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収集家・画商のポール・ギョームは自動車整備所で働いていた時に貨物のゴムの中にアフリカの彫像を見つけ、それをショーウィンドーに陳列した事がきっかけで芸術家との関係を築いていったそうです。彼のコレクションはルノワール、セザンヌ、モディリアーニ、ピカソ、マティス等、
19
、 20
世紀絵画の見事な集成を成し「ヨーロッパ屈指のコレクション」と呼ばれています。
因みにポール・ギョームとヴァルテールの共通点は共に「ジュリエット・ラカーズ」を妻にしたことだそうで、彼女がこのコレクションの相続者となっています。
彼女は受け継いだ前衛作品を処分し、高額な絵画を購入することによってコレクションをより「賢明なもの」に変えていったようです。
「Bouquet dans une loge(天井桟敷のブーケ)」 1878-1880
その中で個人的に一番印象に残っている絵はルノワール(1841-1919)の薔薇の絵です。
ルノワールと言えば生存中に絵画が売れ成功した画家というイメージです。出世欲が強く肖像画では顧客の要望に応え、ある程度脚色を加えてより美しく、よりハンサムに描いたということを読んだことがあります。特に1878年の作品「シャルパンティエ婦人とその子供たち」は婦人の優雅な姿、子供達(姉・弟)の天使のような愛らしさに私も魅了されました。
シャルパンティエ婦人はこの絵に大満足して友人たちにルノワールに肖像画を描いてもらうことを勧め、肖像画家としてのルノワールの地位を築く大きなきっかけとなったようです。
2枚の絵は同じぐらいの時期に描かれています。肖像画ではないルノワールの絵は私にとっては珍しく調べてみると、「花」を描くことはルノワールにとって「癒し」だったようです。
確かにその美しさを表現するのに何の脚色もいらないことが癒しになるのは簡単に想像できます。
「天井桟敷のブーケ」は薔薇を包む白い紙と薔薇の白色の対照と淡いピンク色の繊細さが座席の色によって強く印象付けられ引き込まれるように見入りました。「ルノワールで好きな絵は?」と聞かれれるといくつか浮かびますが、この一枚もその中に入っています。
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