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以下は、前回のブログ「のだめカンタービレ最終楽章」(上)の続きです。 興味の第2点は主人公の「のだめちゃん」のキャラクターの設定です。のだめちゃんは、容貌はごく普通の女の子、外見的には、平凡極まりない女性、しかも、舌ッ足らずで、行動のテンポは人より遅い、部屋の中は散らかり放題で、良妻賢母型にはほど遠い、生活人としては欠点だらけで、異性にモテるタイプではないのですが、音楽に関しては群を抜く才能を持っています。一度聴いた曲は、すぐ楽譜なしで演奏出来る、聴いた曲が、すべて音符に変換されて、のだめちゃんの頭の中に刷り込まれて保存される。多分、モーツアルトは、こういうタイプの天才だったと考えられますが、原作者の二ノ宮知子さんは、のだめちゃんの人物の造形に当たり、モーツアルトの人物像を参考にしたのかも知れません。あるいは、アルゼンチン出身の女流ピアニスト、マルタ・アルゲリッチあたりの人物像も若干、入っているのかも知れないですね(アルゲリッチは美人さんですが) リュウちゃんは、ほとんど最近のトレンディドラマを観ていませんので、はっきりと断定は出来ませんが、「のだめ」は、従来のトレンディドラマをひっくり返した「逆トレンディドラマ」と云えるのかも知れません。外見も才能も典型的なトレンディドラマのヒーローである「千秋」に対し、これまでのトレンディドラマでは考えられなかった、のろまでドジで美人ではない、アンチ・ヒロインを配した物語の縦軸の妙が、「うまい!」と思いました。 そんな、ごく普通の生活感覚を持った「のだめちゃん」ですが、何しろ音楽の才能は抜群ですので、たまたまエントリーした国際ピアノ・コンクールに簡単に優勝してしまいます。そうなると、世界中の新聞が「新しい天才ピアニストの出現!」と書き立てる。一躍、世界的な有名人になる、従来のトレンディドラマであれば、この国際コンクール優勝をバネにして、更に上を目指す、という展開になる筈ですが、我らの「のだめちゃん」の起こした行動は、全く逆で、「失踪」という選択でした。この「失踪」から、エンディングに至る部分が、この映画の一番の見所で、単なるトレンディドラマではなく、大人の鑑賞に堪える、いい映画になったようにリュウちゃんは感じました。 モーツアルトの「2台のピアノのためのソナタ」で始まり、同じ曲で、エンディングを迎える、という構成も、非常に上手い!と思いました。 漫画の原作者の二ノ宮知子さんのインタビューを読みましたところ、二ノ宮さん本人はクラシック音楽をよく知っている訳ではないし、楽譜も読めない人なのだそうです。ただ、漫画のモデルになった音大出身の「のだめちゃん」(本当に、「のだめ」という愛称の女性なのだそうです)とネットで知り合い、そのオリジナルの「のだめちゃん」を通して、音大の学生生活の様子や、音楽のことなどの取材を進めて行ったそうです(それにしても、凄い取材力ですね)二ノ宮さん、嬉しいことに相当な呑ん兵衛さんのようで、自身のことを、「漫画家兼酔っぱらい研究所・所長」と呼んでいるそうです。 レコード業界では、「のだめ」関連のサントラ盤やクラシックCDが、通常のクラシックCDでは考えられないほどのセールスを記録しているようです。「究極の懐メロ」であるクラシック音楽が、「のだめ」を契機に、これまで馴染みのなかった人達にも聴かれるという事は、何だか楽しくなることですね、のだめちゃん、有難う御座います。このブログで紹介させて頂きましたメル友のYさんは、現在、「のだめカンタービレ」のサントラ盤を発売しています大手レコード会社に勤務されています。
2010年04月29日
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先日、奥方の誘いに乗りまして、映画「のだめカンタービレ」を観て来ました。 アラカンで頑固爺いのリュウちゃん、テレビのトレンディドラマなるものは、普段はほとんど観たことがありません。「のだめ」のテレビ版も、家人が観ているのを横目で見ながら、「何て軽薄で、つまらないドラマだ!こりゃー、アラカンのオジサンの観るようなドラマじゃないな」っと、ずっと思っていました。ただ、音楽のシーンになると、その曲目及び演奏に、「おッ、なかなか本格的なクラシック作品を使っているじゃん!演奏も中々凄いな」なんて思っていました。 結婚して、群馬県に住んでいますリュウちゃんの長女が昨年に奈良へ里帰りした時に、「のだめって、漫画チックなドラマだけど、音大生の実態がよく判って面白いよ、音楽もキチンとうまく使っているし、」なんて言っていまして、それ以降、奥方はテレビ版「のだめ」を観るようになりました。この長女は、大阪の某音大を卒業していまして、今では主婦業兼自宅での音楽の先生をしています(韓流ドラマ「チャングムの誓い」も、この長女の薦めで観るようになり、これにはリュウちゃんもハマりました) リュウちゃんには、Yさんという、リュウちゃんより20歳年下の女性メル友がいます。彼女は東京の某音楽大学のピアノ科卒業、在学中は、他の学生さんが、モーツアルトやベートーヴェンやショパンなどを専攻しているのを横目に見ながら、近代フランスのモーリス・ラヴェル一辺倒の学生生活を送ったそうで、卒業演奏曲目もラヴェルの難曲「夜のガスパール」だったそうです。今でも一番好きな曲はラヴェルの「ピアノ三重奏曲」、一番好きなコンチェルトはラヴェルのピアノ協奏曲だそうです。 このYさんから、「のだめカンタービレ」って御存知ですか?」というメールがあったのが、長女が里帰りし、「のだめ」を推薦していった前後の事だったと思います。確か、その時には、Yさんも、「のだめ」の音楽学生としての生き方に共感したような事が書いてありました。その後のメールには、「テレビドラマの第1回で、モーツアルトの2台のピアノのソナタで、一遍にハマりました」とのメッセージがありました。 昨年11月3日付けのリュウちゃんのブログで紹介させて頂きました畏友「清教寺茜」氏、彼は現在ではガチガチのクラシック党なのですが、今年始めのメールには、「のだめの映画を観たが、感心したよ」という趣旨のメッセージが入っていました。普段、リュウちゃん以上にトレンディドラマなどは観ない、誇り高き茜氏の言葉ですから、リュウちゃん、考えました。 「これは単純なトレンディドラマじゃ無さそうだな、何かあるぞ!」 それやこれやで、リュウちゃんと致しましても、一度、「のだめ体験」をするのも悪くは無いかな?」と考えていました所へ。タイミングよく奥方からの誘いがありましたので、いそいそと映画館に足を向けた訳です。 映画を観た感想ですが、いくつかの点で、非常に興味を惹かれました。以下、興味を惹かれた点につきまして、いくつか書いてみます。 第1点は、「音楽の上手い使い方」です。懐メロ・リュウちゃんにとりましては、クラシック音楽は究極の懐メロなのです。しかし、これまでのドラマなどのクラシック入門的な音楽の使い方には、正直、飽き飽きしていました。ところが、「のだめ」で使われたクラシック音楽は、これまでの「飽き飽きしていたいつもの入門的クラシック音楽」とは、全く違うもので、正に画期的な選曲がされています。以下、この映画及び、チラチラとテレビドラマで聴いた曲について、感想を書きます。 (1) ベートーヴェン:交響曲第7番テレビ版「のだめ」を聴いていて、一番印象に残った曲です。実はリュウちゃん、高校時代に一番先に好きになったベートーヴェンの交響曲が、この7番でした。「有名な「運命」や「合唱」などと比べて、重苦しい感じがなく、メロディもいいな。何故、一般のファンはこの曲をあまり聴かないのだろう?多分、タイトルが付いていないせいだろうな、クラシックの解説書を読むと、この曲は「舞踏の聖化」なんて、しかめっつらしい説明がされているが、要するにダンス・ミュージックだな、2楽章のメロディが泣けるね、平原綾香がカヴァーすればヒットしそうだぞ」「運命」でもなく、「田園」でもなく、「合唱」でもない「第7番」を、このドラマの象徴的楽曲にした事に、このドラマの製作者の見識の高さを強く感じました。特にこの交響曲の第4楽章は、正にダンス・ミュージックですよね、浅田真央ちゃんが、4回転ジャンプを試みるときには、この曲を強く奨めたい気がしています。 (2) ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番この映画では、ベートーヴェンの32曲あるピアノソナタの最後から2番目のソナタの第2楽章のスケルツォの冒頭と、第3楽章のフーガの部分が流されました。ベートーヴェンのピアノソナタも、「月光」、「悲愴」、「熱情」、「ワルトシュタイン」など、タイトルの付いている曲以外は、あまり一般のクラシックファンは聴かないのですが、難しい理屈を抜きにしても、この31番のソナタは、何度か聴きますと、「凄い曲だな!」となる事、うけあいの曲なのです。タイトルが付いていませんと、なかなか聴くきっかけが掴めないものですが、「のだめ」の瞬間的な音出しをきっかけとして、是非一度、全曲を聴いて見て下さい。あと、この映画には出てきませんでしたが、ベートーヴェンの最後の32番のピアノソナタの第2楽章は、リュウちゃん個人といたしましては、スウィング・ジャズのハシリの曲だとおもっています。 「スウィング・ジャズの創始者は、ベートーヴェンだったのだ!」 (3) ストラヴィンスキー:ペトリューシュカ確か、映画やドラマなどでは、「のだめ」ちゃんがコンサートで初めてこの曲を聴き、すぐに一回聴いただけの記憶で、ピアノで弾いてしまい、周りの人を吃驚させるというシーンで使われていたようにリュウちゃんは記憶しています(曲はこの曲だったのかな?)、この曲は、元々はバレエ音楽、既に初演されて100年以上経っているにも拘わらず、まだクラシックの世界では「現代音楽」なのです。理屈が先に立つ聴き方をすると、何か難しい音楽のようで敬遠してしまうのですが、理屈抜きにダイナミックな音の世界に遊べば、楽しい楽しい音楽です。 (4) ラヴェル:ピアノ協奏曲あの、最初にパシッっという鞭の音が入る曲です。あまり美しいメロディは入っていませんが、ピアノを打楽器のように叩くジャズのような爽快感のある音楽です。第3楽章は日本の怪獣映画の元祖である「ゴジラ」の音楽と同じメロディが出て来ますすよ、 (5) モーツアルト:2台のピアノのためのソナタ「のだめカンタービレ」で千秋とのだめが初共演した曲、今回の映画でも最後に共演していましたね、もともとは、モーツアルトと、才能はありますが、容姿がイマイチの女弟子との共演のために作られた曲のようです。ここでは、千秋=モーツアルト、のだめ=モーツアルトの女弟子という図式で、原作者の二ノ宮知子さんは「のだめ」を書いたという連想が可能でしょうね、このドラマの最初に出てきた曲で、映画の最後も、この曲で〆る。「のだめ」ドラマのエッセイがこの曲に集約されているような感じを受けました。 これまで、あまり一般クラシックファンが聴く機会がなかった音楽に、「のだめ」は光りを当て、広く一般のファンが聴く機会を与えたといえますね(以下、映画「のだめカンタービレ最終楽章」(下)に続く)
2010年04月29日
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