場合はちがう。
「ちがう」と言い切る私も強引だが、どうもちがうらしいのだ。
(弱気になる)

第一に女性の場合は、男性とちがって、自分自身が妊娠し、みごもる身だから、相手を選ぶ。
(中には博愛精神の横溢した女性もいるが)
選びすぎてはいけないから、恋愛感情がわき上がってきたら、相手の欠点には目をつむる、恋愛トンネル一直線モードにすばやく入るのではないだろうか?

聞く所によると、女性はどの男性が自分に対してどの程度の恋愛感情を持っているか?という、強力・精密なガイガーカウンターのようなセンサーを持っていて、接近してくる男性側の意図を見透かしているそうだ。
私は最近、娘にはじめてこのことを教えられて、大変驚いた。
「お父さんは特にその感度が鈍い」。
そうまで言うのだ(涙)。
そう言えば、私は昔、せっかくの大魚を逃した残念なケースを経験している。
後で、「そうだったのなら、どうしてそう言ってくれなかったのだ!」と、悔し涙にくれたことがある。
恋愛感知センサーの無い男の悲劇である。

そういう感知能力を持った女性が適当な男性を見付けたら、あとは「恋は盲目モード」で相手の欠点には目をつむり、周囲の雑音には耳を貸さず、恋愛・結婚・出産とまっしぐらに突き進むことになる。
そのうちに、そんな人生の節目を終えて、結婚生活も落ち着き、「恋は盲目モード」モードも解除となると、急に夫が平凡な小さな人間に見えてくる。
そう言えば、給料の額も低いし、そこらへんのダメオヤジと何ら変わる所のない男だと言うことに気がつく。
「なぜ私は、あの時あんなに、このフツーのオヤジに夢中だったのかしら?」

唐突だが、私の考えでは、女性に対する男性のスタンスは、4タイプがあると思う。
★ トリスタン型
★ カサノバ型
★ ドンファン型
★ 寅次郎型

トリスタンが出て来たのは、つい先日の日記で「トリスタンとイゾルデ」について書こうとした、そのリード部分であるのと、トリスタンが「愛は盲目」タイプの代表選手だからなのだ。
トリスタンについてちょっと書いてみよう。






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最終更新日  2009.02.17 21:35:11
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