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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴の朝。5度ですが、それほど寒さは感じません。実は先日、自宅を窓リノベしました。普段居間として使っている離れです。築30年ほどの2x4なので、いつもお話ししている気流止めはその構造から在来木造とは異なり必要ありません。どんな結果か、詳細は後日お話ししますが簡単にお伝えすると窓リノベ前エアコン24度設定で室温20度設定を上げてもこれ以上室温は上がりません。窓リノベ後エアコン設定20度で室温23度???設定20度で室温23度?後日その理由など詳細をお伝えしますね。本日のお話は11月29日に発表された省エネ住宅に対する補正予算。令和6年度の当初の予算では子育て世代向けに出ていた補助金は長期優良住宅が100万ZEH水準が80万但し、工期の縛りがあって12月末までに基礎工事を完了していなければなりません。基礎工事が完了してなければ補助金はゼロ・・・昨年も補正予算で工期の延長がありましたから恐らくとは思ってましたが、今年は確かに延長されましたが内容が異なります。補正予算では12月までに基礎工事が完了しなければ長期優良住宅は80万ZEH水準は60万つまり補助金は20万円の減額その代わり新たに新設されたのがGX志向型住宅でその補助金は160万仲間内では恐らく来年からだろうと言われていたGX志向型住宅今年の補正予算に入ってきました。そのイメージはこんな感じ共同通信2024-11-25この補助の対象は下記の①②③をすべて満たす住宅です。単にパネルを設置しただけの住宅断熱性が一定水準にない住宅エネルギー消費が減ってない住宅これらは適用外①は最低として②が出来ても③が出来ない逆に③が出来ても②が出来ないこんなケースが多々あると思います。さて、この省エネ住宅に対する国の思惑は?2050年のカーボンニュートラルからバックキャスティングすると、今のままの長期優良住宅程度のレベルへの補助金では全く実現できないことが分かっているから。つまり、長期優良住宅と言いながら実はそのレベルが低いからそのレベルの家に補助金を出してたくさん作っても貢献度が小さい国からすると従来の補助金制度ではコストパフォーマンスの良くない事業と言うことです。つまり、既に長期優良住宅は目標ではなく最低限、達成してくださいレベルです。住まいを取り巻く環境は日々変化しています。これから新築をお考えの方は、世の中の大きな流れも見ていく必要があります。昨日、地鎮祭だった可児の家12月末の基礎工事の完成が微妙でしたが、補助金も増えて安心して工事ができます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年12月02日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は5度ですが体が寒さに慣れてきたせいかそれほど寒さを感じません。SNS上では無暖房チャレンジという深まる秋の寒さに対していつまで暖房無しで過ごせるかの話しもあります。マンションなどを除いた一般の家ではパッシブハウスクラスの性能の家を除けば、我慢大会になる恐れもありますし家人からは非難ごうごうでしょう。パッシブハウスまで行かなくても等級6か7で日射取得や蓄熱が出来るなど工夫がしてあるとそこそこ行けそうですから試してみてもいいかもしれません。黙ってトライして家族が暖房をつけた時が終了。そうすれば我慢大会にならずに済みます。寒さの感じ方は人それぞれですから、誰かが暖房をつけても文句を言ってはいけません。さて、多くの方がペアガラスのサッシをご存知ですし、部屋が寒いとか暑いのは窓やサッシからの熱の出入りの影響が大きいという話しを聞いておられると思います。そのため国も窓からの熱の出入りを抑制するリフォームに対し、窓リノベと言う名称で補助金を出しています。今年度は4月から10月までの7か月間で約19万件の申し込みが来ていて戸数では約20万戸の家が窓リノベをしています。1か月あたり3万戸ですから12月までだと約26万戸の家が窓リノベをすることになります。一方サッシを二重にしてもそんなに変わらないんじゃないの?本当に暖かくなるか?暖かくなっても気がする程度では?そのように感じておられる方も数多くおられます。実は、半分当たってます。一昔前の在来工法の木造住宅は壁の中を気流が通るケースが大半です。気流が通るというのは床下の空気が1階の壁の中を通り天井裏に入りそこからまた2階の壁の中を通って屋根裏に回る風の通り道が出来ています。建物の断面図を見ると空気の通り道を目で見ることができます。新住協のQPEXで既存の家の断熱改修する時に、壁の断熱性能の計算をします。一昔前の家でも壁には5センチ程度の断熱材が入ってますが、気流を止めるための措置がしてありません。そのため、計算する時はその断熱材の厚さを2/10として計算します。つまり五分の一です。5センチの厚さの断熱材なら気流止めが無いと1センチの厚さで計算します。なので一昔前の家で窓リノベをするなら気流止めは必須です。今年度の補助金は年末までの設置が条件ですのでもう難しいかもしれませんが、性能向上のためのリフォームやリノベーションに対する補助金は今後も続くと思われます。そうしないと2050年既存住宅を含めたカーボンニュートラルなんて絵に描いた餅になってしまいます。性能向上のための補助金は今後も続くと思われますので、暖房しても寒いと感じておられる方は窓リノベを検討しても損はありません。その再、同時に気流止めをすることをお忘れなく。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月29日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨夜の雨でケヤキの葉が大量に落ち葉となって積もってます。濡れ落ち葉は簡単に掃けない厄介ものです。先日、新住協の理事の衣川さんがウッドデッキとパーゴラの事をFBに書かれていました。業界では隈研吾さんの木造の建物の木の使い方に疑問が出されていますが、木は雨に当たれば傷んでいくものです。ただ、雨にあたったり濡れたりしても早く乾く環境や工夫があれば、傷みの速度は反比例してゆっくりになります。パーゴラと言うのは屋根のない木組みの屋根おかしな言い方ですね。骨組みだけの屋根と言ったいいでしょうか。蔦を絡ませたり帆布で日よけを作ることが目的です。屋根はありませんから木で作れば雨で濡れて、10年~15年程度で作り変えることになります。パーゴラとはそういうものです。もちろん、そのパーゴラの下にウッドデッキがあれば同様に傷みますから、補修や材の交換が必要になります。そういうのはNGと言う場合対策は木ではなくアルミや樹脂製のものとなりますがデッキの場合雨に当たらないようにするのも一つの対策です。大きな庇をデッキの上につけたり、屋根の軒を伸ばしてデッキに直接雨が当たらないような工夫です。木材は雨に当たらなければ問題なく長持ちします。もちろん、白蟻という問題もありますから住まい手は注意が必要です。デッキに関しては通常日当たりや風通しのいい場所に設置されますし目も届きやすいので、デッキの蟻害と言うのは住まい手の注意で相当程度防げると思います。ただ、お子さんが小さい頃はデッキを使うことがあっても成長とともにデッキを使わなくなるあるいは長い間に生活スタイルも変わるわけで、デッキそのものに意識がいかなくなればある意味放置されるわけです。そうなると、蟻害の可能性も高くなります。さて、ウッドデッキは家の中と外を緩やかにつなぐ中間領域と見ることができます。一昔前の日本家屋では広縁にその役割があり、沓脱石がそのつなぎを補完していました。家の中にいながら庭との一体感を感じさせる空間を作っていたと言う事が出来ます。現代の住まいに在ってはウッドデッキは一昔前の広縁と言っていいかもしれません。広縁を雨に濡らすなんて言語道断?紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月27日
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こんばんは紙太材木店の田原です。建築士会の研究会で輪島に行ってきました。先ほど帰ってきたので、すっかり更新が遅くなってしまいました。先日、JBN主催の山辺先生の「令和6年能登半島地震の被害から学ぶ研修会」がありました。内容は、山辺先生が構造が専門と言うこともあり実務者向けの話しが中心で一般の方に分かりやすくお伝えするのは少し難しので、今回は別の視点から感じたお話です。金沢から輪島までバス移動でしたが、山間地に道路が作られています。山側は削り谷は埋めてできています。道路の地震の被害はこの谷を埋めたところが崩れている事によるもので、復旧は反対側の車線を拡幅して道を広げるというものでした。そのため直線で進めませんから数百メートル毎に徐行して仮復旧したところを通ることになります。地震から既に1年近く経ってますが、順調に走れるようになるにはかなりの時間がかかると思われます。さて、移動中目につくのは地震から既に1年近く経ってますが、ブルーシートの屋根です。屋根は大半が瓦で葺いてあります。この瓦のズレや崩落の応急処置でブルーシートなのですが、瓦は能登瓦です。能登瓦と言うのは特色があって黒く艶があります。北陸の気候風土に適した瓦と言われていて、瓦に厚みがあって更に表面の釉薬を厚く塗り重ねて雪や風に強く、耐寒性があると言われています。東海地方で普通に見る三州瓦とは全く異なります。1年近く経ってまだ屋根にブルーシートがあるのは、恐らく瓦の入手に時間がかかっているからと思われます。日本3大瓦と言うのは三州瓦(愛知) 石州瓦(島根) 淡路瓦(淡路島)でそれぞれに特色があるのですがそれ以外にも能登瓦(北陸)や安田瓦(新潟)があります。重い瓦を大量に遠方に運ぶにはお金がかかるわけで地元産の粘土で焼成するのが理にかなっています。関東地方に特産の瓦が無いのは、瓦に適した粘土がないかあるいは船で三州や淡路から大量に運搬できたからと思われます。全国共通の資材であれば日本各地から復旧や修理の為に迅速に集めることもできますが、能登瓦のようなその地域の特産品となると他の地域の瓦の製造工場で簡単に作ることができません。気候風土に適した資材であるがゆえに、かえって地域に被害が集中すると復旧に時間がかかってしまうというなんともやりきれない気持にさせられてしまいます。日頃は住宅建築にはいつでもどこでもいつの時代でも容易に手に入る自然な材料を使うことを推奨してますが、気候風土に合った伝統的な資材となればそれは別。能登地方の黒瓦の家々、なんとか早く復旧をと願うばかりです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月25日
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昭和の初めの古い網入り型ガラスおはようございます、紙太材木店の田原です。天気のいいのが続いて助かります。雨では仕事になりませんから水商売などと言われますが、実際、雨や雪では外仕事ができません。千種の家もようやく大工さんの造作工事が終わり、内装工事が始まります。珪藻土塗りと和紙張り、その後は外構工事も控えています。建物の完成は年明になる予定です。見学会は真冬の一番寒い時期になりそうですから、住まいの温熱環境に興味のある方は楽しみにしていてください。暖房負荷は4.6kWh/m2自然温度差は12.04度Q1.0住宅レベル4Ua値は0.23(QPEX計算)断熱性能等級7建て替え前の家は市内では珍しくなった戦前に建てられた家でした。建具や古材、古いガラスなどを再利用しています。さて、劇的ビフォーアフター日曜日の夕方に目にしますが、来年の建築基準法の改正であのような改修は相当程度ハードルが高くなります。柱や梁つまり建物の構造の変更を伴う改修例えば部屋の間取りを大きくするために二つの部屋の間の壁や柱を取り払うのは、構造を変えることになります。このような場合、新築を建てる時と同様に確認申請を出すことになります。確認申請を出すということは今現在の建築基準に合致させる必要があります。耐震性につても断熱性についても、2025年に改正される建築基準に合わせなければ確認許可が下りません。つまり、そこまでしないと改修できない訳でそれでもなお改修しようとすると現状の建物の調査に始まり、調査結果に基づいて現行基準に合致させるための設計も必要になります。古い住宅を改修して住むには、相当程度の費用負担の覚悟が求められることになります。現状のリフォーム工事は新築と違って法的な規制がほとんどありませんから誰でも何所でもどんな風にでもやりたい放題がまかり通っていて悪徳リフォーム業者の話しは枚挙にいとまがありません。国としてもいい加減なリフォームを何とか規制したい思惑があります。ただでさえ、耐震性が低い住宅なのにその家の壁や柱を取ってしまって、広い空間を作ることもなんの問題もなくできているのが今の日本・・・観光地では古い町家を改修しておしゃれなカフェや雑貨店にしてあるケースもありますが、耐震性などどこ吹く風で長居は無用のお店が溢れています。その点、美濃市は小さな市ですが市内に森林文化アカデミーがある関係からか多くのお店がしっかりと耐震改修がされています。そんなお店は中にいても安心感があってゆっくり商品を見れますが、単に壁や柱を取って広くしただけのお店に入った時は今地震が来たらどうやって逃げよう一般の方はそんな風には考えないと思いますが商売柄そちらに気がいってしまいます。話しが反れましたが、そんなわけで来年の基準法改正後は劇的ビフォーアフターが同様の内容で放送しようとすると番組の最後に出てくる予算の+数百万では収まらない金額が必要になると思われます。古い住宅の改修のハードルが上がるとなると空き家はますます増えるわけで、ケースバイケースや住宅と店舗を分けるあるいは地域性を考慮するなど、行政には柔軟な対応が求められますが改正後しばらくは混乱が続くでしょう。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月22日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。国交省から能登半島地震の悉皆調査の中間報告が出ています。悉皆(しっかい)調査ですから全ての建物の調査です。木造の建物だけでなく、コンクリートや鉄骨の建物基礎や地盤の被害瓦屋根の被害についても報告がされています。国総研資料1296号で検索すると全文が読めます。上の表を簡単に解説すると1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物の内、被害が無い建物は12.5%88%が何らかの被害を受けています。そして全体の19.4%(662棟)が倒壊。1981年以降、2000年までの新耐震基準で建てられた建物の内、被害が無いのが26.5%73.5%が何らかの被害を受けています。そして全体の5.4%(48棟)が倒壊。2000年以降では被害が無いのが65.5%34.5%が何らかの被害を受けています。そして倒壊は0.7%(4棟)地震の規模はマグニチュード7.6で震度は72000年以降の基準で65.5%が無被害ですから、耐震基準が強化は効果があることを示しています。但し、それでもまだ30%を超える建物に被害が出ています。これから新築を検討する方や中古の住宅の購入を検討される方は、地震に対する安全性や安心感をどこに持って行ったらいいか何を基準なり、判断の根拠にしたらいいか?現行の耐震基準は等級1から3までの3つ計算方法が複数ありますから迷われる方も多くおられます。参考になるのは専門家の意見です。構造塾を主宰されているM's構造設計の佐藤さんは、構造設計家として木造住宅の耐震性についてあるべき姿を提唱されています。それは許容応力度計算(構造計算)で耐震等級3国の基準の方向性もほぼ同じで2022年以降長期優良住宅で求められる耐震性は耐震等級3になりました。実はそれ以前は等級2で認められてましたから、基準を上げたことになりました。ほぼ同じと言ったのは構造計算では無くて仕様規定で計算したものでも認められるからです。相当大きな地震が来ても世代を越えて住み継がれる家を長期優良住宅が求めているということを深読みするとそれは耐震性だけではないだろうことは容易に想像できます。断熱性についても省エネ性についても住まいが備えるべきあらゆる性能について同様だと考えるべきでしょう。現状、800万戸の家余りで今後も増え続けることが予想されます。国の考えははっきり言えば性能の低い家はもう建てさせない来年2025年の建築基準法の改正でもその方向性がより明確になっています。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月20日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴で気持ちのいい朝ですが、いよいよ秋本番ですね。子供の頃、毎年のように母がガラスケースに鈴虫をいれて虫の音を楽しんでいました。小泉八雲によると虫の音を楽しむ習慣は古代ギリシャ人と日本人の共通点であるとか風情があって残したい習慣ですが、家の中に虫と聞くだけで〇キブリを連想される方も多くそんな習慣はいまや風前の灯でしょうか。鈴虫はともかくコオロギの色艶は〇キブリに瓜二つですし・・・さて、四季を通して家の中の気温が安定しているつまり例え外が極寒でも酷暑でも家の中にいさえすれば、一定の気温で暑さ寒さに対するストレスを感じない断熱や気密、換気や冷暖房がきちんと設計されている住宅では暑さ寒さに対するストレスは劇的に軽減されます。家中、一年中家の中が快適なんてことは贅沢冬は寒いのが当たり前夏は暑いのが当たり前でそれを我慢して日々、暮らしていく。平成の時代まではそんな考えもありましたが、新築を検討中の方の多くは家の中では何処でも年中、快適が当たり前。同時に、冷暖房光熱費もパネル設置で格安のはず・・・もちろん、それは可能ですが断熱性能等級が6や7だから一種の全熱交換機を使っているからUa値が〇〇だからこれらは残念ながらあなたが期待している快適を保証してくれるものではありませから参考程度にお考え下さい。一つの基準になるのは冷暖房負荷。例えば暖房であれば室温を20度設定にした時、家全体で一冬に何Kwhのエネルギーが必要か計算で出てきます。この何Kwhに電気代の35円をかけると金額が出てきます。現在建築中の名古屋の家で計算すると一冬の暖房負荷は家全体で508Kwh508Kwh×35円/Kwh=17.780円年間の暖房代は17.780円となります。もちろん、設定温度が20度ではなく24度にすると一冬の暖房負荷は家全体で1271Kwh1271Kwh×35円/Kwh=44.485円設定温度を何度にするかで暖房費は変わってきますし、そもそも電気代が1Kwh当たり35円なのか38円なのかあるいは40円なのかでも変わってきます。特に設定温度は低く設定すれば暖房負荷が小さくなって暖房費も安くなります。住まい手が家の性能を知る時、この設定温度がHMや工務店によって違いが出ると比較が出来なくなってしまいます。20度設定では17.780円ですが21度設定では23.415円となって1度違うと一冬で、5.635円も違いが出てきます。なので、これから新築を検討される方はその暖房負荷が何度でのものか確認する必要があります。一般的には暖房設定温度は20度冷房設定温度は27度で冷暖房負荷を計算しますから覚えておくといいでしょう。新住協でもPHJでも重視する数値は冷暖房負荷です。その他の数値は参考程度です。東海地方では日当たり(日射取得)によって、影響される割合が高いですから設計者とよく相談する必要があります。現在設計中の可児市の家は南側道路で東西南が空いている立地。暖房負荷は設計次第で小さくなりますから付加断熱の厚さや種類の選択肢が大きく広がります。つまり同じ暖房費で、断熱材を薄くすることができます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。事務所のケヤキの葉黄色や茶が半分を越えました。週末の雨で落ち葉が増えそうです。隈研吾さんの設計した木材を多用した建物が至る所で劣化しているという記事が最近多く出ています。読まれた方は、やっぱり木材を使った建て物は劣化が早いんだと誤解してしまうのではないかと危惧するこの頃です。外装に木が使われ建てられてからそれほど年月が経ってないのにカビが付いたりや不朽が始まってる云々・・・記事のさわりだけ読む方も多いはずで、それだけが記憶の片隅に残ってしまうのはとても残念です。でも、法隆寺が建てられたのは7世紀。外観を見れば分かりますが、木材がいっぱい使われていますしそれはむき出しになっています。法隆寺の木材に腐朽が始まってるなんて話はあまり聞いたことがありません。隈さんの建物で不朽が始まってて法隆寺ではそれが無いとしたら、それは木材のせいではなく使い方の問題と言うことになります。木を建物で使う時の使い方の基本は雨は真上から落ちてくるので木が雨に直接当たらないように庇をつける屋根をつけるこれだけです。なので、外壁に杉板を張った時も同じで雨が直接当たらないように屋根や庇をつける。紙太材木店の西の壁には杉板が張ってあります。板の厚みは二分三厘(にぶさんりん)昔は二分三と言われる杉板で約7ミリの厚み大正2年(1913年)の建物ですから110年以上経過してますがまだ、現役です。傷んだところだけ張替えをしようか全面張り替えるか考えていたのですが、先日京都へ行った時妙心寺の庫裏の修繕を見学したのですが修繕は傷んだところだけ。全て交換したり全て替えたりするのではなく、同じ材料を使ってそこだけ補修するのが基本そのように聞きました。確かに傷んでいないところまで替えるのは気持ち的に抵抗がありますから直すときはそうする予定です。紙太材木店で新築で外壁に使用する杉板の厚みは15ミリですから100年前の倍の厚さになります。京都の町家や倉敷の街中でも外壁に杉板は多く使われています。住まいにおいて外壁に木を使う時の基本を守れば、ちゃんと長持ちしてくれます。それは日本の古い町並みや歴史が証明してくれてます。環境に対する負荷が低くメンテナンスも容易な杉板。30年、40年と言うスパンで見た時、サイディングよりずっとお値打ちです。もう一度写真の杉板は、厚さ7ミリなのに110年。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月15日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。11月なのに暖かく気持ちのいい日が続いてます。もちろん、いつまでも暖かい訳ではありません。冬の用意が必要になります。国はリフォームの補助金を各種出しています。主に性能を上げるリフォームで耐震性や断熱性それに省エネを向上させる設備機器のリフォームが対象です。省エネを向上させるリフォームと言うのは給湯設備つまり、お湯を作る設備に対するものです。実は家庭で消費されるエネルギーの中で給湯と言うのは、暖房よりも大きなエネルギーを消費してるんですね。意外に思われるかもしれませんが、お湯は夏冬関係なく毎日使います。特に冬は多くの日本人は浴槽にお湯をためて湯船の中で肩まで浸かりますが、諸外国ではあまりない習慣です。同時に0度近くに冷えた水を40度近くまで上げることになりますから夏よりもガスや電気代が高くなります。浴槽のお湯が少なくなれば足し湯機能がありますし、お湯が冷めてこれば追い炊き機能もあって、浴槽の掃除を除けば至れり尽くせりの状況になっています。その掃除さえも最近では自動の浴槽も出ているくらいある意味進化しています。紙太材木店でも数年前、ご主人の強い希望で自動浴槽掃除機能の付いたユニットバスをいれたことがあります。奥様を含め、ご主人以外は本当にきれいになるのか懐疑的でしたが後日定期メンテナンスでお伺いした時に聞くと大正解だったと。家事が楽になるという意味では自動浴槽掃除機能は便利ですが、冬でも家中暖かいと浴槽にお湯を貯めてお風呂に入ることが少なくなる傾向があります。定期メンテナンスにお伺いした時に生活習慣がどう変わったかなどあれこれお聞きするのですが、お風呂はシャワーという家庭や家族の中でもシャワー派と従来の浴槽派に分かれていることもあります。家を暖かくすると、生活習慣が変わるんですね。窓リノベは断熱改修の第一歩ですがまだ、予算に対する申請額の割合は50%に達していません。多くの方が窓リノベに対して効果を疑問視しているからかもしれませんが、壁の中の通気止めを同時に行うことで大きな効果が期待できます。先ず、1部屋工事してみて効果を確認してから他の部屋もと言うこともできます。30年前、40年前に建てられた家でも問題はありませんから断熱改修の経験のある設計者や工務店にご相談ください。断熱改修をする前にその効果が計算できます。自立環境住宅への設計ガイドライン(改修版)などで断熱改修の講習を受けているかどうかなど事前に業者に確認することが一つのポイントです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月13日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。11月も半ばの週ですが、今日の気温は25度になるとか。12月にCOP29がアゼルバイジャンで開催されます。国連の気候変動締約国会議ですが、1997年に京都で開催された時はCOP3ですから既に京都議定書が採択されてから27年と言うことになります。温室効果ガスの削減つまり、主にCO2の排出を減らす条約で毎年のように会議が開かれてきました。その会議の効果はともかく、温暖化が進んでいるということは多くの人が感じているのではないでしょうか。住宅において温室効果ガスを極力出さない家と言うのはその家に住んだ時に生活で使用するエネルギーが少ない=電気代が安いと言うことになります。省エネな設備機器十分な断熱自然エネルギーの利用主にこの3つで対策を取りますがLCCM住宅と言うのがあってこの住宅の考え方は建設時(製造時)から廃棄時に至るまでの何十年と言う長い期間の中で、トータルで温室効果ガスを出さないようにしようとするものです。例えば軽量鉄骨の家で使われる鉄の場合①オーストラリアやインドで採掘され②船で鉄鉱石を輸送し③鉄鋼メーカーで精錬され④それを必要な形にし⑤建築現場に輸送する①から⑤まですべてで温室効果ガスが発生します。もちろん、そこで使用されるエネルギーも日本の場合は輸入した原油や石炭が使われますから、その過程で発生する温室効果ガスも同様に計算されます。鉄だけでなくコンクリートでも同じですし、もちろん、木材でも同じように計算することになります。そうなると国産の木材の家であれば、少なくても軽量鉄骨の住宅で使う鉄より温室効果ガスの排出が少ないことは容易に想像できます。一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが既に日本でも公共の建築物等における木材の利用の促進に関する法律(木材利用促進法)があって低層な公共建築物では木質化が普通になっています。住宅は建設時から居住時そしてその役目を終えて解体廃棄されるまでの長期間、温室効果ガスを排出する訳で出来るだけその排出を抑えられる住まいが求められます。新たに家を建てられる方は頭の片隅に温室効果ガスの事を忘れないで置いてください。長い目で見れば大切なことです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月11日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は6.5度と今年一番の冷え込み実は昨日の朝も寒かったので、薪ストーブを焚きました。事務所の中は18度あるんですが、外が一桁台の気温では早晩寒くなってしまいます。すぐに寒くなる理由は隙間だらけなので冷たい空気が入ってくるから。部屋を暖めると暖かい空気は上の方に上がり、そのあたりの隙間から出ていく。出ていった分の空気と同じ分だけ床近くの隙間から冷たい空気が入ってくる。これでは暖房してもなかかな暖かくはなりません。加えて、室内で発生した冷気が下りてくる。どういう意味かと言うと外の冷たい空気でサッシのガラスの表面が冷やされます。するとそこに接している室内側の空気が冷やされ、それが冷気となってガラス表面を滝のようにゆっくり下りてきて最後は床の上を這って足元に忍び寄ってくる・・・少し前のアルミサッシのペアガラスの断熱性は断熱材の入った壁に比べれば10分に1程度。ペアガラスさえあれば大丈夫と言うわけではありません。ガラスにはいろんな種類がありますしサッシの枠も樹脂やアルミ樹脂や木など様々です。サッシのガラス種類によって日射が良く入ってくるガラスと断熱性を高めたガラスがあります。ガラスの日射取得率を見るとその数値で違いが分かります。数字が大きいほど多くの日射が入ります。サッシのUw値を見ると断熱性が分かります。数字が小さいほど、断熱性が良くなります。実は従来のサッシのガラスは上の二つの性能は両立しません。つまり、日射がたくさん入って冬に家の中を温めてくれるガラスは、断熱性が良くありません。逆に断熱性を優先したガラスだと日射取得率が低くて、お日様にあたっているのになんだかそれほど暖かくない。南側のサッシのガラスにどちらの性格のガラスを使うか?日射優先のガラスだと昼間は暖かくていいけど夜は断熱性が低い断熱性優先のガラスだと夜は断熱が効いているけど昼間の陽射しがなんだか弱い日射取得型ガラスと日射遮蔽型ガラスこの二つのガラスの使い分けを計算して年間の暖房負荷がどうかを計算します。でも実は海外製のガラスには上の二つが両立するものがありました。スマートウイン佐藤の窓のガラスはそれです。ここにきて日射取得率が高くて同時に断熱性も高いそんなガラスを使ったサッシがYKKやシャノンから出始めました。太平洋側で日射が豊富な地域の南側の窓は今後このガラスになっていくでしょう。南面のガラスに無頓着な設計者もまだまだ多くいます。新築を検討される方は南面のガラスを意識する必要があります。新住協の鎌田先生がReplanに寄稿しているQ1.0住宅デザイン論で詳しく解説されてますからご覧ください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月08日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は14度の川辺町紅葉したケヤキが朝日を浴びて秋を感じさせてくれます。最近の夏の日射遮蔽の定番はシェードやブラインドですが一昔前の日本家屋では簾(すだれ)を使うのが一般的でした。日差しの強い西日や朝日を安価に防いでくれる優れものです。軒や庇に取り付けてぶら下げるだけですから誰でも容易にできます。しかし、俵屋の簾の用途は日射遮蔽だけではありませんでした。あっても恐らくその用途はほんの少しで、気持ち程度と思われます。京都の町中ですからビルもあって、東側には5階?建てのビルがあります。上の写真は東向きの窓で簾が下がっています。お隣のビルで日射はほぼ入りません。簾は日射遮蔽が目的ではないんですね。伺ったのはつい先日の10月末です。その部屋、その空間に入った時に最初に目に入ってくる景色や外との繋がりがどう見えるか?部屋の設えも大切なんですが、外の景色がどう見えるかそちらを優先していると言っていいでしょうか。撮影した写真をトリミングして余分な景色を排除するのと似ています。写真の右の障子は、見る必要のないものは見せずで明るさだけを得ています。写真の部屋には椅子とソファーがありますが、座卓の部屋のケースでは視線はもっと低くなりますからまた違った工夫がされています。また、この部屋は2階ですが1階の部屋では掃出し窓の高さを低くしたり雪見障子をつけたりと部屋ごとに異なります。それと、上の写真も実は外側には電動のロールスクリーンが付けてありますから日射の微妙な季節にも対応ができます。住宅でも家族が集うリビングに入った時、いかに心地よく感じてもらえるかは設計者の工夫次第と言うことになります。俵屋の設計は吉村順三氏。足元にも及びませんが何とか近づきたいものです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月06日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。3連休の方も多くおられると思いますが住宅業界はある意味サービス業的な側面もあって、世間の休日は仕事日となることが多くあります。昨日は動画撮影のため、久しぶりに岡崎の大門の家を訪問しました。お引き渡しから既に5年近く経っていますが、丁寧な暮らしをされているのが分かるお住まいなので楽しみにしていてください。久しぶりの訪問で今更ながらいいなぁと感じたのが拭き漆(ふきうるし)写真は手洗いのカウンターです。お引き渡しをした5年前よりもしっとりとした色艶が出て、時を経てより美しくなっているように感じました。奥様に何かされてますかとお尋ねするとタオル交換の時にさっと拭くだけですとのこと。大門の家ではキッチンのカウンターと2階の洗面も拭き漆を塗ってますが、美しさは同様です。水回りの木部を工業製品であるウレタンやニスで仕上げると漆の様にはいきません。一般の方ではご存じない方も多くおられると思いますが、拭き漆はもっと見直されていい塗装です。動画は編集もあって公開するのは少し先になりますが、楽しみにしていてください。欧米では住宅は何十年も何世代も住み継がれるのが当たり前ですが、日本では戦後を経て高度成長期を通して雨風さえ防げればそれでよし兎に角、家が足りないから建てろ建てろがそのまま70年ちかく続きました。そうなると家の性能は2の次3の次ですから、30~40年したら建て替えることが多くの人にとって当たり前で世代が代われば新築を建てるのが普通・・・世界中探しても世代が代わる度に注文住宅で新築を建てるなんて国はありませんが、日本ではそうだったんですね。住まいは安かろう悪かろうではなく、性能にしてもデザインにしてもあるいは使う素材にしても世代を越えた視線に耐えられるものである必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月04日
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こんばんは紙太材木店の田原です。昨日から京都で、ただいま帰りました。KKBで1年ほど前に募った俵屋旅館に泊まる企画で12名、6室に宿泊しました。通常、体感できるのは自分が泊まる部屋だけですが、12名で宿泊しているので6部屋の見学ができます。全部で18室あってそれぞれ間取りや造作は異なりますし当然、庭との関係性も違いますが今回は6部屋を全て体験できるわけである意味、6回泊まったのと同じだけの経験ができるという贅沢な時間を過ごすことが出来ました。皆さん、物差しやスケールで寸法を確認したり写真を撮ったりあるいはここはどういう工夫がしてあるか話し合ったり・・・木又工務店の木又さんはMOKスクールの代表理事ですが、同時に大工さんでもあります。彼に質問すると細かく納まりを解説してくれるという、建築関係者にとっては願ったりかなったりの体験でした。宿泊体験記はでんホームの竹内さんが2年ほど前にご家族で泊まった時の記録を書かれてます。これ以上の解説はなかなか書けませんのでご興味のある方はこちらからご覧ください。さて、世界中から多くの方がなぜこの俵屋に泊まりに来るのか?京都なら著名な5つ星ホテルも10以上あるのに俵屋なのはその尋常じゃない心地よさにあるように感じました。吉村順三が設計してますが、どの部屋にもまた館内のいたるところに心地よさがあります。心地よさとしか表現できないところが残念ですが撮る写真のどれもが誰が撮ってもそれなりに絵になる写真が撮れると言ったらいいでしょうか。そして、そこかしこいたるところで写真が撮りたくなる・・・俵屋旅館の心地よさのある設計を自分なりに解釈すると中と外をいかに自然に結ぶかでしょうか。HPはありませんから予約は電話になりますが、設計者のみならず将来リフォームや新築を検討されている方も泊まってみて損はありません。心地よさの本質が体感できます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月01日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は16度の川辺町10月も末ですが朝が寒いとは感じません。10年前の2014年10月29日のブログを見てみたら、朝の気温は3.5度とありました。過去の気象データから当時のお隣の美濃加茂市の10月の気温を見ると朝の最低気温は28日は7.6度29日は4.7度30日は7.3度寒波が来ていたようですね。暑いのも難儀ですが、エアコンがあれば自分のいるところに対してはそれなりに涼しくすることができます。寒いに対して家中ちゃんと暖かくして家の中では何処でも寒さ、冷たさのストレスを感じないようにするというのは、意外に難しいものです。エアコンは空気を温める装置ですから暖かくなった空気は部屋の天井近くに溜まりくるぶしから下となると、暖かい空気はなかなかそこまで降りてくれません。そんなに簡単に横のお隣の部屋にも動いてくれません。玄関やトイレ、お風呂の中もそうです。特に玄関は大きなドアを閉開しますから、出入りのたびに中の暖かい空気が出ていき外の冷たい空気が入ってきます。更に玄関の床はコンクリートの上にタイルが張ってある家が大半。しかもそのタイル面は、玄関ホールのフローリングの床より20センチほど下がって段差が出来ています。家中の冷たい空気は重いので下へ下へと下がっていきます。家の中で一番下の床がコンクリートとタイルでできた玄関の床。比重のとても小さな空気で比重のとても大きなコンクリートとタイルを温める?玄関なんて一瞬通り過ぎるだけだから寒くてもいい?玄関ホールを扉で仕切って、冷気がリビング側に入ってこないようにする?断熱や気密がきちんとできている家になればなるほど、家の中で寒い区域を作るのは結露のリスクが高まります。冬の結露は暖かくないところ冷たいところ寒い所で発生します。一種の全熱交換器で換気をしてるから大丈夫ではありません。お風呂やトイレ、玄関を寒くしない設計は全熱交換器を使ってる家でも設計者には求められます。お風呂やトイレ、玄関は建物の角にあることが比較的多くなります。建物の角にあるということは4つの壁の内、二つの面が外気に接しているということ。平屋であれば、天井も外気に接します。室内側にある壁の向こうは同じ室内で気温も20度くらい。でもこれからの季節外気に接している壁の向こうは3.5度とか0度・・・お風呂は1坪の大きさとすると真四角の形をしています。お風呂が角にあれば2つの壁面が外気に接しますし、角でなければ1つの壁面しか外気に接しません。熱は暖かい方から寒い方に移動しますから、建物の角にあるお風呂の外気に逃げていく熱の量は1面しか外気に接していないお風呂の2倍と言うことになります。お風呂や玄関、トイレを寒くしないために1時間当たり何wの空気が何m3必要か?それには、それぞれの部屋の暖房負荷を計算する必要があります。これから冬に向かって寒くなっていきますが、新築を検討される方は設計者と相談しながら暖かい家をお建てください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月30日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今週は雨模様の様、朝から雨です。台風も発生しているようで動きが気になります。お正月に発生した能登半島地震の被害の調査が進んでいます。その報告会や研修会が最近開かれるようになりました。既に地震から10か月以上経過してます。実際の被害がどれほどかJBN(全国工務店協会)が今回開く研修会の資料によると全壊6.421棟半壊22.823棟一部破損103.768棟この数字を見ると改めて被害を受けた棟数の多さに驚きを禁じえません。講師は㈱山辺構造設計事務所の山辺豊彦さんMOKスクールでも講師をされていますし、木造の構造の大家でもあります。山辺さんが実際に被災地を回り、住宅の被害状況やどうして倒壊したかなどの実例を踏まえて解説される講習です。熊本地震の時もそうでしたが古い家ばかりが被害を受けているわけではありません。熊本地震では1981年の新耐震基準2000年の耐震基準でも被害を受けた家が多くあります。国交書の報告によると1981年の新耐震基準では8割2000年の耐震基準でも4割が何らかの被害を受けています。能登半島地震の被害を受けた家についても熊本地震と同様今後詳細な被害報告が国交省から出ると思われますが耐震基準別の被害の割合はそれほど違いはないでしょう。ただ一般の方に知っていただきたいのは耐震基準には等級があることです。単に現行の基準を満たしているだけの基準もあれば、それを上回る基準もあります。等級1から等級3までありますが、更にその等級の出し方も各種の計算方法があるという一般の方にとってはとても分かり難いものになっています。設計者があるいは依頼しているHMや工務店が、耐震についてどう考えているかで選ばれる基準は異なります。私の設計では耐震等級3だけど第三者機関の認定を取ってるわけではないので確認申請書上では等級1です。(耐震等級3相当)実はこういうことも十分あり得ます。許容応力度計算(構造計算)をして耐震等級3にしても、1坪分の金額には届きません。31坪の広さの家を30坪にすればお釣りがくると言うことになります。今回のJBNの講習では・能登半島地震での建物被害の状況・倒壊した住宅の原因追及・構造計画のポイント解説講習の内容は設計者にとって非常に有意義なものになっています。構造塾の佐藤さんも各地で今回の地震について講習をされています。構造が専門の先生方のこれらの講習は、一般の住宅設計者には必須の講習と考えます。P.S.最近は平屋の家が人気で平屋専門の工務店もあるとか来年2025年には建築基準法が改正されて4号特例が縮小され木造住宅の構造の審査が厳格になりますが実は、200m2以下の平屋は適用外。200m2なんて60坪以上ですからそこまでの広さの平屋を建てるケースは日本中でもごく少数・・・平屋で住まいを検討される方は適用外だからしなくていいではないんですね。ちゃんと構造の確認が設計者側でしてあることが前提で、その確認まではしませんと言うことなんです。なので、ご自分で設計者に確認するしかありません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月28日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今の時期は暖房も冷房も必要ありませんから窓を開けて風を楽しむことができます。網戸は付けたままの家が大半ですから、蚊や虫が入ってくる心配もありません。実は、古い家の窓はサッシでは無くガラス戸ですから網戸は衣替えに合わせて出したり仕舞ったり。障子や襖も同じで、夏の間は簀戸になります。エアコンの無い時代ですから通風頼みですが、まぁそれでも団扇と扇風機で何とかなってきました。住まいの衣替えの時期は6月と10月ですが今年のように夏がどんどん長くなるとどうなることかと心配になります。今朝のニュースで、このまま温暖化ガスの排出が続くと今世紀末には平均気温が3.1度上がるとか3.1度も上がれば秋と春が極端に短くなって夏と冬だけになるか酷暑の夏と秋に似た冬になるかもしれません。建築に携わる身として出来ることを考えてみると住宅を建てる時は工業製品だけでなく出来るだけ自然なものを使えば、製造時のエネルギーを削減できて少しはお役に立てます。暖房エネルギーや冷房エネルギーが少しで済む家ならもう少し貢献できることになります。住まいを木造で建てる方が多いと思いますが、住宅で使われる木も地元の木(県産材)であれば運搬するエネルギーも(ウッドマイルズ)少しで済みますしお金が東京や大阪に本社がある会社に行ってしまうのではなく地元で回ることになります。もちろん住宅ローンも地域の金融機関であればお金がどこか遠くへ行ってしまうのではなく、地域で回ることになります。地方で家を建てるということは凡そ50年はそこに住むわけです。その地域がそれなりに元気でいてもらわないと困ることになります。家を建てる時の数千万のお金が地元で回るのか東京や大阪へ行ってしまうのか個人が数千万ものお金を使うのは住宅を建てる時しかない訳でそのお金はどこへ行くのか?これからの時代地方に住まなければならない人は、自分のお金の行く先がどこか考えてみる必要があります。一度家を建てれば50年は住むことになるのですから。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今日は一日、雨模様の美濃地方。雨に濡れたケヤキの落ち葉の掃除が・・・紙太材木店では木製のガラリ戸を使うことがよくあります。日射の遮蔽や外からの視線を遮れますし、横桟に隙間がありますから閉めていても中からは外の様子がよく分かります。鍵もかけられますし横桟を太くすれば飛来物対策にもなって、一石二鳥以上の優れものです。このガラリ戸使っている木はピーラーと言う目の詰まった米松米松の松の字の前にある米はアメリカの事で輸入材です。お分かりのように円安や資材価格の高騰で、昔(20年ほど前)の価格を知っている人間にはびっくりな価格になってます。一昔前の住〇林業の和風の家の破風や鼻隠しには定番のように使われていましたし建築家の伊礼さんが設計される家でも破風や鼻隠し、戸箱などで数多く使われていますから、ご存知の方もあると思います。ピーラーの値段が高くなったのなら桧や杉など他の木ではとお考えになるかもしれませんが、ピーラーと同じような色にしようとすると桧は油分が多いので着色が難しいんですね。杉は色は付くのですが同じような色にはならない。桧や杉は経年変化で灰色や濃い茶色に変色していきますがピーラーはキシラデコールなどで着色すると杉や桧のような変化にはある程度時間がかかりますし、塗り直せば更に伸びます。建築当初の外観の配色イメージをある程度の時間持たせることができます。壁を漆喰やソトン壁のような塗り壁やガルバリウムにして、破風や戸箱をピーラーなどで仕上げると、板張りなどの家に比べ外観の経年変化による配色の変化はとても少なくなります。つまり相当な期間、建築当初と同じような外観を維持できることになります。それをどう捉えるか?ある意味それはスタイルとでも言っていいでしょうか。時と共にご自宅の外観が変化していくを楽しみたい方いやいや建てた時のイメージを出来るだけ長く保ちたい方もちろんピーラーをキシラデなどで着色せずそのままであれば、経年変化は速くなります。スタイルは人それぞれですし選択肢も色々あります。そのままがいいか自然な変化がいいか自然な変化がいいけどそれは少しゆっくりがいいかご夫婦でも違いますし今のあなたと10年後、20年後のあなたでも違います。そして板張りなどで経年変化する外観も、30年を経過すればその後は落ち着きます。自然なものに人工的な着色をすれば、紫外線の影響で必ず変色し劣化しますからそれを維持しようとすれば手間とお金が必要です。どうするかは財布とも相談する必要がありますから、設計者も含め慎重に考える必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月23日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は13度ほど。10度を下回る日がいつになるかですが、そんなに遠くは無いようです。本日はサッシの話し。日本のサッシと欧米のサッシの違いですが、木製とか樹脂とかガラスとか色々ありますが、取り付け方も違います。それはサッシ本体につばが付いているかいないかです。建物の外壁面にサッシを取り付けるのにつばが付いていると取りつけやすいんですね。防水上もそのつばの上から防水テープを張るというのが、教科書になっています。そしてサッシを取り付けてから外壁のガルバリウムを張ったりモルタルを塗ったりタイルを張って仕上げます。風雨が強ければ雨が壁面にもあたりますから、サッシと仕上げ材の隙間から水が入って雨漏れしては困りますから、つばにテープを張って仕上げるのですが・・・欧米のサッシには、そのつばがありません。雨が降らない訳ではありませんからつばが無いのには理由があります。日本人の感覚ではサッシは一度取り付ければ一生もので、交換なんてつゆほども思わないという感覚ですが、彼らは違います。家なんて100年持つのが当たり前。だからその間に、サッシは必ず交換する。だから交換しやすいように取り付ける、です。日本の家は戦後30年程度で建て替えられてきたので、サッシを交換する必要がありませんでした。なので、サッシを交換するなんて思いもしない考えなんですね。でも100年住むとなると、設計思想そのものが違うことになります。つばがあるとサッシを交換する時にサッシの周りの外壁を剥がさなければなりません。ガルバリウムであれ塗り壁であれ何であれ剥がして交換となりますが、その外壁の修理となると足場が必要とか20年以上経過していれば同じ模様や形のものが無いなど不都合が出てきますし、費用も割高になります。でも、つばが無ければ工夫すれば外壁を傷めることはありません。日本で作られる木製サッシなどにはつばがありませんが、日本ではアルミサッシだけでなく樹脂サッシには全てつばがあります。どのサッシメーカーのものでも、全てつばありです。なので30年後、40年後の交換時期には足場を含め、それなりのメンテナンスコストがかかることになります。さて、そんな中でたとえつばがあっても、外壁が簡単に剥がせたり誰もが容易に修理できればその補修費用は安く済みます。それは簡単で杉板を張ること。ビスで止めてありますから簡単に取り外しできます。杉材なら30年後、40年後でも日本全国どこでも安価に容易に手に入りますし、40年程度であれば剥がした杉板はそのまま使えるでしょう。最近日本各地で昔ながらの杉板張りの家が徐々に増えてますがそんな理由があるからではないでしょうか。しかし、流行りのガルバリウムではそうはいきません。サッシの交換と言うのは従来の日本人が持っていない考えです。家の寿命は30年ほど前の日本の家に比べ、格段に伸びています。いくら性能が高くでも、50年.60年と言う長期に渡るメンテナンス費用が高額になるような家では残念としか言えません。服や靴のように身に着けるものであれば流行やその時の好みで選んでも問題はありませんが、それすら年齢、年代によって変わっていきます。住まいの外観にも流行りと言うものがありますし、SNSでは素敵と感じる家の写真は溢れています。住まいの外観デザインは大切ですが、ファッションではありません。30代で家を建てれば50年住むことになります。一時の素敵が50年間にどれだけのメンテナンスコストが必要か考える必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月21日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。漸くケヤキの葉が色づき、落ち葉となり始めました。これから毎日落ち葉そうじが始まります。昨日の美濃地方は30度週末の土曜日を過ぎると、一挙に寒くなるとかようやく秋が来たでしょうか。寒くなればなったで日差しが恋しくなるわけです。サッシのガラスは大きく分けて二種類あります。日射取得型のガラスと日射遮蔽型のガラス日射熱取得率が違うんですね。日射熱取得率なんて言うと???ですが簡単に言うとガラスを透過して入ってくる日射の熱がどれだけあるか?遮蔽型のガラスだと日射の熱が入ってくるのをカットします。取得率32%のガラスであれば68%の熱をカットすることを意味します。取得型のガラスだと日射の熱ができるだけ入ってくるように取得率が高くなっています。取得率58%のガラスだと取得率32%のガラスに比べ、約1.8倍の日射の熱が入ってきます。細かい計算は省きますが一般の方にも知っておいて頂たいのは、ガラスの選び方次第で冬の室内の暖かさが異なること。特に日射の豊富な太平洋側に住んでいる方は、お金をかけずに住まいの暖房が出来ることになります。でも以前の家では南面に縁側があって日差しが当たるところはそれなりに暖かいけど、日差しがあっ当たってなければそんなに暖かいなんて実感がない・・・多くの方の実感だと思いますが、それはその家の断熱材が不足していたから。ソーラーパワーメーターとか日射熱計で計ると1m2当たり何KWの熱が入っているか計測できます。例えば日射熱を計測して0.7kw/m2であれば0.7kw/m2x5m2(南面の窓の面積)x0.58(日射熱取得率)計算すると2.03kwになります。これって、6畳用の2.2kwのエアコンで暖房してるのとほぼ同じなんですね。断熱性能等級4程度の家(Ua値0.87)ではまだ、全然寒いと感じますが等級が6(同0.46)を越えてくると30坪程度の家であれば暖かさを実感できます。0.46w/m2・Kx250m2(外皮)x20度(温度差)計算すると2.3kwつまり日射だけでその家で必要な熱量(暖房負荷)の88%を補うことが出ます。室内と外気の温度差を20度としましたが、太平洋側で日射が豊富な地域で日中日差しがあれば外気は10度程度でしょう。そうなると温度差は10度必要な熱量は1.15kwつまり、昼間は無暖房でも過ごせます。(暑くて窓を少し開けてる)どんなガラスを選択するか断熱性をどれだけにするかで、冬の過ごし方が変わってきます。一昔前は冬は炬燵から出たくないでしたがきちんと設計された住まいでは冬は家から出たくない、です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。なんだか怪しい雲行きの美濃地方まだ雨は降っていませんが時間の問題の様です。8月から復活した電気やガスの補助金は10月で終了しますがまたまた、与党は補助金の延長を検討中とか(与党だけではないようですが)これはある意味、建築業者や住宅業界を甘やかす構図です。過去何十年にもわたって繰り返され、結果は性能の低い家の蔓延と性能の高い家の駆逐。多少性能が低くてもお値打ちで、お安くなります。断熱性能等級4は国が定めた基準で一昨年まで最高等級でした。暖房や冷房すれば十分暖かく、涼しい家になりますから心配はいりません。こんな具合に耳元で囁かれればソレモソウダネ(2030年までに等級4は既存不適格等級5が最低基準になります)この構図をいつの時代に断ち切れるのか?家余りの時代に将来更に余る家を建てることのだけは避けたいですね。さて、心地よさとか居心地のよさを感じる空間や場所と言うのは写真でお伝えすることはなかなかできません。多くの設計者が名建築と言われる建物を訪問するのは、実際自分で行ってみてその建物の心地よさや居心地を自分で体感するためです。なぜ、そう感じるのかを自分なりに解釈したり推測し、その解と思われるものを自分の設計の中に取り入れるためです。一般のこれから住宅を建てようとする方も新築を建てた友人の家に行った時、居心地のいい空間や場所を探してみてください。場所と言うのはダイニングのこの椅子に座った時とか、リビングのこのソファーとかピンポイントの場合もあります。そしてなぜそこが居心地がいいのかその空間を心地よいと感じるのか自分なりに考えてみる。そこには、いろいろな要素があります。部屋の広さ、高さ、明るさ、窓の大きさ窓の位置や種類、壁の位置、壁の高さ照明の明るさ、配置外の見える景色、植栽家具、椅子の座り心地床の色、どんな床か、壁の仕上げ材、天井の高さや勾配、吹抜けetc数えればきりがありませんが自分なりの解釈をしてみる自分がこの空間に居心地の良さを感じるのは多分こうだからなんだな。完成見学会のようにその場に設計者がいれば心地よさについて聞いてみてもいいでしょう。感性のある設計者なら待ったましたとばかり、あれこれ説明してくれると思います。もちろん、全くそんなことには頓着しない設計者もいますから人を見て聞くしかありません。間取りや生活動線も大事ですが更にその先には居心地のいい場所や心地よさというものがあります。ネットやYou TubeなどのSNS雑誌などでも分かりません。実際にそこに行くしかありませんがそこがどこか?聴竹居をはじめ一般公開されている建物は数多くあります。故きを温ねて新しきを知るではありませんが、大抵のことは既に昔の人が考えていますから住宅展示場に行く前に名建築と言われる建物を訪問しても損はありません。実は今月末にKKBの仲間と俵屋に泊まります。前後に工事中の妙心寺の庫裏や横内敏人事務所etc訪問予定聴竹居は予約が間に合わず断念。どんなんだったか、また報告しますね。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月16日
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こんばんは紙太材木店の田原です。更新が遅くなってこんな時間になりました m(__)m午前中はリフォームの打合せ午後は?障子の張替え(^^♪以前、定期点検にお伺いしたのですが換気装置の排気の確認をした時、狭い所だったので体がふらついた時うっかり、障子に手をついて破ってしまったんですね。その補修に岐阜市内の大福町の家に行ってきました。今日は岐阜に天皇陛下が来られる日。お巡りさんはいっぱいいますし交通規制もそれなりに国旗を持ってお迎えする一般の人も沿道に溢れていました。迂回、迂回をしながら何とか張替えを済ませてきました。障子の張替えYou Tubeなどにも出てますが、誰でも簡単にできますから是非一度トライしてみてください。トライなんて言うとハードルが高く聞こえますが、鼻歌交じりで誰でもできます。(剥離剤で簡単に剥がせます)さて、心地よい空間設計サイドの話です。閉じられた空間では安心できない。閉じられた空間とは見通しが出来ない空間を言います。つまり、周辺の状況が分からない空間では人は安心できません。敵が、捕食者があるいは自分や家族に危害を加えるものが近づいてきても分からないからです。いち早く危険に気づくことで、自身の身の安全を確保できるわけです。ある意味、それは本能的なものです。人が安心、安全を感じるには見晴らし見通しが必須です。心地よさの前提として安全安心を確保するための見晴らし、見通しという本能に起因する状況が必要になります。京都や各地の古刹、あるいは屋敷と呼ばれる各地の古くからの建物は庭に囲まれています。各部屋は壁ではなく建具で仕切られ、建具を開ければ建物の四方に庭があり、周囲の状況が見て取れることになります。敵が、不審者がいるのかいないのか庭の砂利に波を打たせておけば誰かがそこを通れば必ず跡が残ります。本能的な安心を確保しつつ、そこに枯山水などの芸術的な要素を入れ住まい手の目を楽しませる。もちろん現代の街中の住宅のように東西南あるいは東西北を隣家に囲まれた住まいも数多くありますし、狭小地では四方を囲まれた住まいもそれなりにあります。さて、設計者がそんな状況の中でどんな心地い空間をあなたのために用意してくれているのか?ともすれば一般の方は間取り優先、生活動線優先になり勝ちですが心地よさの本質はそこにはありません。言うまでもありませんが、Ua値や断熱性能等級は心地よさの一つの手段でしかありません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月14日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。先日の新住協の総会で話しを聞いたり見たり、いろんな人の意見を聞くといろいろ思うことがあります。帰りの新幹線の中で浮かんだ考えを忘備録的に書きます。人はなぜ家を建てるのか?安全安心を求めてとか人それぞれと言ってしまえばそれまでですがその目的は何か?と何度も突き詰めていくと最後には、心地よい空間を求めてと・・・住まいにおける心地よい空間は大きく分けると住まい手サイドで作り上げるもの設計サイドで作り上げるものそれに周辺環境によるものこの三つが主な構成要素です。断熱や気密換気や冷暖房装置などは心地よい空間を作るための設計者側の手段あるいは責任といえるでしょう。もちろん間取りなどの設計プランや選択された素材例えば床壁天井の材料ドアなどの建具も設計者サイドで作り上げるものになります。更に周辺環境は変えられませんが利用することはできますから、心地よい空間を作るためにいかにそれを設計に取り入れられるかさて、住まい手サイドが作る心地よい空間とはお気に入りの家具、椅子やテーブル花や植栽ちょっとした小物や本旅のお土産思い出の写真など様々ですがそれらが目の届くところ手の届くところつまり、それらが身近にある空間が心地よい空間となります。ポイントはその人が気に入ってるものであることでも住まい手サイドが出来るのは残念ながらそこまで。いくらお気に入りの空間でもなんだか寒い・・・ふと窓の外を見たら誰かがこちらを覗いている・・・カーテンを閉めると閉じ込められたような・・・さて、お気に入りは人それぞれですが人の手で作られたもので古いものは人を惹きつける何かがあります。古いもので残っているということは多くの人の手で大事にされてきたからに他なりません。骨董屋さんが世界中にあるのも頷けます。日本でも北欧のビンテージ家具などは根強い人気があります。間取りや生活動線あるいは最近は性能も叫ばれていますが、それらは当然のこととして日々の生活をより豊かにする心地よい空間は設計者だけでなく住まい手も参加することでより充実したものになります。今までの経験から心地良いと感じる空間はお気に入りのものが身近にあり四季を感じる植栽があり自然な素材に囲まれ暑さ寒さと言ったストレスを感じないそんな空間を日本人は心地良いと感じるようです。性能だけでは得られない心地よい空間あなたが本当に家を建てる理由は心地よい空間を求めてるからなのかもしれません。次回からもう少し心地よいと感じる空間を深堀していきますね。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月11日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日ふと10月ってこんなに暖かかったのかと過去の気象データを見てみました。2016年10月9日の美濃加茂市の最低気温は13.7度翌日の10月10日の最低気温は13.2度以後11日 14.3度12日 13度13日 10.6度14日 11.3度15日 9.8度16日 10.9度この気象庁の過去の気象データはクリック一つで前の年の同じ月、同じ日の最低気温や最高気温平均気温等を見る事が出来ます。前年をどんどんクリックしていけば見れますが、観測点が各県で決まっていて私の住んでる町に一番近い観測点がお隣の美濃加茂市です。美濃加茂市の場合1979年からのデータしかありませんから比較できるのはその年までですが岐阜県の場合岐阜市は1883年まで高山市は1899年まで遡って比較ができます。秋や春と言った中間期だけでなく、冬の気温も比較すると温暖化が実感できます。例えば美濃加茂市では1981年の1月に最低気温が氷点下だった日は29日もあって、ほぼ毎日氷が張っている状態です。それが年を追うごとに減っていき今年は19日しかありません。温暖化が温室効果ガス、つまり二酸化炭素の排出量の増加が原因と言うことで、国は何とかその削減をしようとしてます。省エネが叫ばれるのもその一環。そのうちの一つにLCCM住宅整備推進事業と言うのがあります。ライフサイクルカーボンマイナスの頭文字からのLCCMです。住宅の建設時から最終的に取り壊されるまで、つまり建てる時に出るCO2まで含めて太陽光パネルなどの再生利用エネルギーを使うことで、CO2の排出量の収支をマイナスにする住宅のことですが残念ながら一般にはあまり知られていません。筑波市にLCCM住宅の実験棟が建てられてから既に10年以上(2010年)まだありますが、現在の視点で見ると15年ほど前の建物ですから見劣りするのは否めません。当時としてはかなり進んだ住宅でしたが、15年と言う時間の間の住宅を取り巻く環境は大きく変わりました。つまり、これから先15年の住宅を取り巻く変化がどんなものになるか?来年2025年には建築基準法の改正2030年までに断熱性能等級4は廃止等級5が最低基準に2050年には日本の住宅全体の収支でCO2の排出がゼロになることをめざしています。どんな性能の家を建てるのも私の勝手と言う時代ではないことが分かります。家余りの時代800万戸の家が余ってるのにまた建てるのは、今余ってる家の性能が低いからにほかなりません。そんな家をリフォームするくらいなら新しいのを建てようとする気持ちも分からないではないですが、その新しい家が15年後、20年後の性能の低い家では過去の繰り返しで世代を変えるたびに家を建てるつまり多額のローンを組むという罰ゲームを繰り返すことになります。中古の住宅でも筋が良ければ、耐震でも断熱でもリノベーションは十分可能です。新築を検討される方は選択肢の一つに入れても損はありません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月09日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今日から数日雨模様とか。涼やかな風の吹く、カラッとした秋晴れが懐かしいこの頃です。木の外装材というと最近では杉板が思い起こされます。焼杉もありますね。倉敷等の古い町並みの家々をよく見ると壁や塀などいたるところで使われています。もちろんこの木で建物の外壁を覆うのは日本だけではありません。こちらの森林文化アカデミーの活動報告にドイツの木造建築の紹介がありますが建物の外壁には多くの木材が使われています。報告の中で解説しているように雨の多い高温多湿の日本では物理的な対策(軒や庇)が必要です。数年前、北総研が準防火地域でも木の外装材を使える認定を国交省から取得しました。北総研と言う公的機関が認定を取得しましたから日本全国、誰でも無料で使うことができます。建築業界と言うのは実は差別化の名の元、特許を取得して他社に使わせないという〇〇工法や〇〇断熱が多数存在します。そこには住まい手の利便性とか住宅が社会資産であるという意識はありません。どちらかと言えば住まいは単なる商品で売上の数字だけが全て。そんな住宅会社がまだ数多くあります。なので、耐震等級を上げることや断熱性能を上げることは価格のアップになりますから売上減少に直結します。極力そんなことはしたくないのが本音セールストークも寝た子を起こすな知らないことは伝えるな今までの性能や仕様で十分と言ったトークになりがちです。さて、北総研が取得した準防火地域でも外壁に木材が使える認定はきちんと仕様が決まっていて、その通りでないと認定されません。外壁に使う板のつなぎ目にも仕様が決まっています。一般的な重ね張りやつなぎ目の上からつなぎ目を覆うようにもう一枚板を張り付ける仕様は問題ありません。実は、このつなぎ目の隙間と言うのは火が燃え抜ける原因とされていて僅かな隙間から火が板の裏側に燃えていきます。なので、この隙間を作らないのが認定された仕様の共通の仕様になっています。今回の新住協の総会で発表したのは準防火地域でも使える縦張りのファサードラタンつまり、縦張りの板と板の間に隙間(6mm~12mm)を入れた木の外装材の認定です。どんなイメージかと言うとリプランで八丁平の家として紹介されていますからご覧ください。新住協の昨年度の事業計画で、国の認定を取得したもので実は費用もかなり掛かっています。費用は会員の年会費から捻出したものですが北総研の木外壁と同じくこの仕様は一般に公開されます。私たちの全ての技術はオープンです。新住協は特定の企業や団体に偏向することなく、またその技術はフランチャイズにすることもなく、全てのオープンな技術として公開しています。そうすることで、最終的にはユーザーの誰もが良質な住宅を求められる社会ができると考えるからです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月07日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。新住協の総会で香川県の琴平に来ています。四国というと瀬戸内海を渡りますから岐阜県からは感覚的にかなり遠いイメージがありましたが新幹線で岡山まで岡山から丸亀までそれほど時間が気になることなく着きました。研修会の話しは専門的になりますが何点かご紹介すると断熱改修の時、内窓設置だけでは暖房費の削減効果は小さいので壁や天井の断熱材補強をセットで考える。昨年から内窓設置には国から相当程度補助が出ていますが、今一つ伸びがありません。実は内窓設置だけでは効果が少ないんですね。QPEXを使って暖房費の削減効果の計算をすると一目で分かります。断熱改修の手法は新住協の技術資料や自立環境型住宅の設計ガイドラインで公開されてます。気流止めをすることや天井の断熱材を厚くすることで、かなりの効果が出ますから内窓設置だけでなく断熱補強も必要です。さて、問題は気流止め北海道の須藤建設の須藤さんから北海道で断熱改修をする時は気流止めの設置は外部のサイディングを一部剥がして外から入れるしかし、来年の基準法の改正後はそれが出来なくなるという話が出ました。どういうことかと言うと一昔前の寒い家では外壁は柱の外側に耐力面材を張らずに、防水紙を張ってすぐにサイディングを張ってました。ですから室内側から壁を剥がして断熱材を入れるより、生活しながら断熱改修ができますしコストも低く抑えることができます。ですが今回の改正では、外から断熱材を入れるには確認申請が必要となりました。理由は柱の外に耐力面材があるとそれを切断したり撤去したりするから耐震性に影響が出るからというのが理由の様です。面材が張ってあるかどうかは分からないから、全て張ってあると仮定して外からの断熱材補強はNGとなったわけです。一昔前の寒い家、耐震性の低い家は耐力面材なんて張ってない家が大半です。現在でも筋交いだけで面材を張らない家は、相当程度建てられています。国はどんな家も一律にNGではなく家々の状況に合わせた対応が必要なんですが・・・この基準法の改正の件では国交省が住宅業界の各種団体にヒアリングしてますから、新住協としても問題提起していく予定です。さて、今回の総会の研修では他にもお伝えしたいことがありますから何回かに分けてお話しします。次回は「付加断熱」+「厚い木材」を使った「無塗装」「すのこ張り」木外装です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月04日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は平日昼間の打合せ。土日に打合せが集中する中、平日の打合せは本当にありがたいです。10月になれば日中の気温もそれなりに過ごし易くなるかと思いきや、昨日は34度明日から3日ほど雨模様のようですからそれを越えれば、暑さはなんとかなりそうです。最近、隈研吾さんの馬頭広重美術館が議論されています。屋根の上の杉材を格子状に流れるように配置した木材が腐朽してきていて、修繕に3億ほど必要と言う話です。ある意味木を知ってる人には雨ざらしの木が腐るのは当たり前の話しなのですが、一般の方がこの話を聞くと、だからやっぱり木はダメだんだと短絡的に捉えてしまう可能性がありますからそこが気になるところです。木は雨ざらしにしない雨ざらしになる木は定期的なメンテナンスが必要だけど、いつかは交換する必要がある。定期的なメンテナンスを怠れば交換の頻度が高くなる。定期的なメンテナンスをせずに放置していると、一挙に全部交換となり多額の費用が掛かる。上記の美術館は、今この状態。日本の木造建築では木で建てられたいものは、計画的な維持管理をするという共通の認識がありました。雨が当たるところに木が使ってあればその頻度が増しますから、屋根や庇で雨が当たらないよう工夫がされています。木の塀でも笠木(塀の屋根)を板金の屋根で覆うことで、耐久性は飛躍的に伸びます。薬師寺の東塔や法隆寺は1300年程前の建物で建物の外部に付属して木材が使われています。風雨が強ければ雨にあたるところですが、基本的に庇や屋根があります。雨のたびに濡れるわけではありませんから外部に使ってあっても長持ちします。新築の住宅でもデッキを作れば、屋根や庇もセットで考える。外壁に杉板を使えば必ず軒を出す。上記の馬頭美術館でも隈研吾さんはそんな木材の性質を説明をされていると思いますが、20年以上経つと行政の担当者も変わりますからそんな説明あった?となりがちです。誰もが傷むのは当たり前と思いながら、誰もがそのまま放置していてその結果が3億円の修繕。隈さんは木を使った建築で有名ですからなんだかここぞとばかり叩かれている印象があります。木を雨ざらしで使えばそうなるのは当たり前という一昔前なら誰でも当たり前に持っていた常識は飛ばして、設計者だけが悪いとするのはなんだかなぁ・・・行政側もどうしようもない所まで行かないと動けないそんな典型のように感じます。さて、新築で家を建てれば10年、20年ほどは特に気になることはないでしょう。気になるようになるとすればその後と言うことになります。家族構成も変わりますから間取りの変更や設備機器の交換も出てきます。基本はそのための積立で、30坪程度の家であれば年間10万~15万月に1万円前後の積立です。設備機器の交換や計画外の出費が起こった時の助けになります。通帳を別にしておくのがミソです。これをしておかないと一挙にドカンと出費と言うことになります。もちろん、杉板張りの家だけでなくサイディングの家でもガルバリウムの家でも塗り壁の家でも同じです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年10月02日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。9月も最終日。明日から10月、今年も残り3か月。今週は新住協の総会が香川県の琴平で開催されます。推進会員の各メーカーの展示ブースもあり。サッシや断熱材、換気装置をはじめ高性能な家づくりに欠かせない資材メーカーのブースもあったりで今から楽しみです。今回は木製サッシメーカーの参加も多いですし、YKKもAPW631(木製サッシ)で参加します。サンゴバンもECLAZ(イークラッツ)で参加予定。総会では毎回新住協の会員の建てた家のバス見学ツアーがあるのですが、今回のツアーでは佐藤の窓の組立工場の見学も入っています。もともと佐藤の窓は工務店でもあるパッシオパッシブの佐藤さんが新規の事業で始められたもの。今回はパッシオパッシブのモデルハウスにも行く予定です。鎌田先生の基調講演もあるのですが、実は一番の目的は全国の工務店の皆さんとの交流の場である懇親会です。昨年の青森に続き今年も温泉旅館スタイル琴平温泉が会場なんですが、以前は丸いテーブルを8~10人が囲むスタイルでした。温泉スタイルは100畳敷きの畳の宴会場お膳を前に浴衣スタイルという昭和な宴会ですが、椅子にテーブルより勝手に移動して座り込めるのでこの方が込み入った話ができるんですね。次年度の総会の開催場所は毎年この総会の締めで発表されます。総会の前の理事会で審議して決めるのですが、今回の総会をどこで開くかコロナ明けと言うこともあって決まっていませんでした。なので今回香川で新住協の総会を開くことも、青森の温泉宿の昭和な宴会場の片隅で決まりました。展示品やモデルハウスなど最新のものや設計や施工などを見ることは大切ですが、その裏にあるものあるいは意図と言ったものは結局その人とコミニケーションをすることでより多く得られます。世間では高断熱高気密あるいは高性能住宅と言われていますが、会員の中ではそれは普通の事なので一般に言われるようなUa値やC値がどうのこうのと言う話しはありません。話しの中心になるのはその先にあるデザインや耐久性コストや施工性あるいは性能も質も落とさない大型パネルでの生産性の向上気候変動対策や猛暑が続く中での空調の在り方など話題には事欠きません。ある意味、次の時代の家づくり討論会でしょうか。2025年には建築基準法が改正されますが、省エネ基準などは欧米から20年遅れていると思っていいでしょう。改正されてもまだその水準であることを知っておく必要がありますし、2030年までにもう一度省エネ基準の改正があることも覚えておく必要があります。次の時代の家づくりというと自分自身は関係ないように思われるかもしれませんが、次の時代と言うのは20年から30年先ですから今年家を建てる方たちの家ももちろん対象になります。次の時代の家はお子さんたちの世代が喜んで住み継いでくれるような家である必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月30日
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こんばんは紙太材木店の田原です。東京のYKKapのフェアから続いての所用で、ただいま帰りました。今年のエコハウス大賞のグランプリは新住協の重鎮楽園住宅(金子建築工業)+鎌倉寿建築設計室の岩村パッシブハウス実はYKKのフェアには金子建築工業の林さんや堀さんも一緒に新住協の中部東海のメンバーで行きましたから、道中、お二人からいろいろ話を聞くことが出来ました。大型パネルを使って建てたこともあって、実は新住協の研修で受賞した建物の建前当日に見学会も開催してます。来週、新住協の総会が香川で開催されますから審査員に入っているダイシンビルドの清水さんに色々とお話を聞けそうで楽しみです。今回のYKKのフェア今年出したYKKの木製サッシの実物がどんなものか凡その金額も含め確認できました。今までの日本の木製サッシはそれほど大きくない小規模な企業がある意味手作りで作ってましたが、今回、巨大メーカーであるYKKが算入することでどう変わっていくのか気になるところです。紙太材木店で木製サッシを使う場合、以前はアイランドプロファイルのものでしたが最近は佐藤の窓スマートウインを使っています。これはもっぱらガラスの性能によるもので日射取得と断熱の数値がいいんですね。この両方の数値がいいというのがミソです。日本の従来のガラスは一般に日射取得がいいと断熱性能が落ちたり、断熱性能がいいと日射取得が悪くなる傾向にありました。南面では日射の取得が良ければそれだけ暖房負荷は低減されますが、断熱性能が下がるので夜間にはガラス面にコールドドラフトが発生します。殊に南面は大判のガラス、つまり開口の大きなサッシを使用しますからガラスも大型で面積の大きいものになります。冬季にこのガラス面からの冷気をいかに感じさせないか厚手のドレープのカーテンや障子、あるいはハニカムシェード等で冷気が極力室内側に来ないように、その冷気を感じさせないような工夫が必要でした。冷気を遮断すればその空間が冷えるわけで、今度は逆にガラス面やサッシの枠に結露が発生する可能性が高くなります。もちろんそれは樹脂サッシを使っても言える事なので、設計者は頭を悩ませることになります。この二律背反をどう成立させるか?日射取得が出来て断熱性の良いガラスを使えば大丈夫と言うことになります。今回のフェアでは同業の工務店や設計者も来ているので、展示品を見ながらすれ違ったり挨拶したりするわけですがその時の何気ない立ち話や一緒にコーヒーを飲んで話しをしている時などに、今日一番の有益な情報がつまり、ここに来なければ絶対知ることが出来なかった家づくりのヒントなどがあります。セミナーの後の懇親会の方が有益なんてケースもあるわけです。今回は棲栖舎 桂の桂山さん(PHJ東海支部 支部長、新住協会員)から、今年一番のお話が聞けました。実は桂山さんは西方設計の西方さんから教えていただいたとか。これから建てる家で計画していると話してました。住まい手に取っても我々工務店や設計事務所にとっても職人さんにとっても三方よしです。紙太材木店でも早速取り入れますが、どんな話かは今しばらくお待ちください。ガラスとデザインと価格に関することです。住まい手の方はお楽しみに。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月27日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。青森は最近朝から肌寒い天気で日中でも16度程度とか…むつ市では朝晩に暖房を入れている家が、普通にあるとのこと。東海地方も先週までの蒸し暑さもどこへ行ったのか秋の気配を感じるこの頃です。今日から三日間東京のビッグサイトでYKKapのフェアがあり、これから出かけるところです。三日間なのでセミナーやイベントは目白押し断熱や耐震、構造など実務者であれば誰でも知っている方が登壇されたり、講演されたりします。YKKは2012年からAPWフォーラムを各地で開催して断熱の重要性をアピールしてきました。APWの発売に平行して、一般の工務店に窓の重要性を喚起する狙いです。紙太材木店が初めてAPW430使ったのが2014年の10月の粟野の家今から10年前、当時はAPWの生産工場が北海道にしか無くて石狩工場からの出荷でした。当時のYKKのAPWの販売戦略は北から順次、南下していくというのも手始めに北海道それから東北そして関東中部地方での販売は北海道に遅れる事2年、YKKにはいつからこちらで販売するか何度も問い合わせた記憶があります。粟野の家は紙太材木店が初めて付加断熱をした家。屋根はHGW16K 30センチ壁はHGW16K 22センチサッシはAPW430と吹抜けに330を使いました。Ua値は0.33C値は0.3現在の基準で言うと6地域ですから断熱性能等級は6基準の0.46よりはかなりいいのですが、等級6であることに変わりはありません。2015年に新住協の総会が名古屋で開催された時の分科会の見学先になっています。当時の一般の建築仲間の反応はそんなに高い性能はいらない!なんでそんなのが要るのか?トリプルガラス?考えられん、何を考えてる?日本で初めてのパッシブハウス鎌倉パッシブハウスが建てられたのは2009年ですから、それから既に5年経過していても当時の反応はそんなものでした。北海道では既に300ミリ断熱なども言われていた時代ですが、北海道以南の内地での認識は今とは隔世の感があります。今の時代断熱性能等級6程度で断熱やり過ぎと言う方は恐らくいないでしょう。ここで皆さんにお伝えしたいのは断熱性能を考えるとどうしても断熱性能等級や断熱材の厚さそれにUa値などに目が行きがちになります。国の基準が今のところそうなっているのでそっちを見てしまうのも仕方がない面もありますが、住まい手としてあるいは実務者として意識しなければならないのは、冷暖房負荷です。暖房費にいくらかかる家か冷房費にいくらかかる家か断熱等級やUa値なんて、実際に住む人には単なる数字でしかありません。必ずしも等級が良ければ冷暖房費が少なくなるわけではありません。しかし、暖房費や冷房費はあなたの懐にダイレクトに影響しますしそれは同時に環境にも影響を与えます。これから家を建てる方は、上辺の数字がどんな意味を持ってるのかよくよく考える必要があります。冷暖房負荷を計算すると実は上記の数値や等級がほとんど意味がない場合もあったりします。何度も言いますが、Ua値などは参考程度にとどめ冷暖房負荷を気にしてください。新住協でもPHJでも問われるのはそちらです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴です。気温も20度を切ると湿度が高くても、気持ちのいい朝になります。子供の頃はお盆を過ぎるとこんな朝になってましたから、夏がひと月伸びた感じです。先日、鵜沼山崎町の家に5年点検に行ってきました。外観はモルタルを塗った塗り壁そこに吹付がしてあります。日射の関係で白く見えますが、淡いベージュの外壁です。住まいの外観つまり、外壁をどのような素材で仕上げるかで、住まいのイメージはかなり違ったものになります。紙太材木店では最近は杉板とガルバリウムがメイン。二つを組み合わせる場合もありますが、写真のような全面モルタル+吹付は、この家が最後です。この家の前後に建てた家では、1階と2階を分けて1階がモルタル+吹付2階が杉板のケースもあります。モルタルを塗ってその上に漆喰を塗ることもありますが、総じて金額の差から塗り壁から杉板やガルバに移行しているように感じます。建築家の伊礼さんのソトン壁の外観はとても惹かれるものがありますから希望される方もありますが、全面ソトン壁となるとそれなりの金額がかかります。塗り壁が敬遠されるもう一つの理由は、施工側である工務店の事情もあります。それは外壁の通気層の確保です。外壁は耐力壁に面材を使うことが主流です。通気層はこの面材に垂木や胴縁を縦に取付けて、空気の通り道を作って確保されます。そして、その外側に塗り壁の下地になる貫を取りつけます。そして、防水紙を張りますが、それだけでは柔らかい水を含んだ塗り壁を塗った時に落ちてしまいますから金網を防水紙の上に張ります。この金網をラスと言います。ラスはラス屋さんと言って専門の職人さんがいます。面材の上に胴縁や垂木を取り付けてガルバや杉板を張ることに比べると、塗り壁の工程が何段か複雑になることが分かります。もちろん、工期もその分長くなります。上記のような理由もありますが、もう一つの理由は左官職人さんの減少です。モルタルのようなゲル状のものを平滑に塗るには何年もの経験年数が必要です。コテムラと言いますが、このムラが出ないように塗るのが素人では至難の技なんですね。その職人さんが高齢化して廃業依頼する左官屋さんがいくら探してもいない一昔前まで住宅の外壁はモルタルが主流でしたが、今ではサイディングが主流。和室も絶滅状態ですから和室の壁を塗るということもありません。住宅の中で左官屋さんの仕事自体が無くなっているんですね。住宅業界も住まい手も手間をかけず、いかに安く、いかに早くを追い求めた結果とも言えます。耐久性や性能と言った質は二の次になりがちで、その究極の姿が800万戸の家余りとも言えます。紙太材木店の社屋になる建物は大正2年(1913年)に建てられてますから110年ほど経っています。外壁は漆喰、戦争中に白い漆喰を炭で黒くしたくらいでなにもしていませんが、なんの問題もありません。さて、110年ノーメンテナンスはオーバースペックでしょうか?だから漆喰にしようと言ってるわけではありません。この100年で特に戦後の日本の建築は得るものもありましたが、それ以上に何かを失ってきたように感じます。効率や生産性が行き過ぎれば耐久性や性能だけでなく建築文化も衰退していきます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月23日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今日の名古屋は最高気温は37度と報じてました。岐阜も36度東海地方の2週間天気の最高気温を見ると、9月中は30度を越えてます。ビールが美味しくいただけるのは嬉しいけれど、来年以降の夏がどうなるか温暖化の行きつく先が心配です。写真は先日名古屋で断熱、気密の見学会を開催した工事中の住まい紙太材木店では家の中で使用する木材は建具を除いて、無垢材に決めています。もちろん使用する木の樹種は様々、桧であったり杉であったりあるいは栂(つが)やオーク(ナラ)カバもあります。一般の方はあまりご存知ありませんが日本家屋の場合無垢の木材を使用する時、鉋で削ったものをそのまま取り付けることはありません。ひょっとして聞いたことがあるかもしれませんが桧の柱などは米ぬかで磨かれていました。調べてみると分かりますが米ぬかには20%くらい油が含まれています。綿の袋に米ぬかを入れて巾着のようにして柱や敷居、鴨居を磨きます。一昔前、土壁が使われていた時代の家は柱が室内側に出てきますし和室では敷居や鴨居長押と言った無垢の木材が使われていました。大工さんや工務店が磨く場合もありますが、住まい手の方が自ら磨くケースも多くありました。米ぬかであればどの家庭にもありますからお金がかかるわけではありません。米ぬかで磨くというひと手間をかけることで、無垢材に艶が出て磨いた人の気持ちを豊かにしてくれます。紙太材木店では米ぬかではなく荏油を使いますが、住まい手の方には床に使う無垢材に荏油を塗ってもらいます。住み始めたすぐには何の艶もない床や木部が、1年.2年と月日を経ることで艶が出てきます。下の写真は木製の階段手摺の1年後とお引き渡し直後のもの住まい手が手をかけてあげることで、無垢の木はそれに応えてくれます。ラテン語のパティーナ(時を経た風合い)2000年も前からある言葉です。人は年齢を重ねるに従い感性は豊かになっていく傾向にあります。20代、30代の時には何の感慨も感じなかった事に、目が行くようになります。経年変化もその一つでしょう。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月20日
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こんばんは紙太材木店の田原です。本日は所用で早朝に出かけましたのでこの時間のブログ更新となりましたm(__)m最近の住宅でひところに比べ余り見かけなくなったのが出窓構造体で作る出窓やサッシとして一体になった出窓等各種ありますが、総じて少なくなっています。もちろん無くなっている訳ではありませんから目にすることもあります。実は住宅のデザインも流行り廃りがあってその時々の時代の流行が反映されています。HMの住宅の外観を5年10年と言う単位で見直すとなんとなく、イメージできるんじゃないでしょうか。服や靴など自身が身に着ける物も時代を反映しますし、30代と40代あるいは50代と言った年齢によっても異なります。一般の方の購買活動は比較的短期な需要でなされますし、それが主な購買経験となります。長期的な需要にもとづく購買経験はほぼ皆無です。自動車の購入経験がギリギリ長期購買経験と言えるかもしれませんが・・・何が言いたいかと言うと住宅は長期に渡って使用するものですから短期の購買経験と同じような判断基準で外観などのデザインを決めるべきではないと言うことです。つまり、30代で素敵だと思う住まいの外観などのデザインは、10年後の40代になった時あるいは20年後の50代になった時なぜこうしたのかしら?服や靴であれば年齢にあわせて変えていくことができますが、住まいはできません。ベストセラーになった本も10年という時を経ると記憶に残っているのはごく僅かですが、古典と言われる本はいつの時代でも読まれます。住まいも時代の流行を追ったデザインでは、5年10年と経つうちに自分自身がそのデザインに飽きてしまいます。住まいの外観は奇をてらうのではなく、ある意味シンプルで虚飾を排したデザインがいつの時代も幾つになってもこうしてよかったと言えるものだと思います。用の美は道具のことを言っていますが、住まいにも当てはまるところがあります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨夜の雨で高湿度ですが快晴な美濃地方。気温が25度でも湿度が95%なので少し動けば滝のように汗が出てきます。連休中は新規の来社のお客様や工事中の現場での打合せなどが入りましたが、今日は何とか時間を確保して土場と竹藪の草刈りをする予定。体力が持つかが問題です。昨日は工事中の現場打合せ。職人さんと打合せするのではなく住まい手の方との打合せです。大手のHMなどでは契約時の図面でそのまま完成までいきますから工事の途中の現場打合せなんてありませんが、工務店や設計事務所案件ではよくあることです。住まい手の方にとって図面と言うのはそれまで見たこともない絵と同じ。平面図はともかく、展開図を見て空間を想像しろと言われても多くの方はできません。そこに明るさや使い勝手まで想像しろと言われても現実的には無理なので、設計者の言葉を信じるしかありません。現場での打合せはそこの部分の擦り合わせができるんですね。何しろ決めなければならないことはウン百もあり、更に設計期間や工事期間は何か月もあるわけで、決めたことも忘れてしまっていることも間々あります。加えてスマホやパソコンを見れば、新居で思わず欲しくなってしまうようなモノが溢れています。住まい手の方が頭の中に描いていた最初の計画通りなんて、そのままと言うことはありません。なので、工事中の打合せは必須。それと、実は設計者も同じです(^^♪やっぱりこっちの方がいいかなぁああした方がいいなぁこうした方が・・・色々考えているとそんなことが頭に浮かぶんですね。自分がその家に住むならこうするだろうあるいはこうした方がいいと思うそんなことをお話しします。設計中に図面に反映しろよと言われればその通りなんですが、住まい手は百人百様家族の中でも考えは違いますから思い至らないことも多々あります。時間を経てそれでも尚残ったことをお伝えしますが、最終的に決められるのは住まい手の考えで住まい手自身が考える暮らし方がどのようなものかで決まります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月16日
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定期メンテナンス(2年)で訪問 外塀は最近造らせていただきましたおはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は全館空調講座で一緒だったN.style建築工房の仲田さんのマンションリノベの空調の実測でした。鳳建設の森さんやJIN建築工房の小森さんなど、何人かで計測しました。参加者は西紋建匠の西さん二ケンハウジングの田中さんコウリュウの酒井さん西さんは大阪から・・・エアコンの空気が各部屋に必要な分だけ計画通りに流れているか温度や湿度はどうなってるかなど面白いのは、空気の流れを目で見ることができるんですね。森さんが動画を撮ってましたから興味のある方は、乞うご期待です。今年の夏は35度を越える日が何日もありました。昨日も名古屋は35度を越えていました。家全体の冷房負荷は簡単に計算できますが、住まいは個別の部屋に分かれています。お風呂の前の脱衣室やトイレ南に面した寝室と北側にある子供部屋では冷房負荷は大きく異なります。部屋の大きさや日射の入り具合その部屋で使用している家電製品からも影響を受けます。太陽光パネルのパワコンが脱衣室のように狭い空間に取り付けられていると、パネルが発電している昼間は相当程度の熱を発します。変換効率にもよりますが、5Kw屋根に載せていれば250wなんてこともつまり、2畳ほどの脱衣室をこの暑い夏に250wの電気ストーブで暖めていることになります。もちろん5Kwではなく、8Kw、10Kwなら更に発熱しますから暑くなります。ただ、逆に考えると冬にはそれだけ脱衣室が暖かくなることになります。住まいの性能が高くなるほど家全体の冷房負荷あるいは暖房負荷と言った大雑把な計算ではなく、個別の各部屋の計算が求められます。各部屋に必要な冷暖房エネルギーをダクトを使って送るのであれば、将来的なダクトの交換や定期的な清掃は必須です。それをどうやって?誰が?設計者は住まい手に代わって考える必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月13日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。なかなか涼しくならず意識せずともこの夏の猛暑の疲労が溜まっているようで、少し体の重い朝です。さて、写真は前回お伝えした断熱、気密の見学会の家の2階の屋根を見た所です。屋根と言っても外から見るのではなく、部屋の中から見てますからこんな風に見えます。写真で見えている合板の下の面に断熱材が取りつきますが、厚さは30センチほどになります。なので屋根を支えている太い木(登り梁)は断熱材で隠れてしまいます。(屋根断熱と言います)この断熱材で隠れてしまう前の合板の表面温度はどれくらいでしょう?この合板の上にはガルバリウム鋼板の屋根があります。直射日光で熱々になってるガルバリウムの表面温度は70℃以上・・・そのすぐ下に上の写真の合板があったら相当程度熱くなってるはずですが、測ってみると33℃これは合板の上の通気層があるのでこの程度の温度になっています。もし通気層が無ければ、もっと高い温度になります。前回の写真で2階の室温は30.8℃でしたから約2.2℃分、ガルバリウム鋼板の輻射熱の影響を受けていることになります。既に屋根の断熱材が取りつけてある1階の天井は室温と同じ30℃でした。(写真を撮り忘れ・・・)合板からの輻射熱は赤外線ですから冬のストーブと同じ働きをします。いくらエアコンで空気を冷やしても、赤外線の熱が体に届けば暖かくなってしまいます。昭和な住宅の2階が、エアコンをかけていても暑くていられない理由はここにあります。もちろん現在の住宅でも屋根や天井の断熱材が不足してれば同じです。屋根からどれだけの熱を浴びるかと言うと簡単な計算式で分かります。屋根や天井の表面からの熱供給は屋根面積x屋根のU値x温度差通気層がなければex50m2x3w/m2Kx40K=6000w通気層があれば50m2x3w/m2x6K=900w屋根のU値は断熱材の性能や厚さで決まりますし、温度差は通気層のあるなしなど屋根面の構成でも変わります。最近はパネルを屋根面に設置しますからパネルと屋根面の間に空気層があることになります。パネルがある分、天井や屋根からの輻射熱は低減されることになりますが、基本は上記の計算式に基づいた断熱仕様の決定です。屋根や天井の断熱材は皆さんが思っているより厚い方が効果があります。屋根の通気層は自立循環型住宅設計ガイドラインでは3センチですが、水蒸気の排出だけでなく通気層内の温度を下げようとすれば3センチよりもあった方が効果があると考えます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月11日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は名古屋で工事中の住まいの断熱、気密の見学会でした。お越しいただいた皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げる次第です。台風10号に振り回され壁と1階の屋根の断熱と気密シートは出来ていましたが、2階の屋根の断熱材はまだ取り付けられておらず気密シートもまだと言う状態でした。写真はお昼過ぎの気温と湿度1は外気で気温は37.9度 湿度は35%計算すると絶対湿度は14.5g/Kg2と4は室内で1階と2階の気温と湿度1階が30.4度と44%2階が30.8度と43%扇風機を回せばなんとか凌げる温湿度です。微妙に温度と湿度が異なりますが計算すると絶対湿度は同じ11.95g/Kg実は2階の窓にウインドエアコンが取り付けてあります。1.4Kwの冷房能力ですから2.2Kwを6畳用とすると63%ですから、3.8畳用クラスと言ったらいいでしょうか。外気が37.9度、35%の時のこのエアコンの限界は室内を30.4度、44%まですることと言うことが分かります。もちろん、家の大きさや壁や屋根、床の断熱材の性能やどんなサッシかとか日射や気密にも左右されます。つまり、上記の性能に加え何人の人が生活するか発熱する設備機器例えばTVや冷蔵庫などの家電製品乾燥機の有無や室内干しの水蒸気など冷房負荷を計算すると昨日のように気温が37度湿度が35%の時、家の中を例えば27度、55%にするには冷房能力がどれだけのエアコンが必要か必要な除湿量はどれだけかなどが計算できます。能力の大きなエアコンを設置すれば問題なしという訳ではありません。寒くなりすぎるあるいは温度は低くできるけれど除湿が足りず、サラッとしていなくてジメジメした感じがするこれなどは典型的なUa値頼みのエアコン選定で起こる現象です。冬は気温だけですから暖房はなんとでもなりますが、日本の夏は温度と水蒸気の二つを相手にする必要があります。この水蒸気が曲者で、持ってるエネルギーを何とかしなければ夏の快適は得られません。2時間に1回家中の空気を入れ替える換気をしながらストレスのない環境にするカタログにある全熱交換の交換率の数値を信じてエアコン選定をするとババを引くことになりかねません。東海地方では今週もまだ猛暑日が続くと報じてました。せめて家の中では、ストレスのない環境で過ごしたいものです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月09日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴で23度、93%の朝です。湿度が高くても気温が23度だと快適ですね。もう1度下がって22度になると不快指数も「快い」に変わります。寝る時はそろそろエアコンから窓を開けての通風に切り替える時期で、ナイトパージと言います。最近、隈研吾さん設計の広重美術館 が話題です。築24年、屋根の木材が傷んで改修費用が3億円必要とか。屋根を覆うように杉材が取り付けてあり風雨にさらされた木材が腐朽して見るも無残になっています。隈さん曰く当時の防腐剤の質が低かったから・・・木材は雨に当たれば防腐処理をしてあっても、長い短いはあってもいつの日にかは朽ちていきます。逆に言えば雨に当たらなければ100年でも200年でも大丈夫一般の方の住まいで建物の外部で木材が使われ、目で見えるところは板張りの外壁、デッキ、玄関ポーチの柱や梁破風や鼻隠しもあります。デッキを除いて、軒や庇があって真上からの水滴は木部にはかかりませんから長持ちします。もちろん雨は真上だけからではなく、風が吹けば横からも吹き付けますから水に濡れます。長い年月(50年以上)の間には交換や補修も出てきますが新築で建てられた方はそれほど心配する必要はありません。ただ、最近はやりの軒ゼロの家は壁も含め雨にあたる頻度が格段に増しますから、軒ゼロで建物の外部に木部が出るような設計はお勧めしません。それを隈さんがされたので批判的な意見が出ているのですが、24年で3億円なので毎年1250万円を積み立てていれば何とかなったのかもしれませんが、いきなり3億となるとやはり大変です。住まいも同じでリフォームも含めメンテナンスには30年間で400~800万くらいかかると言われています。30年以上の耐久性のある設備機器はありませんからエアコンx3台やIH食洗機に換気装置ウォシュレットや冷蔵庫なんてのも含めると設備機器だけでかなりの金額になります。外れの機器ならその間に2回交換なんてことも…対策は積み立てですが、機能が複雑で高価な設備機器が本当に必要か?15年後の交換時期にもう一度それと同じものが欲しいかどうか立ち止まって考えても損はありません。30万円のトイレと10万円のトイレ2台で差額が40万あれば、断熱材を厚くしたりサッシを樹脂やトリプルにすることも可能です。設備機器はある意味消費財ですが住まいは消費財ではありません。かけるべきお金は限度がありますからどこに使うかじっくり考える必要があります。雨がかりのデッキ修繕は傷んだところから順次張替えが原則我慢できなくなるまで放置して一挙にしようとすると費用も時間もかかります。一枚二枚程度でしたら、ご自分でもできます。でもその前にデッキもなるべく雨に当たらないような設計が大事です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月06日
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リノベーション時には断熱気密改修おはようございます、紙太材木店の田原です。先日お知らせしたクローズアップ現代の家が暑すぎる問題業界関係者は随分見ていたようですが、一般の方にこそ見ていただきたい内容でした。視聴率も高かったようで何よりです。断熱改修の良さを工務店や設計者が伝えても、売り込みと取られてなかなか伝わらないのが現状ではないでしょうか。その意味で断熱改修を実際に経験された一般の方の意見はとても貴重です。もう一つ伝わらない理由の一つが断熱改修しても費用をかけただけの効果はないのではないかそう思ってる方も多くおられますし半信半疑というのが実情でしょう。なぜそうなるかと言うと自分の住んでいる家にも壁や天井に断熱材は入っているなのに暑いし寒いだから、断熱材なんてそんなに効果は無いしある意味気休めでしょ少しの間、暑さ寒さを我慢すれば何とかなる自身の体験や経験からそう感じてしまいますが断熱材が入っていても暑い寒いの理由は断熱材の量が足りない(厚さが薄い)サッシがペアガラスでも枠はアルミ(結露する断熱性能の低いサッシ)隙間風がどこからともなく入ってくる(気密が取れていない)年齢が50代、60代の方で、30代の頃に建てられた家の多くは上記に該当します。骨組みである構造体の柱や梁は築30年程度では問題ありませんから、断熱改修をすればまだまだ住めますし次の世代も住むことができます。暑さ寒さと言った身体的なストレスからも解放されます。新住協の技術資料やBISのテキスト自立循環型住宅への設計ガイドライン(改修版)等でわかるように断熱改修の技術は、既に確立されています。紙太材木店(CatsReform)のリフォーム工事で8月の補助金申請の件数は8軒そのうち窓リノベ等省エネに関するものを合計すると13項目総額は200万を越えます。もちろん窓だけでなく、断熱材を厚くすることにも補助金は出ます。まだまだ、我慢して省エネ我慢して節約をされている方も多くいますし涼しい家暖かい家は贅沢と考える方もおられます。ただ、その我慢や節約で健康を害してしまっては元も子もありません。暑い家、寒い家の断熱改修は贅沢でもなんでもありません。住まいが持つべき基本的な性能が欠けている家と見るべきです。国の政策や基準の低さ建築業界の怠慢そのしわ寄せが及んでいた住宅です。その欠けている性能をきちんと直すのですから誰からも後ろ指を指されることはありません。迷っている方は誰でもいいという訳ではありませんが、工務店や設計事務所にご相談ください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらからCatsReformHPこちらから
2024年09月04日
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断熱材の吹き付けおはようございます、紙太材木店の田原です。今朝はまだ雨模様。昨夜もそれなりに降りましたが、今回の台風の直接的な影響は私の住んでいる地域ではありませんでした。ただ、日本中どこでも台風や地震の可能性はあるわけで、日頃の備えが大切と実感した次第です。予報ではまだこれから35度を越える日があるなど残暑が厳しいようですが、温暖化の事を考えると残暑というより夏が長期化している・・・多くの方がこの夏を過ごしてみて、改めて地球温暖化を実感したのではないでしょうか。個人でできることは小さなことかもしれませんが、大勢がすれば大きな流れになります。環境に負荷をかけない生活は小さなことでも実践することが大切かと。ただ、それはそれとして喫緊の問題は夜、暑くて寝られないあるいはエアコンで冷房していても2階にはとてもいられないそんな家は日本には数多くあります。実は、まだそんな家も建て続けられています。今夜、NHKのクローズアップ現代はテーマが「家が暑すぎる問題」東大の前先生やPHJの森さんが出演します。お二方が出演なので、それなりの対策や原因の解説があると思われます。今暑い家住んでる方には断熱改修や暑さ対策の改修のヒントになりますし、これから家を建てようとする方にはなぜ暑い家になるのかそうならないためにどうしたらいいか?が理解できると思います。一般的に天井や屋根の断熱材の厚さは、壁の断熱材より厚くなっています。一昔前(80、90年代)断熱材が入っていると言っても壁も天井もグラスウールで5センチ程度の時代次が(2000年代)壁5センチ、天井10センチそれから(2010年代)壁10センチ、天井15センチ一般的な住宅の断熱材の変遷はこんなイメージでしょうか。断熱性能等級4が最上位だった2022年の3月までは大手のHMの多くも天井の断熱材の厚さはせいぜい15センチ程度それが今では断熱性能等級は7まであってかつての等級4は来年の4月には義務化されるレベル(最低限してくださいね)2030年には既存不適格つまり、そんな等級4レベルはNGになります(確認申請が下りない)これからの日本は、過去に建てられた暑い家に住んでる人が大勢いるのでその人たちのQOL(生活の質)の改善が求められます。エネルギー(エアコン)を使えば可能でもそれは温暖化になりますから、エネルギーを極力抑えてとなると断熱材を厚くするしかありません。壁の断熱材を厚くしようとすれば壁をめくったりとかなりの費用が掛かりますが、天井なら天井裏に断熱材を重ねて敷き込んだり吹き込んだりして今より厚くすることができます。器用な方なら自分で断熱材を買ってきて天井裏に敷き込むことも可能です。厚さは最低15センチ出来れば20センチ余裕があればもう少し厚く同時に窓の改修も両方とも補助がありますし実は思った以上に補助が出ます。低い性能を基準にしていた国の罪滅ぼしかと・・・暑さ対策だけでなく寒さ対策になりますし、電気代も少なくなって温暖化対策にもなります。ポイントは誰に相談するかどこに依頼するかそれが問題です。冷暖房負荷が計算できれば多分大丈夫でしょう。でも計算だけでなく施工も大事ですから実績もでしょうか。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月02日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨夜から今日の午前中にかけて線状降水帯の予報が出てましたが、今のところ大丈夫のようです。日も差しています。今後の台風の動きが気になりますが、過去の台風の時の雨漏れの事例のお話を一つ。台風の時だけ雨漏れするケースがあります。雨漏れの補修の場合、どこから水が侵入しているか確認するため水かけ試験を行います。雨が室内に漏れてきた場合、恐らくこの辺りから入ってくるのではと思われる箇所に放水して侵入ヵ所を探ります。それは外壁のクラック(ヒビ割れ)であったりサッシと外壁の取り合いの箇所であったり様々ですが、何回放水しても時間をかけて放水しても雨漏れが再現できないケースがあります。今まで10年以上住んでて今回の台風で初めて雨漏れしたそんな場合考えられるのが家が水を吸い込む、です。どういうことかと言うと南向きの家で南から雨とともに強風が吹く、建物の南面には風圧力がかかります。しかし同時に南からの風を建物が防ぎますから、建物の北側の壁の外は減圧され気圧が低くなります。北側の壁やサッシの隙間あるいは換気扇があると室内の空気を吸いだすことになります。室内の空気が吸い出されるということは吸い出した分の空気がどこからか入ってくることになります。南側のサッシの周りやその他の隙間から空気が入ってくるわけですがそこに水が当たっていれば空気と共に水も入ってきます。引違いのサッシの下部のレール部分などで、水がボコボコしてるのをご覧になった方もおられると思います。同じ現象がそれ以外の部分でも起こっていると考えられます。台風の時しか漏れない雨漏れ多くは強風によって減圧された室内の水の吸込み現象と思われます。強風がどちらから吹くかでも違いますし、風の程度や風圧力も違いますから台風が来るたび起こる訳でもありませんし、どの家でも起こるわけではありません。こんな雨漏れもありますがどこから侵入するかは水かけ試験でも分かりません。(台風を再現できないので)補修らしきものをしたとしてもきちんと補修できたのかは分かりません。(台風を再現できないので)高気密な家にすれば大丈夫か?そう聞かれてもなんともお答えのしようがありません。リスクは減るかもしれませんが、トイレや台所の換気扇から減圧の可能性もありますし高気密だからと言って隙間が無い訳ではありませんから・・・つまり、可能性はどんな家でもあるでしょう。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月30日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。台風が気になります。これだけ遅いと通り過ぎるのに時間がかかって、風雨の時間も長くなります。2018年の台風では東海地方もかなりの被害が出ました。紙太材木店への修理の依頼の多くが瓦の飛散です。瓦の飛散の修理で頭を悩ませるのが「同じ瓦が無い」です。特にセメント瓦は色や形が様々、廃盤になってるケースが多々あります。瓦屋さんに各地の問屋に在庫がないか問い合わせてもらったりと、難儀した記憶があります。瓦だけでなく住宅に使用される工業製品にはこのようなケースがあります。売れなければ数年で廃盤になるのは資本主義の世界では自然な流れですが、住まい手側にすればローンの返済は35年あるわけです。最低それだけの期間は何とかしてよ、でしょう。でも、メーカーはそんなこと知ったこっちゃない?となれば自己防衛するいかない訳です。そういう商品を選ばないようにするしかありません。どんなメーカーでも規格は同じという設備機器の代表はエアコンパナソニックのエアコンを使っていて故障したから取り換えるのに、ダイキンのエアコンを取りてけても何の問題もなく交換できます。もし規格が違っていて、うちの会社のエアコンは丸型なのでドレーンの位置や大きさが違いますから新たに穴を開けてくださいなんて言われたらそんな商品は選びませんが、設置していた規格のエアコンは廃盤ですからもうありませんなんて言われたらそうするしかありません。幸いエアコンではそんなことはありませんが換気装置はどうでしょう?一種の全熱交換機は各メーカー規格はバラバラです。給気ダクトの本数や径も異なります。設置場所も天井裏であったり壁付けだったり機械ですから10年から15年が寿命。欧州のメーカーのものはほぼ規格が共通してますし、修理も部品交換で出来るようになっています。国産メーカーは百花繚乱しかも給排管はアルミのジャバラが主流一種の全熱交換機を選択されるのでしたらメンテナンスや10年後15年後壊れた時の修理も含め、慎重に検討されることをお勧めします。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月28日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。台風の進路日本が予想する進路とヨーロッパが予想する進路、それにアメリカが予想する進路があります。数日前は、日本より西寄りが欧州日本が真ん中アメリカが東よりでした。今日見てみると、上陸地点は四国あたりで共通してますが欧州はそのままほぼ北北東に北上ですが日米はほぼ北東に北上欧州進路なら一安心ですが日米進路では不安どちらにしても今日は現場の台風養生・・・さて、その現場来月8日に断熱と気密の見学会(工事中)を開催します。場所は名古屋市お申込み後に案内図をお送りします。HPには近日中に掲載されますのでお見逃しなく。 工事中で完成前の段階がご覧いただけますから、そこはどうなってる?の部分をご自分の目で見ることができます。気密シートは何を使ってるかどんなふうに張ってるのかサッシ回りの気密シートの処理は?屋根の通気はどう確保してるか?床の付加断熱って何?換気は?冷暖暖房負荷は?準防火地域でUa値を確保するには?マニアックな質問のように聞こえるかもしれませんが、きちんとした施工をしている工務店なら普通にしていることで特別な事ではありません。ただ、言葉で説明するのと実際に自分の目で見ていただくのでは異なります。この家は暖かいですよ涼しいですよそんな言葉の説明だけでなく、なぜ暖かいのかなぜ涼しいのかどれくらい暖かいのかどれくらい涼しいのかそのためにどれくらいエネルギー代(電気代)がかかるのか今年、名古屋で35度を越える猛暑日は30日以上。温暖化の影響を10年20年のスパンで考えれば、来年以降も猛暑日は増えていくでしょう。以前、NHKが2050年の天気予報を放送していました。京都の紅葉の見ごろはクリスマス頃になるとか2050年は30歳で家を建てれば50代半ば。わずか25年程先の事です。パネルで発電してエアコンで冷やせば何とかなる?かどうかは設計者次第。Heat20は2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会の略称ですが、今年は既に2024年2025年もすぐそこです。Heat40やHeat50を考える時期に来ていますが、そんな動きはありません。今のところ個々の設計者や住まい手が自分自身で、Heat40を考えるしかありません。今度は寒さ対策ではなく暑さと水蒸気対策のHeat(熱)40紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月26日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。8月の末でようやく、今年の台風が東海地方に来そうです。しかも今朝の予報では直撃の様子・・・建築中の現場の台風養生しなければなりません。さて、先日行った美濃市の森林文化アカデミー帰りに美濃市内の古い町並みを散策しました。と言っても余りの暑さに、人通りはほとんどありませんでした。古い家を改装した土産物屋さんやカフェなどで涼んでいる方が大半。我々もいろんなお店を廻りましたが、美濃市の古い家を改装したお店には特色があります。他の古い町並みのお店ではあまり目にすることはありませんが、お店に入った時安心します。古い街並みの中で外観を建設された時と同じように手直しし、内部は土産物屋さんやカフェに改装する場合内部は広い空間が必要になります。お客さんの座る席数の確保商品をできるだけ多く陳列するスペース簡単な厨房やレジ経営上どうしても配置しなければならない場所は、限られたスペースの中では無理があります。どうするかと言うと壁を撤去する2階の床を取り外す通りに面した間口を広くする。どういうことが起こるかと言うと建物の外周の壁だけがあって内部には壁がないガランドウの空間耐力壁どこにある?水平構面はどこ?これって地震が来たら一発で倒壊古い町並みの中にはそんなお土産屋さんやカフェが溢れています。理由は簡単でこの手のリノベーションやリフォームには国の規制や基準はありません。構造的に何をしようと咎められることはありません。今の建築基準なら絶対建てられないものでも、出来てしまいます。流石に国もこのままではマズイと2025年4月の法改正で規制することにしましたが、それまでは野放し状態が続きます。じゃあ美濃市のそんなお店はどうかと言うとこれでもかと言うほど金属の筋交いが入っています。床も屋根もすべて構造計算して配置してあり、基準法の1.5倍程度で計算されているとか。実はアカデミーが市内にあり構造の専門の先生や卒業生が多くいるので、いつでも気軽に相談できます。市内でこのような改装プランが出ると、誰が設計するかどんな設計かちゃんとした補強計画かなど意匠的デザイン的なことも含め厳しい目で評価されることになります。地方の小さな町ですが建物の改修や古い町並みの再生など、建物改修の本来あるべき姿の一つが美濃市にあります。古い町並みのお土産屋さんやカフェに入った時内部がガランドウなら長居は無用です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月23日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。一昨日、昨日と最高気温がようやく35度を切りました。特に昨日は朝から雨でしたから、湿度はありながらも暑さの峠は越えたかに感じました。ただ、午後からは晴れて今日は再び連日の暑さが戻ってくるようです。さて、立秋は8月7日まさにこれから夏本番の暑さが始まる頃ですが暦の上では秋なんとなくズレてると感じてる方も多いと思います。太陽高度が一番高くなる夏至は6月21日ですから、既に2か月余り経って日が沈むのも早くなっていますが室内に入り込む日差しはまだまだ大敵です。特に朝夕の日差しは真横から入りますから、朝は東夕方は西の日射遮蔽は欠かせません。この時間(朝6時)でも窓からどれだけの熱が入ってくるか?日射計(ソーラーパワーメーター)で計測すると約300~320w(ワット)/m21m2当たりですから幅が1.6mx高さが1mの引違い窓(腰窓)からは320x(1.6x1)=576wの熱が入ってきます。掃出しサッシは幅1.6mx高さ2.0m3.2m2の面積ですから320Wx3.2m2=1024w6畳用エアコンは2200Wの暖房能力がありますから朝、東に向いた掃出しサッシが二つあるとすると、何もしなければ6畳用エアコンで暖房しているのと同じになります。もちろん夕方、西に向いた窓があればそれも同じです。でも東向きの窓からの熱は夜間外気が冷やされた朝なので室内の温度も日中程高くはありませんが、西向き窓からの熱は日中さんざん暑くなった外気と室内に入り込む熱ですから西日の方が遥かに強烈に感じます。冷房負荷を計算する時、窓からの日射取得を考慮しますが南面の窓は最大150w東西の窓は同300wこの数字に日射遮蔽の割合がどれだけかを乗じて計算します。南面の場合太陽高度が高いので(日射の入射角度が急になるので)南の窓からの日射取得は東西より少なくなります。庇や軒があれば入射する範囲も狭くなりますから取得も少なくなります。一般に日射遮蔽と言うと南の窓を考えがちですが、実は東西の窓の日射対策はとても重要です。古い農家の切妻の家などは西側はたいてい床の間や仏間、押入れで全て土壁東側もほとんどが壁です。通風は南北に掃出しや縁側を設けて確保してました。エアコンの無い時代ですから東西の日射を防ぐ理にかなった作りになっています。現代ではエアコンの冷房や日射遮蔽もできます。どの部屋がどれだけの冷房負荷があるか計算もできますが、家全体は計算しても個別の部屋までとなると設計者次第。Ua値や断熱性能等級がいくら良くても暑い部屋ができますし、暑いだろうからとエアコンを入れれば夏なのに寒い部屋が出来てしまいます。経験や勘Ua値や等級に頼るのではなく、きちんとした計算が求められる時代になりました。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月21日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は一日中、美濃市つい先日40度を記録した町です。昨日も暑い日でした。午後に行った古い町並みの通りには、余りの暑さで人影はありません。建築仲間と美濃市の森林文化アカデミーへ行ってきました。辻先生の案内でアカデミー内にある全ての建物の解説付きという贅沢なもの。アカデミーは広いんですね。山の中にあって分散して建ってますから、建物から建物への移動は高低差も半端ありません。建物の中だけでなく、外からの解説もありますから参加者一同汗だくになりました。森林文化アカデミーは県立の学校です。建築仲間には、とてもユニークな学校として知られています。現在の学長は造園家の涌井雅之(史郎)さんMOKスクールの三澤文子さんも以前教壇に立たれてました。辻先生も三澤さんの設計事務所を経て、アカデミーに来られました。温熱や構造などオープンな講座も随時開催されていますので、こちらに研修に来る実務者も数多くいます。私も何度か来てるんですが講義が目的ですから建物のこととなると今回の辻先生の解説を聞くまでは何も知りませんでした。入学者の半数は社会人。建築的な経験のない方とか…その分ユニークな発想があって面白いと辻先生が仰ってました。この学校には木造建築病理学の講座があり、木造の建物の経年変化や時間とともに傷んでいくヵ所その補修方法などを教えています。日本の学校では関東学院大学に似た講座がありますが、工務店や大工さんが経験と勘で補修してきた住まいの傷みを学術的に教えています。住宅医スクールでは同様の事を教えていますから、実務者で体系的に木造建築病理学を学ばれたい方にはお勧めです。一年間講義を受けると住宅医の検定会の受験資格が得られます。住宅医の検定会はこのアカデミーの階段教室で行われますが、一番前に審査の先生が陣取り後方の席にはアカデミーの学生が座ります。発表者は自分が行った改修事例を発表します。審査員からのいろんな質問を受けて、問題なければ晴れて住宅医となります。三澤先生や辻先生をはじめ、アカデミーの先生方が審査員ですからそれはそれで緊張します。新築が減少していく中リフォームやリノベーションの需要は高まっていきますが、その手法を体系的にマスターしているのが住宅医です。木造住宅のどういった部分が傷んでいくのかそれをどうやって防止するかまた、傷んでしまった箇所はどうやって直すのか大規模なリフォームやリノベーションをお考えの方はぜひ住宅医にご相談ください。住宅医協会のHPには各地の住宅医が紹介されています。長くなったので続きは次の機会に。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月19日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。東海地方では35度を越える日が既に20日以上連続しているとか。今日も35度を越えそうですが、いつまで続くか気になるところです。紙太材木店のお盆休みは昨日まで。今日から仕事始めになりますが、検討中の方の中には今週中は休みと言う会社も多いようです。今日午前中は打合せの予定です。職人さんたちも今日から仕事ですので、午後は各地の現場周りです。さて、以前もお伝えしましたが2025年4月に建築基準法が改正されます。注目を集めているのは4号特例の縮小です。これは従来の住宅に適用されていた、構造計算は建築士がしてるはずだから建物を建てる時の申請には出さなくていいよ、と言うのをしてるかどうかわからないからちゃんと出しなさい。それとその建物の省エネに関する資料も合わせて出しなさい。大まかに言うと新築の住宅についてはこんな具合の改正です。他にも細かい所がありますが、注目を浴びていたのが上記の二つです。これは日本で家が何百万軒も余っているのは様々な性能が低いからだからこれから建てられる家はエビデンスのあるきちんとした性能の家しか建てさせないよという国の方針を具現化したものとなると新築だけでいいのか?リフォームする家についてはどうなんだ?実は新築だけじゃなくて、リフォームについても改正があります。既に国交省からは数か月前から住宅関連団体にはヒアリングが来ていてリフォーム、リノベーションでも構造を伴う工事には確認申請の提出をさせるけどどう?ex屋根の葺き替えで傷んだ下地の合板を張り替える瓦の屋根からガルバリウムの屋根に変える際下地の板を合板に変える増築する従来の間取りを変えてLDKを一体の空間にするその他にも住宅を建てた後にカーポートを設置した場合建蔽率オーバーの可能性が高いですしそもそも、本来はカーポートの設置は確認申請を出さなければなりませんが大半のケースでは完了検査後の設置で何も申請してません。ある意味住宅業界は歴史的背景もありますが、行政となあなあの中で存在してきた業界政治家や政党も都合よく利用してきた背景があります。その結果が何百万棟もの家あまり時代。さらにこれから先も、性能の低い住宅が余り続けていくことが分かっています。そんなこんなでやっと、ようやく本腰を入れ始めたのですが、ある意味それは生ぬるい湯につかっていた業界には激震ですが、仕方がありません。将来の日本のためには、必要な改正です。既に相続した土地の登記の義務化は施行されています。これで持ち主のわからない相続されない空き家は減っていくでしょう。住宅業界にどんな影響があるか分かりませんが、いい加減な業者は駆逐されていくはずで一般のこれから新築を建てる方や大規模なリフォームやリノベーション、修繕をお考えの方には朗報と言えます。法改正の前後には悪徳業者も跋扈するはずで、今ならお値打ちこれなら大丈夫そんな言葉には惑わされないようご注意ください。火災保険でできるなんてのも、本当かどうか保険会社にまず相談で注意が必要です。これからまだ先暑い日が続きますがご自愛ください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月16日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。35度越えの日が連日続く東海地方。昨日の午後、スーパーに買い物に行ったのですが駐車場はアスファルトの照返しと熱風でサウナ状態でした。ところが向かいのアパートの敷地で天幕を張ってバーベキューをしている人がいるんですね・・・さて、ここ最近このブログでアクセスがコンスタントにある過去の記事があります。5年ほど前に書いたドアをあけたままエアコンのすすめです。内容はご覧いただければ分かりますがかいつまんで言うとこの時期エアコンをつけなければとても寝てられない暑さでも、つけたままにすると寒くなってしまいますからドアを開けてエアコンをつけましょう同時にドアを閉めたままでは部屋の中の二酸化炭素濃度も上がってしまいますから暑さ対策だけでなく二酸化炭素対策にもなります。二酸化炭素対策は夏だけでなく冬でも有効ですよと言うものです先日聞いていた社会派ブロガーのチキリンさんのボイシーでも、同じようなことを言われていました。「就寝中のエアコンつけっぱが苦手な方へ」というものです。女性目線でご自身の経験から語られていますが、とても分かりやすく解説されています。つけたままにして眠ると体が冷えてしまって体がこわばってしまうあるいは夜中に寒くて目が覚めたりトイレに行きたくなってしまうこの冷えすぎ対策をどう解決したらいいかを述べておられます。住宅の設計時に住まい手にヒアリングしますが、その中でご夫婦の間でエアコンの設定温度は誰がしているかその設定温度で我慢しているのは誰か寒がりは誰か暑がりは誰かなど暑さ寒さに対する感覚が夫婦の間で同じか異なるかをお聞きしますが、多くの場合女性の方が冷房の温度設定が低いのはNGです。つまり、夏のご家庭では暑いからエアコンの設定温度を下げてと言うのがご主人寒いからもう少し上げてと言うのが奥さん暑さに対して耐性があるのが女性で、弱いのが男性とも言えます。私のブログより女性目線で分かりやすく話されていますので、暑くて眠れないけどエアコンは苦手と言う方は是非チキリンさんのボイシーをお聞きください。きっと朝まで快適な就寝を得ることができます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月14日
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おはようございます紙太材木店の田原です。お盆休みは草刈り昨日は早朝から、3時間ほどの草刈り。この時期早朝でも3時間が限度ですから、できる範囲が限られます。あともう一回の予定ですがこの暑さの中、いつやろうかと思案中です。さて、友人から冒頭の写真が送られてきました。木の枝が当たって、樋の角が割れてしまった。HMに写真を添付して修理を依頼したところ、その樋はもうないのでそこだけの修理はできない。樋全部交換、プラス足場も必要。何とかならんかという相談です。HMに建築を依頼するということは、意識するしないに関わらずその囲い込み戦略の中に組み込まれることを意味します。上のケースでは樋ですが、事は樋だけではありません。壁紙のクロスやフロアなどもHM独自の品番があります。一部だけ張り替えたいからとリフォームなどで依頼があって、サンゲツなどのメーカーにその品番でクロスを取り寄せようとしてもNGです。HMにしか出さないんですね。恐らくHMとの契約でそうなっていると思われます。HMで家を建てるということは長い間ではなく、家がある限りのお付き合いということに。しかし、そのHMがあなたの家が建っている間ずっと存在できるかどうかは、HMの経営次第。人口が減少し住宅市場も縮小していく中、そのHMが生き残れるかどうかは誰にもわかりません。最近の住宅は構造的に見れば、一昔前の住宅に比べると大地震でも起こらない限り長持ちするものになっています。もっとも日本中どこでもその可能性がありますが。住宅は何世代も使用する社会資産であるという考えに立つと、建てた会社でしか修理やメンテナンスができないあるいはさせない資材や工法と言うのは疑問です。住宅はいつでもどこでも誰でも修理やメンテナンスが出来る資材や工法で建てられるべきです。日本中どこでも容易に手に入り、一般化された資材や素材。特殊な工法や特許技術で守られた?ものではなく、広く知られ一般化された工法や技術。社会資産である住宅はそうあるべきであると考えます。日本の住宅の寿命は30年などと言われたのはもう随分前の話しで、質より量の時代ですから止む得ない側面もありました。しかし時代はとっくに変わっています。修理や修繕は住宅にはつきものですが、いかにコストを抑えてそれができるか?お金をかければどんな風にでもできます。HMの囲い込み戦略の中に入れば、当面は経済的に余裕のあるうちは大丈夫でしょう。お金の切れ目が縁の切れ目とも言います。10年毎の保証延長では指定のメンテナンスをすることが条件最近では60年とか永年なんてのもありますが10年目で保証延長しても20年目で同じ保証延長する割合はどれくらいでしょう?10年毎に60年あるいは永年なんてメンテナンスしたらいくら支払うことになるか永年は永久とは違います、単に長い間という意味です。初代プリウスのバッテリーも永年保証でしたが25年で打ち切り・・・住宅にとって長い間とは?HMにとって長い間とは?あなたにとって長い間とは?いつでもどこでも誰でも容易に手に入る材料や資材で特殊な工法や特許技術でない構造社会資産である住宅を安価で長持ちさせる秘訣です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月12日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日の宮崎の地震で、南海トラフ地震の臨時情報が出ました。岐阜県の美濃地方も対象地域に入ってますから備えをしなければなりません。住まいの中で今できる事となるとまず第一に家具の固定でしょうか。それに非常食の確保です。特に水については飲料用だけでなく、様々な用途で必要です。田舎の方はいざとなれば井戸や川の水が使えますが、都市部ではなかなか難しいものがあります。備えあれば憂いなしですが、自分の家がもし倒壊したらどうするかとなると思考がそこで止まってしまう方も多いかと。これから家を建てられる方は日本中どこでも耐震等級3は必須です。長期優良住宅も昨年までは耐震等級2が基準でしたが、今年から耐震等級3に引き上げられています。長期優良住宅の国の基準がなぜ引き上げられたか?長期に渡って世代を越えて住み続けてもらえるはずの住宅が、地震で構造に被害を受けるようでは住み続けらません。長期優良住宅は単に認定されるだけでなく、税制上の優遇措置や国の補助金を受ける要件になっています。つまり、国民の税金が使われている住宅です。なので、ちょっとやそっとの地震で倒壊したり、損傷してもらっては困るわけです。8月28日(水)に(14:30~16:30)構造塾の佐藤さんが恵那市に来られます。(会場:キーポイント大ホール)能登半島地震の現地調査の報告を中心に話されますが、加えて本質的に必要な耐震性能が現行の建築基準法で想定しているレベルと乖離している実態についても話されます。実務者向けの講習会で構造塾会員は無料ですが、非会員の方も1000円(税込み)で受講できます。新築を検討中の方は設計担当の方が講習に行かれるようでしたらどんな話だったのか、その内容をお尋ねください。耐震等級3であれば(できれば許容応力度計算で)地震に対する憂いは少なからず軽減されます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年08月09日
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