2008.02.28
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カテゴリ: 日々のつぶやき
年末からかなり心配な状況になった母のことをついつい考えたりしていて、なかなか前向きな日記も書けないまま日々が過ぎております。

仕事もちょっと無理かなと思いつつ、今の大学の仕事は授業じゃないので働き方に柔軟性がもてる上、教授の有難いお言葉もあって続けることにしました。事務手続きなので、学生とはメールや電話でやりとりできますし、書類はボランティアの性質上、わりとゆったりと発行できるので何とかやれそう。

後は後期に滋賀県の某大学で週1回、計15コマの授業を持つことになりました。
これはまたこの数ヶ月の様子を見て、どうしても難しいようならお断りしなくてはならないですが、1回1時間半なのと、やっぱり「授業」を持ちたいという気持ちがあったから。

この2つが決まってから、以前の職場から非常勤講師の依頼を正式に受けたのですが、こちらは中学校の授業だし、来年度からの新しい取り組みなので、打ち合わせ等で一度行けば数時間はとられそう。

内容は魅力的なのだけれど、もしもの時に代わりの人が簡単に見つかりそうにないので、お断りしました。

家族みんなが元気でいるって本当に貴重な時間なんだとつくづく思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夫の休みが取れたので、 京都シネマ に『 潜水服は蝶の夢を見る』 を観にいきました。

以下は私個人の感想です。

雑誌『ELLE』の編集長として、3人の子どもの父として、男として、望みうる最高のものを得ていた主人公がある日左眼以外の一切の自由を失ってしまう。

意識ははっきりしているのに、左眼のまたたきでしか思いを伝えられない『潜水服に閉じ込められた状態』の中で、彼には様々な思いが押し寄せてくる。

最初は彼の視野や聴覚での映像に息が詰まりそうだった。忘れかけていた過呼吸の発作が起こるのではと心配になったほどだ。

主人公ジャン・ドーの心の声は音声で聞こえる。しかしそれは日本人の感覚ではおそらく信じられないとは思うのだが、時にはユーモアにも富んでいて、何度か思わず笑い声がもれてしまったほどだ。

私がフランス映画を好きなのは、こういうところなのだ。

彼は周囲に恵まれていたのかもしれない。美しく彼を尊敬する言語療法士。編集者。けれど、あの状態で「本」を執筆しようと思えるのはきっと彼だけだろうと思える。

終わりに近づくほど、車椅子で海を見ている彼の姿がまぶしく、こう書くと陳腐になってしまうが人として病くらいでは決して冒されない尊厳を感じた。

また、アパートに「閉じ込められて」いる年老いた父、子どもたちとその母親、愛人、友人たちそれぞれとの交流がどれも本当に心の深いところで交わされていると思った。
自分にこれだけのつながりが持てているだろうか・・・。

その場では涙がほとんど出なかった。でも終わって映画館の外でこのポスターを見るとき、今こうしてこの映画を文章にするとき、なぜか涙があふれてくる。

そんな映画だった。





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Last updated  2008.02.29 15:24:47
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@ひこ @ Re:月下美人咲きました♪(08/14) きれいに咲いてよかったですね。 といっ…
たんぽぽ730 @ Re:月下美人咲きました♪(08/14) 純白で、神秘的です。 こんなのがお家に…
おやつ時間 @ 月下美人・・ 美しいですね。 中学生の頃を思い出し…

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