リベラルたちにこそ、読んでほしい記事だ。
予断と思い込みで国民を(指導)していけると自惚れていた、あの日本赤軍・連合赤軍の革命夢想家たちと、たいして変わらない(進歩的?)リベラルたち。
頭の中の ( 改革 ) が、現実と結びついていないのだ。 はんぺん
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「僕が生きていけているので」 若者に際立つ安倍政権支持 「安倍政権支持」の空気 2019-7-1
石川瀬里、渡辺洋介 朝日新聞
第2次安倍内閣の発足から6年半。さまざまな不祥事や問題発言を重ねながらも、支持率は一定の水準を保ち続ける。
なぜか。ゆるやかに漂う「安倍支持」の空気を追った。
毎日欠かさずチェックするのは株価のチャート。米国の雇用統計も注視する。空き時間は外国為替証拠金取引(FX)の勉強に充てる。新聞もテレビもネットニュースも見ない。都内の男性(25)は、ベンチャー系のマーケティング会社で働く。「貯金しても無駄。今は借金してでもFXにつぎ込みたい」
率直に聞いてみた。政治に対して、どう思うのか。「安倍さんはがんばっているんじゃないですか?」。なぜ。「うーん、なんでだろう……」。そして、しばらく考えてから言った。「僕が生きていけているので。それに日経平均株価もいいし」
◇
安倍内閣の支持率は、 18~39歳の男性で際だって高いのが特徴 だ 。朝日新聞の世論調査で 過去3年の平均をみると、18~29歳の男性は57・5%、30代男性は52・8%。男女の全体は42・5%だった 。さらに、閣僚らの不祥事が起きても、この世代の支持率は一時下がってすぐに回復する。
社会保障などで将来に回されたツケを負担する若い人々が、いまの政治を支持する理由を知りたい。そう思って街角で話を聞き続けるうちに出会ったのが、この男性だった。
生まれ育ったのは、東京から北へ約550キロ離れた青森県大鰐(おおわに)町だ。バブル景気に観光を見込んで開発したスキー場やリゾート施設は、次々とつぶれた。税収約7億円の町は一時100億円超の借金を抱え、「第二の夕張」と呼ばれた。この10年で、人口は2割減って1万人を切り、高齢化率は40%を超えた。少子高齢社会の先端を行く。
高校卒業後、東京で電気工事士の現場職人として働き始めた。午前6時に家を出て、帰宅は午後10時過ぎ。初任給は手取り月25万円あり、満足していたが「30年後も働き続けられるだろうか」と2年後に辞めた。転職活動ではハローワークなどに頼らず、企業に直接メールを送り、今の会社に出会った。
給与は月約22万円。 ぜいたくしなければ暮らしていけるという 。 「何かが変わることでこれ以上悪くなるくらいなら、変わらなくていい」 。だから、選ぶなら自民だという。
自分や国の将来について、不安がないわけではない。
だが 「頼りになるのは政治ではなく、スキルとお金。自分のことは自分で守るのが当たり前」 と言い切る。自分の手で人生を切り開いてきた。
年金だってあてにならないと、同世代では言っているという。
男性とのやりとりから伝わるのは、 彼らが生きている世界と政治がつながっていないような感覚 だ。政治に求めることは?と問いかけても「うーん、ちょっと思いつかないですね。現実的じゃないし」。
だから自民支持ではあっても投票に行くつもりはない。 安倍内閣への「ゆるやかな支持」と、政治への「冷ややかな視線」。二つが共存している。
◇
自分でなんとかするしかない。だから変化を望まない―― 。
驚くほど似たせりふを若い「自民支持者」から聞いたのは、男性のふるさと大鰐町を訪ねた時だった。
八木橋祐也さん(31)。国政選挙で一貫して自民党に投票してきた。
男性とは異なり、家族も友達もいる故郷で暮らしたいと、この町に残った。去年、結婚し2人暮らしを始めた。
だが22歳の時に始めた町特産の「大鰐温泉もやし」の生産は、軌道に乗ったとは言えない。国の交付金は一部しか受けとれず、国の補助金削減のあおりで農機具の購入でも補助率が下がった。同世代の多くは町を去り、主力のリンゴを育てるのは高齢者ばかりだ。
町の膨大な借金を返していく地元の若者を 「政治が助けてくれるとは思えない」。
では、農業や地方に目を向けてくれるように訴えては?と問いかけると「自分たちは超少数派。国会議員に話を聞いてもらえるわけがない」。
ころころ変わる農政に翻弄(ほんろう)されるくらいなら、いっそ現状維持のほうが邪魔されなくていい 、と八木橋さんは言う。だから自民だ、と。納得したわけではない、あきらめたわけでもない。そんな表情を浮かべていた。
(石川瀬里、渡辺洋介)
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