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ケータイでは欧米や韓国ブランドに水をあけられた感の強い日本ブランドですが、中国のデジカメ市場では大健闘していると言えるでしょう。都市部では2,000元(2万5,000円)~4,000元(5万円)くらいの高級機種が人気のようですが、ソニー、キヤノンと日系ブランドが人気でもマーケットシェアでもトップ2を不動のものにしています。次いで、オリンパスやニコンも健闘していて、欧米系ではコダックがトップ5に入るといった状況でしょう。特にソニーは中国市場において、ハイエンドの商品を中心に展開していて、日本市場で新発売する商品を一月と置かずに中国にも持ち込んでいます。価格も日本の市場価格程度に抑えているようです。ソニーはノートPCのVAIOについても、日本の発売とタイムギャップを置かないので、お金持ちの若者には結構人気で、日本と比べてまだ勢いがあるようです。一方で中国国産ブランドも巻き返しを図っています。これまでは、聯想(LENOVO)や方正(Founder)などのPCメーカーや、海鴎や鳳凰など光学カメラメーカーが、1,000元台のロウエンド商品を中心に展開しており、マーケットシェアで1%にも満たない状況で、光学カメラ系メーカーは撤退も余儀なくされました。ところが、最近では聯想(LENOVO)や愛国者(Aigo)あたりが、大型液晶モニタや薄型タイプの特長ある商品を出すようになりました。店先でも、ソニーやキヤノンの商品と肩を並べて遜色無いようになりました(中国情報局)。ところで、「愛国者」というブランド。英文字では"Aigo"と表記されますが、私たち日本人にはドキッとさせられてしまうネーミングです。北京に本部があり、元々は欧米や日本のPCやその周辺機器のディストリビュータだったそうです。その後、自社開発のPC周辺機器などを売り出した際にブランド名を「愛国者」としたのですから、何とも変な感じがします。この会社は、いまでも北京では強力なディストリビュータでもあり、ライバルと言えるソニーやキヤノンのデジカメも自社ブランド「愛国者」のデジカメとともに店先に並べているのです。当然小売店名には「愛国者」などとうたってないわけですが、事情を知りたる北京の愛国者は、この店先に並んでいる中国製のデジカメ「愛国者」を思わず選んでしまうのではないでしょうか....考えてみれば「松下」が使っていた"National"も、きっとヘンだったんでしょうね、特に英語圏の人たちにしてみれば。
2004.11.30
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日本と中国のビジネスは、国交が無かった時代「友好商社」と呼ばれる一握りの特権的会社によって再開されました。国交が正常化してからも、政治色が強く残りました。これは日本のビジネス上の利益を求めるためではなく、中国の復興を支援する意味合いの強い、政治的介入だったのでしょう。まさに「援助交際」のようなもので、元締めのように利権を行使した人は「いい思い」もしたかもしれませんが、多くの企業にとってはまともなビジネスにはならなかったらしいです。90年代になって、中国市場の開放が進むと、真にビジネスとして捉える企業がどんどん参加し始めますが、こうした過去の「負の遺産」は至るところに残ってしまいました。特権的「友好商社」の時代は、中国の食材を日本に輸入するようなビジネスから始まったそうですが、フカヒレにしてもメンマにしても、日本側は驚くほどの高値で買ってくれたそうです。当時はさまざまな事情があって仕方が無かったのしょうが、日本は何でも高価で買ってくれる、というイメージを中国のビジネスマンに植えつけてしまったようです。一方、日本から中国へ輸出するモノは中国では調達できない高い技術のモノが多かったので、当然個人向けではなく政府関係が購入することが多く、「友好」という二文字を免罪符に、破格の安値で売り渡していまようです。このことが中国の人民に、という意識を植え付けてしまったような気がします。北京に訪れる日本人は、シルクやカシミアや有名ブランドのフェイク商品などを販売する秀水市場(シルクマーケット)や紅橋市場などに行かれることがあると思います。出張でいらっしゃった方にとっては、日本へのおみやげ探しに格好の場所です。このマーケットで販売される商品には原則として値札がついていません。店員に値段を尋ねると、いくらだ、と答えてくれます。ここの店員さんに聞いた話ですが、彼女の言い値には「1:2:3」の法則があるそうです。中国人のお客さんへの言い値を1とすると、見た目で欧米人とわかる白人にはその2倍の金額、日本人だと思ったら3倍の金額を、最初の言い値にするとのこと。もちろん、こうしたマーケットで言い値のまま購入する人はいないと思います、人の良い日本人でしたら、最初の言い値の半額まで値が下がれば、ちょっと儲けた感じがして、喜んで買ってしまうでしょう。でもこの店員さんの場合、中国人への言い値の7掛けくらいで売れても利益が出るようにしているそうです。日本人に言い値の3分の1くらいまで値切られたとしても、中国人に売るより高い利益が確保されるわけです。多くの日本人は、日本人だけが高い値段でモノを売りつけられているのに、日本で買うより安い、という気持ちで満足してしまいます。これはBtoBの世界にもあることです。中国企業からモノを買ったり、調達したり、仕入れたりするとき、日系企業向け料金になっていないか疑うべきです。特に日本人が料金交渉の表舞台に立つような場合は、気をつけたほうが良いと思います。日本の感覚だと充分安い、と思っても、あなたの交渉先の中国企業は、他の中国企業や欧米企業にはもっと安い金額で販売しているかもしれません。日本企業が求めているのはスペックが違うのだから、少しくらい割高になっても、と思っていらっしゃる方もいるでしょう。でも同じスペックの部材を他の取引先には8掛けくらいで販売していたりするかもしれません。同様に中国企業に販売する際も考え直してみてください。中国だから買い叩かれても仕方が無い、などと思っていませんか?でもライバルの欧米企業は、他の地域なみの利ざやを中国市場で獲得しているかもしれないのです。日本人は高く買ってくれる、安く売ってくれる、という中国人の幻想を取り払わないと、中国でビジネスを展開する日本企業は、いつまでたってもまともなビジネスをしにくい状態に置かれたままです。一部の政治家の実利無き「友好」主義やODAの見直しも良いきっかけになればと思いますが、やはりこの地でビジネスをする日本人ひとりひとりがマーケットの実態をウォッチし、適正な価格にアンテナを張る、ということが必要なのだと思います。
2004.11.29
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北京-上海間の高速鉄道について、中国側はレール方式を採用すると決定したそうです(中国情報局)。この発表とほぼ時を同じくして、新華社通信が「北京─上海間を結ぶ高速鉄道計画で、フランスの重電大手アルストムが計画の大半に当たる122億5000万ドル規模の受注を獲得した」と報道しました。ただこの報道に関して、当のアルストム側は「入札すらまだ行われていない」と完全に否定しているそうです。そもそもこの高速鉄道の受注について中国側は「公開入札」とすると説明しておきながら、公開入札が行われるとか行われた、という報道も無いまま、国営通信社が「落札者」について報じる、というのは、いかにも中国らしいできごとだと思います。この高速鉄道がリニア方式ではなく、レール方式を採用するのは決定的でしょう。フランスのアルストムが受注したのか、は何ともいえませんが、受注に近づいている、ということも確かだと思います。少し考えすぎかもしれませんが、新華社通信の勇み足とも言える受注決定報道は、煮え切らない日本側への最後通告なのかもしれません。そもそも、北京-上海間の高速鉄道計画が持ち上がってから、日本は一部の政治家が中心となって「新幹線方式」採用の売込みを行ってきました。まるで、ODAの一貫でもあるかのように、日本政府関係者はビジネス・モデルを検証するでもなく、何としても中国に日本の新幹線の技術を提供するんだと、意気込んできました。それに政府や政治家ご用達の商社などが同調せざるを得ず、さまざまな中国要人を日本にご招待しては新幹線を売り込んできました。ところが、特許の塊と言われている新幹線システムの、その特許を持っている日本企業のほうは、何となく乗り気でなかったようです。高度な技術だけ流出してしまって、ビジネスとして利益が得られるのか疑問に思ったからでしょう。政府主導の新幹線売り込み作戦の足並みは、徐々に乱れていったのです。これに対して、中国側はドイツなどの「リニア形式」採用をチラつかせながら、日本側から良い条件を引き出せるよう揺さぶりをかけてきたりしました。中国の鉄道技術は世界でもトップ水準だと言われています。時速200Kmの営業運転も既に行われています。フランスのTGV方式にせよ、日本の新幹線方式にせよ、ほとんど国内調達でマネできてしまいます。台湾あたりだと、新幹線型の車両すら製造できるインフラが無かったので、まるごと日本企業がビジネスにできたのでしょうが、中国の高速鉄道が日本の新幹線方式を採用するとして、日本企業にとって、どれほどのリターンが期待できるか未知数です。例えばATSのような安全性に関わる技術は日本など支援は必要かもしれませんが、技術供与が中心になってしまうと、したたかな中国相手にビジネスとして成り立つかは疑問です。「中国事業」を「援助交際」のように考えている日本企業が結構あるようです。特にオーナー企業は、中国でのビジネス展開について、慈善事業のように考えたりして、採算性よりも名誉を求めたりするケースがよくあります。「儲からなくとも、中国のためになるなら」という考えで中国事業を展開してきた日本企業は少なくありません。でも、中国側のしたたかさは、日本のODAへの態度でお分かりの通りです。援交の女の子が、声高に感謝を表わしたりしないのと同じです。お金が苦しくなれば、また援助してもらえばよい、くらいにしか考えてないでしょう。中国はいま世界中の企業のビジネスのバトル・フィールドになっているのです。半分慈善事業か援助交際のような気持ちでビジネスを展開しているのは、日本政府と一部の日本企業くらいのものです。新幹線も中国でビジネスとして成り立つのであれば、バンバン売り込みをして巻き返しを図れば良いと思います。でも、「中国人民に日本の新幹線を」みたいな足長オジさん気分で取り組んでいるのなら、即刻撤退すべきです。これは新幹線に限らず、中国でビジネスを展開しようとしている、すべての日本企業にもあてはまることだと思います。
2004.11.28
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日本企業の多くは中国企業との取り引きで、代金がもらえない、つまり売掛金が回収できない、という心配をされていると思います。歴史的にも、日本のリース会社が700億円以上もの代金を踏み倒されてしまった、しかも中国の地方政府とグルで(!?)、というできごとがありました。中国企業にモノを売っても、代金を支払ってもらえないかもしれない、と考えるのももっともです。ですから、一部の日本メーカーは問屋や小売店に商品を卸すときに、ニコニコ現金取引を原則としたりします。よほど競争力がある商品なら別ですが、フツーは問屋も小売店も現金の前払いなど嫌がりますから、売掛金の回収を心配して現金取引を前提とすると、当然販路が狭くなってしまいます。そもそも、中国企業の財務(フィナンシャル)担当者は、「支払う必要のない代金はできるだけ支払わない、支払う必要のある代金でもできるだけ遅く支払う」という考えを持っています。支払いを少なくし遅くすることは、財務担当者の技量だとすら考えられています。もちろん、どこの国の企業であっても、不必要な代金は払わないでしょうし、支払いも遅ければ遅いほど良いに決まっています。でも、中国の場合は特に顕著なのです。日本企業では、請求書ベースで会計上の処理が行われるのが一般的でしょう。請求書を発行した時点で売掛金になりますし、請求書を受領した時点で買掛金、つまり負債になります。ですから、日本の営業マンは請求書を提出した時点で、入金が保証されたように思い込むことすらあります。でも中国では、請求書など実際は何の役にも立ちません。「発生主義」という国際会計基準を採用しているグローバル化した企業でさえも、心理的には「現金主義」のままです。つまり、現金のやり取りこそすべてで、「お金を払ってください」とお願いする請求書よりも、「実際にお金を支払いました」という領収書のほうが重要になるのです。では中国企業(の財務担当者)が考える「支払う必要があるお金」とはどういうことでしょうか?日本人ならモノを買ったり、サービスの提供を受けたりして、請求書を受け取った時点で「支払う必要がある」と思うでしょう。ところが中国の場合、法律上は別として、現実的には請求書などただの紙切れであって効力がありません。契約書と納品書がしっかり整っていてこそ「支払う必要があるお金」になるのです。契約書は、通常取り引きを始める前に取り交わします。仕事の内容、その対価(金額)、そして支払い時期を両者で約束することは万国共通です。納品書は取り引きが終了した際に取り交わします。仕事が契約書の内容どおり履行されたことを、両者で確認し合った証拠文書になります。中国企業との取り引きでは、どんな些細な場合であっても、この2種類の文書は必ず整える必要があります。取引先の公印がしっかり捺印されており、出金権限のある代表者の署名がなされていなければなりません。とかく疎かになりそうな納品書についても、担当者のサインだけで済ませては危険です。部門責任者以上の署名は必要です。取引先の署名捺印済みの契約書と納品書があって、はじめて支払いを督促できる条件が整います。かと言って、支払期日までただ待っていれば入金が約束されるわけではないのです。ここまで証拠書類が整っていれば、さすがの中国企業も、潰れかかってでもいない限り、そのうち支払わなければならない、とは思うでしょう。でも期日通りに支払おう、とは思っていないかもしれません。ですから定期的に、期日までの支払いを督促し続ける必要があります。これは取り引きの担当部門だけではなく、取引先企業の財務部門にも並行して行う必要があります。支払いの件がで財務部門にまで伝わっていない場合もありますから、場合によっては取引先企業の社内調整までやる必要があります。遠慮がちの日本人には無理な仕事でしょうから、押しの強い中国人スタッフに委ねてしまいましょう。最後の手段は、領収書の発行と提出です。中国では公給領収書の管理が非常に厳格です。発行する側は乱発できませんし、受け取る側も経費処理の際に当然必要になります。お金をいただく前に領収書をお渡しするのは、できる限り避けなければなりませんが、取引先の財務担当者から「領収書をもってこい」と言われたら、しめたもので、支払いの日も近いはずです。契約書に記載された支払期限の日付で公給領収書を用意しましょう。取引先としては、この代金を原価や経費として会計処理する際には、その公給領収書が必要なのです。しかも、3ヶ月ごとに税務当局のチェックを受けますから、日付がズレるといろいろ面倒なことになります。契約書も納品書も完備されている「支払う必要があるお金」で、支払期日付けの領収書も用意されている、とすれば、取引先の財務スタッフも、わざわざ会計処理を面倒にしてまで、支払いを引き伸ばそうとは考えないでしょう....基本の基本と言ってしまえばそれまでですが、しっかり契約書を取り交わし、納品書にも必ず取引先の署名捺印をいただき、期日前であっても絶えずリマインダーをぶち、支払期日付けの公給領収書をちらつかせる....取引先の財務担当者に隙を与えない対応をしていれば、きっと期日通りに代金が支払われる可能性が高くなるはずです。もちろん、取引先に支払い能力が無ければ、何をしようが、裁判で勝とうが、無理です。もうこれは、取り引きを始める前に、わかっていなければならないことですが....
2004.11.27
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中国最大の白物家電ブランドを持ち、世界の白物家電ランキングでも五指に入るこの会社の本社は、山東省青島市にあります。ウチの会社の大きな取引先の一つで、青島のオフィスはこの会社の敷地内にあり、この3年来、私は頻繁にここを訪れています。この会社については、日本でも書籍になったり、映画も公開されたりしていて、いろいろとご存知の方も多いと思います。「役員の評価が毎月貼り出される」というのはホントの話です。本社ビル地下一階のエレベータホールの真正面に、事業部長以上の評価がでかでかと貼り出されています。ここには社外の方を食事に招待するためのレストランと社員食堂がありますから、社員だけではなく取引先の人たちも見ることができる場所です。一人一行の表の中に、各人ごとの100点満点の評点とその理由、前月との比較がヒットチャートのように矢印になって示されています。副総裁以下各事業部長約20名のトップクラスの管理職の評価が曝されているのです。どのような評価方法なのか具体的にはよく分かりませんが、「相互評価」とのこと。この「相互評価」はウチの会社など取引先との間でも行われています。ウチの業界では、ウチの会社を含め同業4社がこの会社と取り引きしていますが、毎月通信簿のような「評価表」が公開されます。ライバル社との比較も数値で示されるのです。この場合の「相互評価」とは、ウチの会社もクライアントであるこの会社の担当部署や担当者について評価する、ということです。取引先つまり外注先を一方的に評価するのではなく、外注先が発注元である担当部署や担当者の指示やオーダーや対応が適切かどうか、も評価するわけです。人が行う評価ですからどこまで真実を表わせるかは別としても、こうした姿勢は素晴らしいことだ思います。私は年に2回ほど、この会社の副総裁と面談します。ウチの仕事に対する評価や要望をお聞きするためです。この会社のトップには映画にもされてしまった著名なCEOがいらっしゃって、次に女性の総裁がいらっしゃいます。その下に副総裁が3人いて、それぞれいくつかの事業を取り仕切っています。私がお会いする副総裁は5つの事業を統括していますから、工場労働者を含めると5万人くらいの部下がいることになります。彼の下には、5人の事業部本部長がいて、それぞれの本部長の下には部長がいて、部長の下には主任がいる、という具合で、ウチの会社の日常業務は部長以下の決裁で行われています。私がこの副総裁と面談する場合、ウチの会社の中国人責任者とこの会社を担当するチームの責任者、少なくとも3人連れになってしまいます。ところが、この副総裁のほうは、いつも一人で応接室に現われます。日本の会社の場合、重役面談ともなると、普通はそのラインの担当役員、部長、課長、担当者が同席するのが一般的でしょう。重役同士の面談となると、双方とも大名行列のように部下を引き連れて、総勢10名くらいになったりします。ところが、この会社のこの副総裁は、いつも一人です。部下や秘書を引き連れて面談に臨んだりしません。それでいてマクロ経済やゴルフの話でお茶を濁す表敬訪問で済ませるのでもありません。現場の実務までしっかり把握していて、実務的な話し合いが成り立つのです。ウチの会社に対しても、評価するところは評価しつつ、改善が必要と思う点は具体的な要望を出してきます。しかもこの副総裁は30代半ばで、私よりも年下です。権威を振りかざすような態度はまったくなく、低姿勢で、体格も小柄なので、初めてこの副総裁に会う人であれば、きっと秘書か何かだろう、と誤解してしまうはずです。この会社の海外事業部の本部長にもお会いすることがあるのですが、20代の女性です。小柄なフツーのOLといった外貌なのですが、お話していると、北米の小型冷蔵庫市場でトップシェアを勝ち取った、彼女の能力が染み出てきます。日本企業の中で、この会社について、金払いが悪い、とか、手を広げすぎて業績が悪化している、とか、ヤッカミとも言えるような評判があるのも事実ですす。でも、ウチの会社にはキチンと契約書どおりに支払っていただいていますし、今年の業績は相当良いようです。訪問するごとに、この会社の将来への期待が増すばかりです。きょうは心地よい青島から、でした。昼休みにサッカーする青島のスタッフ
2004.11.26
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中国情報局を運営するサーチナの調査によると、中国における日本の芸能人の知名度では酒井法子が7割でトップ、次いで浜崎あゆみ、木村拓也。好感度も酒井法子6割でトップ、次いで深田恭子だそうです。一方、CHEMISTRY、GLAY、Kinki Kidsなどの男性芸能人の好感度は総じて低かったそうです。この調査は2004年10月にオンライン上で行われたそうです。一方、中国社会科学院日本研究所が同時期に実施した調査で、日本人に対して「親近感を感じない」中国人は過半数を超えていて、「親近感がある」は6%程度に過ぎず、2年前の調査よりも対日感情が悪化したようです。ここでまず注意したいは、中国における「調査」のパネル、つまり調査対象者のプロファイルです。日本の芸能人調査はオンライン調査です。調査対象はあくまでもネット環境にある方、ということになるでしょう。中国のネットユーザーは約8,000万人(2003年末CNNIC)といわれています。数では日本以上かもしれませんが、人口比ではわずか6%程度です。都市部の高校生・大学生、或いは大卒以上の労働者が中心ユーザー層と考えられています。中国のテレビ視聴率調査などの調査対象者は、当然無作為に抽出されています。例えば、北京市区部のパネル特性を調べてみると、ネットユーザーは1/4くらいです。世帯月収が4,000元(約5万5,000円)以上だと10%以下になってしまいます。日本企業が消費者調査を実施する場合、世帯月収3,000元~4,000元以上を調査対象にしたりすることがありますが、これは北京市区部であっても全体の10~25%の高所得者層を対象とした調査であって、北京全市民を対象にした調査ではない、ということを理解しておく必要があるでしょう。つまり、中国全人民の7割が酒井法子を知っている、ということでは無く、都市部の知識層の7割が酒井法子を知っている、と考えるべきです。例えば、深田恭子を知っているか、北京の一般市民に尋ねても、知っている、と答える人はほとんどいません。ただ大学生に尋ねれば、かなり多くの人が知っている、と答えるかもしれません。深田恭子が出演した日本のテレビドラマは北京では放送されていませんでした。金城武と共演した「神様もう一度だけ」というドラマが、台湾から入ってきた海賊版VCDで2~3年前に大学生など若者の間でちょっとしたブームになったくらいです。木村拓也がサーチナの調査で知名度第3位になったのも、金城と共演した映画「2046」封切直後だったことが影響しているかもしれません。知名度・好感度とも、女性芸能人が高く、男性芸能人が低いという点も注目に値します。大前提になるのは、中国社会科学院の調査結果どおり、「中国では日本人は好かれていない」ということ。この点については、日を改めて話題にしたいと思っていますが、私の推測ではこちらの調査対象はある程度「無作為抽出」されている、つまり中国の全体像をほぼ代表した結果になっている、と思います。「親近感が無い」イコール「嫌い」にはならないかもしれませんが、私の感覚では、特に北京において、日本人は嫌われ者の代表格です。それが年配の方中心か、というと、そうではありません。日本人が嫌い、と思っている若者はかなり多いのです。これは中国の学校教育において、90年代以降特に反日色が濃くなったことと、やはり90年代以降日本の大衆文化(ポップカルチャー)が地下に潜ってしまった(メジャーなメディアに登場しなくなった)ということに、大きく起因しているのではないか、と考えます。しかし、嫌われているのは日本の男性のほうです。日本人の女性はかなり人気が高いようです。中国では抗日に関連する時期に、旧日本軍の蛮行を描いたテレビドラマをよく放送します。悪いことをする日本人の多くは軍人さんですから、日本の女性はあまり登場しません。一方、「ひとつ屋根の下」や「星の金貨」の酒井法子にしても、「神様もう一度だけ」の深田恭子にしても、貧困や障害や悲恋に、けなげに耐え忍んでいく女性であって、中国女性には見出せない奥ゆかしさがある人物設定です。こうしたドラマを見た中国人は、そんな日本の女性像を思い浮かべてしまうのでしょう。日本の女性と久しく交流の無い私にとって、現実の日本の女性が果たしてどうなのか、いまはもう語ることはできませんが...
2004.11.25
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日本などが生産拠点や投資先を台湾から中国大陸へシフトするにつれて、台湾の経済は悪化していきました。そして、雇用も厳しくなりました。ですから、いま中国大陸ではたくさんの台湾の人が働きに来ています。私どもの業界の場合、台湾はある意味で先進地域だったので、台湾で10年~15年経験を積んだ30代くらいの人たちが、中国大陸で活躍しています。マネージャーやディレクターとして、中国大陸の経験の浅いスタッフを指導したりしています。ウチの会社にも4名の台湾のスタッフがいます。ウチの会社の場合、北京のスタッフは、日本人の言うことはあまり真剣に聞き入れない傾向にあります。「日本ではこうやってうまく行った」などと言っても、ヨソの国のことだし、違う人種のことだからでしょう。でも、台湾の上司の意見は、かなり真剣に聞き入れます。「台湾ではこうやってうまく行った」などと言うと、そのアイディアをそのままパクろうとするくらいです。同じ中国人とは言え、いままで辿ってきた歴史が随分違いますし、育ってきた環境も大きく違います。台湾の人は「国語」と呼ばれる基本的には中国の標準語に近い言葉を話すのですが、発音も随分違いますし、業界の専門用語ともなると表現そのものが違います。でも、北京人にはそうした発音や台湾で使われている単語が、新鮮でトレンディに思えるらしいのです。日本語はフツーの日本人が韓国語に感じているような、なんかヘンなワカンナイ言葉くらいにしか思っていないようです。ウチの台湾のスタッフが、たまたまそうなかもしれませんが、、中華圏では良くありがちな、部下に対する高圧的な態度も取りませんし、声も大きくありません。部下に対しても、私に対しても、丁寧に論理立てて説明します。こうした雰囲気が、私のような日本人にとって、とても心地よいのです。香港人には、セカセカしたか印象しかないので、またそれとも違う感じで良いのです。しかも、こうした台湾の人たちが、一般的に親日的です。ウチの会社のスタッフの場合、「日本ではこうやっていた」という話を素直に聞いてくれます。逆に、「日本ではこういう場合、どうしているのですか」などと日本での事例を聞きたがります。北京でまだ売られていないような日本のブランドや商品についても、日本人が抱くイメージとほぼ同じ風に理解していることが多いのです。私とほぼ同世代のスタッフは、日本のアニメやテレビ番組やアイドルなどの話になると、コイツ日本で暮らしていたんじゃないか、と思うくらいウマが合ったりします。旅行や出張で日本を訪れた人も多く、機会があればまた日本に行ってみたい、と思っています。外国ならどこに旅行したいか尋ねて、「日本」と答える北京のスタッフがいないのとは対照的です。もちろん歴史的にみて、台湾と日本は中国大陸と日本とよりも、関係が濃厚だったから、と言えるでしょう。台北を訪ねたとき、東京の新橋に居るような感覚になりました。単純に日本のコンビニがいっぱいあるからだけではなく、ビルの造りや路地や、街並みそのものが、そんな感じだったのです。ただ、台湾の人たちのこうした親日的な雰囲気に接すると、20世紀前半の彼らの地域にとって「不幸」と言われている時期が、ほんとうにそうだったのか、考えさせられてしまいます....いまウチの会社では、台湾のスタッフが、北京のスタッフと私たち日本人との間をうまく調整してくれている気がしています。中間管理職としては最適な人材となっています。これは彼らの文化やビジネスに対する考え方や生活習慣が、北京人(中国大陸人)と日本人の間に位置するからなのかもしれません。
2004.11.24
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仕事柄、画像や映像をたくさん貼りこんだ企画書を使って、お客さまにプレゼンテーションします。大きな中国企業には大概プレゼンテーション用の会議室があって、プロジェクターやらPDPなどが用意されていますので、Power Pointの企画書をそうした大画面に映し出して説明します。大きくない会社でも、プレゼンテーションはプロジェクターでやってくれ、ということになります。プレゼンテーションが終えると、説明した企画書のファイルを保存したCD-ROMを1枚お渡しすると、だいたいコトが済みます。プリントアウトしたペーパー資料など、あまり求めてきません。映像資料だって、MPEGにしてCD-ROMでお渡しすれば、OKです。ところが、日本のお客さまの場合、こうでは済まないケースがほとんどです。プロジェクターを使ってプレゼンテーションをしようとしても、「プリントアウトしたものは無いのですか」と尋ねられます。こちらは説明が終わってからお配りしようと思っていたのですが、プレゼンテーションを始める前にペーパー資料が手元に無いと心細いご様子です。お配りしてしまうと、スクリーンのほうではなくて、手元のペーパー資料をどんどんめくっています。いまご説明しているのは、そのページじゃ無いんだけど、と思っても、先にお配りしたこちらの敗北です。説明を聞くよりペーパー資料を読み込むほうに、もう夢中です。こうしたペーパー資料は、カラーでなければなりません。しかも参加者全員が同じペーパー資料を持っていなければなりません。キーマンにだけカラーの資料をお渡しして、残りはモノクロコピーで済ませたりしたら、色分けしたグラフが見難い、なんてご不満が飛び交うのです。「前方のスクリーンをご覧ください」と言いたくなってしまいます...映像資料はVHSテープが原則です。日本とやり取りするからNTSCにしてくれ、と言われることもしばしば。やはり、テレビでご覧になりたいのでしょうか。それでも、これは北京の日本企業の話であって、日本のほうでは、もうペーパーレスだろう、と踏んでいたのです。ところが本社の方が日本で準備して出張で持ち込む資料もペーパーだったりします。100ページもの企画書を20セットも持ってくるのですから、手荷物の超過料金を取られたのではないか、と心配になってしまいます。北京に到着してから誤りを発見して修正しようにもCD-ROMすらないので、日本から100MB近いファイルをメールで送ってもらうハメになります。北京の会社のスタッフの多くはUSBメモリーを首にぶら提げています。社内でも小さなデータならメールでやり取りしますが大きなデータのやり取りはこれでやっています。小さな打ち合わせはノートPCを覗き込みながらやってますし、社内会議はスクリーン使用のペーパーレスが原則です。本社から送ってもらうデータはMOだったりします。これがなかなか読み込めない....本社の会議に出席すると、お見事なまで整然とペーパー資料がテーブルに準備されています。ペーパー資料は、読みたいページをめくって探せたり、該当箇所にそのままメモを書き込めたり、「貰った」という実感があったり、便利なのかもしれませんが、何10部もカラーコピーなどしたらコスト高になってしまいますし、ペーパーの無駄遣いのような気がして、森林破壊にもつながってしまうでしょう。企画書などをお客さまにデータでご提供してしまうと、中国ではいつの間にかライバル社に出回っていたりして、そのまま他のお客さま向けの企画書となって、またウチのスタッフの手に戻ってくる、と言ったとんでもないこともあります。でも、コピペ不可能なPDFファイルなどにすることによって、ある程度は防げるようになりました。ウチの会社ではオフィス用紙の需要が激減しています。たまにキーキーと流れてくるファクシミリに使われるくらいです。しかもファックスを送ってくるのは日本の本社かお客さまくらいです。
2004.11.23
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ご存知の通り、中国は偽物(フェイク、模造品、模倣品)と海賊版の宝庫です。世界に向けた製造(密造?)基地であるとともに、恐らく世界最大の偽物マーケットでもあるでしょう。被害を受けているのは、日本や欧米の有名ブランドや著名アーティストの作品だけではありません。中国国内のブランドや著名アーティストもやはり偽物の被害を受けています。模造品が多いのはタバコと酒です。これらは模造品の成分構成によっては生命をも奪い取ってしまいます。農村部で中国側との宴席で出された著名ブランドの白酒が実は偽物だったため、命を落としてしまった日本人もいます。中国国内アーティストのCDや映画のDVDの海賊版もたくさん出回っています(「ぺきん日記」 11月13日)。北京の伝説のロックスター崔健を中心に「知的財産権の侵害は文化の再創造への機会を危うくするもので、結局被害を受けるのは中国人民だ」という主張の元で、民衆に訴えるキャンペーンを展開していますが、焼け石に水です。つまり、中国の知的財産権保護の体制は日本や海外に対してのみ甘い、とは言えないと思うのです。また、中国でも知的財産権の保有者はその侵害を防ぐため、いろいろ努力をしている、と思うのです。それでも尚、偽物はなくならない、と言うのが現実なのです。日中政府間や民間の間で、さまざまな対策会議(Asahi.com 11月20日)が行われているようですが、中国政府が対策に本腰を入れるかどうか別にして、そうしている間にも、偽物は製造され市場に流通していくのです。この現実を受け入れて、被害をできるだけ小さく食い止めることのほうが先決だと思います。家電などの耐久消費財に関して言えば、中国都市部の消費者の偽物に対する意識は高まっています。本物ブランドを買い求める消費者は、偽者でないか徹底的に検証します。肌に直接影響を与えるシャンプーなどの日用品やお口に入る食品なども、信頼のおけるブランドの商品を選びますし、その商品が偽者でないか、極端な話、スーパーで栓を空けて確かめたり、正規品の空きパッケージと比較したりして、自分でよく確認してから購入します。中国都市部の消費者は一般的にブランド信仰者ですから、ブランドの信頼度が大きければ、そうしたブランド品を購入できるだけの経済力を持っている人たちは、きっと自ら偽物を嗅ぎ分けて、本物を購入するでしょう。ですから、日本企業もブランド力を強くすること、販売価格に見合うだけの特長(技術力や高品質)を保持すること、によって、中国都市部での偽物対策ができると思います。農村部に関しては、手の施しようが無いかもしれません。人口比では圧倒的に大きなマーケットかもしれませんが、かと言って日本など海外ブランドの商品を買うほどの経済力が無いわけですから、対策するだけ無駄かもしれません。一番良いのは、彼らの経済水準に見合う価格帯の商品を作ってあげることでしょう。ただ、日本企業が直接製造販売していたら、きっと採算が合わないので、農村部に強い中国企業にやってもらうのです。ライセンスや特許を製造数量で縛らずに、期間を区切って売り渡してしまうのです。多額のライセンス料は期待できませんが、偽者対策に費用をかけるのではなく、若干の収入を獲得できるのです。うまくいけば、ライセンスを売り渡した中国企業が、自分のマーケットにおける偽物対策までやってくれるかもしれません。自分の会社の商品の売れ行きに影響するからです。もちろん、この場合、農村部(低所得者マーケット)向けの第2ブランドを用意したほうが良いでしょう。経済力の無い国向けに医薬品の特許料を安くする、という動きにも似ていると思います。本物を買えないから偽物を買わざるを得ない人たちには、こうした方法で、偽物を駆逐してみてはどうなのでしょうか。映画や音楽などの知的財産権侵害の対策はもっと困難でしょう。何せ、中身自体は「本物」ですし、違法コピーであっても、画質や音質がほとんど劣化しないデジタルの世の中ですから、本物を買える経済力を持った中国人民であっても、海賊版に手を出すでしょう。日本で行われている対策同様、正規版に付加価値をつける、ということも考えられます。ただボーナストラックやメイキング映像では簡単にコピーされてしまいますから、別の付加価値が必要でしょう。2002年北京工人体育場で開催されたGLAYの北京公演では、中国のファンは海賊版の4倍以上の値段がする正規版CDを購入してエントリーしました。2ヶ月で10万枚近い正規版CDが売れたそうです。中国における正規版CDの販売数量としては画期的な数字です。これはヒントになるかもしれません。ただ、GLAYの北京公演には付加価値と呼べないほどのコストがかかっているでしょうけど。日本企業が直接海賊版対策を行うのではなく、中国同業者を味方につける、と言うのが私の方向性です。信頼性が高い有力な中国のベンダーに版権を売り渡してしまいます。販売数量に応じたロイヤリティーではなく、売り渡しです。中国のベンダーは、販売数量が多ければ多いほど儲かることになりますから、海賊版に対してもきっと目くじらを立てることになります。商売上手な中国人でしたら、自分の利益を侵害するライバルを見過ごすことはできないはずです。どこまで効果が得られるかは未知数ですが、日本と中国の有識者で「対策会議」に明け暮れているよりはマシかもしれません。知的財産権の所有者は多額の収入を期待することはできませんが、海賊版対策のためのコストはかからないのです。中国政府の厳しい対応を迫ることももちろん重要ですが、巨大かつアンコントロールなマーケットの中国で、スグに答えを求めるのは非現実的だと思います。富裕層の多い都市部マーケットには、日本の技術力とブランド力をしっかり打ち出すこと。貧困層の多い農村部マーケットには、その経済力に見合った知的財産権の換金方法を模索すること。そして、それぞれのマーケットに有力で信頼度の高い中国企業をうまく巻き込むこと。こんなことから始めてみてはいかがかな、と思うのでした....
2004.11.22
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今月末から中国のテレビ番組制作会社に外国資本の参入が認められることになりました(人民網日本語版)。中国のテレビ番組の制作~放送の仕組みは、欧米に似てきています。日本の場合は、公共の電波を所有するテレビ局が決めた企画を番組制作会社に発注して、制作してもらうことが一般ですから、テレビ番組の制作会社はテレビ局の「下請け」的な位置づけが強くしています。ところが、欧米では番組制作会社が独自の企画と独自の資金で番組を制作し、それを各テレビ局に販売する、と言う方式が一般的です。ですから、人気の高い番組を制作できる会社は、テレビ局よりも発言力が大きかったりしますし、たくさんのテレビ局が放送してくれるような番組を制作すれば、巨額の富を手にすることも夢ではないのです。中国の場合、権威性の高い中央電視台や都市部のローカルテレビ局は、独自の企画と資金で番組を制作し、或いは番組制作会社に外注するのが主流でしたが、資金力の小さい地方のテレビ局では、番組制作会社によって完成した番組を購入して放送していました。そして、番組制作会社が制作し地方のテレビ局で放送された番組の人気がどんどん高まってきて、大きなテレビ局も次第に番組制作会社からの番組購入を増やすようになったのです。こうした状況ですから、中国におけるテレビ番組制作会社の位置づけは、日本のように低いものではありません。WTOの外圧による規制緩和であって、ニュースや報道系の番組は除外される、と言うことを差し引いても、中国のコンテンツ産業が活性化される第一歩になることは間違いありません。そもそも、中国では外国テレビ番組の放送に大きなハードルがあります。総放送時間の何%以上外国製のテレビ番組を放送してはいけない、という「総量規制」、そして政府関連機関による「検閲」が主たるものです。また、番組を供給する側にとっては、視聴可能な人口に対して放映権料や番組販売の対価が安すぎる、と言うことや、一度中国で放送してしまうと海賊版のVCDやDVDが出回ってしまいパッケージソフトの販売収入が期待できない、と言った問題も大きいのです。ですから、外国の番組制作会社などコンテンツホルダーにとってもイマイチ踏み込みにくい市場でした。これが今回の規制緩和によって、直接投資ができる環境が整ったことになります。欧米の番組制作会社が挙って参入してくるでしょう。そして、日本の番組制作会社にとっても、日本における「下請け」的立場からの転換を図る良い機会ではないでしょうか。特に、日本が得意とするアニメーションの分野などには、中国のマーケットに大きな隙間が残されているのです....
2004.11.19
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多くの日本企業では、中国事業部門を中心に中国人社員を登用しています。日本に留学して、そのまま日本で就職をした中国人を重用するケースが多いようです。日本の本社で対中国側の窓口を務めたり、本社内で中国の状況をレポートしたり、中国ビジネスを進めるにあたって本社では欠かせない人材になっている方も多いはずです。そうした人材が、中国の現地法人で幹部職や経営職を委ねられる場合があります。もちろん彼(彼女)が有能だからでしょうが、本社としては「日本のことを、日本の会社のことを、日本の商習慣を、良く知っているから」任せられる、というような理由も大きいようです。でもそのような彼(彼女)が、中国に戻って、果たして活躍できるのでしょうか?日本企業や日本人だけを取引先として中国で展開しているような企業は別として、中国の現地法人は中国企業や中国人と日常の商談や取り引きを進めていくことになるのです。「日本を良く知っている」中国人の人材は、「いまの中国をあまり知らない」中国人社員とも言えてしまいます。ご存知の通り、中国の状況は刻々と変化しています。特にビジネスに絡む法令や規制などは特に変化が激しいのです。2~3年、中国を離れて日本で仕事をしていただけで、中国の現状からは取り残されてしまいます。まして、日本留学後「新卒」で日本企業に入社した中国人社員には中国でのビジネス経験がありません。5年も10年も日本で働いていれば、いまの中国人の生活や心理からも遠のいていきます。「人脈」がモノを言う中国において、たとえ彼(彼女)が2ヶ月に1回の中国出張のたびにそのメンテナンスを行っていたとしても、中国に居てビジネスする場合と比較すると「関係」も薄くなってしまいます。これに対して、現地法人採用の有能と言える人材は、中国でビジネスの実経験を積んだ人です。昔の中国もいまの中国も当たり前のように知り尽くしているでしょうし、法令や規制の網を潜り抜ける人脈を確保しているかもしれません。そうした彼(彼女)のボスになる中国人は、日本語がしゃべれて本社とのコミュニケーションは抜群に取れるし、日本の会社のやり方も知っているし、日本人へのゴマのすり方もわきまえているけれども、いまの中国の状況を実践的に把握している人ではない、と言うことになります。待遇にも大きな差異が生じる場合が一般的です。日本の本社から「駐在員」として派遣される中国人幹部職は、通常日本の給与体系に基づき、自国に帰国するのに「海外勤務手当て」が付き、外国人用高級マンションの家賃まで会社持ちだったりすることが多いようです。同クラスの現地採用中国人幹部職と比較すると10倍近い差がついていると考えて良いでしょう。現地採用の中国人社員にとって、「面白くない」「気に入らない」存在になっても仕方の無いことです。「日本を良く知っている」から抜擢された中国人は、大きな希望と意欲を持って現地法人に着任するでしょう。でもそうした彼(彼女)を待ち構えているのは、現地社員の非協力な態度だったり、意地悪だったりする場合が多いのです。よほど優秀な人材で無い限り、こうした状況には耐えられなくなり、パイプの太さを利用して日本の本社との関係だけを深めるような方向になってしまいます。精神的に参ってしまって、日本の本社への「帰任」を強く求めた人も知っています。もちろん、能力が高く、こうした環境を乗り越えて、現地社員の取り込みにも成功し、実績をのばしている、日本の本社所属の中国人幹部職もいます。ただ、こうしたケースは少ないほうです。それともう一つ。こういうワケですから、日本で長年勤めて本社で活躍している中国人社員の中国に関する情報や見方が、必ずしも現況を言い当てている、と考えるのも、少し危険な感じがします。
2004.11.18
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役人の腐敗が中国でも大きく取り上げられるようになり、地方では頻発する暴動の大きな原因にもなっています。役人に限らず、中国ではビジネスにおいて個人的な利益の供与が半ば公然と行われていて、中国の悪しき商習慣の一つとして、日本企業が対応に苦慮しています。でも役人なら兎も角、企業間での取り引きにおける個人的利益の応酬を、中国固有の悪しき商習慣として、目くじらを立てまくるのも考え物だと思います。そもそも、中国でしかこんな悪習慣は無い、と言えるでしょうか。日本のビジネスシーンにおいても、担当者レベルの接待なんて当たり前でしょう。特に医薬、建設、広告などの業界では、多額の使途不明金が接待目的で費やされているのです。銀座の夜やゴルフのご接待ならOKで、現金の授受は論外である、というルールは日本人の倫理観の中の話です。欧米企業との取り引きに際しても、企業間接待さらには個人的リベートは取り引き成立に欠かせない重要な役割を果たしています。なぜ中国だけやり玉に挙げられるのでしょうか。まず第1に、個人所得に対して応酬される物品・現金が高額だからでしょう。第2に現金での供応がいまだ主流になっているからでしょう。第3には、日本人にしてみれば露骨と思えるような要求があるからでしょう。こうした背景には、中国の「表からの」給与水準の低さがあると思います。また自分の功績に対して、正当な報酬を会社からもらっていない、という事情もあると思います。ただ経験上、供応に対して相手の多くの中国人は、キチンと応えてくれます。つまり、そのビジネスの成功に向けて、熱心に動いてくれますし、結果も出してくれる、と言う意味です。私が思うに、有能な中国人であれば有能なほど、個人的な利益を自分だけのものにはしません。中国のビジネスは「関係」で成り立っていると言われています。友人関係であったり、同窓関係であったり、縁戚関係であったり。自分だけの力でビジネスが成功する、と思っている人は、恐らくよほど能力の高い人か、自分では有能と思いつつも実際には成果を上げられない中国人です。ですから、有能な中国人であればあるほど、「関係」を尊重しビジネスを進めていきます。つまり、彼(彼女)が個人的に得た利益は、独り占めにはせず、その人の「関係者」へと回っていく...そういうケースが多いのです。そうして、彼(彼女)もビジネス上で必要な個人的人脈に利益を供与でき、関係が一層強化されていきます。そうしたことが繰り返され、本題であるビジネスも円滑に進んでいき、より多くの人たちが潤うことにもつながり、敢えて言えば、現在の中国の経済発展を支えているのです。「ローマ人の物語」で塩野七生さんは、ユリウス・カエサルを「私益を他益に、そして公益に代えた」人物だと表現していましたが、中国の有能なビジネスマンも、個人的な利益を、関係者の利益に、そして国家の利益にしているのではないか、と思うことがあります。中国ビジネスにおける個人的な利益の提供を、私は完全否定することはできません。もちろん、人物を良く見極めないと、酷い目に遭うことになりますが、「人脈」・「関係」を基盤にした中国人同士のビジネスには必要なプロセスだと思うからです。そして、このような商習慣は、まだまだ主流であるのが現実でしょう。
2004.11.17
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日本の大手ゲームソフト会社が、その会社の人気ゲームソフトの海賊版を製造販売していた北京のP社を相手取って、訴訟を起こして、実質的勝訴ともいえる和解にこぎつけました。和解内容はP社が、(1)著作権侵害の事実を認めること、(2)和解金を支払うこと、(3)謝罪広告を掲載すること、の主として3点。(2)の和解金の金額がどれくらいなのか分かりません。ただ、海賊版による損害をチャラにできるくらいの金額とは思えません。この裁判によって、この日本のゲームソフト会社の海賊版が一掃されるのでしょうか?現実はそうは行かないと思います。まず、P社以外にもたくさんの会社が日本の人気ゲームソフトの海賊版を製造販売しています。P社が訴えられたのは、比較的大きくしっかりしていた会社だったからでしょう。実際は「地下に潜った」海賊版の製造販売組織が無数にあって、訴訟相手を特定することすら難しい状況なのです。次に、この裁判の結果が、P社以外に海賊版を製造販売している組織に対する抑止力になるかですが、こうした効果もあまり期待できないと思います。私の経験上、中国で裁判を起こすことは「骨折り損のくたびれもうけ」です。苦労して裁判を起こし、勝訴し、或いはこちらに有利な和解に持ち込んだとしても、期待されるほどの効果が実際は得られないことが多いようです。模倣品や海賊版の対策としては、目に余る違法行為を繰り返している会社に的を絞って、訴訟を起こすしかありません。でも、前述のとおり、波及効果が期待できないのです。代金の未払いで訴訟を起こし勝訴したとしても、相手側がいろんな抜け道を用意して支払猶予を勝ち取ったり、債務の存在を認められた法人の資産を他に移転させるなどして、支払えない状況を作ったりします。日本の本社は「勝訴」という大義名分を勝ち取れるわけですから、そこそこ満足しますし、中国でビジネス上のトラブルが長引くと「裁判に訴えろ」とおっしゃいます。でも、知的財産権の問題にせよ、未収金の問題にせよ、案件ごとの裁判で勝訴したからといって、すべてがうまく行くわけではないのです。他に有効な対策があるか、と言えば、何とも答えられないのですが.....
2004.11.16
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北京に現地法人がある日本企業では、日本の本社の社長や会長などのトップや役員クラスの方が、北京に来られる機会が多いはずです。トップの訪中目的は、政府の要人や幹部、JV相手などの中国側パートナー、取引先などのトップとの面談が中心でしょう。駐在員の日頃の苦労を理解するために訪中する日本の会社のトップなど、中小企業を除けば稀でしょう。大企業のトップともなると、北京の現地法人のオフィスに立ち寄ることなく帰国してしまうことも多いでしょう。日本の大企業のトップであれば、中国政府或いは北京市政府の幹部から間違いなく歓待されます。恐らく「朋友(親友)」と呼び掛けられ、「日中友好の架け橋」と美辞麗句を並べ立てられ、立派な宴会にご招待されるでしょう。政府関係でなくとも、中国側パートナーのトップからも同じように歓待され、協力関係の更なる発展を確信することになるでしょう。こうした訪中により、日本企業のトップは気分良くし、「中国側は皆歓迎している」「協力関係は万全だ」と言う想いを強くする場合が多いわけです。苦戦を伝える現地からのレポートが、まるで改ざんでもしているかのように、「中国側は皆うまくやろうとしている。うまく行っていないのは現地での対応に問題があるのではないか」などと、トップから叱責されてしまうことにもなりかねません。現地のビジネスの現場は、日本から来たトップが思ったほど順調には行かないケースが多いのです。許認可申請がうまく進まなかったり、JVの中国側パートナーが日常業務においてはあまり協力的でないようなことは、良くあるケースです。普段のビジネス相手は同じ組織であっても別な方です。大臣クラスや北京市長や中国の大企業の総裁の皆さんは、日本企業のトップが訪中するから顔を出すのであって、現地法人の責任者であっても日常の商談ではお会いできないような方々なワケです。中国側のトップが日本企業のトップを歓待するのは、別に騙すつもりでないはずです。総論として「熱烈歓迎」の意を中国側を代表して表しているのだと思います。ただ、各論になれば双方譲れない難題も出てくるのです。まして、中国政府の出先機関では、組織より個人の判断が優先する「人治主義」がいまだ蔓延っているのですから....現地法人を任されているにしても、こうした事情を日本に居る本社のトップに理解してもらうのは、たいへん難しいことです。こうした意識の乖離とそれに伴う問題を小さくしようと、本社役員クラスを北京に送り込む上場企業も増えてきていますが、大企業で決定権を行使できる役員であっても北京に居ついてしまうと「友遠方より来る」的な歓待は期待できないのが現状です。日本の政治家のセンセイたちも、北京に頻繁に来られるのですが、中国側の歓待と総論としての「日中友好」論に気分を良くして帰国していくだけです(産経新聞社の古森義久氏も記事や著書の中でこの点を指摘しています)。北京を訪れる大企業のトップの方は、ぜひこうした事情を理解した上で、適切な対応を考えていただきたいと思います。また、中国で頑張っている日系企業の皆さんは、はるばる日本からやってくるトップの方に、できる限り、中国ビジネスの現状を理解してもらえるような工夫をしていく必要があると思います。将来的には、中国ビジネスのあらゆる権限を現地に委譲すること、そして日本の本社トップがビジネスのために北京を訪れなくとも良くなること、なのでしょうが、これはなかなか難しいようです。
2004.11.15
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中国をモノを売るためのマーケットとして捉えている日本企業にとって、ここに住む消費者について理解することが真っ先に必要になります。そうした企業の情報源は主として、マーケットの定量型データと周りの中国人消費者から得られる定性型のデータになります。定量型データで注意が必要なのは、中国マーケットではが意味を持ちにくい、と言うことでしょう。例えばエリア戦略を立てる上で、エリアごとの平均月収のような数値ほど意味を持たないデータはありません。各所得層の分布状況にさかのぼる必要があります。定性型のデータの最も簡単な収集方法は、自分の周りの中国人の意見を聞く、と言うことでしょう。中国の消費者を理解するために、普段どんな暮らしをしていて、どんなことに興味があるか...また、売ろうとしている商品が中国人に受け入れられるか、商品を売るための広告表現などが中国人に理解してもらえるか...日本人では判断のつかないことを、消費者である中国人に直接尋ねることは、とても重要なことです。ただ、日本人である自分の周りにいる中国人からだけ情報を得て、その情報を鵜呑みにするのは危険です。例えば、日本語を話す通訳や現地法人の社員。もちろん、日本語を話さないにしても、中国では外資系企業である日本の現地法人の社員の話も、です。彼(彼女)たちは、日本語を話す、という能力を持っていることで、既に特別な消費者なのです。日本に留学経験があったり、日本に興味があるような中国人ですから、日本や日本人や日本企業やその商品に関して、既に何らかのバイアスがかかっています。あなたが商品を売ろうとしている消費者を代表するような意見ではない、と考えるべきでしょう。よくある話ですが、例えば、北京で仕事をしている日本人が、自分の周りの中国人に、「浜崎あゆみ」を知っているか尋ねた場合、恐らく北京の8割方の若者は「知っている」と答えるでしょう。自分の通訳や、現地法人の社員や、日本料理店のフロア係や、行きつけのスナックの女の子に尋ねれば、きっとそうなるはずです。そこで、「北京の若者はみんな、浜崎あゆみを知ってる」と思ってしまうでしょう。でも、真実は違うわけです。「浜崎あゆみ」という名前を聞いたことがある北京の大学生の4分の1程度、という調査結果があるのです(昨年、彼女が中国でテレビCMに登場していたにも拘わらず...)。これと同じように、あなたの会社の商品が、日本で人気が高かったりする場合には、その商品についてあなたの周りの中国人から得られる評判は、あなたが売ろうとしている消費者たちの評判より、高めになってしまう、と考えるべきでしょう。日本人の周りにいる中国人は、むしろ特別な立場と捉えるべきで、一般的な(中国市場に一般的はないのですが)中国消費者を代表するような意見とは言えない、と考えたほうが無難でしょう。もしあなたが中国で売ろうとしている商品が、日本語を話せる中国人に向けた商品であるなら別ですが....
2004.11.13
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ご存知の通り、日中関係は決して良好な状態とは言えません。中国に対してどのような思いがあろうとも、中国でビジネスをすすめている日本人にとって、日中関係は政治的にも良好であるに越したことはありません。先月、フランスのシラク大統領一行が中国にやってきました。もちろん政治的な交渉もあったのでしょうが、北京滞在中目立ったのは経済的な活動でした。3Gケータイのシステムを売り込むため中国の大手通信キャリアのトップと会ったり、戦闘機を売り込むため航空ショーを開催したり、もちろんフランスが誇る高速鉄道TGVの売り込みもトップセールスです。技術流出が心配で民間ですら消極的な姿勢を示している日本の新幹線とは大違いです。さらに、北京に数店舗展開していて、過去に中国当局といざこざがあった大型量販チェーン・カルフールの売り場を中国首脳と視察したりしていたのです。まさに、国家を代表するセールスマンとして、北京を飛び回った感じがありました。一方日本はというと、今の総理大臣は中国を訪問することすらできない状況にあります。もちろん、訪中がかなったとしても、経済的な売り込みの前に、話し合わなければならない政治的な問題が山積しているでしょうが....11月末開催されるAPECの際に、久々の日中首脳会談が予定されています。反日を旗印とした江沢民さんが引退して、胡錦涛さんの時代になったのですから、小泉さんも少し歩み寄って、日中関係を改善させるためのよき機会だと思っていました。その矢先に事件です。日本の領海を侵犯した国籍不明の潜水艦は、九分九厘中国海軍のものでしょう。政治的な意図をもっての領海侵犯かどうかは、現時点で何も分かりませんが、日中首脳会談に影響を与えることは必至です。切っても切れなくなってしまった経済的関係を考慮せず、日本の世論の趨勢は、中国批判に向かうでしょう....それに中国人民も過剰反応して、批難の応酬。またか、と言う感じです。中国が好きとか嫌いとか思うのは自由ですが、経済的な国益を最優先に国家間の関係を構築していくのが、この時代の趨勢です。仮に中国が日本向け輸出を禁止したら、数ヶ月で食糧危機に陥るのがいまの日本なのです。まして、中国を好きとか好きじゃないとかに関わらず、中国でビジネスを進めている日本人もたくさんいるわけです。日中関係がギクシャクすればギクシャクするほど、ビジネスにも悪い影響があるのです。あの潜水艦はきっと中国海軍のものでしょう。日本政府がどう解決しようとしているか、いまは知る由もありませんが、できることなら、「あの潜水艦は中国海軍のものでしたが、そうでなかったことにしておこう」くらいの姿勢で、両国政府のトップ同士が大人の外交によって、何とかうまくやってくれないかな、と切実に願っています。もちろん、日本のメディアや世論がそうした解決方策を受容してくれる環境が必要なわけですが....
2004.11.11
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沿岸部と内陸部、都市部と農村部の経済格差が著しい中国。日本の報道では、格差が拡大している、と言う論調が主流です。確かに、上海を中心とした沿岸・都市部の経済発展は物凄いスピードで続いていて、ここ北京の街並みも数ヶ月で変わってしまうくらいです。ところが農村部に行くと、5~6年前とあまり変わらない風景という感じがします。中国の政府当局は、農村部も豊かにすることを、重要政策課題に掲げています。人口比率では農村部が圧倒的なのですから。ただ、ここでポイントなのは、都市部と同じくらいの水準を目指しているのではないことです。農村部なら農村部の過去と比べて、或いは現状と比べて、より豊かにしていく、と言うことなワケです。沿岸・都市部は元々豊かでしたし、成長スピードも速いので、これい追いつくためには農村部の成長スピードがもっと速くならないと無理なわけです。でも、現実的には、農村部が豊かになっているとしても、それは沿岸・都市部より緩やかなのです。こういうワケですから、両者の経済格差はより拡大していくはずです。先日、中国の著名な経済学者と話す機会がありました。彼は「没問題!(だいじょうぶ!)」と言います。私は経済学が専門ではないので呑み込めていない部分もあると思いますが、手っ取り早く言うと「先富論」なわけです。トウ(漢字が使えないみたい)小平さんの唱えたアレが大前提になっているようなのです。沿岸・都市部の中で、まず豊かになる人が先に豊かになって、ボトム層を引き上げている。先に豊かになった沿岸・都市部が、今度は内陸・農村部を引き上げる。更に内陸・農村部の中でも、まず豊かになる人が先に豊かになって、徐々にボトム層を引き上げていく。と言うことです。具体的に「白菜」を例にすると、例えば北京で売っている白菜、リヤカーを引いた行商さんから買うと1個2元(約25円)位なのですが、とあるデパートの地下では、有機栽培とか称して半身で10元で売っています。白菜が日本に輸出されているかはわかりませんが、たぶん日本のスーパーで中国産白菜を売っているとすると、もっと高いのではないでしょうか。北京で売られている白菜も10倍の値段格差があります。北京の人たちにも2元の白菜を買う人と、その10倍の値段の白菜を買う人がいるわけです。同様に、農村部にも、末端価格で2元の白菜を作る農民と、その10倍の値段で売れる白菜(白菜はわかりませんが、他の作物でしたら日本などへの輸出向けをも意味します)を作る農民が存在することになります。もちろん、これらの白菜はスペックが違うわけですから(確かに見た目が違いますが、私は2元の白菜のほうが美味しく感じます)、栽培原価も違うはずですが、当然2人の農民の間では、収入の格差も生じることになります。つまり、半身10元の白菜の栽培を始めた農民のほうが先に豊かになるのです。都市部においても、半身10元の白菜を買える人は先に豊かになった人たちですが、そうした人たちの活躍によって都市部全体が豊かになると、いままで2元の白菜しか買えなかった人たちも半身10元の白菜を買えるようになる。つまり半身10元の白菜の需要も増えていくので、高級白菜を栽培する農民も増えていくのだ....掻い摘んで申しあげれば、こういう論理でした。納得できたような、納得しかねるような....皆さんはどう思われますか?※なお、北京で白菜をまとめ買いすると、いまなら1個1元以下(10円位)だ、と現地の方に指摘されました。
2004.11.10
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Fobus誌の中国長者ランキングが発表されたようです。1位は香港の有名な投資会社の人、2位は最大手家電量販店の人ですから、まあそんなもんか、という感じでした。ところが、3位が中国最大のオンラインゲーム・ベンダー「盛大網絡」の陳さんというCEOということで、なかなかの驚きです。ITバブルの残党で去年ランキング1位だった「網易」というポータルサイトの社長は株価値下がりで6位にランクダウンしたにもかかわらず、このオンラインゲーム屋の陳CEOの資産は13億ドル近く(140億円くらい)もあるとのことですから....この「盛大網絡」はNASDAQに上場していて、株価が高値で維持されていることで、陳CEOの資産の安泰なのですが、他の中国系ポータルサイトが軒並み株価を下げた中で、なぜ安泰だったのでしょうか?もちろん、オンラインゲームのマーケットの拡大性やこの会社が始めたオークションサイトなど新たなネット商売も要因になっていると思います。私は、広告収入に頼らざるを得ないポータルサイトと違って、オンラインゲームの堅実な収入保証システム、即ち【課金システムの確実さ】を大きな評価要因として挙げたいと思います。クレジットカードが普及していない中国で、有料オンラインゲームを楽しむには、プリペイドカードを購入します。このカードに記載されたパスワードを入力して、はじめてゲームができるのです。プリペイドカードは道端のキヨスクなどでも手に入りますから、ヘビーユーザーはカードを使い果たせばスグ購入できます。お手軽なのです。もともと中国ではコンソール(ゲーム専用機)が根付いていません。日本のゲーム機メーカーがソフトの海賊版を恐れるが故、NintendoもPS2も積極的なハード拡販に踏み切れない状況です(PS2には別の事情もあるようですが)。実際、日本のゲームソフトの海賊版は10元(130円)くらいで売られてますから、ソフト収入でハードの赤字を補うようなビジネスモデルが中国では成り立ちにくいのです。パソコンの普及、ネットカフェの浸透(これはいまブレーキがかけられています)もあって、PCプラットフォームのオンラインゲームが主流になるのも、当然といえば当然です。しかもベンダーにとっては、海賊版対策の必要も無く、ほぼ確実に課金でき、しかもプリペイドカードですから前金で現金収入を得られるわけです。この市場が有望なのは明らかですし、この「盛大網絡」にはいまのところ、有望なコンペティターがいません。日本のスクエアエニックスなども中国のオンラインゲームに参入して、単体のタイトルではかなりの人気を得ていますが、タイトル数では「盛大網絡」に太刀打ちできない状態です。[関連記事(日経BP)]中国ネットゲーム調査:国産ゲームへの期待高い、日本勢は低迷そういうわけで、陳CEOが中国第3位のお金持ち、というのも納得できます。なお、この会社最近多角経営に乗り出しているので、これから株を買ったとして引き続き上昇気配でイケるかどうかは、保証出来ません。
2004.11.08
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北京でビジネスを進めるのですから、商談の相手は中国人ですし、日本企業の現地法人であっても社員はほとんど中国人です。原則として日本語が話せません。日本語の話せる優秀な部下に委ねれば良い、と考えがちですが、日本語が流暢だから仕事もバリバリにできるとは限りません。また、あなたの日本語の指示や考えは、その日本語が話せる部下だけにしか伝わらないのです。その部下が、あなたの指示通りに中国語で伝えたかどうか、あなたは確認ができないのです。では英語でビジネスを進められるか、というと、北京では無理です。そもそも、日本語を母国語にする日本人と、中国語を母国語にする中国人が、どちらの母国語でもない英語で仕事を進めるなんて、小泉さんとブッシュさんが中国語で会談するみたいなものです。しかも、北京の人たちは、英語が流暢で話せる人であっても、積極的に他国の言語を口にしない傾向があるようです。中国でビジネスを進める以上、中国語を基本にする必要があるでしょう。ですから、中国語に自信の無い日本人は、通訳のお世話になるわけです。商談相手が長々と中国語で話していたのに、通訳が短い日本語で通訳してしまう傾向が良くあります。そして、言語能力の高い通訳ほどその傾向があります。商談相手が話したことを逐語訳せずに、結論の部分だけ訳すとこうなるのです。このような場合、商談相手が長々と話していた「前置き」の部分の90%くらいはビジネス上重要ではない内容である場合が多いので、合理的に商談を進めるのであれば、結論の部分のみ要約して訳してもらうのも心地よいのです。前置きの部分は、言い訳だったり非合理的な心情の部分だったりしますから。でも、中国で長く仕事をしていると、商談相手のこうした「前置き」の部分があとになって重要な情報になってしまうことが多いのです。マイナスの場合もプラスの場合もあります。だからと言って、通訳に逐語訳を求めると商談の時間が長引きますし、聞く側の日本人もウンザリしますし、話す側の中国人も話の流れを遮られてしまい、「前置き」の効果が薄れてしまいます。まして、社内の問題を解決しなければならないような場合、通訳も問題の当事者も同僚ですから、通訳に逐語訳を求めても意図的に訳さなかったり、当事者が通訳に知られたくないことは言えなかったりします。通訳を介して、中国ビジネスを進めていくのは、結構難しいと思います。
2004.11.07
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日本のテレビや新聞では、日本企業の「中国市場進出」を毎日のように報道しています。そして、成功例として良く挙げられるのが上海のコンシュマ市場でうまく行っている日本企業です。でも、上海市場での成功が、中国市場での成功を意味するものではないことは明らかです。私に言わせれば、「上海は中国ではないから」です。中国市場は日本のように均質的なものではありません。よく言われる沿岸部と内陸部の「経済格差」が象徴するように、多様な市場なのです。実はアメリカなどもそうなのですが、中国は最も多様で多面的な市場と言えるでしょう。その多面性は「都市部と農村部」「沿岸部と内陸部」などと簡単に整理できるものではありません。同じ地域においても経済的格差は日本と比べ物になりませんし、学歴や民族による志向性の違いも日本以上に顕著なわけです。いまの上海(区部)は、日本企業にとっては比較的攻めやすい市場です。まず何よりも経済力が高い、つまり購買力が強い、ということ。そして対外的に開放的な人たちが多い土地柄で、革新的なものへの受容性が高い、と言うことでしょう。中国では最も合理的(日本人的には)に仕事を進められる地域でもあるのです。ですから、日本企業の多くは、まずこの上海を攻めようとします。上海で成功すれば、次は北京でも成功するだろうし、沿岸部の都市でも成功するだろうし、いずれは中国全土を制覇できるだろう、と。しかし、上海での成功例が、中国の他の市場に活用できるかと言うと決してそうではないと思うのです。多くの中国人にとっても、上海は中国を代表する地域ではないのです。上海での評判が中国全土で受け入れられるわけではありません。上海の人口は周辺の農村部を入れて2,000万人弱です。農村部を入れずに周辺の都市部を加えても3,000万人程度です。これでは中国の全人口の1.5%にしかなりません。経済力が強いと言っても上海市のGDPは中国全体の5%以下です。中国市場の魅力は、13億人という人口と、膨大な数の人民の経済力が、当然個別の格差はあるにせよ、上昇方向に向かっている、と言うことでしょう。ですから、その魅力を満喫するには、上海制覇からではうまく行かないような気がするのです。60年前のことを考えてください。点と点とによる制覇が、中国では成り立たないことを教えてくれていると思います。上海市場でうまく行っている、と言っても、それは香港かシンガポールで商売しているのと同じようなものであって、中国市場でうまく行っているわけでは無いと思うのです。
2004.11.06
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通信事業各社、来年のTD-SCDMA対応3Gサービス商用化に自信 とのことです。TD-SCDMAとは中国が独自に(?)開発している第3世代携帯電話のプラットフォームです。日本だとDoCoMoのFomaがW-CDMA方式、auがCDMA 1XEv-DO方式で第3世代化を推進していますが、中国の場合、China MobileがGPRS形式、China UnicomがCDMA 1X方式を採用し、2.5Gといわれる第3世代よりちょっと劣るケータイサービスを提供しています。日本の場合、女子高生を中心に若者の間でムービーメールがヒットしたお陰で2G→2.5G→3Gへの道のりができたのですが、契約総数3億のケータイ王国中国ではありますが、この2.5Gの普及率が伸び悩みの状況です。ケータイの通話料は若者にしてみればかなり高いので、もっぱら音声通話とショートメールでの利用が中心で、高速通信の恩恵が必要ないですし、30代くらいのお金持ちビジネスマンが魅力に感じるコンテンツやアプリケーションがまだ育ってないからです。それでも、中国の3Gへの参入を目指して、外国の通信システム/設備の企業が必死に売り込んでいます。2.5Gまでは欧米や韓国の通信関連企業が活躍して、日本の通信関連企業は中国にほとんど参入できなかったので、特にW-CDMAが得意なDoCoMoなどは必死で売り込みをかけている様子なのですが、中国政府としては自前のTD-SCDMAを採用したがっている気配を感じています。有人ロケットが飛ばせる技術力を持つ国なのだから、第3世代ケータイのシステムも自前で行きたい、ということと、国家の骨格に関わる通信技術は欧米や日本や韓国に頼りたくない、という気持ちが強いのでしょう。数年前はWindows追放キャンペーンみたいなこともありました。Mocrosoftはアメリカの企業だから、OSに情報流出のプログラムを組み込まれるかもしれない、という意識もあったようで、政府機関を中心にLinuxをベースとした「紅旗」という中国独自(?)のOSの採用を推進したのです。しかし、現状では「紅旗」はあまりヒットせず、中国の政府機関の多くがWindowsを利用しています。ですから3Gについても、TD-SCDMAの採用に関して、慎重な意見が多いのも事実です(そもそも、商用化されてない技術ですし、実験段階でも問題が多いらしいのです)。日本は通信システム/設備においても、携帯電話端末においても、中国市場では大幅に出遅れてしまったので、3Gこそは何とか頑張ってほしいのですが、どうなるでしょうか。
2004.11.04
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むしろ、日本人が几帳面過ぎるのではないでしょうか。私は以前オーストラリアに赴任していて、一緒に仕事していたオージーのいい加減さにうんざりしたこともありました。巨大な田舎国家だからこんなもんだろう、と諦めていました。その後、アメリカ人とコラボレーションをすることになりました。今度はきっとビジネスライクにキチン、キチンと仕事ができるだろう、と期待していました。ところがどのパートナーも日本人からすると「いい加減」としか言わざるを得ない状態です。スケジュールもデータも、日本人的感覚からすると「詰め」が甘いのです。細かい点を指摘すると「日本人はこうだから話が進まない」とウンザリした顔をされるのが常でした。彼らの言い分は、「最終的には日本人が言うとおり完成させるからいいだろう」と言うことでした。ですから、その後で北京に赴任した私にしてみれば、中国だけが「いい加減」な感じはありませんでした。日本人のほうが几帳面過ぎるのだ、という結論に達しました。日本人の几帳面さは民族の誇りと思って良いのかも知れません。プラスの面がたくさんあるからです。日本が技術大国になったのも、アニメやゲームが世界に誇れるのも、日本人の几帳面さゆえのことでしょう。私の知る限り、オーストラリア人もアメリカ人も中国人も、日本人ほど几帳面ではありません。日本人からすると「いい加減」な感じがします。ただ、彼らに共通して言えるのは、「結果こそ重要」ということ。プロセス面で几帳面でなくとも同じ結果が出ればそのほうが効率的じゃないか、という考えがあると思います。日本人の多くはプロセスを重んじますが、中国人は結果を重んじます。中国ビジネスにおいても、結果まで「いい加減」な場合は「追及」や「責任」の対象になるのです。ですから、むしろ結果に対する責任感は日本人よりもあるかもしれません。日本ではプロセスの段階で細かく几帳面に詰めたのだから、結果が思い通りにならなかったとしても、「仕方ない」というような評価のされ方があります。また、日本人の几帳面過ぎる、細か過ぎるビジネスは、コスト高の原因になっている、と言うのも事実のはずです。
2004.11.03
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北京で日本人だけでビジネスができると思ったら、たぶん無理なお話です。多かれ少なかれ中国人の力が必要です。北京にある日本企業の現地法人では、相変わらず総経理(社長)も経理(マネージャー/部長)も日本人、というところが結構多いわけで、日本人のマネージャーが中国人スタッフを部下として配下に置く、という構造が主流になっています。日本の会社はオフィスに仕切りの少ないオープンスタイルが主流ですから、部下を部長席に呼びつけてそこでお小言を言ったり怒ったりするのもフツーかもしれません。怒られた同僚を気の毒と思いつつ慰めの言葉をかけたりするのが日本の会社組織です。でも、中国では少なくとも人前では中国人スタッフを怒ってはいけません。怒られる部下に然るべき過失があろうとも、怒る上司に合理的な理由があろうとも、です。一対一になれる場所で、冷静に指導してあげたほうが効果的なはずです。人前で怒られた中国人スタッフはメンツを完全に失うことになります。見ていた同僚に同情はされるかもしれませんが、共感を得られることは少ないでしょう。徹底した競争主義の中国では、競争相手が一人脱落した、ということになります。もちろん、怒られた内容や理由なんて、周りの人には関係ないのです。仮に中国人スタッフに非が無くて、日本人マネージャーの思い過ごしだったりしたら、両者がどう取り繕っても後の祭りです。もし、そのスタッフをクビにしたいのでしたら別ですが....
2004.11.02
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日本から中国へご出張で来られる方、どんどん増えています。「視察」程度なら良い(!?)のですが、しっかり「仕事」を抱えて来られる方が多くなりました。会議や商談や検品や調達や展示会などなど、日本の本社と北京の支店や現地法人がコラボレーションする場合も多いはずです。そして本社の日本人と現地の中国人社員とで打ち合わせをしたり、会議をしたり、或いは現地の中国人社員に交渉役をお願いしたり、通訳になってもらったり、そういうことがどんどん多くなるわけです。こんなときに、日本の会社なんだから現地の中国人社員も日本流に仕事をしているのだろう、などと勘違いしないほうが良いと思います。本社ではこうする、とか、日本ではこうだ、と言ったところで、ここは中国の支店や現地法人ですし、中国なのですから。何十年も別々な民族として生きてきて、同じ会社人生など数年のはずですから、日本のことや日本人の心が理解できるはずが無いのです。日本流の手際良さに馴れてしまって、中国のルースさにいらいらして、挙句の果てに現地社員に怒鳴りまくるようなことはしないでください。「郷に入れば郷に従え」です。日本の会社かもしれませんが、所詮ここは中国です。ご出張でいらっしゃった日本人は彼(彼女)たちがいなければ、きっとビジネスを進めていけないのです。「視察」でご出張の方は、まだまだこんな経験はしなくて済むと思いますが、アテンドの駐在員や現地スタッフに、「本場の(焼き)ギョーザとラーメンとチャーハンを食べれるレストランを教えてくれ」とか言うのはご法度ですから、ご注意ください!
2004.11.01
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