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2024年11月26日
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カテゴリ: オペラ


新国立劇場 14:00〜
 4階右手

 ロッシーニ:ウィリアム・テル


 ギヨーム・テル(ウィリアム・テル):ゲジム・ミシュケタ

 アルノルド・メルクタール:ルネ・バルベラ

 ヴァルテル・フュルスト:須藤慎吾

 メルクタール:田中大揮

 ジェミ:安井陽子

 ジェスレル:妻屋秀和

 ロドルフ:村上敏明

 リュオディ:山本康寛

 ルートルド:成田博之

 マティルド:オルガ・ペレチャッコ

 エドヴィージュ:齊藤純子


 新国立劇場合唱団
 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮:大野和士
 演出:ヤニス・コッコス

 ウィリアム・テル。新国初どころか、なんと原語フル上演は本邦初だそうで。実際、アマチュアで2,3度やってるのも訳詞上演だったりピアノ伴奏だったり、そんな感じらしいです。あとは、​ 東フィルの定期演奏会でゼッダが振った2010年の抜粋版演奏会形式 ​なんだとか。これは聞きましたっけ。
 言われりゃ、確かにやるの大変なオペラではあるしね。海外でもそうそうお目には掛からない気はします。とはいえ、私はペーザロでの2013年の公演を観ましたから、むしろよくお目に掛かってる方なのでしょう。それかあらぬか、今回の公演は普通の公演よりも高い模様。S席で31,900円、C席で13,200円とからしいので、ワーグナーより高いのでは。理由は、確かに昨今のインフレもあるでしょうけれど、この公演、新制作の割に最近には珍しく共同制作じゃないんですね。新国独自の演出。最近は費用を抑える為に複数の劇場で共同制作して制作費を抑えるものなのだけれども、これは買う人いなかったんですかね。まぁ、確かに演出は決して非凡なものとは言えない感じでしたが.......
 あ、一応言うと、色々ネタバレはあるので、気をつけてくださいな。

 .............一応ちょっと空けとこうかしらね。

 .................................

 ..............もういいかな。

 さて。
 そんなわけでということか、満員に近い感じです。4階席だったのもあるけれど、割と入っていた模様。珍しさも手伝ってなのでしょうか。

 で。
 なんというかですね..................まず、良し悪しというのとは別に、妙にこう、落ち着かない雰囲気を私は感じていたのですが............どうなんでしょう...........あれはなんだったんだろう..........
 変な話ですが、今回のキャストは、めんどくさいから新国のサイトからコピってきて、体裁を合わせてます。で、見ての通り、外題役が「ウィリアム・テル(ギョーム・テル)」なんですね。で、公演のタイトルは「ウィリアム」。プログラムの表紙にも堂々とそう大書きしてます。でも、この日の上演は原語、即ちフランス語上演。だから「ギョーム・テル」というのが理屈は正しいと思うんですが、ウィリアム。どうしてこうなったのかな。
 まぁこれは与太話みたいなものなのですが、敢えて続けると、そもそも「ウィリアム・テル」は妙なんですよ。何故かというに、「ウィリアム」は英語読みだから。フランス語台本だろ、ということで「ギョーム」ですが、ロッシーニの母語イタリア語なら「グリエルモ」。原作はシラーの戯曲ということになってますが、ドイツ語なので「ヴィルヘルム」。因みにスイスの公用語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語ということになってますが、テルのいたウーリ州界隈は、一応ドイツ語圏ということになるでしょうか。大体が悪逆代官はハプスブルク家の代官ですしね。だから強いて言えば「ヴィルヘルム」じゃないかと思うんだけど、「ウィリアム」。どうなの....
 なんでこんな与太話を長々してるかというと、なんかこの辺の「知ってるようで知らない、わかってるようでわかってない」感じがつきまとってる気がするのですね。落ち着かない雰囲気、の一因をちょっとこの辺に感じてしまうというような.....

 身も蓋もない言い方をしてしまうと、音楽的には、まずはハイF出なかった、と言っておきましょう。それが全て。あとは良くも悪くも、可もなく不可もなく、と言ったところかと。そもそもフランス語なのでこっちもあまりよく分からず、というのはありますが、それにしても歌唱陣は格別何処がどうということもなく。ハイF出なかったのはがっかりですけどね。でもまぁなかなか出ないから珍重されるわけで。残念だけどだからって罵倒するもんでもなかろうし。合唱も含め一応違和感を感じるということはまぁ無かったってことで。
 どちらかというとこの日はオケの勝利。まずもって序曲。そう、「ウィリアム・テル序曲」。思えば東フィルのウィリアム・テル序曲ってどれだけ聞いてきたろう......30年くらい前には、毎月、いや毎週のように東フィルを聞いていたことがあります。歌手のリサイタルで東フィルが伴奏に入った時ですね。歌手の合間にオケ演奏が入る。まだバブル崩壊後数年で、歌手の来日はそこまで廃れていなかった。歌手も、今から思うと玉石混交とはいえ数が多かったので玉もそれなりにいた。なのでリサイタルも数多かった頃です。定番の「繋ぎの曲」はといえば、カルメンの前奏曲、椿姫の前奏曲、運命の力序曲、で、ウィリアム・テル序曲もよく聞きました。懐かしい。こんなに真剣に演奏してるのも、聞いてるのも、30年ぶりじゃなかろうか......いや、ゼッダの時にもやってるか......でもその時はあまり記憶なくてね.......
 で、本編に入ってからも、オケがそこそこ締まった演奏をするので、割と最後まで聞けました。

 ただ、正直、ちょっと飽きたというか退屈したというか、だったのも事実。これはむしろ曲が悪いというか。アリアとかそれなりにあるにはあるんだけど、全体にちょっと飽きるんですよね。長くても飽きないオペラはあるんだけど、ちょっとメリハリが微妙というか。

 演出。これは、ある意味問題というか.........
 まず、これはいわゆる現代演出だったのか、というと、そうなるんだろうと思います。ただ、雑なことを言ってはいけないと思っていて。
 そもそも「ウィラム・テル」というのは、13世紀のスイス独立運動という史実に材を取った、実在したと言われているけれどちょっと伝説上の人物っぽいよね、という人の話です。つまり、ト書きに忠実に、と言うなら、13世紀のスイスを舞台上に再現する必要がありますが........13世紀のスイス人ってどんな格好してるものなのよ.......
 で、今回の舞台では、人々は概ね近世から近現代の服装をしている、と言っていいでしょうか。民衆は近代からそのちょっと前くらいの、うっかりすると近世って言われそうな感じの、「民衆の服」という感じ。一方、敵方、即ち権力の側の人々は、近現代。警官は現代の治安警察みたいな雰囲気だし、軍人は軍服。近代フランスの軍服とか警察の制服とかですかね。ハプスブルク側でありながら心情的には民衆側という役のマティルドは現代のスマートでシックな感じでしょうか。
 ただ、プロットは、殆ど変わってません。その意味では読み替えはほぼない。そういう意味では、拒絶反応みたいなものは起こしにくいでしょうね。こういうのが気に入らない!って人もいるでしょうが、そういうタイプの人は結局何観ても文句言うし、そもそも「13世紀のスイスの人々の服装」なんてろくに説明できないですよ、きっと。

 そういう意味ではほぼ冒険の無い舞台ではありました。凡庸、と言ったのは、まぁ、そういうこと。ただ、一方で、このオペラのセインシティヴさというのは改めて思うことでもありました。それをちゃんと出せたという意味では、凡庸だが悪くはないのかも知れません。

 演出の話は後日。実は次の週末も行く予定なので.....



























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最終更新日  2024年11月26日 02時29分39秒
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