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失われた時を求めて(1(第1篇))■ようやくこのブログに書くことができる。実はついにプルーストの『失われた時を求めて』に着手した。まずは第1篇を読了。■とはいえ、この小説に着手したのは今回が3回目で、つまり過去に2度、3巻あたりで挫折しているのである(^_^;)。ただしこのときは、ちくま文庫の井上究一郎訳で、今回は、集英社文庫の鈴木道彦訳にした。■感想はおいおい書いていきたいが、実に興味深く第1巻を読み終えた。物語は、語り手の子供時代の回想に終始する。何があるわけでもなく、何が起こるわけでもない。にも関わらず、実に面白く読めたのは、自分でも驚いた。■これまでいくつかの文学・小説を読んできて、また、文学・小説関係の本も読んできて、プルーストに関する予備知識も入ってくると、『失われた時を求めて』の読み方が分かったような気がした。■その読み方とは、ストーリーを追わない読み方にほかならない。ひたすらディテールを読んでいく。その表現にみられる詩情がとても豊かである一方、きちんとした批評性の立場があって、それがとにかく味わい深いのである。それに、そこに語られる記憶が、おそらくその後、意味をもつであろうことは、予感できる。■とはいえ、気持ちがはやると、ついつい読み飛ばしたくなる。あるいは、疲れているときは、ついつい眠くなる(^_^;)。そんなときは、すぐに本を閉じて読むのを止めた。とにかくじっくり読めるときに、じっくり読む。そうこうして、第1篇を読み終えた次第。全巻読了まではまだまだ先のこと。ゆっくりのんびりじっくり、味わいたい。
2009.10.28
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■最近買った新潮社刊『考える人』の最新号を読む。そのなかの、丸谷才一インタビューがけっこう好きで読んでいる。というのも、この人は文学がよく分かっている、ということがよく分かるからである。その最後に、こんなことが紹介されていた。(適宜改行) 吉田さんは、一杯のんでいるとき、丸谷さん、 あなたの好きな詩はどんな詩ですか、みたいなことをいう。 僕が英語の詩で覚えているのを数行、 十六世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと、 ああといって、くちゅくちゅと口のなかで繰り返す。 そして、ああきれいだな、とかいって喜ぶ。 カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ。 詩が酒の肴になるのね。 僕はなるほど詩というものはこんなふうにして 楽しむものか、と思いました。■これを読んで、吉田健一は詩の読み方、そして楽しみ方をよく知っているなあ、と感心した。感心した、と言っては彼に失礼だが(^_^;)。■ちなみに数年前から吉田健一には興味があって、ちょこちょこ文庫を買い集めている。 手元にある吉田健一
2009.10.08
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