ピアノ調律師の日々
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前回送られて来た弦と19世紀中程のPleyelとの相性があまり良くなかったので、推奨される弦でこちらでも計算し直したデーターを、フランスの修復家経由でイギリスの古典楽器専門の弦メーカーに送り数回意見交換ができた。注文があってから弦を製作すると言う事で、1ヶ月以上時間が経ってしまったが、先週無事イギリスから弦が届いた。たかが弦交換だったが、アジアとヨーロッパを往復する大プロジェクトになってしまった。現在普通に製造されていない弦を製造する訳なので(標準化と真逆である)優雅に時間を使わないとならないが、弦との相性による響きの変化を充分に咀嚼しながら体験できた。現在のピアノの弦は鋼鉄だが、当時は軟鉄になる。なので、高い張力には耐えられない柔らかい弦だ。その柔らかさにも色んな種類があるのが面白い。まだピッチが安定しないのでもう一日必要だ。。。160年の時を経ても使えるモノツクリを常にしたいものだ。
2011.05.26
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