投資逍遥

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2005/07/30
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カテゴリ: 読書
1990年に発行されたこの本には、 津田塾大学の設立者である津田梅子(1864~1929年) のことが書かれています。

津田梅子は、8歳(年齢は日本風数え年)の時に欧米視察の岩倉具視大使一行とともに、アメリカに渡りました。
国費女子留学生5人のうちの1人として。
そして、アメリカで何と11年間の年月を過ごし、1882年に帰国しました。

まず興味をひいたのは、8歳の女の子をアメリカに送り出した両親がいたということ。
この本では、梅子の父親・津田仙のことに触れているが、梅子に「見果てぬ夢をかけ」ていたようです。
おそらく父親の意思により、梅子はアメリカに渡ることになったと推定しています。

さて、梅子と一緒にアメリカに渡った国費女子留学生は5人いましたが、そのうち2人は留学後間もなく帰国。
残りの2人は、永井繁子(数え年で9歳)と山川捨松(同12歳)でした。
この山川捨松は後の大山巌夫人ですが、この捨松というのは妙な名前ですね。
この本によると、捨松の母は幼い娘を異国へ送る切ない思い、「捨てて待つ」の意をこめて、それまでの幼名・咲子を捨松と改名して、アメリカに旅立たせたそうです。
おそらく母は、アメリカに行かせたくなかったのでしょうね。

以下は 【この本からの引用】 【征野の感想】 です。

【この本からの引用】
時は矢のように飛び、私は18になります。(中略)
もう一度、みなさんに会いにアメリカに帰りたいとは思いますが、日本に留まって国のために役に立つ仕事をするという私の決心は変わりません。(中略)
日本の女性のためにすることは山ほどあります。

【征野の感想】
これは、梅子が書いた手紙の中の一部です。
手紙は、アメリカでの梅子の育ての親・ランマン夫人に宛てたもの。

すごく愛国的ですね。
梅子の成長過程が特殊なものだとはいえ、18歳前の女性が「国のために役に立つ仕事」をしたいと本気で考えていることに、深い感動を覚えます。


【この本からの引用】
1週間ばかりの、短い割には高くついた旅でした。
外国人と一緒だといちばん高いところに泊まることになり、荷物を運ぶ人足たちは外国人と見れば騙して日本人に求める3倍もふっかけます。

【征野の感想】
これは、梅子が外国人と富士山に登ったときのことです。
梅子も外国人と間違われたようで、3倍の値段をふっかけられたようです。
最近の日本人は海外旅行に行く機会が多いので、ふっかけられる立場が多いと思います。
しかし、ほんの120年前の日本では、同じことが普通に行なわれていたのかもしれませんね。







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Last updated  2005/07/30 03:52:47 PM
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mkd5569 @ Re:MXS全世界株式(2559)を新規買付(06/08) こんばんは なにかと話題のオルカンですね…
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