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2024年03月21日
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カテゴリ: お芝居のコト


3月20日、『ヤマトタケル』新橋演舞場公演は千穐楽となった。
2月4日の初日から、それはそれは幸福だった2ヶ月が終わってしまった。

先週とはもう違う顔を魅せる團子に、また驚かされる。
目覚ましい変化に目を見張り続け、その都度心揺さぶられたこの日々は、
一観客にとっても特別な、「今」しか得られない経験だった。


今回初参加の成駒屋のご兄弟にとっても、このロングランが良い御経験となるよう
願ってやまない。

タケヒコという役は、この物語で最も魅力的と言って良い。
何といっても、中村歌六丈のタケヒコは素晴らしく、毎回見蕩れたものだった。
配役発表があった時、福之助のタケヒコが観られる事に期待しかなかったが、
実際、あの印象的な出の場面から、素敵なタケヒコだった。
姿の良さ、声の良さ、そしてあの涙…何と心暖かなタケヒコだったろう。

このところ、魅力的な「悪い顔」を見せてくれていた歌之助だったから、
熊襲弟タケルは打ってつけだと、やはり期待しかなかった。
今回、錦之助丈が驚愕の若々しさで魅せつけた弟タケルだったが、
歌之助の弟タケルのヤンチャな暴れん坊ぶりもまた嬉しいものだった。
そして、ヘタルベの愛らしい事。
あの最後の、全力で駆ける姿に、どれほどの観客が心掴まれた事か。
あのシーンの舞台写真、もちろん大喜びで購入した。


今回、初参加が多く若返った座組だったから、これまで経験を積み重ねた面々の、
存在感の大きさもまた際立った。

倭姫は、初演の澤村宗十郎丈の、あのふんわりと温かくスケールの大きな姿が
目に焼き付いている。
その役を若くして受け継いだ笑三郎が、とうとう実年齢的にも加味するものがあり、
この倭姫在ってこそという、物語の為にも大切な存在になっている。
今回、二幕が予言と呪いの色味を濃くしており、改めて感じるものが多かった。

熊襲兄タケルのおおらかさと、足元をすくわれる末路。
伊吹山の山神の尊厳と、古の遺物である現実。
猿弥は彼らを存分に印象付け、この物語の意味を深める。
殊に山神の、姥神に呼び掛ける様に心根の慈愛を感じ、その最期が哀しくてならなかった。
猿弥の身体能力の高さが発揮される、タケルとの立ち回りは圧巻だった。
全身でぶつかっていく團子にとっても、嬉しいものではなかったろうか。

蝦夷のヤイレポを演じた猿四郎は、殺陣師としてなくてはならぬ存在。
三代目はやりたかったものの、結局タケヒコ一人に任せた焼津の大旗を、
今回初めてタケルも振るった。
当初、もっと大きな旗を殺陣師は望んだ…とか?

鉄と米の意味をタケルに叩き付ける、青虎の凛とした声。
颯爽とした佇まいといい、登場場面は少ないものの、存在を焼き付ける。
猿弥と並び演出補も担い、上演に至るまでの重責、そして幕が開いた後に続いた
代役の調整など、心休まる時がなかったのではないか。
これまで、三代目の部屋子の末っ子的な面を、表では見せてきたように思うけれど、
演出家としても手腕を発揮しつつあり、存在感がますます増している。

お父様であるご先代から引き継いだ皇后と姥神の門之助は、1,000回を超えた上演の
皆勤賞の一人。
幕開きの皇后の堂々たる美しさに目を奪われ、伊吹山の姥神の愛嬌も魅力的だった。

外部からご参加の嘉島典俊さんは、三役を担われた。
その巧みさ故に初参加とは思えない馴染み方で、また助けて頂いた。
今回新たな演出となった、三幕の幕外での大臣と朝臣のやり取りは、これまでの
高圧的な大臣の一人芝居より良かったと思う。


出演者お一人お一人に印象深い場面があり、書き連ねたい思いがまだまだある。
ご自身はみやず姫を演じた笑野は、ワカタケルとしてご子息が初お目見えとなった。
ダブルキャストでみやず姫を演じた三四助は、打てば響く愛らしい姫だった。
熊襲の兵士たち女たちの宴の楽しさ、伊吹山の鬼たちの憎めなさ、まだまだ尽きない。
そして、今回は役につかず裏に徹した猿紫も、忘れてはならない。
この舞台を支えたお一人お一人に、感謝しかない。



最後に、大きく翼を広げ飛び立つタケルをその真下から見上げた時、
その羽の衣擦れの音が聞こえた。
とうとう天高く羽ばたいて行ってしまうのだな…と、心が震えたが、
でも、その行方は終わりではなく、始まりなのだ。
どうか無事に、晴れ晴れと翔び続けるよう祈ってやまない。


万雷の拍手に再び幕が上がり、カーテンコールに慣れない團子の様子に素顔が垣間見れ、
一瞬にして劇場中が和んだ。
鳴り止まぬ観客の要望で、更に幕が上がり、そこには米吉がただ一人在った。
純白の神々しいまでの美しさで、促すように指差したその先、花道から團子が現れた。
まっすぐに七三まで来て一礼して、舞台中央に来て米吉に一礼。
まだ二十歳の、主役を担い舞台中央で奮闘した若者の、率直な姿だった。
そして、米吉から歩み寄るようにして、ヤマトタケルと兄橘姫が寄り添った。
離れ離れだったふたりが、ようやく再会出来た祝福の中、幕は下りた。






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最終更新日  2024年03月21日 10時09分03秒
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