投資逍遥

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2005/07/23
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カテゴリ: 読書
2002年10月発行のこの本には、明治から平成にかけての皇后、即ち、昭憲皇太后、貞明皇太后、香淳皇太后、美智子皇后のことが書かれています。
最近でこそ、皇后の素顔をテレビ等で拝見しますが、近代のある時期まではほとんど語られることはなかったそうです。
皇后に課せられた役割は、皇統を絶やさないという一点が重要であったようで、その役を果たすことができないときは、皇后の意思とは関わりなく、側室制度が用意されていたそうです。
たとえば最近では、大正天皇は明治天皇の側室である柳原愛子から生まれたとのこと。

つい最近のことですが、皇太子が雅子妃に関する「人格否定発言」をされました。
その内容は知る由もないのですが、皇統を絶やさないという一点の重要性を思うと、このへんのことが関係しているのかもしれません。

四代の皇后の中で、私が最も興味を抱いたのは、大正天皇の皇后(貞明皇后)つまり昭和天皇の生母です。
貞明皇后(1884~1951年)は、公爵九条道孝の四女としてお生まれになりました。
皇后時代は四人の皇子を生み皇統を守り、病弱だった大正天皇を支えられました。
驚くべきは、生後7日目に、東京郊外の豪農大河内家に預けられたとのこと。
5歳のときに九条家に戻ったそうですが、随分とたくましい幼年時代を送られたものです。
後年の述懐によると、大河内家の子供たちと泥だらけになりながら遊び、喧嘩もし、食べ物の好き嫌いも許されないという育て方をされたとのこと。
別の本によると、「大河内家は決して特別扱いはしなかった。また忙しい農家のことなので、たとえそうしようと思っても、そんなゆとりはなかった」と。

以下は 【この本からの引用】 【征野の感想】 です。

【この本からの引用】
昭和12年3月、皇太子は天皇、皇后の手をはなれ、赤坂の御用地に建てられた東宮仮御所に移った。
別れの日、皇后と皇太子の間に、別れて暮らす寂しさをあらわす光景があったといわれている。

【征野の感想】
天皇になられる方の養育というのは、一般人の理解を超えるもの。
当時の皇太子(今上天皇)は3歳3ヶ月でしたが、この年齢で両親の手元を離れるとは辛いものがあったはず。
当時の記憶があるがために、徳仁親王(現皇太子)が生まれた後の、昭和36年3月の記者への次の返答があったのでしょうか。
「子どもとは成人になるまで共にすごしたい。それが心の安らぎです」


【この本からの引用】
次代の天皇への申し送りであった歴代天皇の訓誡書には、
1、宮中祭祀を大切にする。
2、学問に励む。
3、贅沢華美を排する。
4、寵臣をもたず人と公平に接する。
の四点が共通しているという。

【征野の感想】
素晴らしい内容ですね。
先祖を敬い、道を究め、質素な生活をし、公平な付き合いをせよということになると思います。
天皇家が連綿と続く理由が、ここにもあるように思います。





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Last updated  2005/07/23 12:09:06 PM
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