投資逍遥

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2005/09/04
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カテゴリ: 読書
2004年4月に発行されたこの本は、昭和恐慌(1930~1931年)とその前後の日本経済を、歴史的、理論的、実証的に分析したものです。
なぜ昭和恐慌の研究かというと、1990年代半ばから続いているデフレから脱却するための経済政策を考える上で、昭和恐慌の研究は有益だと考えたからだとのこと。

9月1日の日経新聞に、この本の著者である岩田規久男氏による記事が掲載されていました。
氏の持論は、「インフレ目標政策の導入によりインフレ率を長期的に2~3%程度に安定させる必要がる」というものです。
なるほどと納得させる力がある考え方だと思いますが、どうも最近はデフレ懸念が払拭されそうな感じになっていると思います。
あくまでも、普段私が感じているだけのことですが。

以下は、 【この本からの引用】 【征野の感想】 です。

【この本からの引用】
この際、旧平価による金解禁を断行することによって、「財界」を一挙に整理・淘汰するという明確な方針が、ライオンと渾名されるほど重厚な浜口雄幸首相の口から発せられると、国民の多くは「緊縮」を合言葉に「勤倹」に精を出していけば、必ず「皓々たる光明」が見えてくると信じた。

【征野の感想】
当然ながら、この本では浜口・井上のデフレ政策に批判的です。
しかし、この引用部分は、小泉政権が誕生した時の状況に酷似しています。
先行きが見えない時、人々は英雄待望論的な考え方を抱くようになってしまうもののようです。


【この本からの引用】
高橋是清は、1935年には昭和恐慌から完全に脱出し、経済は安定軌道に乗ったと考え、軍事支出の増加を要求する軍部との妥協を拒んだため、36年の2・26事件で凶弾に倒れた。

【征野の感想】
実に難しいです。
高橋是清は井上蔵相のデフレ政策を大転換させてインフレ政策を採り、景気を回復させました。
例えば、1931年12月~36年2月までの区間で、株価は70%の上昇、地価は下げ止まって1%の上昇とのこと。
株式投資家のにこやかな顔が目に浮かぶようです。

膨張したものを戻すことの難しさ、小泉首相が「命をかけて」郵政民営化に取り組むというのも、時代が違うとはいえ、誇張とは言いきれないでしょう。









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Last updated  2005/09/04 04:24:29 PM
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