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読レポ第831号
ぶり返す「怒り」「さびしさ」
「悲しみ」は捨てられる!
著:心理学博士 古宮 昇
発行:㈱すばる舎
第3部つらい感情を洗い流す!
「5つのセラピー+α」
♡4、喪失の悲しみを手放す
(①喪失の悲しみから立ち直る「五つの段階」)(2/5)
[第二段階 怒り]
ショックの段階のつぎには、怒りが込み上げてくることがあります。それは、大切な人を失った理不尽に対する怒りです。
その怒りはしばしば、他人にむけられます。医者にむけられたり、交通事故の加害者にむけられたり、恋人を取られたときは取った相手に向けられたりします。神に怒りが向けられることもあります。
わたしも、父を失って数日間から数週間後に、すべてのことに対して腹が立ってきたことを憶えています。
また、怒りを自分自身に向け、自分を責める人も多くいます。
「あのとき、わたしがあの子を外出させなかったら……」
「わたしが、もっと素直でかわいい女性だったら、フラれなくてすんだのに……」
さらに、死んだ本人に怒りが向けられることも非常に多いものです。
「どうして、わたしを残して死ぬのよ!」
「どうして、オレにこんなにつらい思いをさせるんだ!」
でも亡くなった人に対して怒るのは理屈に合いません。また、死んだ人のことは大切な「良い」存在にしておきたいので、その怒りを押し殺そうとすることがよくあります。
子どもを失った両親が、自分たちのもとを去って子どもに対して激しい怒りを感じるには、とても正常で当たり前のこころの働きです。「どうしてわたしたちを置いて死んでしまったんだ!」「わたしたちにこんなにつらい思いをさせて!」「描いていた夢も希望もすべて奪ってしまって!」といった怒りは、ごく当然のことなのです。
でもその怒りを自分の中で押し殺そうとするため、怒りがこころの奥でふつふつしたままになり、いつまでも引きずってしまうことがよくあります。また、抑え込まれた怒りが爆発したり、体の症状になって表れたりすることも多々あります。
ところで、怒りは怒鳴ったり暴力をふるったりしても発散すればいいわけではありません。それでは、いつまでも解消しないのです。大切なことは、怒りを十分によく感じることです。どんな感情も、感じ尽くすことで変化します。自分ひとりで感じるのがつらいときは、ぜひカウンセラーに話してみてください。
と著者は述べています。
確かに突然の死での喪失感では、ショックの次に他者に怒りを向けてしまうことがあります。あまりの突然の理不尽な死に、自分が受け止められずに、他者に対して怒りを向けることがあります。また、自分に対して怒りをむけてしまうこともあります。「ああしておけばよかったと」と思い自分のせいだと自分を責めることもあります。その怒りの感情は、当然、誰しもおきる可能性があります。
その感情を押し殺して蓋をしないで、その感情をありありと感じましょう。叫んだり、泣いたりしてもいいのです。その感情を紙に書きなぐるのもいいです。その感情を言葉化して吐き出すことです。自分の内側に溜まったマイナスの感情を声に出すとか、紙にその気持ちを気が済むまで、書きまくることです。(または、パソコンやスマートフォンのメモ機能でいいのですから)。それができない人は、紙にその思いをぐちゃぐちゃにしたりして気持ちをぶつけることや紙にぐちゃぐちゃに線や絵にして吐き出すコトです。できれば、書いた物を破り、ゴミ箱を思い切り捨てるといいです。
マイナスの感情を溜め込むと限界がくると、体や精神に異常があらわれます。
さっさとマイナスの感情は手放すコトです。
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