Nonsense Story

Nonsense Story

2004.11.27
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「よし、こうなったら手っ取り早く、今流行りのオレオレ詐欺といこう!」
「何言ってんだ、真壁。そんなの信じてもらえるわけないだろ。テレビでこれだけ騒いでるんだから」
 抜田は呆れたが、真壁は自信満々だ。
「だからしょっ中事故ってる奴の家に掛けるんだよ」
「しょっ中事故ってる奴って?」
「丘まほりって家素本と同じゼミの女、たしか一年で五回も事故ってたよな?」
「うん。丘さん二ヶ月に一度くらいは追突したりされたりしてるよ」
 話の内容が飲み込めているのかいないのか、家素本はポーッとした表情をほころばせて答えた。
「マジかよ、家素本」
「マジだよ、抜田」
「というわけで、丘の実家の電話番号は調べておいた」
「真壁、準備良すぎ。実はお前、丘のストーカーなんじゃないだろうな」
「そういえば丘さん、最近誰かにつきまとわれてるみたいだって言ってた」
「真壁、金策ってのは口実で、まさか振られた腹いせじゃないだろうな」
「誤解だ。まだそこまで腐っとらん」
「詐欺を計画しといて腐ってないと言い張れるか?」
「だから、『そこまで』と付けただろうが」
「結局腐ってるんだよね」
「うるさい、家素本! とにかくお前は丘の携帯番号知ってるだろ? 嫌がらせの電話を掛けろ。家の人が怪しんで、丘に連絡を取ったらまずいからな。彼女が携帯の電源を切るように、しつこく掛け続けるんだ」
「ん、分かった」
 やろうとしていることをきちんと理解しているのか怪しいが、家素本は大人しく真壁の指示に従った。しかし、すぐに困った顔になり、「あれ? 着信拒否になってる」
「非通知で掛けると拒否するようにしてんじゃないか?」
「ううん、抜田。僕、非通知にしてないよ」
「・・・・・・」
「詐欺をしようってのに、番号通知で電話を掛けるヤツがどこにいる!」
 家素本に掴みかかろうとする真壁を、抜田が必死に制止する。
「抑えろ、真壁。でも何で家素本の番号が拒否られてんだろうな。お前がストーカーだったりして」
 抜田はふざけて言った。
「失礼な! たしかに僕は丘さんに二十回は振られてるけど、それでも彼女に変な虫がつかないように、毎晩彼女のマンションを張ってるんだぞ!」
「それ、丘は承知してるのか?」
「まさか。言わずにやるのが男らしさじゃないか。抜田は全部恩着せがましく言っちゃうから、彼女に振られたんだよ」
「・・・・・・やっぱりお前がストーカーなんじゃねぇか」
「ええい! お前らちゃんとやる気あるのか!?」
 抜田と家素本のやり取りに、真壁がキレた。
「ない」と抜田。
「何を?」と家素本。
 抜田は思った。やはり家素本は話の内容を理解していなかったのかと。


つづく












本日は遅くなってしまったので、ストックしていた(?)アホ駄文で(;^_^A

ほぼ会話文だけの短いものにしたかったんですがつづくって(汗)
しかもSSを選択しておきながら。
明日には終わりますので。





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Last updated  2004.11.28 00:56:40
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ふーたろー@ Re[5]:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) あやきちさんへ 返信大変遅くなって申し…
あやきち@ Re:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) お久しぶりです、お元気でしょうか? 今…
ふーたろー5932 @ ぼっつぇ流星号αさんへ お返事遅くなりまくりですみません! こ…
ぼっつぇ流星号α @ いやー 猫がいっぱいだーうれしいな。ありがとう…
ふーたろー5932 @ 喜趣庵さんへ お返事遅くなってすみません! 本当に元…

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