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新三河物語。歴史物好きだけれど、関西人で判官贔屓のワシは、家康はちょっと。なので、この本のような家康の詳細な背景や配下の武将は詳しくない。これが、信長になるとよく分かるのだけれど。さて、上巻では、家康が今川の支配から独立して一向一揆をおさめるところまでなのだけれど、随所に家康が若くして優れた武将であったことが分かるし、三河武士の愚直さが出ている。まぁ、江戸時代の鎖国でのひきこもった日本人のメンタリティーの源流があると好きかどうかって聞かれたら好きじゃないけれど。それにしても大久保家が中心に描かれていたけれど、みんな似た名前で区別がつきまへん。。。
2010.02.25
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図書館で表紙だけを見て借りて来ました。出だしは今イチかとおもっていましたが、途中からはすごい読み続けたくなりました。これは障碍を持つものととして考えさせられる本でした。仕事場で苦しい立場などから退職することになり、次の仕事が決まって、その仕事開始までの間に、一人で北海道にでかけた主人公。そこで交通事故にあってしまう。駐車場から道路を渡ろうとして無灯火の車にひかれたのだ。最初は、自分の状態が認識できず、骨折などの外傷に意識が向けられていて、外科病棟に入院していた人と髪の悩みで仲良くなっていく。最初は、ハゲの話しなのってちょっとつまらない本なのかなと思ったのだが、実は、脳に傷を受けて、それが障碍として残ってしまうのだ。そしてその障碍を受け入れられない主人公はついに自殺までしようとしてしまう。ワシは幸いにも透析という病を受容でき、表面的には普通にふるまうこともできるし、あかるく病気について質問にも答えることができる。それは、自分らしさのよりどころや長所が維持されているからだろう。それに仕事も続けていられるし、十分に評価もされているから。でも、脳に障碍を受けたらはたして自分は正気でいられるのか。たとえば、自分がスポーツ選手であれば、十分な運動ができない透析という結果を受け入れがたいだろう。でも健常者であったとしても今の自分と向き合えていない人もいっぱいいるんだよね。そういう人も、きとその人なりの問題、障碍と向き合っているのかな。なんてことを考えてしまいました。。。
2010.01.26
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新年1冊目は、山本一力。とはいっても去年からの読み続きだけれど。そういえば、ニッポン放送でラジオドラマがあったのだけれど、なかなか自宅ではラジオを聴けないねぇ。もともとニッポン放送で、うえやなぎさんの番組を聞いてから、この山本さんの本を読むようになったのだけれど、年を重ねると時代劇が好きになるのかしら。きっと人情味があふれている設定が好きなんだよなぁ。で、江戸時代なんだけれど、生業がしっかりとしている人は、仕事と生活が直結していて、休みはお天道様まかせだったり(職人、人足系)、節季休みだけだったり(奉公人)して、なかなかまとまった休みはとれないし、身分は凝り固まっていた。でもこの仕事中心の社会ってそんなに悪いのかしら。仕事を悪と捉えたり、労働と捉えるといけないのだろうけれど、「生業」って捉えると全然意味が違ってくるよね。そう思うと、「生業」に生きることができれば幸せになるのかな。だから仕事や労働の対価ではなく、生業に魅力を感じられるかどうかが仕事に対する幸せ度じゃないのかな。だからこそ、プロのスポーツ選手や囲碁、将棋の棋士といった専門家はその生業としての業をしっかりと全うしてほしいんだよ。その意味で、野球バカや囲碁バカってのは、尊称ではないだろうか。そして、そういわれることが幸せなのではないでしょうか。といってパッと頭に浮かんだのは、セレッソ大阪の森島寛晃(モリシ)なんだな。モリシ、よく頑張ったよ。。。
2010.01.02
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宮城谷昌光の中国古典シリーズ。夏姫は中国史に残る美女。そういえば三国志にも貂蝉が出てくるなぁ。でも貂蝉は架空のようだけれど、こっちは実在みたい。夏姫は不幸の女といわれて、最後のダンナも故郷を捨てている。でも、何人もの妻になった人にそこまでいれあげるものなのかしら。それにしても歴史に残る美女ってどんなんだろうねぇ。少なくともワシの記憶にいる現世のそんな美女はおりませんが。。。
2009.12.08
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介子推は、中国で非情にたたえられた人物。功を誇ることをせず、主人の成功の陰となり、報われることなく隠遁した。まぁ、実在ではあろうが、その実態はよくわかっていない。ってことで、小説として自由な発想が許される面が多いが、非常に魅力的に描写されており、ワシとしては納得です。それにしても中国の歴史物を読むと、非情な仕打ちと寛大な仕打ちが極端にでているようだけれど、君主中心ではなく、父祖、そして自家中心というのが根底にあり、それは現代でも変わらないだろう。このファミリー主義は華僑の源泉でもあるのであるが、一方では、えこひいきや汚職にもつながっている。西洋主義的な倫理、そしてそれはキリスト教からきていることも多いのだけれど、その神の前での平等としての個人主義がグローバルスタンダードになっている。でも、家族主義ってそんなに悪いのでしょうか。今の日本の自殺が多いという苦しみは、家族主義であった東洋主義に対して個人中心のグローバルスタンダードがなじみきっていない、というか軋轢になってしまっている気がする。で、前に読んだ、「日本で一番大切にしたい会社」って会社単位の家族主義なんだよね。ワシ、これが日本の正解だと思う。。。
2009.11.21
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孔子がほめたたえた春秋時代の賢人である子産。晋、楚の大国にはさまれた鄭に安寧をもたらした。並ぶものなき知識をもとに、言辞をつくして政治にあたった。そう、政治においては、言葉が正義なのだ。自分の言葉をいかに大切にするか。形式におぼれることなく、その本質をきちんと見極めて、その上で、人を動かす言葉を連ねてきた偉人。階級中心の貴族社会の中で活躍できたのは、子皮という後ろ盾があったから。その意味では、管仲にも似ている。こうやって読み連ねていくと登場人物が重なってくるので、より読みやすくなってくるね。それもたのしみ。。。それにしても中国の歴史物はいいねぇ。。。
2009.11.06
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囲碁が国際化し、韓国、中国が世界戦ではトップに立ち、日本は後塵を拝している。その理由の一つは、布石の厳しさにあるのではないだろうか。ってことで、この本は、その最新手法を紹介している。それにしてもコミが6目半になって、先番がその優位をいかに発揮させるか、そして白番はそれをいかに防ぐかがよりシビアになっているようだ。でもワシらのレベルではそれで碁が決まる訳じゃないんだけどね。。。
2009.10.27
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趙、小林時代と、まぎれもないトップ棋士であった小林光一の著書。何冊か読んだけれど極めて簡明に記述していて非常に分かりやすい。碁は奥深いものだけど、その原則は極めてシンプルだという考え方があらわれている気がする。実際の大局でも紛れを残さずに簡明に打ち進めて優勢の碁をしっかりと勝ちきる力は随一だったのではないか。逆に碁に面白みがかけるという考えもあり、ファンが多い棋士という訳じゃなかった気がするが、強くなるためには、もっとも参考にすべき棋士の一人だという気がする。そして、この本も白番の布石に対する考え方をよく示している。
2009.10.13
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すっかり歴史小説づいていて、5冊組のこの本も読破しました。中庸の人として、3国の宰相をつとめ、戦国時代に平和をもたらした。そういった政治面の功績もさることながら、小説ではその生まれと育ちの複雑さがあり、育ての親の活躍があますことなく語られている。実際、読み進めていて孟嘗君そのものよりも、この育ての親である白圭にひかれ、その部分の記述がいつまでも続けばよいのにと思うほどであった。その政治姿勢は、仁義を示したものであり、権謀術数や、詐術がまかり通る戦国の世において、希有なものであった。思想家として孔子、孟子も立派ではあるが、処世の中で、それを体現した人にもっと尊敬の念が生まれる。また、人こそが財産として食客を養っていたし、富の源泉は人であると考えて、他国から人が集まることが有益と考えていた。日本で、少子化がさけばれているけれど、社会増として受け入れて日本人として人口を増やすことが有益であると国策にならないものか。アメリカの力の源の一つは、移民を受け入れるところであり、昨今の戦争でも外国籍の軍人が戦地に赴いた実績により、国籍を得ることができ、それが兵力にもつながっている。人こそが国の宝であり、その人を増やすことができないのは、国の基本戦略として誤りがあるからに他ならない、なんてことを考えました。。。
2009.10.12
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城山三郎が、定年後の生活に目を向けて記した一冊。実在の人物である永田耕衣を題材に、生き生きとした老後を送ったことの幸せを記している。生活の中心には、琴座という俳句の同人誌があり、この文中にもいくつも引用されている。が、ワシ、俳句には感銘を受ける文学才能が乏しい、ということがよーくわかりました。。。
2009.10.03
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佐高信が城山三郎の著作への批評、対談、共通の知人を通した交流などを網羅し、城山三郎の人となりを記している。昔から好きだった作家の城山三郎だけど、これを読むと人間城山三郎が好きになる。特に戦争責任世代、戦争を主導した世代に「洗脳」されて、戦争だけがすべてで若年士官した者という目を通して戦後を見ている。戦争を知らないワシの世代でも戦争を経験しながら、あるいは指導的立場にいながら平和憲法をないがしろにして軍備を拡大した者への嫌悪はあるが、城山三郎にはその思いがもっと重いということがひしひしとわかる。現代の人間の生活の基盤は、経済社会である以上、経済社会を描くことが人間を描くことに他ならないのだ。思えば、城山三郎が大いに反対した個人情報保護法という名の情報公開を阻む運動をもっと理解すべきであったのだ。この本はいろいろ考えさせられるけれど、もちろんそれなりに城山三郎の著作を読んでいる方がより実りが多いだろう。。。
2009.09.10
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管仲がやっと活躍する。商売人に身をやつしていた管仲がやっと斉の国で頭角を現していく。管仲は、春秋時代最初の覇者である斉の桓公の宰相であるが、その桓公を弓で狙撃している。それは、次の君主の座をめぐる戦いであったのだが、その狙撃した人間を登用した桓公の存在があって、理解があって、政治の力を振舞うことができた。中国の古典を通して感じるのは、「徳」という抽象的な概念がいかに大切なのかということだ。この「徳」が政治に満ちていれば自然と国はきちんと治まる。自民党の敗北もこの「徳」からみれば納得だよね。この小説では、管仲もさることながら、鮑叔が素晴らしいんだよね。こういった理解しあえる人物と出会えるのは人生の一番の喜びかもしれないな。。。
2009.09.05
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谷山浩子のファンタジー系の歌を小説にした本。どっちが後先か分からないけれど(たぶん後)、曲も出ている。不思議な出来事に巻き込まれた少女だが、その出来事の正体は何だったのか。その出来事の不条理な展開は、彼女の得意とするところ。楽曲にのせて聴くのに比べて、本ではどうかっていうと、曲の方がいいかな、ってのが正直な感想ですわ。本は、絶版のようで、楽天ブックスでは見つかりませんでした。。。
2009.08.15
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歴史ものが好きなワシ。今度は世界最大の帝国を築いたチンギスハーンであります。それにしても、モンゴルの降伏は許すが、反抗は皆殺しで、禍根を断つってのはすごいね。ちょっと文化が違いすぎる気がします。マリアっていう女性が、小説としてのアクセント(だと思う。実在なのかな?)になっているはずなんだけれど、うまく生かせている気があまりしないなぁ。。。
2009.08.04
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前回に続き、宮城谷さんの歴史もの。中国春秋時代の名宰相。まだ上巻だけれど、なるほどってところがちりばめられている。教育において、能力の低い者には答えはひとつだけのものを教える。能力の高いものには、答えがいくつもあることを教える。これ、基本だよねぇ。それに、今の自分の不幸をなげき、人の力ではどうにもならないめぐりあわせがあることを認識したうえで、できるだけのことをするって姿勢もよい。やっぱり中国の古典はしみるね。。。
2009.07.29
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サイバラの作品集。壊れたアウトローの生活にあこがれる。こんなたくましさを見ると、あくせく受験させるのはどうかと思うけれど、みんながみんなアウトローだと社会としては成り立たないよな。その意味で、こういう人が受け入れられるだけのゆとりが日本にあるってことだろう。でも、それが主流だとか、あこがれるってのは、やっぱり社会としては違うんだろう。。。
2009.07.06
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娯楽小説として愛読している山本一力。安定した読み応え。江戸時代は、鎖国ということもあって日本固有の文化が醸成された時代だ。そのひとつが、目立たないところをおしゃれするところであり、その色彩文化だと思う。同じ灰色、朱色でも様々な表現がある。これって素晴らしいよね。グローバル化という中でこそ守りたい文化があろう。その一部は確かに山本一力の小説の中にあると言いたい。。。
2009.06.29
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晏弱の息子、晏嬰の登場であります。頑健な体格、そして容貌という見た目重視の古代社会において、短躯な体であれだけの信頼をどうして勝ち得たのか。栴檀は青葉より芳し、というがそれをあらわすエピソードがつづられていく。中でも民の名声を得たのは、その喪に服する態度が礼にかなっていたからだ。古代中国では礼が、貴族社会にとっては最も大切な典範であった。その礼も時代が経つにすれ形骸化していくのだが、春秋時代はまだその空気が尊ばれていて周王朝の威厳も確かにあった。その中できちんとした礼ができることは、民の信頼を集め、自分を助けることになるのだ。礼の中では君主は絶対であるが、君主をいさめることも必要だ。でも君主をいさめるのは君主に聞かれた場合の返答による。だから、どのような質問がきて、どう答えるかを常にアンテナをめぐらせて答えを用意しておく、または答えられなければならない。これって現代の社会でも上司とうまくやるポイントなのかも。上司に直言するのであっても進んで言う、陰でいう、のではなく、聞かれたときにしっかりと答えるのは大事なのだ。さて、貴族は社会は礼が大事であったが、一般の民は、法に従った。そして、法は貴族には及ばず、礼は民には及ばなかった。今の世の中貴族は法が及ばないとはならないが、法をないがしろにすることができると勘違いしている輩が支配層や、リーダー層にあるとすれば問題だろう。礼という規範があって、それは大変だから、それとは次元を低いものとして法があった。だから、法以上のものを守ることがリーダー層には必要なのだと思う。選挙で選ばれたから、法をつくる立場だからではなくて、自らを律することができる人かどうかをいつの時代も民は見ているのだと思うよ。。。
2009.06.22
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戦国武将の特徴をある意味企業のCIと見立てて、比較しながら論じている。戦国武将ものをよく知っている人が読むと、なるほどという見方で軽く読める感じ。背景にあるのは、主従関係が強固ではなくて、家来の方でも主人を見限って別の主人に仕えるという自由な関係が許されていた実力主義の戦国時代を反映している。部下も完全な能力主義、裁量主義で、やることをやっていれば評価されるものであった。このような時代だからこそ有能な部下をひきつけるために、大名は自分の価値を知らしめる必要があった。それが、宣伝術なのだ。秀吉であれば、城主さえ腹を切れば他は全部助ける、という評判が出たし。歴史は最大の教科書ということを自分なりの視点でまとめたって感じかね。。。
2009.06.21
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晏子の上巻。面白くて夜更かしして読んでしまいました。晏子といえば、一般的には、晏嬰でしょうが、上巻ではその父の晏弱です。春秋時代の斉の国で宋からの亡命者として、高氏の一族に使えていたのですが、事件をきっかけに台頭していく。古代中国は、現代中国とも三国志の中国とも違う文化と社会であり、その違いを感じながらも人間の生き様の面白さとしては読み応えがあるのです。前回の茶々シリーズのように、歴史を知っているがだけにどう描写されるかという作者の気持ちを汲む楽しさもモチロン楽しさではありますが、こういったメジャーではない人物にもひかれます。でもこういった歴史書は、日本では戦国時代、中国では三国志が中心でありますが、それを除外しても日本、中国が中心なんだよね。韓国(朝鮮)やベトナム、タイなどのアジア諸国について、いい本はないのかしら。。。
2009.06.15
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茶々3部作が完結した。茶々、いわずとしれた淀君ですが、この本は淀君を主人公に描かれているので、勝者の歴史から悪者とされてきた淀君に対して、そのイメージを一新するものでした。あわせて、秀頼も太閤の息子としては、いかにも暗愚として描かれていたのですが、この本では、英邁な若者として、主君としての振る舞いを全うするように描かれていて、関西人にありがちな太閤びいきのワシとしては嬉しいものでありました。徳川の治世は、確かに戦乱を抑えて国内に一定の反映をもたらしたものであるが、鬱屈とした農民支配とそれを田舎者よばわりするという面を持っている江戸文化、それに鎖国などワシが考える負の面も多い。まぁ、だからといって豊臣時代が続いていたからよくなったとはいえないかもしれないが、基本的に家康って貧乏くさいよね。それはともかく、先が見えない君主や主人に義理を全うして人生を終えることが何よりの忠義であるってことが美談になっているけれど、これは危うい文化だよね。これって特攻隊にもつながっているんじゃないの。もちろん忠誠心だけじゃなくて、敵に降伏してもしょうがないだとか、奴隷としての生活が待っているだけだとかという理由もあるだろうけれど、それにしても、大阪城に何万人もの人が集まったのは事実なんだからなぁ。こういう戦国ものを読むと、命を惜しまず、名を惜しむというのにあこがれるし、これの延長戦として恥の文化もあり、日本の倫理観の根本という気がするよね。病気をいつわって生活保護費をとろうとする人もいる一方で、生活保護を受けることは恥として、貧困に死する人もいる。消費税が20%になっても全うな人が最低限の生活ができるのならばみんな賛成するとは思うけれど、制度を悪用する者の存在に対するねたましさがそれを邪魔しているし、それを率先しているのが代議士だったりするのが、今の日本を象徴しているでしょう。相続税は高率なのに、政治団体だと税金がかからないのでは、そりゃ世襲させようとするよね。親が子に残せる財産は教育であって、美田であるべきじゃないよな。歴史の事実を教えるのではなくて、歴史を通じて文化を教育する上で日本史が必要だとは思いますよ。ワシ、何よりも広い意味で歴史が教養だとは思うから。。。
2009.06.14
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日本史を海との関連でざっくりと書いただけの本。で、海に囲まれた日本の文化の見解が書いてある。でも深みがなくて、明治学院大学教授ってのに納得。まぁ、日本史を選択する人は、細かい歴史を覚える前に、こういう大きな流れの本を読むのは、「少しは」役に立つかな。でも日本史を選択していないワシとしては、中学受験で勉強していたレベルって感じでした。。。
2009.06.05
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次郎長づいている私。図書館で次郎長と検索したところ、阿佐田哲也の著書がヒットした。麻雀放浪記をはじめ、東1局52本場など、高校生の頃によく読んだのを思い出した。麻雀を覚えた者にとって、一度は通る道だよね。で、この次郎長放浪記はたまたま主人公や、周りの登場人物の名前が次郎長というだけで、きわめて阿佐田哲也の小説になっている。それが、嫌な訳じゃなくて、いいんだよねぇ。このまえの山本一力のは、次郎長のいい面が前面に出ていて、ホンマかいなって感じだった。美化されすぎじゃないのとも思ったんだよね。だって、人殺しでやくざには変わりないでしょ。で、この小説では、どうして次郎長がやくざの道になったかの心情を阿佐田流で消化していて、そこがいいんだよねぇ。こいつは、次郎長ファンではなくて、阿佐田ファンが読む本ですなぁ。。。
2009.06.01
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昔いた会社のOB/OG会のメーリングリストで知った本です。図書館に大分前に予約したのですが、やっと回ってきました。この本は、超おすすめであります。ここ数年、読んだ本の記録をとり、A,B,Cの評価をつけているのですが、特におすすめの本はAAをつけています。200冊以上はリストにあるのだけれど、AAをつけたのは、これで10冊目です。会社は誰のものなのか、何のためにあるのか。筆者は、明確に5つの順序をつけています。1.従業員2.関連会社、取引先3.顧客4.地域社会5.株主です。ワシは、この考えにStrongly Agreeです。顧客主義とはいっても顧客への窓口は従業員です。従業員がしっかりしていて幸せな気持ちでないと、顧客に充分な満足は届かないという考えは賛成です。ビジネスプロセスが正しくて、市場分析が正しくて、それを実行するリソースである従業員が正しければ、ビジネスはます成功するでしょう。顧客がない状態でビジネスはスタートしますが、きちんと市場に対して、正しいアプローチで正しい人がオペレーションしていれば成功するはずです。逆にいえば、失敗は、そのどこかが間違っているのです。大体、人間は何のために生きているのか。幸せになるため、です。そして、この幸せは、自分の幸せがあり、家族の幸せがあり、社会の幸せがありどこまで、どの深さまでは千差万別です。すべての人が社会全体の幸せのために活動できないのは、事実として始めなければなりませんが、一方ですべての人が自分が幸せになるために生きているという意味で、お互いに尊重しなければならないのは確かなのです。仕事そのものが幸せに越したことはありません。仕事で得たお金で自分の趣味が幸せの人もいます。お金は使わなくても時間が必要な趣味の方もいます。この本では、仕事を通じて幸せをお互いに分けあえる会社が、大切にしたい会社として実例が書かれています。絵空事ではなく、実現している会社は、しっかりとあります。この本を読んで、そういう会社に関わりたい、自分が働く会社をそうしたい、と強く思いましたよ。。。
2009.05.15
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オムニバスの短編小説だけれど、舞台は同じ。都内の某有名私立大学(でもどう読んでもワシの母校)を舞台にしているだけに学生の様子とか懐かしさがひとしお。でも、ワシの頃より女子の比率が高い描写のような気がするが、これはメインが文学部だったからかな?それにしても大学生というのは、非常に怠惰な時代だったということが、今のワシをいい意味でも悪い意味でも片付くっているよなぁ。まぁ、ほとんどは悪い意味だろうけれど、たぶん、仕事に追いまくれてウツにならないだけの貯金はできた気がする。小説自体は、大学生が読むのもよし、大学に入る前のものが読むのもよし、卒業生が読むのもいいけれど、大学に行きたくても行けなかった人には合わないような気がします。。。
2009.05.08
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山本一力は、すっかりお気に入りの作者です。今回は、これまでのフィクションと違い実在の人物をモデルにした小説です。あくまでも小説でノンフィクションではありません。その題材は、「清水の次郎長」。恥ずかしながら、次郎長が、次郎八+長兵衛からつけられたことさえ知りませんでした。清水の次郎長といえば、「旅行けば、駿河の国に茶の香り~」という講談で有名であることは知っていてもそれだけ。で、非常に興味深く読めました。もっと、次郎長が読みたいなぁ。また、結構映画やドラマにもなっているので、映像も見てみたいと思いましたよ。でもね、こういった侠と現代の暴力団は全く似て非なるものだからね。テキヤはちょっと違うかな。ある意味、こういった町の民間の秩序があった時代ってのは幸せだったのかもと思わせるものがあるけれど、実際には、こんな次郎長みたいなのは一部で、町に迷惑をかけていた方が多いような気もするけれどどうなんだろうね。変に美化するのは駄目だと思うけれど。この小説では、幼馴染の音吉が語り手としてでてくるけれど、老人を敬う様子がちりばめられていて、そこは大切にしたいと思うよ。老人と子供を大切にしない社会は滅びるよ。。。
2009.04.19
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先日、読んだ茶々と信長の後編。ネットで調べたら次は、茶々と家康みたい。その意味では、信長、秀吉、家康を語るのにこの茶々を通すのは非常に興味深い。前作では、娘の茶々であり、本編では女としての茶々である。たぶん、後編では、母としての茶々なんだろう。前回は、物足りないといっていたが、この秀吉編は非常に興味深い。俗説では、秀頼の出生の秘密などがよく歴史のミステリーになっているが、この本では、茶々がいかにして秀吉を愛するようになったかが描かれており、それはそれで自然なのだ。思えば、前編では、その伏線がちゃんとあったなぁ。女性の主人公と作者により、女性の視点での戦国物語の面白さが確かにあります。。。
2009.04.13
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稼業をついで実家に戻った経営者が、倒産寸前のホテルを立て直す話。その立て直せたキーワードは幸せ。経営者として資金繰りに追われる生活から顧客に評価されるホテルへの話。簡単に読める話でいい話だけれど、まぁ、どの会社でもこうできるかっていうとなかなか難しいって斜に構える人もいるだろう。でも、ワシは昔から会社は多くの人が幸せになるためのしくみであるべきだって思っていますから。生きているだけで丸儲け。でも世知辛い世の中で金銭的に安定しないとなかなか幸せを実感できない。幸せの手段の一つがお金であり、そのまた手段の一つが仕事だとしても、仕事で幸せになれないなんてさびしいよね。株主至上主義は、お金至上主義と同じでどうも気に入りません。しょせん余った金をどうにかしたいだけじゃん。人と人のつながりで生まれる行動やその結果、それを生みだすプロセスそのものに価値を見出さなければ仕事もそして人生も空虚になるでしょうに。今、アメリカで問題になっている金融機関のマネジメント層の多額のボーナスの問題は、空虚としかいえない。この本の会社の思想があまねく社会全体のコンセンサスにならないかしら。でも、こうやっていえるのも結果を出したからだというのが現実なんだよねぇ。。。
2009.03.26
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東京に直下型地震が発生することを予知したオーバードクター。しかし、耳を貸す人はいない。昔からの友人たちさえも。はたして予知通りに地震は発生するのか。そしてその予知は素晴らしい結果をもたらすのか。大きな被害の様子が描かれているが、パニック小説でもなければ、カタストロフィー小説でもない。阪神淡路大震災で家族を失った少年が、人生の方向を変えて地震学者になった。その彼の周りには同じように政治家の秘書になったものと、自衛隊に入隊したものがいる。家族を失った喪失感とどのように向き合ってでも新たな挑戦をしていくのか。様々な要素が盛り込まれていて読みごたえもそこそこ。この小説を読んで思うのは、今の科学でどこまで地震が予知できるのか。はたしてその予知を信じて、政治は対応策を打つことができるのか。返す返すも思うのは、2兆円あるのだったら耐震化が十分にできるし、たとえば太陽光発電やエネキュートといったところに補助もできる。次につながる投資ができるのに、バカなことをやってと苦しい。自民党が悪いという面ももちろんあるけれど、それよりも連立の相手が、福田降ろしに給付金と裏目にばかりでている。ワシ、今の世の中がだめだったら政権交代させることが選挙の大きな意味だと信じているけれど、反自民の大きな理由でもあるよね、これが。。。
2009.03.15
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宝蔵院で修行した坊主が江戸の荒れ果てた寺で生臭な生活をする。荒れ寺で近所の悪がきにはからかわれてはいるが、槍の腕は超一流。その腕と推理の力で様々な問題を解決していく。その荒んだ生活と裏腹にどこかすっきりとしたふるまいが気持ちがよい。ちょっとあこがれるね。ただ、山本一力のように庶民の生活や文化が見える、感じられることはなく、あくまでもテレビドラマ的な活劇ではるけれど。。。
2009.03.13
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駕篭屋が主人公の人情話。それぞれの登場人物がそれぞれの役割をしっかりと演じている。職業と人柄がリンクしている時代。最近では銀行員だからって安心できないものなぁ。この中のエピソードの一つは、江戸時代に会社の金に手をつけた奉公人を奉行所に突き出したらそれが悪評判となってつぶれたって話。わずか10両盗んだだけで死罪になっていたので、大店からすると数十両ははした金でそれを奉行所につきだすような不人情な店とは付き合いをやめるって話。ワシ、これが現代では薄れている気がする。不祥事があった店を応援するってのが結構あるし、食中毒を出しても平気だったりする。この性で、店に消費者がなめられている気がするんだよね。例えば、大阪で婦女暴行があったペッパーライスは絶対につぶれるべきだってワシは思うよ。。。
2009.01.26
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図書館でも町の本屋でも思うのだけれど初心者向きが多い。これから囲碁を始めようという人よりも今強くなりたいという人の方が需要があると思うのだけれど。きっと何を並べていいか分からなくて初心者向けを置いているんじゃないかな。で、初心者向けのこの本だけど、ちょこちょこ間違えてしまった。悔しいなぁ。。。
2009.01.20
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安心して読める山本一力。江戸時代の庶民の暮らしを扱っている。商人として成功ができるチャンスがあったり、職人がきちんと守られていたり、お互いの暮らしが相互補助で守られていたりという面があるが、一方では士農工商の制度があり、世襲が基本であったりと大きな枠組みが固定されていた。固定された中での自由であるが、庶民はその自由を謳歌していたのだろう。枠組みがあってその中での自由を工夫するのがひょっとしたら人間の幸せが分かりやすいのかもしれない。もっと大きな自由とそれに伴う責任には耐えられない人が多いから、少々の不公平は温存される。江戸時代ではいろいろなしばりごとがあり、職業柄で身に着けるものなども階級的であった。たとえば、緊縮の政治のころには、素材だけでなく色も厳しく制限された。だからこそ、細かな違いが工夫されていて、ネズミ色、灰色についてはまさにさまざまな呼び方がつけられている。確かに小説として江戸時代の庶民を扱った山本一力は大好きなのだけれど、常にこういった別の視点で見れているかどうかってのは大切な気がする。で、この小説での大きな違いは、江戸時代の金融である両替商はお金を預かるのに預り料をとっていた。現代の銀行は、金利をつけている。また、両替には必ず手数料が取られてもいる。現代でも金と紙幣を交換するためには手数料がかかるという意味では一緒だけれど。庶民には、預ける先もないので、家の土の中に埋めるしかなかったのだ。しかも紙幣は通用していなくて、重い銭を持って歩かなきゃならなかったし。だからなのか銭じゃない大切さがあるのかもね。。。
2009.01.19
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週刊文春の連載コラムをまとめた単行本。「おらんく」とは土佐弁で「おれの家」のこと。おらんくの池で太平洋を意味する。まぁ、気が大きいこと。で、このおらんくの池には潮を吹く魚(くじら)がおるってのが土佐の自慢。つまり、土佐では鯨を飼っているんだぞって。まぁ、土地風土と人間形成は密接な関係がある。で、この人間形成の土台はしっかりとした風土とそれなりの生活習慣があって成り立つので、その地方性があった時代が懐かしくあって、その地方性が失われていることが現代において活力が失われているってのが俺の持論だ。活力ってのは異文化の交流で生み出されるもので、その違いを普遍化して、効率化につなげる力っていうのが、日本全体において行き渡らせようとしていたのが高度成長時代で、それがそのまま日本の活力になっている。今の中国だって農村と都市の差、これはもう住んでいる国が違うってレベルのようだけれど、があって、その差の交流が活力につながっていると思うのだ。で、日本ではこの活力がなくなって平均化されてしまっているから、ある点までの効率化としての競争力につながったのだと考えている。この文化の壁を越えて行き渡らせるだけの製品力、流通力、マーケティング力が世界市場において優位に働いたのだ。でも今の競争は、この競争優位を身に着けたもの同士の戦いって考えると、そこでの優越性が失われて、その土台の力強さが大切になってくるんじゃないか。そういう意味では1億2千万の人口をベースにした日本と12億をベースとした中国では差が大きい。このベースの差は絶対に出てくる。なので、異文化を取り込む競争力をどうやって維持するかってことを普請しないとならない。これは、日本における外国からの移民による社会増加を受け入れる社会へと変革することであるし、もう一方で地方の独自性を伸ばすことだと思う。アメリカはその移民社会性による企業内での活力がもたらされている一方で、確かに州制度によって地方自治があるものの、地方の文化という意味ではその歴史から分かるように浅いものじゃないか。なので、日本としては地方分権が地方文化の活性化につながり、その多様性に対応した製品提供力を身につけることが画一製品での競争の次のステージである多様性の競争での勝利に結び着くはずだ。この多様性を提供する力を国際競争力との中でどのようにしくみとして定着できるかが個別企業での鍵になると思う。でも個別企業の力だけではなく、やはりその国内市場の厳しさと豊かさが国際競争力につながるって意識で日本政府は国内市場をどうするかのグランドデザインを描かなくてはならないんじゃないかな。ようやく、書評にもどるけれど、この作者の文中でサッチャーが国民によびかけた4つの基本方針があって、その一つが人間を育てるのは家庭だってところがある。そうさっきのお題目も一人ひとりの力の結集であり、その最も大切な根っこは家庭の力なのだ。そういった意味で昨今のモンスターペアレンンツは本当に日本の問題の根っこのような気がしてならない。もちろん、子育ては大変であるので、自分達の家庭だけではなく、その問題を共有し、そして地域全体で子供を見守り、お互い様の視点がなくしては駄目なんだ。。。
2009.01.17
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ハヤカワSFなんだけれど、ラブロマンスでした。超能力者が力を発揮するためには、プリズムという力を増幅させる能力が必要だという設定と、地球の移民星として文明がある時点で止まった世界(プラスチックが朽ち果ててしまうなどのせい)というものがどれほど生かされているかっていうと、それよりもラブロマンスがメインなんだね。まぁ、こんなのもたまにはいいかって感じ。。。
2008.12.24
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山本一力を読んでいるとシリーズででてくる脇役がいる。その中でも賭場をしめている猪之介もいいのだけれど、紀伊国屋文左衛門もいい味を出しているんだよなぁ。今回は、江戸で企画で知恵を出すという今で言う広告代理店のような一味が主人公だ。そのしかけもいいが、中に流れている人情味がまたいいんだよねぇ。一話完結の話がシリーズになっているので、次も次もと楽しめる。長編よりもこういったシリーズの方が、主人公のいろいろな面をだんだんと見れる気がしてなかなか良いんじゃないでしょうか。。。
2008.11.22
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県警の刑事が定年後に妻とゆっくりとした生活を楽しもうとしたのだが、その妻がガンで急逝してしまう。息子たちはボケをふせぐために捜査協力をさせることにする。そして、この刑事は持ち前の推理力と、そして交渉力をいかして警視庁の刑事を出し抜いていく。結末にちょっとしたどんでん返しがあるが、推理よりも、警察という立場ではなくフリーになった心境の変化や妻に先立たれた夫の様子のいじらしさの方が書きたかった題材なんだろうな。男は種をまく動物だっていい方やそういう人もいるだろうけれど、やっぱり愛妻家が築き上げる幸福の前にはいくらそれを積み上げても劣るっていうのが庶民が考える幸せであり、世の中を丸く治める考え方なんだろうね。。。
2008.10.13
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山本一力の中篇集。江戸の話が中心の中、土佐の話が一本混じっているのは、作者が高知県出身だからでもあるのだろう。土佐の方言は坂本竜馬の影響を受けているワシには格好いいと思えるんだよねぇ。。。
2008.10.06
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ラリィニーヴンでのノウンスペースではないものだけれど、これも面白い。少なくともプロテクターよりはよかった。冷凍睡眠をした男が目覚めたとき、その世界は独裁国家で個人のプライバシーがまったくない。そして、自分の体ではなかったのだ。しかも目覚めた時代では個人に職業選択の自由がなく、冷凍睡眠から覚めるためのコストを労働で償わなくてはならないのだ。そして、その男が着いた職業は、宇宙飛行士。恒星間飛行をするのに、何のしがらみもない人が担当するために、冷凍睡眠から目が覚めた男を利用するのだ。ところが、男はそれに従わずに。。。。というストーリーなのだけれど、SFの様々な設定が壮大で楽しいのだ。太陽系に戻ると、太陽系はばらばらになっている。水星があったはずのところまで巨大化した太陽がある。一体、地球はどこへ。。。それは読んでのお楽しみ。。。
2008.09.26
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山本一力の江戸モノ。作者の特徴は、主人公がほとんどの場合、市井の市民、庶民であること。それぞれが仕事に誇りを持って一日を大切に生きている。そこで何よりも優先されるのは義理と人情。今回は、御庭番と対決する加賀藩の窮地を救う飛脚が主人公。店の主人や藩の武士ももちろん魅力的なのだけれど、飛脚の誇りと生きざまが胸を打つ。今回は、飛脚の一人が御庭番の間者で、仲間の裏切りものであるのだが、この日本国の代表である江戸幕府よりも地方の加賀藩に忠誠を誓う人がいる。まぁ、それはそれで当時の藩制をものがたっているのだけれど、大きな正義よりも自分の仲間を優先するのは良し悪しともいえるが、この体質は平成の現代でも日本の特徴として引き継がれている気がしてならない。でも、すごーく薄くなっている気はしますがね。。。
2008.09.16
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雑誌などに発表された取材文、ノンフィクションをまとめたもの。最初のトラウマの国には病的な現代病ともいえる人がいっぱいでてくる。自分だけには悩む理由があって、それを証明しないと心配でしょうがないって言っているけれど、生きていくだけで丸もうけっていうさんまほどではないけれどそれぐらいの気持ちじゃないとつらいともいえるとは思う。だけど、それをトラウマを探してっていうのは何だかなぁって感じだよ。他にも定年後に地方に移住する人が、実は不便をかこっていたり、仕事で忙しくしていないと落ちつかなったり、住んだ地域では一番の若輩ものだったりしてまるで喜劇だったり。。。でも、知らない世界を見たと思ったのは、共産党の支部の状況だね。京都の支部では若者が刺繍をみんなでしているし、群馬ではカラオケ教室と全共闘世代とは全く様変わりした共産党がそこにはある。はっきりいってびっくりでしたよ。共産党の決定事項などを読み通す読了率が支部の指標になっているそうだけど、それが軒並み30-50%らしい。支部の若者の一番のメリットは、知らない人と話せるようになったことらしい。共産党は、生活者の党を目指しているのは言葉だけじゃなかったのだ。今でもきっと経営者層からはアカといってそれだけで毛嫌いするのだろうけれど、この現実には本当に驚かされたよ。。。
2008.09.14
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リングワールドを契機に読み始めたノウンスペースシリーズ。期待したのだけれど、どうもいまいち。世界観としてリングワールドで語られたものとは違い、人類のファーストコンタクトを中心にしている。すべてを合理的に活動するパク人の変態後の姿であるプロテクターという存在があった場合にどうなるかというところを設定しているのだけれど、筆運びがいまいちな気がしてならない。まぁ、それでもノウンスペースシリーズは一通り読もうとは思うけれどね。。。
2008.09.01
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電車が15秒遅れただけで日勤教育を受けて、閑職に回された運転手が自殺するところから始まる。この15秒遅れた原因は何だったのか。しかも電車だけではなく、工場での事故や、ケーブルテレビのエラーも発生している。しかし、この事故はきわめて限定的な範囲で起きている。時間を自由に動かせるってので、SFかといえば、そうでもない。きわめて取材を重ねたサスペンスなのだ。しかも電車の運転手の日常にせまり、鉄ちゃんにも読ませる。何より切実に響くのは日勤教育の異常さだ。この本の出版年は2002年で、宝塚の脱線事故より前なのだ。脅迫的ともいえる時間に対する取り組みが世界で1番正確な電車運行を支えているのだ。しかし、運転手にとって幸せといえるのだろうか。などなど、結構読み応えがあってよかったすよ。。。
2008.08.27
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Jリーグバブルが落ち着いて観客数の減少、テレビ放映の減少に見舞われたころに書かれた本で、今から読むと2002年W杯の成功などあり、少し違和感があるものの、日本代表バブルもはじけた今、なるほどと思わせる点も多い。何よりも日本サッカー協会の早稲田閥を中心とした閉鎖性にはうなずける面が多い。まぁ、川渕のあれだけの強引さがあったからこそ、最近の発展があるというのは確かだけれど、その強引さには必ず負の面がある。そのどちらの面を見るのは好き嫌いなのだろうか、Jリーグやサッカーに対する身のおきどころなのだろうか。自分としては、ファルカンをあっさりと切ったことに大きく不満があったので、著者の言い分にはうなずける分が多いのは確かだけれどね。。。
2008.08.04
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愛読している山本一力の江戸庶民もの。今回の主人公は、火消し。江戸時代の火事は恐ろしい。というのも消化活動ではなく破壊消化といわれるもので、延焼を食い止めるのが大事だからだ。で、この延焼を止めるために、どこを境界線にするかが大切で、その延焼の境界線の建物でまといをふるう。こういったいなせで、そして常に命を張った生き方をしている人がどれだけ日々を一日を大切に生きていったかというところが生き生きとしている。そりゃ、江戸時代には職業の自由もなかったし、身分制度はあったし、旅もままならなかったし、日々の生活がやっとという人も多かった。でも、手に職をつけた職人やまっとうな商売をしていた者がきちんと生活を営むという調和があった。で、この調和は肝煎りや顔役といったシステムがきちんと機能していたからだ。確かに現代の自由はいいけれど、束縛されない自由もいいけれど、生活の場というものに対する関与や責任はもっと重んじられてもいい気がする。それが、旧ソ連のような監視社会じゃ駄目だけどね。。。
2008.08.03
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序盤の次の一手を出題している。でも深ーい読みや意図のある出題ではなくて、プロが10人いれば10人が必ず選ぶ着点という正解がある問題なので、ある意味物足りない。まぁ、それぐらいのレベルにあるはずなんだけれど、それでもいくつか間違いがあったのには自分自身納得がいかないねぇ。それよりもこういった問題形式の本にこたえを書き込むなよ!これだから図書館の本は。。。
2008.07.24
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リングワールドの続編。これを書くきっかけが、前作に対する科学的な考察をファンから送られて、それを解消するだけの充分な説明をするためっていうからSFファンっていうものは恐れ入るよね。リングワールドがその軌道を変えて、太陽にぶつかりそうになっている。それを解消する手立ては存在するのか。それを解決するために、主人公は、元の世界に帰る手段を失ってまで、活動する大活劇ってことで、前作を読んだファンにはたまらない出来になっている。このニーヴンのノウンスペースシリーズをちょっと読んでいこうかと思う。早速、図書館で予約してきましたよ。。。
2008.07.19
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ブッタとシッタカブッタの姉妹編。仏教の教えをベースにした哲学風マンガ。思い悩むこと、欲望のつまらなさをたんたんとした口調でせまってくる。生きることこそが素晴らしいという毎日を感謝する気持ちにならなくっちゃと思うのだけれど、それがなかなか難しい。「理想の子供像を頭に描く親は子供を攻撃する」ってのは耳に痛かったなぁ。。。
2008.07.09
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都立の弱小野球部、グランドは狭く、月水金しか使えず、ノックも十分にできない。進学率命の校長が成績の悪い生徒はどんどん退学にするけれど、優等生はお目こぼし。教室は成績順。ほとんどが最下位のクラスに所属する9人ぎりぎりの野球部にとびきりのエースが入学してきた。ってまぁ、少年マンガによくあるストーリーだけれど、主人公のせりふまわし、心境のつづりかたがいいので、気持ち良くよめる。時代の背景、1985年というおニャン子クラブ全盛時代の高校生の雰囲気がよくでいてるのもいいんだなぁ。何せ、最初の導入部分が新田VS国生なんだもん。このころがちょうど青春とオーバーラップする世代はあまずっぱくよめることうけあいだね。野球部だけれど、野球の練習は7番目ぐらいってくだりがワシにもよくわかるよ。
2008.07.07
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ラリーニーヴンのノウンスペースシリーズの一作。宇宙にとてつもなく大きな人工物であるリンクワールドがある。恒星の周りをまわる居住かのうな表面積が、地球の表面積の300万倍!なのだ。どうしてこれが作られたのか。そして、その上では文明が崩壊していたのはなぜか。そういったSF上の設定も興味深いし、非常に主人公たちの設定もいい。幸運の遺伝子を持った人間がいるとして、その人間に巻き込まれたものの運命はどうなるかっていうところがリングワールドの設定以上に興味をひかれたのは、スペースコロニーという存在を先に認知しているガンダム世代だからであって、この作品が発表された1970年においてはどれだけ画期的であったことだろうか。続編を読まなくっちゃ。
2008.07.06
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