2005.04.12
カテゴリ： もう一度観たい・読みたい
忘れられない…って感情は自分を偽れない上にとても業が深い、と思う。
いっそ切り捨ててしまえば楽なのに、むしろがんがん傷口を抉るのに似た
自虐的な（それでいて甘美な？）欲求に抵抗出来ない気持ちが憎らしい…。
そこまで他人にのめり込める感情や姿を見て、「切なさ」を感じる筈なんだけど…。
柊はむしろ「恐れ」を強く抱いてしまう。
柊には「協調性が欠けている」という自覚があります。
（協調性とは違うかもしれないけど？）
相手の（周囲の）感情が高まれば高まるほどどんどん冷めていく自分を
知っています。
（例えば異常に盛り上がってる応援団等へは多分仲間として入っていけない）
相手の気持ちの高さまで、自分のテンションを上げられない。
一緒にいて楽しかったりほっとしたりするのに、
その一方で無性に一人の時間が恋しくなってしまう。
だから一方的に気持ちを押し付けられたり、行動を縛られたりするのが
一番嫌いだし、恐ろしいし、逃げ出したくなる。
恋愛に限らずとも、集団に属していると否応なくそういう場面に出会ってしまう。
柊が恋愛小説や映画が苦手なのは、登場人物たちの気持ちと温度差を
感じてしまうからかもしれないです。
そういう柊の恐怖心をすごく刺激する小説でした、『ナラタージュ』は。
とても淡々とした文章なのに、後半に行くほど感情が高ぶっていくんです。
これは柊には恐怖以外なにものでもないっ！
でも…自虐的、とさっき書いたけれども、登場人物たちの
自分とはまったく縁のなさげな、心の揺れや動きに付き合っている時間は
とても新鮮でした。
作者が登場人物たちととても近い年齢にあることをリアルに感じさせてくれる
「若さ」がそこにあったり。
最後の二章はやっぱりとても悲しい気持ちにさせられてしまい、
泣きたくなってしまったし…。
恋愛の最中にあって、自分は「冷静」でいたい、と思う。
それはとてもつまらないことかもしれないけれど、感情の箍が外れたときの
自分を予想できるから、万が一にも流されてしまったときどうしたらいいのか
わからなくなるのが怖いから、そんな心のブレーキを外せない。
葉山先生はそんなふうに逃げていて？、とてもずるいかもしれないけど
それは責めるべきことじゃなくて仕方のないことだと思ったりします。
（だって、傷つくのは誰だって嫌じゃないかなあ。
自分が壊れてしまわないための自衛だと思うんだけどなあ。
やっぱ卑怯かな。）
「恋愛」とは異なるけれど、新堂君と柚子ちゃんの関係もまた
「忘れられない」呪縛をかけられた関係かなあと思ったり…。
誰に感情移入して読んでしまうかによってどんな風にも読み取れてしまう、
そんな恋愛小説・恋愛感情は、とことん奥が深すぎて…。（以下沈黙）
書店にて
恩田陸さんの『劫尽童女』 を購入。
四月下旬には エッセイ集『「恐怖の報酬」日記』 と 『小説以外』 が出版されます。
延期になったままの『黒と茶の幻想』文庫版はいつ？？
『ユージニア』積んだままでまだ手をつけていません。
何だか読むのが勿体無くて！？ははは。
柊の別宅案内 →
いっそ切り捨ててしまえば楽なのに、むしろがんがん傷口を抉るのに似た
自虐的な（それでいて甘美な？）欲求に抵抗出来ない気持ちが憎らしい…。
そこまで他人にのめり込める感情や姿を見て、「切なさ」を感じる筈なんだけど…。
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だから一方的に気持ちを押し付けられたり、行動を縛られたりするのが
一番嫌いだし、恐ろしいし、逃げ出したくなる。
恋愛に限らずとも、集団に属していると否応なくそういう場面に出会ってしまう。
柊が恋愛小説や映画が苦手なのは、登場人物たちの気持ちと温度差を
感じてしまうからかもしれないです。
そういう柊の恐怖心をすごく刺激する小説でした、『ナラタージュ』は。
とても淡々とした文章なのに、後半に行くほど感情が高ぶっていくんです。
これは柊には恐怖以外なにものでもないっ！
でも…自虐的、とさっき書いたけれども、登場人物たちの
自分とはまったく縁のなさげな、心の揺れや動きに付き合っている時間は
とても新鮮でした。
作者が登場人物たちととても近い年齢にあることをリアルに感じさせてくれる
「若さ」がそこにあったり。
最後の二章はやっぱりとても悲しい気持ちにさせられてしまい、
泣きたくなってしまったし…。
恋愛の最中にあって、自分は「冷静」でいたい、と思う。
それはとてもつまらないことかもしれないけれど、感情の箍が外れたときの
自分を予想できるから、万が一にも流されてしまったときどうしたらいいのか
わからなくなるのが怖いから、そんな心のブレーキを外せない。
葉山先生はそんなふうに逃げていて？、とてもずるいかもしれないけど
それは責めるべきことじゃなくて仕方のないことだと思ったりします。
（だって、傷つくのは誰だって嫌じゃないかなあ。
自分が壊れてしまわないための自衛だと思うんだけどなあ。
やっぱ卑怯かな。）
「恋愛」とは異なるけれど、新堂君と柚子ちゃんの関係もまた
「忘れられない」呪縛をかけられた関係かなあと思ったり…。
誰に感情移入して読んでしまうかによってどんな風にも読み取れてしまう、
そんな恋愛小説・恋愛感情は、とことん奥が深すぎて…。（以下沈黙）
書店にて
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四月下旬には エッセイ集『「恐怖の報酬」日記』 と 『小説以外』 が出版されます。
延期になったままの『黒と茶の幻想』文庫版はいつ？？
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