2023/12/05
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・
☆ あぁー乃木は何処に・・・・と嘆く明治大帝に呼応して、旅順攻囲戦で203高地を占領(1904年)。 しかしながら、これ“国際ボランティア・デー”が設定されていればどうだったかな。 ☆ お酒の製造と流通に関わっていたマフィアの活動を公に認めるため、14年前に制定された禁酒法を廃止(1933年)。しかしながら、ロシアの人民は禁欲を強いるスターリン憲法制定(1936年)。 ☆ 東中野で列車同士をぶつけるスタントショーが開催された(1988年)。双方が大惨事に。いやいや、1万人以上が死亡したロンドンスモッグ発生(1952年)は公害の金字塔。
【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年12月05日 

自然由来、無添加、オーガニックだから安全、ではない  =後節=​
​          日本にもはびこる 〝ナチュラルミステイク〟​
=Wedge_Report 【食の安全 常識・非常識】 / 2023年11月30日 / 松永和紀 (科学ジャーナリスト)


 実は、この書籍でも日本の事例が紹介されています。ワラビと食品添加物AF-2の比較です。AF-2は、日本で豆腐や魚肉ソーセージ等に用いられていた保存料でしたが、DNAに作用し次世代の遺伝情報にまで変異をもたらす「変異原性」があり、がんを引き起こしているとして抗議運動が起こり、1974年に禁止されました。

 しかし、国立がんセンターの総長を務めた杉村隆博士が1982年の論文で、AF-2の発がんリスクはワラビとほぼ同じであったと示しています。マクリガー博士はこの内容を引用し書籍「ナチュラルミステイク」の中で、「AF-2の使用に抗議した人の多くが、抗議活動から帰ってきて夕食にワラビを食べたことは容易に想像できます」と書いています。

 監訳したお二人によれば、AF-2の発がん性については、禁止後に日本で詳細な研究が行われました。細胞に化学物質の溶液を直接作用させる「in vitro試験」と、動物に化学物質を食べさせる「in vivo試験」が行われ、たしかにin vitro試験は陽性でした。しかし、動物に食べさせるin vivo試験は、化学物質が動物の体の中を動き代謝分解されながら作用するものなので、in vitro試験の状況とは大きく異なります。

 現在、化学物質の発がん性を評価する時には、in vivo試験とin vitro試験を複数行って詳細に検討し、その化学物質がDNAに変異を起こさせる「遺伝毒性」があってがんになるのか、DNAには作用せず炎症の悪化など間接的な影響によりがんに至るのかを判断しています。

 しかし、1970年代はまだ、そうした方法論が確立されていませんでした。2009年度の厚生労働科学研究で本間正充研究員(現・国立医薬品食品衛生研究所所長)らが実施したAF-2の研究では、変異原性は一部の種類の細胞でしか確認されず、また、動物を用いたin vivo試験では、細胞のDNAを突然変異させる遺伝毒性は確認されませんでした。がんは、AF-2を大量に与えた場合でないと発生しないのです。

 禁止された当時に実施されたマウスの試験の結果から推定すると、マウスの半数にがんを引き起こす量(TD50)は550mg/kg体重/日。一方、1973年の日本人のAF-2の平均一日摂取量は約5.7µg/日。体重1kgあたりの量を計算すると、0.00011 mg/kg体重/日であり、がんを引き起こすTD50と500万倍以上離れています。ここから見えてくるAF-2のリスクは、現在の日本人が野菜炒めやフライドポテトなどを食べた時、加熱調理により自然に生成する発がん物質アクリルアミドから被るリスクに比べても、著しく低いのです。

 本間さんらは2009年度の報告書で、「当時のAF-2の使用がヒトの発がんリスクを上げる可能性はほとんどない」と結論づけています。

 AF-2に関するこうした研究成果は、一般の人たちにはほとんど知られていません。AF-2は今でも食品安全に関する多くの書籍等で紹介され、「食品添加物は危険」「危ない添加物を私たちは知らずに食べさせられていた」という強固なイメージにつながっています。



自然毒による死者も出ている
 AF-2は、人工的な物質である食品添加物が誤解されてしまった事例です。逆に、自然の怖さを感じさせる物質も、日本には多数あります。

「ニラと間違えてスイセンの葉を食べた」「行者ニンニクと間違えてイヌサフランを食べた」「野生の毒キノコを食べた」など自然毒により、過去10年で20人以上が亡くなっています。食品添加物や残留農薬での死亡事故は、この何十年も報告されていません。

 林さんは遺伝毒性の研究者ですが、「ナチュラルミステイクを翻訳する過程で、植物が進化の過程でさまざまな二次代謝産物を作り人へのリスクになっていることに改めて気づき、驚いた」と語ります。

 日本でも、健康食品による健康被害の苦情は多く出ています。厚生労働省は、特別の注意を必要とする成分を「指定成分等」とし、製品への表示や被害情報届出を義務づけたりしています。今のところ、コレウス・フォルスコリー/ドオウレン/プエラリア・ミリフィカ/ブラックコホシュが、指定されています。

単純な情報に踊らされないでほしい
 森田さんは「××は危ない、○○は健康にいい、というような単純な情報に踊らされないようにしてほしい」と語ります。米国でも日本でも、意図して用いる食品添加物や残留農薬の規制制度は厳しく複雑です。

 森田さんは今、内閣府食品安全委員会のいくつかの専門調査会で、リスク評価に携わっています。また、国際がん研究機関(IARC)にも専門家として加わっています。
 「自然はよい」というような先入観に基づく根拠なき判断は許されません。でも、検討している内容が複雑であるが故に一般の人たちには伝わりにくく、「自然だから安全、健康にいい」に象徴されるシンプルな思い込みに負けてしまうジレンマを抱えています。

 二人が共通して語るのは教育、情報提供の重要性。人工合成か自然か、で化学物質の性質を分けられるわけではなく、その物質をどのくらいの量食べるかによってもリスクの大きさが変わります。そうしたことを、子どもたちに教えたい。保護者にも伝えたいのです。

 書籍「ナチュラルミステイク」は、米国の制度を説明し、食品の安全の判断の難しさ、誤解を多くの面から伝えています。日本語への翻訳にあたっては、米国と対比して考えられるように日本の制度の説明なども挟み込んでいます。

 翻訳は、特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構(ILSI Japan)食品リスク研究部会の会員が担当し、林さんと森田さんが監訳しました。ILSI会員の多くは科学者です。一般の人たちに、食品安全の考え方を見直すきっかけとしてほしい。そんな願いがこの本には詰まっています。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2023/12/05 05:10:08 AM
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