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家康の子 [ 植松三十里 ]
徳川家康の次男であり、後の福井藩視・結城秀康の生涯を描いた雄渾の歴史小説。今までの歴史小説で類型化された徳川家康、徳川信康、石川数正、石田三成、大野治長、淀殿などが、新たな解釈で描かれているのが新鮮。
主人公、徳川家康と側室のお万との間に生まれた於義丸(秀康) は、父に疎まれ、三歳になるまで対面が許されなかった。そんな於義丸を認め、家康と初対面するきっかけを作ってくれたのが兄の信康である。その信康も、義父の織田信長によって切腹させられてしまう。やがて一一歳となった於義丸は、羽柴秀吉の養子として大阪城へ送られるが、実質的には秀吉の人質になるということであった。秀吉と家康が、於義丸の命を挟んで凄まじい外交交渉を繰り広げるのが前半のクライマックス。後半は、自分の進むべき道を知った秀康が「戦乱の世を終わらせる」ために、身を捨てて突き進んでいく姿がいきいきと描かれている。実に清々しい歴史小説であり、面白い。なにより、今まで武田信玄と通じた為と描かれていた信康切腹の真相や、石川数正出奔の真相に頭が下がる。
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