Nonsense Story

Nonsense Story

2006.09.07
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カテゴリ: SSもどき


 教授夫人の台詞に、真壁は焦った。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待った! それだと、君はどうなるんだい?」
「もちろん離婚してあげるわよー! 私もそろそろ普通の結婚がしたいと思ってたしね」
「普通のって?」
「やだぁ。私達、偽装夫婦じゃない。女のダメなあなたが、教授になる為にどうしても伴侶がいるって言うから、私が奥さん役を買って出てあげたんじゃない。あなたとの暮らしは何も不自由ないし楽しかったけど、やっぱり私も一人くらいは子供産んでおきたいし。実は好きな人もできたのよ。ちょうどいいじゃない。離婚しましょ」
 矢追夫人の語尾にはハートマークが付いている。が、真壁が泡を喰ったのは、そこではなかった。
「ちょっと待て。女がダメって・・・・・・誰が?」
「あなたじゃない。他に誰がいるってのよ。あ、でも、もう大丈夫になったのね。女子高生に痴漢ができたんですもんね。男の子に手を出して捕まるよりよっぽどマシよぉ。良かったわねー」
「え? 男の子って?」
「もう、何とぼけてんのよ。私は男色家に偏見なんてないって言ったじゃない」
「だ、だんしょくかぁ!?」
「そういえば、ゼミにかわいい子がいるって言ってたじゃない。なんか変わった苗字の。ケシゴムじゃなくてケシノモトじゃなくて・・・・・・」
「家素本!」
「そう、その子! オツムは弱いけど、そこもかわいいって。あの子のことは諦めついた・・・・・・」
 矢追夫人がまだ何か言っているうちに、真壁は携帯を切った。
「抜田! すぐ携帯の電源入れろ!」
 真壁の携帯に耳を寄せていた抜田は、すでに携帯の電源を入れていた。そして、青い顔になった。
「家素本から『たすけて』ってメールが入ってる・・・・・・」
「いつだ、それは!?」
「十五分くらい前だ。携帯の電源切ってすぐだな」
 二人は学食の入り口に向かい、家素本のいるであろう校舎を仰いだ。学食と校舎の間には、池とテニスコートと図書館がRPGの巨大ダンジョンのように聳えている。
「遠いな、抜田」
「そうだな、真壁」
「間に合わないよな、もう」
「俺らの足じゃ無理だろうな」
「ま、死ぬわけじゃないしな」
「ソレをネタに、矢追自身を強請るって手もあるしな」
 二人はぶらぶらと学食の中に戻ると、もといた席に腰を下ろした。


終わり








こんなものを読んでくださってありがとうございました!
少しでも笑っていただければ、恥を晒した甲斐があります。


こんなもん、飲んでないと載せられるか!
ってわけで、飲めないのにチビっと飲んでしまったので、現在ヨッパです。


そんなわけで、今日はリンク先へのご訪問は控えさせていただきますm(_ _"m)ペコリ






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Last updated  2006.09.08 00:05:58
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ふーたろー@ Re[5]:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) あやきちさんへ 返信大変遅くなって申し…
あやきち@ Re:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) お久しぶりです、お元気でしょうか? 今…
ふーたろー5932 @ ぼっつぇ流星号αさんへ お返事遅くなりまくりですみません! こ…
ぼっつぇ流星号α @ いやー 猫がいっぱいだーうれしいな。ありがとう…
ふーたろー5932 @ 喜趣庵さんへ お返事遅くなってすみません! 本当に元…

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