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大量に毛髪増やす技術を開発 髪のもとを培養、実用化へ
2018/06/04 22:41
ヒトの頭皮から採取した細胞を培養してつくった毛包組織(球状部分)。上に伸びているのはナイロン糸で、移植後に毛穴が閉じるのを防ぎ、髪が生える方向に誘導する(理化学研究所提供)© 朝日新聞 ヒトの頭皮から採取した細胞を培養してつくった毛包組織(球状部分)。上に伸びているのはナイロン糸で、移植後に毛穴が閉じるのを防ぎ、髪が生える方向に誘導する(理化学研究所提供)
理化学研究所と医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズ(本社・東京)は4日、男性の頭皮から採った髪の毛のもとになる細胞を培養し、大量に毛髪を増やす技術を開発したと発表した。髪の毛のない部分に移植すると再び毛が生えるという。来年にも男性型の脱毛症の人への臨床研究を始め、早ければ2020年に実用化を目指す。
今回は種類の違う三つの幹細胞を品質を保ちつつ効率良く作る機器を開発し、細胞を大量に増幅させることに成功した。この技術を使うと、移植後に毛髪が「再生」し、生え替わりのサイクルが持続するという。
7月から毛のないマウスの背中に移植して、アレルギー反応が起きないかや腫瘍(しゅよう)ができないかなど安全性を確認する。来年にも国内には約1800万人いるとされる男性型の脱毛症を対象に臨床研究を始める。
辻さんは「今回の成果で研究面の段階を越えた。毛髪の再生医療は社会的関心が高い分野だ。日本発の産業化を目指したい」と話した。
(戸田政考)
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