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2023.12.28
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カテゴリ: 探訪

真っ直ぐな参道には、 「三ノ鳥居」 があります。
この参道のおもしろいところは、 様々なスタイルの石灯籠が参道両側に奉納されている ことです。

例えば、最初に撮ったこれらの 石灯籠 。基本型は同じですが、それぞれ少しずつ違います。
宝珠と請花の形の差異。笠の蕨手(ワラビテ)の有無。蕨手のない笠の四隅の反り具合の差異。竿の部分の反り具合の差異。基壇の差異などです。着目してみるとおもしろい。


三ノ鳥居を過ぎると、表参道上のこの石が目にとまります。 「一ツ石」 と記した駒札が立っています。
「かつては馳馬(ハセウマ)や競馬(キソイウマ)の出発点であり、『勝負石』とも呼ばれる勝運の石。お百度参りの地点ともされる」 (リーフレットより) という石です。


参道の左側 には、こんな石庭があり、傍に 「鳩峯寮の庭」 と題する 駒札 が設置されています。
「この石庭は昭和を代表する作庭家である 重森三玲翁 により、昭和36年9月16日に当地方を襲った第二室戸台風で倒壊した三之鳥居(正保2(1645)年建立)の石材を用いて、 昭和41年5月11日に作庭 されました。
 参道の石畳を含めた東西にわたり一貫する直線と斜線の繊細な組み合わせと、力強い石組との対比によって構成された珍しい石庭で、生涯にわたって月参りを続けられた翁の深い敬神崇祖の心が大変見事に表現されています。  石清水八幡宮 」 (駒札転記)

参道の斜め右側には、

「御鳳輦舎」 があります。この傍にも石灯籠が数多く奉納されています。
鳳輦とは、「屋形の上に金色の鳳凰を飾った輿(コシ)。昔、天皇の乗り物に使った」 『新明解国語辞典』三省堂) という意味です。輿を収めておく建物ということでしょうね。

ここで、 表参道から逸れて、参道の左(西)側エリアを先に探訪 してみました。

これはリーフレットのイラストマップから切り出した ご紹介エリアの部分図 です。
このマップを見ますと、余談ですが、このエリアの西端には3カ所の駐車場が明記されていますので、ここまでは車で来ることもできるようです。


御鳳輦舎の近くで、表参道から左折すると、この広い道に入ります。


まず目に止まったのが、この 「御神木 大楠公手植えの楠」 です。
「江戸時代前期に著された『洛陽名所集』によれば、この楠は御本殿西側の築地(信長塀)外にある楠と同じく、<建武中興>の功臣。楠木正成(大楠公)が建武元年(1334)に戦勝軍利を祈り八幡山に植えた楠の一本と見られ、京都府の天然記念物に指定されている。 独特の芳香を発し樟脳の原料ともなるクスノキは、古来その防虫効果や薬効から、仏像・社寺建築・漆器等の用材として使われてきた。この大楠には正成公の尊皇敬神の真心が今も息づいていると言えよう」 (駒札転記)


このエリアの南辺には、この 「清峯殿(セイホウデン)」 (青少年文化体育研修センター)があります。
背後に「藍峯館(アイホウカン)」 (宿泊棟)があるようです。


清峯殿から北方向にニョキリと立つのがこの塔。 「湧峯塔」 と名付けられています。
北側から撮った景色 です。給水塔だとか。
このエリアの中央部分にありますので、ランドマークにはなります。

この湧峯塔の傍に、「西谷・小塔跡」の史跡案内板 が設置されています。
「当初より、神仏習合の宮寺であった石清水八幡宮の御本社西側、『西谷』には、早くも平安時代中期から仏堂建立が始まった地区です。今から900年程前の平安時代後期、白河法皇が大塔の建立を発願したことをきっかけに、谷を埋めた大規模な整地が行われ、大塔に続き小塔、鎌倉時代には八角堂など、数々の仏塔や仏堂が建立されました。
 小塔は鳥羽天皇の皇后である 待賢門院(藤原璋子)の発願 により、長承元年(1132)にこの付近に建てられ、文禄5年(慶長元年・1596)の「慶長の大地震」で倒壊したまま再建されませんでした。大塔より小型の 『多宝塔』と呼ばれる形式の塔 でした」 (案内文転記)



湧峯塔の西側には、 「エジソン記念碑」 が建立されています。


記念碑の石の表面に前面の景色が映じています。ズームアップでエジソン像を撮りました。
後で見ると、写真を撮る私の姿が部分的に映じていました。
この記念碑の一画の 前面右側に「エジソン記念碑」の案内駒札 が設置してあります。
これまた、駒札の表面に透明シートが貼ってあるため姿が映じてしまいました。掲載没!

「この記念碑は、アメリカの偉大な発明家であるトーマス・アルバ・エジソン(1847~1931年)が発明した白熱電球誕生のゆかりの地に、エジソンとその業績を記念するため建てられました。
 1878年、エジソンは白熱電球の実用化に取り組んでいましたが、点灯時間はまだ短く、長時間輝き続けるフィラメントを探すことが必要でした。エジソンは金属から綿糸、さらにはあごひげまで、何千もの素材を試し、竹が最適であることを発見しました。これを受けて助手たちは、京都を含め世界中を調査して竹の標本を集め、そのなかから1000時間以上燃焼する耐久性に優れたフィラメントが生まれ、白熱電球の実用化に至りました。そのときエジソンがフィラメントとして使用したのは、石清水八幡宮近くの真竹だったといわれています。八幡の竹は江戸時代には刀剣の留め具である『目釘竹』の名品として德川将軍家に献上されており、強くて質が高いことで有名でした。
 最初のエジソン記念碑は、1934年に石清水八幡宮境内に建立されましたが、1958年に現在の場所に移転され、1984年にはデザインを一新し再建されました」 (駒札案内文転記)



エジソン記念碑の南側には、 「鳩峯庵」の扁額を掲げた茶室 があります。



茶室から東方向に少し離れたところに、 「都山流 流祖中尾都山 頌徳碑」 が建立されています。
「中尾都山は1876(明治9)年、枚方に生まれ、幼少のころから当宮を守護神として篤く崇敬しました。
 この碑は一代で尺八界最大の流派を築き上げた中尾都山の業績を讃え、七回忌にあたる1962(昭和37)年に建立されました。
碑文 『萬象尽蔵一管中』
   <人生の喜怒哀楽や森羅万象全てを余すところなく、一管の尺八で表現する>
                      公益財団法人 都山流尺八楽会 」 (駒札案内文転記)


エジソン記念碑の近くで、この 歌碑 が目に止まりました。


湧峯塔の北側 でまず目にしたのが、この 「ボーイスカウト像」 と北東方向にある 「石翠亭」 (食事休憩所)です。 このブロンズ像の北側は広場 になっています。

広場を挟んでその北方向に


「三女神社」 (末社)があります。 御祭神は宗像三女神 です。
運輸・流通・安全の神様。柱に木札が掛けてあります。

        蟇股には波浪が彫刻されています。祭神からの連想でしょうか。


三女神社の北方向の景色

「西谷 八角堂跡」の史跡案内板 が目に止まりました。位置は定かではありませんが。

「鎌倉時代の初め、順徳天皇の御願により建てられた隅切り八角形の仏堂の跡で、堂内には像高約3mの金色に輝く阿弥陀如来坐像が納められました。その後、慶長12年(1607)には、豊臣秀頼により再建されました」 (史跡案内文一部転記)
明治の神仏分離令により、この八角堂は当時の 正法寺の住職・志水円阿が所有地に移築 されたことにより、 廃仏毀釈を免れた唯一の仏堂として現存 します。


三女神社とその北方向の通路を挟んで東側にこの建物が見えました。 

             近づいて格子戸から内部を見ると、井戸です。
             後でイラストマップを確認沁ますと 「供御井」 と称するそうです。



三女神社の南の広場の一隅に 「西谷 大塔跡」の史跡案内板 が設置されています。

大塔は、天永2年(1111)に完成した巨大な仏塔 です。平安時代後期、初めて院政を開き権勢を振るった 白河法皇の御願 により建てられました。
 慶長10年(1605)には豊臣秀吉の子・秀頼が再建します。その絵図面によると、現存する和歌山県岩出市 根来寺の大塔とほぼ同規模の、日本最大級の真言形式の大塔でした。側柱一辺14.9m、高さ27.1mもありましたが、今から約150年前の明治の初め、神仏分離令のため取り除かれました」 (史跡案内文の前半転記)

大塔の設計図に発掘調査区を合成した図 です。
赤丸を追記したところが上掲の「三女神社」の位置です。

さて、表参道に戻ります。

参道の両側には 、奉納された 様々なスタイルの石灯籠 が櫛比のごとく立ち並んでいます。


三ノ鳥居の方向を眺めた景色


                   立ち並ぶ石灯籠の一例です。
気づいたのは、奈良の春日大社に見られる六角形の火袋と笠の春日灯籠形式の石灯籠を見かけないことです。ほとんど火袋・笠は四角です。


表参道を進むと、右(東)側に社務所があり、その先の左に手水舎が見えます。
その少し手前に、この石段道が上掲のエリアへのもう一つの出入口として設けてあります。
本殿に近いこちらには、参道脇に「エジソン記念碑」への案内標識が出ています。
こちらの石段道に一番近いのが、上記の大塔跡と三女神社です。

つづく

参照資料
*リーフレット「国宝 石清水八幡宮」
*史跡に設置の駒札等の案内文

補遺
石清水八幡宮 ​  ホームページ
エジソン記念碑 ​  八幡ストーリー  :「八幡市」
エジソン ​   :「ジャパンナレッジ」
トーマス・エジソン ​  :ウィキペディア
公益財団法人 都山流尺八楽会 ​  ホームページ
都山流 ​   :「コトバンク」
2022_11「本曲 朝風」流祖 中尾 都山 作曲_都山流関東支部 第88回 尺八演奏会

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Last updated  2024.01.04 15:27:56
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