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いわゆるIFもの。第二次大戦を扱った紺碧の艦隊が有名だけれど、これは武田信玄を題材としている。物語は、今川義元の尾張進行計画が進んでいるところからはじまり、本来であれば桶狭間の奇襲攻撃につながるのだけれど、武田信玄が今川義元の優位を許さないと考えた行動が実を結んでいたとしたらというところから物語は史実とは袂を分かっていく。ありえない設定などは存在せず、史実をベースとした論理だてで章が進むので、確かにこうなっていたかもと思わずにはいられないし、また歴史の必然としての再現性をうまくとりくんでいて非常に楽しく読める。
2006.02.27
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楽天ブックスでは売り切れ。木谷道場は、日本の囲碁会を語る上で重要な位置をしめており、タイトルが長く木谷道場一門が席巻していた。鉄は熱いうちに打て、というが、才能そのものよりもお互いの切磋琢磨によって磨かれる囲碁において、内弟子という濃い関係が非常に素晴らしい結果をもたらした好例やね。現代となっては、内弟子という制度自体が難しくなっており、日本棋院でも院生向けの施設を作るなど社会環境のしくみでやっている。いずれにせよ、その内弟子を支え続けた木谷美春の素晴らしさは論をまたない。その成功の鍵は方法論ではなく、深い愛情であり、それが行間からにじみ出てくる。また、バチを与えるなら弟子ではなく、我が子にといった姿勢とその事実が大きな重みをもってくる。振り返ってみれば、この内弟子という制度は囲碁に限ったことではないし、丁稚を含めれば極めて有効に機能した日本のシステムだったと思う。産みの親よりも育ての親や遠くの親戚より近くの他人といった人情がどこにでもあった時代はやはり懐かしい。ワシの家は商売をしていて、そこに出入りしている人に触れられながらいわば大家族のように過ごせた。これは非常に大きな幸せだった。著者ものべているが、やはり子供は子供同士活発に毎日元気に遊ぶというのはすべての大元になっていると思う。娘や息子には、たとえばクラブ活動や学校の課外活動を通して、何分の一かでもそのよさを経験して欲しいやね。
2006.02.15
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旅情にあふれ、そしてトリックもしっかりとした読み応えのあるミステリー。最近ミステリーはご無沙汰だったのだが、結末が知りたくて、半分を過ぎたころからは空いた時間ではなく、もう止まらない感じだった。最初のプロローグの伏線もきっちりといかされていて満足の行く内容であった。密室のトリック自体がとけなかったけど、犯罪へのストーリーはおもった通り。これもひねって欲しかったというより、きれいにつながったってところでしょ。それにしても、マレーシアという熱帯なんだけど、高地の保養地を舞台にして、その雰囲気が非常にいいんだよね。ここ、行きたいわ。
2006.02.12
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素晴らしいの一言。これまで読んだSFの中では、設定、ストーリー、主人公、結末とすべて納得が行く。まぁ、当然気に入らない部分が全くないとはいえないが、傑作であることは間違いない。そして、この傑作であることを自分の信念(?)として言いたいことが、この作中ではたくさん表現されている。宗教というものを否定するものではないが、特定の宗教にしたがって生きる存在に自分自身をしてしまうことを恐れるのだが、その恐れをきちんと記述してくれている。作品そのものについては、ネタバレになるかもしれないのでふれないが、唯物論と無神論者という極めて合理的な結びつきにしれないものが、再構築されるのが非常にすがすがしい。作者の紹介サイトを読了後に訪問したのだが、読み終わりたくなかった気持ちにケりをつけてくれて感謝している。将来、子供にも読んで欲しいわ。
2006.02.01
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画期的な麻雀解説書。上級者向けだけど、目から鱗が満載。現代麻雀がスピード重視なのは、ワシの感覚と同じ。非常に参考になる良書と思うたね。統計と計算による確率からあるべき一打を導き出そうという姿勢がいいよ。作者自身が、東風荘ですばらしい成績をおさめているという実績が説得力をより強いものにしている。ちなみにこの日記は、W-ZERO3で書いたんや。
2006.01.20
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日韓併合、秀吉の侵略という歴史事実は教科書で習ったが、それが現在のあるいはその時の朝鮮人にどう受け止められていたかを、文献からほりおこした力作で、読み応えがある。当然、侵略された国家、国民から発せられた言葉なので、日本にとっては耳が痛い話しばかりなのだが、日本がその当事者である以上、このような声に少なくとも耳を傾ける必要があるんじゃないか。そして、その前提にたち、また、戦後の枠組みを考えた場合に今のコイズミは決して受け入れられないこともよく理解できる。副題として、歴史認識の共有は可能か、とあるが、もちろん可能ではある。が、それは努力なくして成し遂げられるものではないが、だからといって努力を惜しむものでもない。そして、それはどのような未来を描くかという点で共感できるものたちのための足場を固めるものではなくてはならない。ワシは、コイズミの批判者ではあるが、改憲論者であり、自衛隊を軍隊とするための憲法改正は日本の国家として必要だと思うものだ。ただし、この軍隊とするためには、きちんと過去の侵略戦争にけじめをつけるとともに、アジアに対する秩序と平和に対して近隣諸国の賛同をもってはじめて成し遂げられるものであり、順序は守らなければならない。その合意形成なくして9条改正を行うことは、ますます朝鮮ばかりではなく、他の諸国との溝を深めるものではないか。アジアの中の日本であるのだから、日米同盟の日本として9条改正を急ぐものであるはずがないし、当然、イラクにも派遣するべきでなかったものやろ。イラクに行くってことは、利害関係の歯車が変われば、中国にもロシアにもベトナムにも行くってことじゃないの?
2006.01.17
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さくらももこがiモードへの投稿メールに回答した記録を書籍にしたものなんだけど、実はこういう悩み相談の回答集としては秀逸だと思うよ。上からのものいいじゃなくて、しかも親身な暖かさがあり、かつ、地に足のついた意見が多い。といっても、ワシ自身は、こんな相談を人にせなあかんていうだけで、一人前やないんちゃうかっていう否定的な見方をする人間ですわ。質問の内容自体が、独りよがりだったり、近視眼的だったり、見えてないってことが多いからなぁ。人間できることをひとつずつ何とかかんとかやっていくしかないし、それが誠意をもった行動としてお互いに尊重できるから社会が成立してると思うよ。
2005.12.12
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舌ガンで舌を全撤去した闘病記。岳史は息子。著者が芸能評論家で、かつテレビに出ていたということで、注目をあびたようだが、ワシ、この人知らんがな。文章の中に戦争中に子どもだったのが、戦後両親が自殺するなどギリギリの生活から飛び回ってきたって語っているけど、こう、時代がかかった言い方をしてる人って、今の若いもんは、っていいそうな気がする。作者自身、ガンと判明するも倒れるまで仕事をすることを選択する。ともあれ、病気が舌ガンということで、後遺障害が残ることを受け入れるまでの葛藤と、残される家族への愛情、特に年をとってからできた息子への惜別の念があふれでて涙をさそう。生きるってことが、日々の幸せを意識していない上にどれだけ支えられているかを感じるのに、こういうては何やけど不幸な話はしみるね。でも、文中にも書かれているけれど、入院する前、入院中とそのストレスをあび、ささえつづけたヨメはんがえらいわ。今の時代でこれだけの夫婦関係はなかなかあらへんよ。感動巨編というよりは、前時代の人間はこんなんやったなって記録きかもね。
2005.12.09
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さくらももこのえっせいは読みやすいし、親しみがあるんだけど、それだけ。ただ、仕事が自分の力ではなく、何かの力が働いているくだりはなるほど、と思う。自分で処理できない(と思われる)量の仕事を何とかしている最中に、「これはきっと何かの力が働いていて、自分はその代わりに書いているだけ」と感じる。そしてそれが倉本聰も同感だっていうんよ。で、ワシはどうかと思うと、自分でよく考えていないで、しゃべったり、書いたりしたことがあるんよ。よく、ツレに自動書記やっていうてたけど。これまでに蓄積された頭のDBから自動でダンプされていくんよね。そこに強い意識があるのではなく、勝手に足が動いて走っているような感覚ってあるんよね。それを神の力っていう、神秘性に行く感覚はワシにはないけどね。
2005.12.01
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エンターテイメント小説。アサシンがハッピーエンドじゃしまらないよな。氷の感情のアサシンの心をとかしたのは結局、美少女ってことで、もちろん中身もいいように描かれているけれど、美少女じゃないと、こういう展開にはならへんよな。だから、どうって訳じゃないですけどね。
2005.11.14
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最近は、どけぇどけぇをやってるいつもここからがブレークした悲しいときのネタ本。ステージでやるよりも、ネタ本にしたほうがいいのか。ネタ本にしてもステージでやっていいのか。落語なんか、本がでてても高座は違うのはええけど、悲しいときは絵がポイントだとするとどうなんやろ。まぁ、いくつかは結構笑わしてもらったし、もともと悲しいときは好きなので、悪くはないよね。本のあとがきで、コンビの出会いやお笑いの感覚なんか書いているが、その中でダウンタウンが二人のレベルからするとしょうもないレベルまで降りてきているってくだりは非常に共感する。うちのヨメは笑いのセンスがドリフで止まったままなので、シリアスな中のボケとか、あからさまなボケにしか反応できず、ずれた笑いなどには無関心なんやけど、その感覚はおれにもわかる。でも、最近のどけぇどけぇは活舌をもっとよくした方がええよ。それに、やっぱり話術だけで、ストーリーがきちんとできる漫才にも挑戦して欲しいわ。
2005.11.02
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よかったぁ。これが少女マンガやね。人の気持ちの微妙な綾を丹念に、そして北海道の自然の中で描きこんでいく。そりゃ舞台設定はありえないやろってところだけど、虚構の世界であり、お姫様のあこがれの視点という少女マンガでは許されることでしょう。作品中でブスとして位置づけられる主人公が2枚目で、しかも障害の大きい美形を射止めるという王道なんだけれど、実はそのブスという要素と美形から見た魅力的な姿を両立させるという技術は難しい。そこに吉村明美の技量がまざまざと生きているし、キャラクターがきちんと立って、それを証明し尽くしている。小学館漫画賞も当然の作品ですなぁ。
2005.10.31
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ドーハの悲劇からフランスワールドカップまでのカズの軌跡を著者のインタビューを通したカズのコメントとして描かれる。Jリーグの発展と日本サッカーのレベルアップに非常に大きな役目を果たしたカズについては気になる存在であったが、いかんせんアンチ巨人、読売、ヴェルディなワシとしては、カズは好かんやつであった。まぁ、裏を返せばそれだけ認めていたってことやけど。それから7年が過ぎ、横浜FCというJ2でもひたむきにプレーするカズは、やはりプロスポーツ選手としてのあるべき姿として今、非常に好感をもって見ているのも事実。そのカズをして、ワールドカップに出られなかった(現役である以上可能性はあるのだが)のは悲劇的であり、それゆえに今後も伝説のプレーヤーとして語られるに十分であろう。その分、世界クラブ選手権での活躍を見たいものやね。
2005.10.21
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いい勉強になる。自分自身が力が強いというよりは、序盤で走るタイプだと思っている。逆に、置碁になると布石の力の差を発揮する局面が少なくなるので勝率があがらない。というのが、この本でこてんぱんにやられました。方向感覚、構想に対して攻めの姿勢をどう持たせるかの意識が薄かった気がするね。ただ、この本は棋風改造前の小林覚のような気がします。自分は前の落ち着いた踊らない棋風がすきだったので、この本は非常に共感しました。
2005.10.19
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借りてしまいました。読みました。あっという間でした。女が女のあさましいところを観察している。これは男はなかなか気がつかないところを明白にしているんだけど、逆にこういった女にだまされている男がすすけて見えるんよね。魔邪だから、お笑いだからこの流れなんだろうけど、ちゃんとした人間観察のコラムだとか、小説にしたてたら結構いいネタも転がっている。でも、魔邪を見てると、こういった勝ち組の様子を横で指をくわえてみている負け組の代表みたいで、ちょっと寂しい。でも、その負い目、ギャップがあるほうが、お笑いのバネになるんだぞ。って、ちょっと応援してみました。
2005.10.10
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アクション活劇時代物ってところでしょうか。高杉晋作という人物をいかに好漢として描くかに、捨というガンマンを目指して修行した人物が搭乗する。小説としては主人公は捨なんですけどね。筆致も滑らかで安心して、楽しめました。予算をいっぱいかけて、派手にするでもなく、職人がたんたんと作った映画のようにスムーズなストーリー。逆にいえばどんでん返しがあるでもないし。高杉晋作をよく知っている維新物が好きな人がちょっとつまんでみるといったところでしょうかね。
2005.10.08
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はい、面白いエンターテイメントです。想定外のどんでんがえしはありません。謎解きがすきな本格派は読まなくてよいです。
2005.09.18
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島本和彦はデビューの炎の転校生依頼のファンだが(特に松本伊代ならいいぞってくだりでもうOKでした)、とんとメジャー誌ではみかけない気がする。この作品は、主人公が漫画家というシチュエーションでかつ何でもありの設定なので、島本和彦のノリが生きる、生きる。これまでは、ノリをのせる土台の設定ありきの中なのだけど、その土台が広い(何せ、作品中の作者に何をかかせてもいいのだから)。最終巻のおまけで、裏話しがのっているけれど、担当(編集)と漫画家の関係の密接さがいい意味で伝わるね。そういえば、ワシもあこがれの職業(?)の一つとして、編集者→売れっ子女性漫画家と結婚というストーリーを夢見たこともありました(笑)。
2005.09.15
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泣くで、これは。怪童丸とよばれた村山聖八段をモデルにしたフィクションやけど、登場人物が実在の名前のままなので、ほとんどノンフィクションの迫力がある。将棋というきわめてロジカルだけど、人間性が出る勝負において、体にハンデを負った(享年29歳)棋士がどんな思いで戦っていたのか。勝負には勝者と敗者しかなく、敗れること、すなわち死という世界観。実際に奨励会を抜ける年齢制限の壁の前に、人生の目標(その時点で)に終焉を迎えるのが精神的な死でなくて何なのか。自分の肉体としての死を常に感じながら、一方では、脱落するかっての仲間に精神的な死をみつめ、そしてその死を否定することで、生を意識する。非常にはりつめた生き方が異様なまでに伝わってくる。彼と対照的に将棋の真理をもとめ、将棋を純粋に愛するものとして、羽生がでてくる。彼の最後の晴れ舞台となったNHK早指しで、羽生に敗れ、生涯成績が負け越したことはなんという残酷さであろうか。(羽生に一つ負け越しているのが、どれだけ凄いことかってことは あるんだけど。)難点は、登場人物の女の子がかわいくない、という山本おさむのタッチだけですね。なお、上記文中は、聖の表現であり、本当の将棋の記録と一致しているかは知りません。。。
2005.09.14
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旅行用にBookOffで購入したんですが、結局読まずに持って帰りました。捨てて構わないようにBookOffで買ったのに持って帰るとは貧乏症ですわ。真犯人はまぁ、予想通りですが、さすがに安定したストーリー運びですね。でも、それ以上でも以下でもなく、テレビドラマのように消費される存在といってしまえばいいすぎなのだろうか。でも、新刊を買う気持ちにはならないよなぁ。
2005.09.05
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言葉使いとか、命令口調とか鬼嫁かもしれまへけど、巻末の鬼嫁のコメントを読むと確かに、という面もある。ウチだって子供二人子育てしてて、落ち着いたのは下が小学校入ってからやもん。それなのに、稼動と称して11時の閉店まで出かけるっちゅうのはどうかと思うで。結局好きなことをやる代わりに金で解決できてるんやから幸せでっせ。夫婦喧嘩の8割は金が十分にあれば解決するっちゅうのがワシの理論やも。ストレスが溜まっても発散するのに金がいるもんなぁ。どっか連れて行っても金ないから、夕食は家に戻って作るとなったらそりゃ嫁ハンは大変やもん。金ないやつは、工夫しないとあかん世の中、金が幅利かす世の中やっちゅうこっちゃなぁ。
2005.08.19
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わくわくする格闘技マンガの第一人者として小林まことははずせない。バキのような本当にできるの、といった必殺技があるわけでもないが、キャラクターの魅力がすばらしい。柔道部物語が柔道部員だった自分にとって爽快であり、でも自分はこんなに打ち込めなかったな、というちょっとした切なさであり、それが中高の思い出だったりする。で三四郎は、古き良きプロレス全盛時代の気持ちよさ、そう全日の標榜していた「明るいプロレス」が感じられる。(といっても小林まこと自身は新日派な気がするけど)今の総合格闘技、K-1もいいけど、プロレスってやっぱりいいよね。プロレスのよさについては、プロレススーパースター列伝を「信じて」読むことやね。
2005.08.12
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曽田正人といえばシャカリキなのですが、漫画喫茶で昴を読み通しました。バレェ漫画はSWANをはじめとして、読んでいますが、その中でも一番楽しく読めたね、ワシは。バレェそのものの構造やバックグランドとしての作品の知識が無い読者でも読めるつくりになっているのは、ビッグコミックスピリッツという掲載誌からすると当然なのでしょう。そこがワシにはとっつきやすかったね。何より漫画は主人公にどれだけ共感できるか、それには憧れなのか、共通認識なのかいろいろですが、昴にはその同じ立場にいるというより、あくまでも劇場で見る対象としてであり、バレェを背景として人物が立っていたように思う。途中、当て馬にされたライバルになるべき存在との出会いなどまだまだ続編が楽しみなのだけど、当面はCAPETAが面白いから許す。
2005.07.16
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朝日新聞記者によるオフト以降の近代日本代表サッカー監督を単純に戦術や試合結果をさらうのではなく、なぜそのような指導をしたのか、どういうビジョンでチームを作っていったのか、そして日本代表チーム(監督)を支える日本サッカー協会の状況をたんたんとした筆調ながら、説得力のある文章でつづっている。ワシ自身がサッカー日本代表、およびJリーグを見だしたのが、丁度Jリーグ発足からであり、ちょうどかぶるんやね。会社に入って、サッカー部が同じように発足して、まったくの素人からだんだんと試合を楽しく見れる状態になっていくのと、日本代表の成長がオーバーラップして思い起こされる。自分にとっては、単なる読み物としてだけでなく、会社に入ってからの第二の青春の面影をなぞることができる。ファルカンは短すぎた気がするし、加茂には最後まで戦ってほしかったが、さまざまな監督を迎え、そして結果を残していった選手に確実にその財産は残っていっている。ワールドカップを楽しみにしたい気持ちが高まるいい本ですわ。
2005.07.09
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戦後から昭和30年代の囲碁史を振り返る。坂田の棋界制覇、高田の9連覇といった主要なタイトル戦の棋譜も嬉しいが、対局に飢えていた棋士の熱意が、淡々とした文章からでさえ伺いしれる。現代のたくさんのタイトル戦、また国際棋戦ではなく、大手合と本因坊、そして打ち込み10番碁の時代。打ち込み10番碁こそ、棋士の優劣の絶対のものさしとして君臨し、そして部類の強さを発揮していた呉清源。囲碁ファンにとっては非常に面白くそしてわくわくする(棋譜も含め)読み物。上巻も読まなきゃ。
2005.07.02
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涙なくては読めない鬼嫁と亭主の話し、ご存じwebでも大人気。ワシもまめにチェックしてる。でもね、はっきりいってしまうとトラブルの元を考えれば金やね。大体、夫婦のトラブルの8割は金や。家が狭い、県住、金ありゃマイホームかえるって。古いマック、金ありゃ買えるって。嫁ハンのストレスのはけ口、外で楽しめりゃ減るで。というのは身もふたもないけど、今回のを読むと、新婚のころからの置き手紙の変遷が興味深い。アツアツの新婚生活から、猛吹雪の家庭内闘争状態まで。最初の小さなすれ違いを放っておくと大きなトラブルになる典型やな。それでもエピソードには共感することが「本当に」多々あるし、そのときの心境もアンタも同じやなってのも多い。ワシも二人目の子供ができる前に、子育てちゃんと協力するからって言っていて、それは嘘やったやろ、って今でも責められるけど。嫁っちゅうのは昔のことをホンマによう覚えてて、今の問題と関係ないところで蒸し返すのは反則でしょ。同士よ!
2005.06.15
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麻雀の強さは何か。場を読みきる力なのか、運を引き寄せる力なのか。もし、運を引き寄せて、そして手放さない力をもった男がいたら、そしてそれゆえに手放さないがために勝ち続けるしかない男がいたら、そういう夢をストーリーにしたファンタジー(?)です。当然、主役はフランケンなのですが、脇を固めるキャラクターがいいんだよね。強くて、まわりの環境にしばられないワニ蔵、頭がよすぎるがゆえにバランスを大事にし、また外堀を埋めることもできるマネージメント能力にも長けた竹井、そしてその竹井を倒すためだけに純粋な強さを求める田村、そしてそれらを駒として自分の青写真の一部として使いこなそうとする江藤。こういった一筋縄でいかない男たちが自分たちの存在価値をかけて、麻雀打ちという存在そのものに対して「地獄」の戦いをする。燃えるなぁ。でも、ハネ満自摸が必須の局面で、暗刻が2つあれば立直して一発、自摸、ウラ3で十分な奴とは打ちたかねぇよ。
2005.06.13
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何気なく図書館で借りて読んだけど、どこが”ビジネス”やねん。ビジネスそのものやないと思うたけど、ここまで荒唐無稽な話しとは思わへんで。青年誌で連載する内容ちゃうやろ。お色気満点(ムフ)って訳でもないし、ラブコメでもない。ラグビーの事故で死んだ青年が女性の体に憑依して、その体でラグビーをやる話し。この設定があれば、エロ漫画がでけるっちゅうねん。(それ期待やないけど)。絵柄も飛びぬけているようなタッチもなく、まぁ今時ちょっと前って感じやし。あだち充、高橋留美子、いしいひさいちまでいかなくても自分の絵が欲しいよね。ただし、ラストの終わり方はよし、としましょ。素直なハッピーエンドでもええけど、これくらいの方がよしでしょ。ワシ、生まれ変わりの話し好きやし。 生まれ変わりの観念があるかどうかって現世の価値観に大きく影響するよな。 一神教で、最後に救済されるかどうかってより、生まれ変わりの人生観の方が 好みやし、根本でのこの違いはなかなか払拭できひんと思う。 外人(いわゆる西洋人)と結婚するのってワシには無理やと思うのはこういう ところよね。ノーサイドについては、ここでも読んでみてちょ。
2005.06.11
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面白いわ、これ。おすすめですよ。でも、万人受けするかっちゅうとどやろか。4つの章立てで進んでいくんやけど、全編を通して、非現実的なそしてそれは日常の紙一枚隔てた向こうの物語。そう、現実とあちらの世界が交差する黄昏時の小説。おどろおどろしいのとはちょっと違う、そう何かが違うという虫のしらせをずっと受けている。エピソードはどれもが都市伝説ともなるもので、道を歩いていて思い出すことが健康によくないのは確かやね。かわいいファンタジーを希望する人はご遠慮願いましょう。
2005.05.31
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SFの大御所ディックの名作と評判の長編。こん回の設定は(も?)暗い状況に陥っている人類の様子がアウトラインになっている。灼熱の地獄と化した地球。金星、火星、月、衛星などに植民地を広げているものの、地球が一番というプライド。過酷な植民地での生活のはけ口になっているドラッグ、と今の地球で危機が吹聴されている状態が現実になっている。その中で、地球外生命の果たす精神的な影響と神の存在を結びつけながら、現在を選択する主人公はあくまでも西洋風のストーリーやね。正直なところ、キリスト教というベースがどれだけ徹底しているか分らんけど、それにかぶせたネタはスカン。まぁ、英語のものを勝手に日本語にして読んでるんやからそんな偉そうにいえた話しやないけど。筋道や、人物立てなどはしっかりしているし、それなりに面白いけど、人にまでは勧めまへんな。
2005.05.29
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北見で行った講演をテープ起こしをし、加筆したと思われる。文体が話しかけになっているので非常に読みやすい。この本のタイトルから実践的なものが得られるという訳ではないが、一人の知識人(とはいって大丈夫だろう)が、自分自身を肯定的に見てるその立脚ポイントを明らかにしているとはいえるものであり、なるほど、と読み進むことができる。一方、読書の立場に立って、この本の影響を受けて、明日から変化することができる人間はまずいない。ショックを与えるだけの深さがあるわけでもない。とはいえ、それなりの経験を踏んだ人間が読むことを通じて自分自身に問いかけることをすれば、それなりのものがかえってくるきっかけにはなるかもしれない。おそらく、この1冊だけではなく作者のほかの書籍を読み進むことにより、鷲田と対話することになり、自分自身の多重人格性をより鍛えるものになる可能性はあろう。っていうけど、自分は結構あたりまえのことしかないという感想でしたから。せいぜい20代前半向けであり、これでありがたがっている30代以上がいるとしたら、充実した=社外に評価の確立した仕事をしてへんかったやろってつっこみたいね。
2005.05.18
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先日、NHKで生徒諸君の特集が放送されていて、昔涙したのを思い出した。ええ話しやったなぁ。こんなんおらへんで、という登場人物(主人公)でありながら、その抱える心の悩み動きが当時の自分には友人に起こった出来事のように感じていた。その番組の中で生徒諸君以降の庄司陽子の代表作のような扱いで取り上げられていたので、興味をもっており、図書館でまとめて借りてきて読んだのでした。記憶喪失ものということは知っていたんやけど、オカルト(は語弊があるか)でしょ。自殺の脳死体験により心理を会得した主人公がその力をだんだんと自覚、強めていき、生きることの悩みを軽くしていく。生きることはすなわち悩み多い道を歩んでいることであり、また死という解放に向かって一歩一歩歩みを進めていっているものでもある。大きな死という運命の前でちっぽけな自分を自覚している末期患者へのホスピスが宗教というよりどころのない人、または現世への執着、協議を強めているだけに最終局面では役に立たないことをそのときに直面している人に対して、理解者であることが相互認識されているという事実にたち、一言一言思いのことばをつむいでゆく。誰かが政治家がすべて女性であれば戦争がおきない、といった言葉があるが、まさに庄司陽子はお互いのエゴを主張調整するためにある政治とは対局の生きる喜びを描こうとしているのであろう。そして、その主張をもっとも受けるべき対象は、以前は若い世代だけであったのだが、社会全体の成熟度が下がっているいま広まっており、まさしく生徒諸君が再開された意味なのであろうか。
2005.05.17
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豆大福分析からはじまる損得勘定学入門居酒屋談義「会社の常識、非常識」中央経済社 中元 文徳 著 中央経済社 版いやぁ、分類を作ってから、感想文に書き込むのがこんなに遅くなるとは恥ずいね。面白く読みました。でも1時間で読み終わったし、奥が深い訳でもあらへん。でも一読はした方がええかな。ワシは商売人の息子なんで概ねはずれてまへんでした。でも、ドーナツは間違えたな。でも、感覚で商売人であることは重要やね。この意識がないサラリーマンの経費の使い方は頭くるよな。稼いだからいくらつこてもええんか。認められてるからつこてもえんか。ワシ大嫌いなんは夜残業して(残業やったらええけど飲みにいってもあるけど)タクシー乗って、朝遅く来てって。こういうのがまかり通り会社は絶対成長せえへん。お金を大事にするのは商売の基本や。1円使うのは簡単やけど、1円儲けるためにはただではいかへん。せやから役人はワシ信用せぇへんねん。あいつら稼ぐことわかってへんやろ。
2005.05.16
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