「臓器を売るぞ」 1000
万円以上脅し取られた日本人男女 3
人。恐怖の監禁生活
2019-2-4
FNN PRIME
暴力と脅迫の監禁生活とは?
日本人の男女 3 人を最長 3 ヵ月にわたり、暴力をふるい、脅迫していたとして、韓国人の無職の 27 歳の男が逮捕された。男が 3 人を恐怖で支配した監禁生活とは?
タイ警察などによると、逮捕された男は、韓国国籍の無職、黄健一(ファン・ゴニル)容疑者( 27 )。去年 6 月からタイに住んでいた黄容疑者は去年 9 月、バンコクに旅行にやってきた山口県出身の 24 歳の女性と出会い系サイトを通じて知り合った。お金がなくなった女性はしばらくして黄容疑者の自宅マンションで一緒に暮らすようになったという。すぐに女性に暴力をふるい始めた黄容疑者。恐怖で支配する生活の始まりだった。
「俺はマフィアと知り合いだ」、「逃げれば殺す」などと女性を繰り返し脅した。抵抗できなくなった女性は、黄容疑者に従うしかなかったという。お金を要求する黄容疑者に対し、女性は両親に「タイで逮捕されてお金が必要」などとウソをついて、 200 万円を送ってもらい、黄容疑者に手渡した。
熱したフライパンを・・・暴力と脅しによる恐怖で支配
女性の監禁が始まってからおよそ 1 ヵ月後、さらに黄容疑者は、女性を脅し、女性の弟( 21 )をタイに来させた。金銭を脅し取る新たなターゲットだった。女性は「バンコクでもうけ話がある」などと弟にウソをついたという。
バンコクで待っていたのはもうけ話ではなく、暴力と脅しによる恐怖の監禁生活だった。拘束されている状態ではなかったが、外出する時は常に理由を言わなければいけなかった。そして、「早く帰って来い」と電話がかかって来るなど、常に見張られた状態だったという。「逃げれば知り合いのマフィアがお前を殺す」、「タイ警察は俺の指示でお前を出国停止にできる」などと繰り返し脅されていた。
黄容疑者は、女性の弟の知人に連絡をとって、「殺して臓器を売るぞ」などと脅すこともあった。結局、女性の弟は、あわせておよそ 800 万円を脅し取られた。酒を飲んで機嫌が悪い時は、さらに暴力が激しさを増したという。熱したフライパンをうでにつけられたり、サラダ油を飲まされたり、さらにはプールにしずめられたり、まつげを抜かれたりしたという。
奴隷のような生活・・・逃げたくても逃げられなかった
そして、今年 1 月、黄容疑者は女性の弟に、友人の男性( 21 )をバンコクに呼び寄せさせた。バンコクに来た弟の友人は、暴力をふるわれ、持っていたすべての現金と携帯電話を奪い取られた。そして、奪った携帯電話を使って、ウソを言ったり、脅したりして、家族や親戚からお金を送金させた。奪われた現金の額はあわせて 83 万円にのぼった。
女性の弟の友人は解放後、報道陣に当時の思いを語っている。
「奴隷のような生活だった」
「早く帰りたいと思ったが、マフィアに殺されるかもしれないと思って、逃げることはできなかった。怖かった」
女性は去年 11 月にマンションから逃げ出し、大使館に保護された。そして、弟の友人の母親が大使館に連絡した 3 日後の今年 1 月 28 日、タイ警察やタイ入国管理局によって黄容疑者のマンションに捜索が入り、監禁生活は終わり、全員が解放された。滞在ビザを取り消された黄容疑者は拘束され、 2 月 1 日、警察によって、暴行と脅迫などの疑いで逮捕された。黄容疑者は「何もしていない」と容疑を否認している。
なぜ逃げなかった?黄容疑者におびえ・・・暴力も当初は認めず
監禁生活とは言え、 3 人は外出することもできた。なぜすぐ逃げようとしなかったのか、疑問に思う人も多いはずだ。しかし、繰り返された暴力によって、恐怖と絶望の中にいた被害者は、何をしても逃げられないという「洗脳された状態」だった。
恐怖と絶望によって、逃げ出す気持ちがなくなる状態は、アメリカの心理学者が発表した「学習性無力感」という状態と同じだ。小学館の大辞泉には、「努力を重ねても望む結果が得られない状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること」と記されている。恐怖で洗脳され、無力感をもった 3 人は、逃げたくても逃げることができなかったと考えられる。
監禁生活から解放された男性 2 人は当初、大使館の調べに対して、黄容疑者の暴力を認めようとしなかったという。大使館の職員が「君たちは被害者だ」と繰り返し説明して、ようやく暴力を受けた事実を話し始めた。それほど黄容疑者におびえていたという。逃げ出すことができなかったのは、黄容疑者が暴行を繰り返した上、「逃げたら殺す」と脅し、恐怖を植え付け続けた結果だった。 2 人は「黄容疑者が(刑務所から)出てきたら、また何をされるかわからない」と不安な気持ちを打ち明けた。
タイで日本人が被害に遭う事件が相次ぐ
在タイ日本大使館によると、 タイでは月に 10 件から 20 件程度、日本人が被害にあう犯罪について届け出がある。去年 12 月には、日本人の男性旅行者が覚醒剤の運び屋にされそうになった事件があったほか、自称・台湾人などと名乗る女性から「お金を盗まれた」などと声をかけられ、日本人男性が現金を騙し取られる詐欺事件も相次いでいる。 今回の事件のきっかけとなった黄容疑者と女性との出会いは出会い系サイトだったが、タイに限らず見知らぬ人と関わる時は、十分な注意が必要だ。
【執筆: FNN バンコク支局 武田絢哉】
大阪の羽曳野市って、どこ?? ほとんど… 2024.06.07
あの時代の僕・・・人は変わるもの、変わ… 2024.05.10
自身の葬儀について考える・・・・あなた… 2023.02.22
PR
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ
フリーページ
カレンダー