今年も沢山読もうと何の変哲もなく始まった1月
(近年、旅もあまりしなくなったが)
「旅をしたら忘れませんが、本は忘れてしまう。今年はがんばりたい!」
と もろりんさん
のところで述べたように
記録しておかないと内容はともかく、印象も忘れてしまうのが惜しくて
ことしはきっちりとしようと思う!!
さて「読み初め」は
全作品を読んでやると意気込んでいる 桐野夏生
さんの
『優しいおとな』
もちろん新刊(2010年9月)
ある作家さんを追い本になると読むという行為はファン心理に徹しないといけない
だから厳しくなれない、よい読者でなくなるらしい
文字間から醸されるものよりさし絵からくるものが多かったような
いえ、文はもう非の打ち所なし
読み終わって「未来の子ども環境」に暗澹たる思いに沈んでいたら
山本幸久 『凸凹ディズ』
で軽くいなされた
まあ、生きていくのにゃ働かねばならん、
遊園地じゃないが、上がって昇って滑り落ちる、
終わりよければ...ってなふう
気分を変えて 森茉莉
『恋人たちの森』
にいく
読んだ直後は
「おお、おおー、この華麗な想像力は尋常じゃない!」
と思ったけれども
今月最後になった 『贅沢貧乏』
他のエッセイ(茉莉さんは小説と言っている)
を読むに至るとだんだん茉莉世界に魅了されてくるから不思議
思い込みの強さは文学の必須要件
やはり
無いものから華麗なものを醸す天才
私の好きな幻想なり(単なるファンタジーじゃないということ)
すこし前に直木賞をとった 桜庭一樹
さんの 『私の男』
ありえなくて現実的「養父との困った関係」
内容を言うとネタバレになるから困るが...
現実的というところが現代の家族関係の希薄さを露呈しているような
ファザーコンプレックスの裏返しのような
なんともすごいのがさらりと
彼女の読書日記 『少年になり、本を買うのだ』
はおもしろいしとても参考になる一冊しか読んでないが、その読書欲には感心した
もっと読みたし、でも読みたい本が増えるのは困る
平岩弓枝
の 『芸能社会』
もろ、ミーハー的欲求を満たしてくれた
スターのマネージャーなる者の悲哀、スターの表裏
でも平岩さん手だれの文章で、現実もこうだろうと思わせられる
ホフマン
『黄金の壺』(光文社古典新訳文庫)
またまたファンタジー風なのに現実感あふれているしかし、19世紀始めに書かれているので元祖だろう
現代でもこうやって若者は就職に苦労しているんだ
この本はむかし(10代のころ) 桑原武夫
の 『文学入門』
にあった
世界近代小説50選のうちの一冊なり
なかなか見つからなかった本のひとつ
半世紀もたってお目にかかれた感動もある!
わたし、ほんとに 村上春樹
さんはわかるようでわからない
『風の歌を聴け』
ご自身も文章で何かを解決するのではなく
「自己療養へのささやかな試み」と書いていらっしゃるけれども、
いったいなにがおっしゃりたいの~と思う
人気の 『ノルウェイの森』
も 『海辺のカフカ』
も読んだけれども
いまひとつぼんやりしている
そこがいいのか?
ディレク・ハートフィールド
というアメリカの作家に
出会って作家になったということはよくわかったけれども
読んだことが無いから、困る
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか」(ニーチェ)
と彼のお墓に刻んであるだそうだ、わからなくてもいいのかも
とまあこんな具合の1月だったはぁ~、よく思い出したもんだと自分で喜ぶ
2024年8月の読書まとめ 2024年09月05日
街はがらがら 2024年08月14日
2024年6月の読書まとめ 2024年07月10日
PR
カテゴリ
コメント新着
サイド自由欄
フリーページ
カレンダー
キーワードサーチ