星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2023.05.21
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​​​​​ 先月「ゴッホの没入型体験展示会」を見てからゴッホの絵に更に興味が湧いきて手元にある画集などを読み返していると2011年に訪問した「エルミタージュ美術館」のガイドブックの解説に「当館にあるゴッホの4枚の絵は彼の一生で最も劇的だった晩年に描かれたものである」とあり、4枚もあるのかそれとも4枚しかないのかと不思議な気持ちになり訪問時に撮った写真を見直してみると2枚だけありました。


「エテンの庭園の思い出」1888年 アルルで

 この絵については以前に日記に書きましたが「エテン」はゴッホの生地であるオランダの町で、想像力を使って描くゴーギャンの「アルルの老女たち」に倣って描いた作品ですが、写生による色彩を何より大事にしたゴッホはこの絵を失敗作と考えたようです。


「ライラックの木」1889年 サンレミの療養所で

 1888年10月から始まったゴーギャンとの共同生活から2ヵ月後に有名な耳切り事件が起き、ゴッホはサンレミにある療養所に入ることになります。ゴーギャンの自伝には「ゴッホがカミソリを持って自分を追いかけて来た」という箇所があるそうですが真偽は謎です。勝手な想像ですがゴーギャンに切られたという方がその後の流れ(切り落とされた耳を馴染みの娼館の女性に託す)がしっくりいくような気がしています。


「あばら屋」
               「アルルの闘技場」

 そして写真を撮らなかった2枚はガイドブックに写真が載っている1890年ゴッホの最期の地となる「オーヴェール」で描いた「あばら屋」と1888年アルルで描いた「アルルの闘技場」とガイドブックに説明がありました。
「​アルルの競技場」は​同じくアルルで描いた「夜のカフェテラス」のようにゴッホの特徴である黄色の美しさが際立った作品で、この絵を見た記憶が無いのとどうして写真を撮らなかったのだろうと残念な気がします。そしてアルルと黄色と言えばゴッホの代表作「ひまわり」ですが、エルミタージュ美術館には1枚だけゴーギャンの絵があります。


​「椅子の上のひまわり」1901年       ロシアの鬼集家「セルゲイ・シチューキン」寄贈

 ゴッホがパリで描いた「ひまわり」の絵をゴーギャンに激賞され、ゴーギャンをアルルの「黄色の家」に招くおもてなしとして描かれた情熱のひまわりはゴーギャンにも強い影響を与えたようで、ゴーギャンがタヒチで1903年に亡くなる2年前にフランスからひまわりの種を取り寄せ、ゴッホがアルルでゴーギャンのために用意したのと同じような椅子に置かれて描かれています。ゴッホの自殺の後、醜聞により自分の評判が落ちてしまう事を恐れたというエピソードもありますが、その為に描かれた物なのか同じ孤高の芸術家への追悼と敬愛の思いで描かれたものなのか興味深いものがあります。






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最終更新日  2023.05.21 12:40:54
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