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昨年の3月20日にこのブログを始めたので、今日で丸1年経ったことになります。
本来なら一人で静かに祝いたいところですが、どうもそういう気持ちにはなれません。
これから書こうとしていることは決して楽しいことでも愉快なことでもありません。
なので、そういうのは読みたくないという方は、これより先は読まないほうがいいと思います。
ブログ開始から1年になる前日の3月19日午前零時過ぎ、最愛の妻であるクリスティ-ヌが永眠しました。享年65歳、2月末の誕生日から22日後のことでした。
7,8年前に検診で乳がんが見つかって直ぐに手術を受けて3,4年は転移も無く経過は良好でこのまま全快するのでは、と期待していたのですが、数年前に転移が確認されてからは、それこそ数多くの抗がん剤治療を試みてきましたが、1年少し前に腎盂腎炎で入退院を繰り返し、今年1月からは転移した骨が溶け出したことによる高カルシウム血症やバクテリアによる激しい下痢に悩まされてきました。
そして今年3回目となる緊急搬送と入院を最後に、帰宅することは叶わなくなりました。2月末から入院までの1週間は、容態が急変してそれこそ『坂道を転げ落ちるように』日々容態が悪化しました。まさに地獄のような日々ででした。
3月6日に医師から『もう手の施しようがありません』と言われた時の妻の嘆き絶望の声が耳から頭から離れません。同時に家族の悲しみも底のない穴に落ちたような絶望的な深さでした。
正直に言えば、このブログを書くこと自体苦しく悲しいことなのですが、それでも書くことを決めた一番の動機は、妻への贖罪と懺悔、後悔、そして妻の生きることへの執念と苦しくても弱音を吐かなかった妻への賞賛、誇り、そして感謝を纏めて備忘録のように心にとめておきたいからでした。
私自身本当に心残りなのは、病気と闘っていた妻としっかり向き合って妻のことを支えていたのだろうか、という思いからくる後悔、そしてそれについての妻に対する懺悔です。
妻はいつからか、居間の肘掛け椅子に腰かけて一日中そこで過ごすことが多くなりました。女刑事ものシリ-ズなどテレビを見ていたのです。そこは彼女にとって最も安らぐ場所であったかもしれません。
でも私はそれをいいことに、彼女に対して大したことも出来なかったのです。トイレ以外に動くこともままならない彼女に、私は一体何をしたというのでしょうか?
彼女が何も要求しなかったのをいいことに、私は彼女の気持ちを汲み取ろうとしなかったように感じられてなりません。
3月初に入院してからというもの、居間でもう戻ってくることのない主人を待っている肘掛椅子を見ると、悲しくて寂しくて嗚咽をもらさずにはおれません。もっと自分には彼女のために何かできたのではないか、という思いは後悔は後を絶ちません。
今日このブログを書きたいと思った理由には、実はもう一つあります。
昨年3月にこのブログを立ち上げてからというもの、自分の胸の中にもやもやとしたものを溜め込まずに、自分の気持ちを素直にブログに書くことによって、肩から余計な力が抜けると同時に、物事をポジティブに考えることが多くなったように感じるからです。どうも精神安定材のような効果があるみたいです。
普段は元気そうに見えるのに、突如として体調が悪化することがあるのがこの病気の怖いところです。もう1,2日病院に来るのが遅かったら間違いなく命がなかったですよ、と言われたことも3回ほどありました。
なので朝体調が良くても午後には突如として具合が悪くなることもしょっちゅうでした。いや時には10分後には急変することさえありました。それが抗がん剤の副作用なのか、それとも病状が悪化したことなのか、素人にはほぼ判別不可能です。
朝、彼女がまだ生きているかを確認するのが日課でしたが、その確認するという単純なことが何ともいえず怖かったことか…。
そういう精神的肉体的な重圧から解放されるときが、パソコンに向かってブログを書いている時でした。物質的金銭的に殆ど見返りのないこの作業に、どんなに救われたことか、その時も今も感謝しかありません。
最近の彼女のことは殆どブログには書きませんでしたが、80年代にパリで知り合った頃のことは確か10回くらいのシリ-ズで書きました。それも写真付きで。まあ何十年も前のことなんで、本人の了解は得ていませんが許してもらえるでしょう。
そのシリ-ズは書いてよかったと思っています。書くことによってその時の思いが蘇ってきたからで、今となっては大切な新たな記憶としてこれからも残り続けて行ってくれるでしょう。
たいして意味のない小さなことですが、
これからもこのブログは続けていきたいと思います。
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