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サービス開始とともに関東地方に雪が!絶妙すぎるタイミングで、Yahoo!地図が降雪量(こうせつりょう)と積雪深(せきせつしん)を地図上に表示する機能をスタートしました。ブラウザで見ることができる地図、そしてGoogleマップとは違った機能性に定評のある「アプリ版Yahoo!地図」(実地レビュー記事&DLはコチラから)の両方でリアルタイムな雪情報をチェックできます。ちなみにYahoo!地図では、花粉の飛散や熱中症情報、近隣の駐車場の空き情報などもチェック可能ですよ。アプリの場合は、マップ画面の右上にあるボタンから「気象情報」に追加された「積雪深」「降雪量」を選べば地図に雪の状況が重ねて表示されます。「積雪深(せきせつしん)」= その時刻における、地面に積もっている雪の深さ雪がどれだけ積もっているかを、色分けしてわかりやすく見せてくれます。ただし今のところ、積雪深については「朝5:00現在の積雪の情報」を毎日更新して表示しているとのこと。この点には注意が必要です。「降雪量(こうせつりょう)」= 1時間で新しく降る雪の量のこと降雪量については現在時刻の実測値にもとづく降雪量ならびに、画面上部のスライダーを動かすことで10時間先までの降雪量予報(1時間ごと)を表示可能。帰りの道が心配ならこちらをチェックしておきましょうね。これらの雪情報は、ウェブ版のYahoo!地図でも同様のものを閲覧できます。パソコン等でも雪の状況をすぐに確認できます。雪の日の帰り道、交通状況や足場の悪さから帰りが遅くなってしまって「ぜんぶ雪のせいだ」と嘆かないためにも、「答えはYahoo!地図に聞け」ですよ。(DMMニュースより)------------------------------スタートの日が今年初めての首都圏での本格的な雪というのは偶然にしては出来過ぎ。ヤフーさん「持ってる」な。かつて昭文社がかつて震災時帰宅支援マップをリリースしたその日に足立区で震度5強の揺れを観測した地震が発生した件を思い出した。積雪も降雪も地域差がある現象なので地図上で確認できるのはありがたいこと。しかも降雪量予報まで見られるという。惜しむらくは積雪深が現時点では朝5時現在の情報という点。これがリアルタイムで出てくれば言うことなしだが。とはいえ交通機関の乱れまでは予想することができないので雪の中お出かけの際はそれなりの準備を…
2015.01.31
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野村総合研究所(NRI)は1月29日、2014年12月から2015年1月まで、特別な設備を必要とせずにスマートフォンの位置を把握できる、地磁気データを使った新しい屋内測位技術の実証実験を、丸の内ビルディングおよび新丸の内ビルディングを中心とした東京丸の内エリアで実施したと発表した。実証実験では、GPSの電波が届きにくい地下街やビル内で、地磁気データを用いた新しい屋内測位技術を使って、測位精度を検証するもの。測位を行う際は、建物が持つ磁場特性を活用し、位置を特定する。具体的には、事前に、建物や地下街の地図情報とそれぞれの地点における地磁気データを、スマートフォンのアプリケーションを使って取得し、データベースに登録。この地磁気データベースと、現在iPhoneやAndroid端末がある地点の地磁気データと重ね合わせることにより、現在地が特定できる。検証では、丸の内ビルディングおよび新丸の内ビルディングの商業フロアの一部と地下において、誤差2m程度という高い精度で、リアルタイムに現在地を特定できることを確認したという。また、測位のログデータを分析することで、屋内における利用者の行動(動線)を可視化できることも、確認している。Wi-Fiやビーコンを活用する方式と異なり、地磁気データによる測位では電波の発信機器の設置および、その機器の運用・維持管理が不要となるのが特徴。また、地磁気データを使った測位技術は電子コンパス機能が搭載されたiPhoneやAndroid端末など、多くのスマートフォンで利用できる点もメリットだという。この技術を活用することで、商業施設で、端末利用者の店舗への案内や、利用者が店舗に近づいた際におすすめ情報を端末に提供するO2Oサービスなどで利用することが期待される。NRIでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、外国人旅行者を含む様々な人々に対して、ロケーション測位技術などの情報技術を活用した、おもてなしサービスの実現を目指しているという。(マイナビニュースより)------------------------------屋内測位においては様々な技術が実証されているが、それぞれ一長一短あるというのが現状だろう。多くの場合Wifi、Bluetooth、IMESなど独自の設備が必要になるが、地磁気による測位は「建物が持つ磁場特性」を元にスマートフォンで取得したその場の地磁気で位置を決定するもので、設備投資の必要がないという意味ではこれまでにないアプローチ。実験の結果は誤差2m程度で、軌跡も実際に歩いたものと大きく違っていることもなく、十分利用できそうな精度。事前の計測が必要とはいえ、設備投資の必要がない点は多くの施設に波及させる上では有利だろう。将来的には様々な屋内測位の強みを生かしたハイブリッド測位ができれば理想的ではあるが。
2015.01.30
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米アップルは現地時間1月27日、時計型のウェラブルデバイス「Apple Watch」を2015年4月に出荷する予定であることを明らかにした。2015年度第1四半期業績発表の電話会見において、同社CEOのティム・クック氏が質問の中で言及した。クック氏は「Apple Watchの開発は予定通りに進んでおり、4月に出荷する。デベロッパーも開発に積極的で、創造性にあふれたソフトウェアのイノベーションが進行しており、とてもエキサイティングだ。発売が待ちきれない」と語った。Apple Watchは、圧力感知型Retinaディスプレイ、加速度センサー、心拍数を読み取り運動強度を測る独自センサーを搭載したウェアラブルデバイス。「Apple Watch」「Apple Watch SPORT」「Apple Watch EDITION」の3タイプが用意されている。内蔵のスピーカーとマイクを使って(iPhone経由で)電話をかけられるほか、iPhoneに届いたメッセージやメール、電話、通知をチェック可能。マップ、カレンダー、Passbook、リモートカメラ、ミュージックなどといったアプリを利用できる。(ASCII.jpより)------------------------------話題の「Apple Watch」は4月に登場。腕時計という、人にとってもっとも慣れ親しんだ形のウェアラブルデバイスだけに、違和感なく市場に受け入れられるのではないだろうか。とはいえ、iPhoneが必ずしも「電話」ではなかったように、Apple Watchもまた「時計のような」マルチデバイスとして定着していくことが予想できる。とはいえ、形としては腕時計であり、そうそう大きなディスプレイが望めるわけではない。電話はもちろん、健康系アプリやコンパス的なナビゲーションなどは最適化していく可能性が高いが、マップやメールなどは少し無理があるかも知れない。あくまでもiPhoneの子機的な機能で棲み分けていくことになるのでは。それにしても電話機能やsiriの機能などを使うとすれば、我々の世代はあの「ジャイアントロボ」を思い出さずにはいられない(古くてスマン)。
2015.01.29
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東日本大震災で大規模な地盤沈下が起きた宮城、岩手、福島3県の沿岸部で、地盤が一転して隆起し、復興途上にある漁業への影響が懸念されている。国土地理院は震災を引き起こした地殻変動の余波とみている。国土地理院は震災後、地盤沈下した3県沿岸部の状況を定期的に全地球測位システム(GPS)で調べている。その結果、3県の19か所中12か所で、震災から3年半の間に10センチ以上の隆起が確認された。最も大きいのは107センチ地盤沈下した宮城県石巻市の牡鹿半島で、沈下地点から36センチ隆起していた。ほかにも同県女川町で33センチ、東松島市で31センチ、岩手県大船渡市で17センチ、福島県相馬市で16センチの隆起が確認された。国土地理院によると、震災をもたらした沖合でのプレート(岩板)のずれが、ゆっくりと沿岸部にも波及している可能性があるという。地殻監視課は「震災前のGPSの観測では、30センチ以上もの隆起が見つかった事例はない」としている。(読売新聞より)------------------------------プレート境界付近に位置する日本列島がいかに動いているのかを感じる機会はめったにないものだが、東日本大震災以降多くの人々が知るところとなった。震災時の沈下も記事にあるように最大107cmと異例の大きさだったが、それから4年で今度は36cmの隆起。まさに大地が「動いている」ことの現れ。「震災前のGPSの観測では、30センチ以上もの隆起が見つかった事例はない」とのことだが、あれだけの巨大地震なのだから数十年の観測の歴史で前例がないのも驚くことではなさそう。プレート間の歪みで日本列島が圧縮され、海溝型地震で開放されるという動きを電子基準点が捉えることで数字として「大地の動き」が表れる。それはそれで凄いことなんじゃないかとも思う。
2015.01.28
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全世界で同時にゲーム開発を行うハッカソン「Global Game Jam」が1月23日~25日の期間、開催された。東京お台場に設置された「ゼンリンお台場会場」では、参加した6チームが開発したゲームを発表した。Global Game Jamは、全世界で、同じ期間、同じテーマで、ゲームを開発する世界最大のイベント。2009年の初開催以降年々規模を拡大、昨年度は、世界72か国の国と地域で、488のハッカソン会場を設置、2万3198人が参加し、4290の作品が制作されるイベント。日本においても今年は19の会場が用意され、テレコムセンタービルのコワーキングスペース「MONO」に設置された「お台場ゼンリン会場」では、ゲーム会社やIT企業の社員、フリーランス、学生など約40名が参加。23日17時のテーマ発表からおよそ48時間でゲームを完成させた。また、ゼンリンや日本マイクロソフトが運営をサポートし、ニコニコ生放送の特別番組が配信されイベントの様子を伝えた。会場内でおこなわれた発表会では、参加した6チームがそれぞれ完成したゲームを披露。参加者の中で評価が高かったのが、「HOLLOW EARTH PIXES(ホロアースピクシーズ)」で、地球の中に空洞があって人が住んでいるという説を基に、その世界に住む妖精たちを描いたゲームだ。2015年Global Game Jamのテーマ“What Do We Do Now?(我々は何やっているんだろう?)”に対して、ゲームでは”地下の中に黄色い生き物がいて、我々は戦っている”と回答。黄色い生き物に対して集団で戦う、オンラインマルチプレイゲームとなっている。開発チームのリーダー三原亮介さんは「この48時間でネットワークゲームが作れるのがすごいこと。ネットワークのところが一番苦労して、中間発表では動くものをお見せできませんでしたが、なんとか完成まで漕ぎ付ける事が出来ました」と、感想を話した。ゲーム開発のイベントに、今回、ゼンリンは同社の地図データを提供しているが、イベントに参加することについて、同社第二事業本部の斎藤正明氏は「ゲーム開発の舞台で、どのような地図の使い方があるのかを見たい」と狙いを話す。発表会では、レトロゲーム風な2Dシューティングゲームや、3D空間を自由に動き回れるゲームなどとともに、ゼンリンが提供した地図データを使い実際に動作するゲームが披露された。実際に動くゲームをみた斎藤氏は「地図とゲームは親和性があるなと感じた。今後ともなんらかの形で協力していきたい」と感想を述べた。(レスポンスより)------------------------------以前からRPGなどで地図とゲームの親和性の高さは語られていたが、最近はゼンリンが積極的にハッカソン等へのデータ提供を行っているように地図がゲームにとって重要な素材になりつつあるようだ。これは対象となる場所がリアルなものであれ架空なものであれ、ゲームの中でも「位相」が重要であり、それを表現するために地図が必要というものなのではないか。もちろんゼンリンのデータも2次元ばかりでなく、カーナビ用の3Dデータが普及してきたことも大きいだろう。ゲーム開発者向けの無償提供があるのも、同社がこの分野における地図利用の可能性を高く評価していることの現れで、今後様々なコラボが実現するのかも知れない。逆に開発者サイドも地図の提供があることで実現できることがあったり、あるいは地図があることで新しいアイディアが出てくることだってあるだろう。両者の思惑が合致するならばそこに面白い未来が生まれそうな予感はある。それにしても「世界72か国の国と地域」「488のハッカソン会場」「参加者2万3198人」「制作作品4290」というのは化け物イベントだ。ゲーム産業の奥行きの深さを感じる記事でもある。
2015.01.27
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無生物から生命の誕生と同じく、言語の発生は間違いなく21世紀科学の最重要課題だ。ただ、この問題は短い論文で切り込めるほど簡単ではなさそうだ。私のような分野外の人間の目に触れるようになる論文は、どうしても生理学的視点から言語を調べている研究が多い。今回紹介するマイアミ大学を中心に、ドイツ、オランダが参加した共同論文もそんな例だ。米国科学アカデミー紀要オンライン版に掲載された。「気候、声帯、声調言語:生理学と地理学のデータを結合させる(Climate, vocal folds, and tonal languages: Connecting the physiological and geographic dots.)」という興味を引くタイトルで思わず読んでしまった。言語の地理学は政治や民族の移動に影響されることが多い。気候の影響を受けることはないとされているようだ。とはいえ私の直感でも、気候は確かに影響があると思う。同じラテン語系のオペラでも、口を大きく開くイタリア語と比べてフランス語は歌いにくいのではと思う。英国英語の方が米国の英語と比べて明らかに口の開け方が少ない。おそらく寒いほど口を開けない言語になるのだろうと勝手に思っていた。この研究では気候、特に湿気と言語の関連を調べている。タイトルに「声調言語(Tonal language)」とある。中国語の四声のように、音の調子を使って単語を区別する言語だ。中国語以外にもタイ語など東南アジアの言語はこれに属している。まず研究グループは文献調査を中心に、声調言語のような微妙な音の高低の使い分けには声帯が常に湿っていることが重要であると主張する。その上で、ドイツマックスプランク研究所が収集した世界の言語地図に、複雑な声調を使うかどうかを重ね合わせ、複雑な声調言語のほとんどが高温多湿地帯に分布していることを示している。実際、声調の複雑さと湿度が相関することを検証。モンテカルロ法を使ったシミュレーションで温度と湿度との相関を見ている。仮説の確かさを確認している。結果はこれだけだ。この論文を読むと声調言語が中国、東南アジアだけではなく、インドネシア、カシミール地区、そしてサハラ以南のアフリカに集積していることが分かる。その多くは消滅の危機にあるだろう。これを集め、データベースを作っているマックスプランク研究所に敬意を払いたい。しかし、声調言語がこれほど気候に影響されるとすると、地球温暖化の影響で言語がどう変わっていくのか。今後は面白いテーマになるように感じた。(Medエッジより)------------------------------よく中国語が難しいといわれる理由のひとつが声調言語であること。日本語でも同音の言葉はあるが、アクセントによる区別がされているので所謂声調とは違うもの。こうした声調言語が使用されているのは中国や東南アジア、あるいはアフリカといった国々で、確かに高温多湿の国が多いように思うが実際に地図で表してみないとなかなか分かりにくい。よく東北訛りは寒いから口を開けないことに起因するといわれることがあるけど、もし本当に気候が言語に影響を与えているとすれば興味深い。地球温暖化(あるいは氷河期も)が言語に影響を与えるとすれば気候と言葉の関係は確かなものになってくるのだろうが…
2015.01.26
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東京23区で緑が多い区はどこか?東京都建設局のホームページに掲載されている東京都都市公園等区市町村別面積・人口割比率表(平成26年4月1日現在)をひも解けば分かる。国都区市町村立の都市公園等(自然ふれあい公園、海上公園等を含む)の区別の面積を可視化(地図化)したのが次図。葛西臨海公園(805,861m2)のある江戸川区がダントツの1位。2位は木場公園(238,711m2)や猿江恩賜公園(145,088m2)のある江東区。1位:江戸川区(7,652,331 m2)2位:江東区(4,296,935 m2)3位:足立区(3,222,124 m2)4位:世田谷区(2,815,162 m2)5位:大田区(2,804,146 m2)6位:練馬区(2,071,605 m2)7位:板橋区(1,951,802 m2)8位:葛飾区(1,931,730 m2)9位:千代田区(1,702,767 m2)10位:渋谷区(1,640,407 m2)では、1人当たりの面積ではどうか?1人当たりの都市公園面積等が5m2を超えているのは次の5つの区。住民が少ない千代田区(33m2/人)を別とすれば、江戸川区と江東区は絶対面積も1人当たりの面積も多いことが分かる。1位:千代田区(33.05m2/人)2位:江戸川区(11.34m2/人)3位:江東区(8.97m2/人)4位:渋谷区(7.69m2/人)5位:港区(6.45m2/人)ゴミの埋め立てによって、緑豊かな都市公園を獲得した江戸川区と江東区。新築マンションが多い区でもある。(マンション・チラシの定点観測より)------------------------------ちなみに23区内の都立公園の面積ランキングがこちらにあった。1位の水元公園(葛飾区)936,999m2と2位の葛西臨海公園(江戸川区)805,861m2が圧倒的に大きい。江戸川区では篠崎公園も10位に入っており、緑が多い区であることが分かる。東京は都心にもそれなりに緑があり、1人当たりで千代田区が1位なのはそれに加えて居住者人口が少ないこともありそう。江戸川区や江東区は大型公園が功を奏している印象だが、それぞれの居住地の近くに都市公園が配置されているのかどうかは別問題。実際葛西臨海公園や夢の島公園など臨海部の埋立地に位置しており、「居住地に緑が多い」と単純には言えない。この辺りは、実際にそれぞれの区の住民へのアンケート等で居住者の感触というのを聞いてみたい気もするのだが。
2015.01.25
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19年ラグビーW杯日本大会の組織委員会が、開催地に立候補した15自治体の視察を23日までに終えて都内で会見した。 視察した国際統括団体「ワールドラグビー」(旧国際ラグビーボード)のW杯統括責任者ギルピン氏は「世界レベルの施設がいくつもある。全ての候補地から情熱を感じた」と強調。九州に4つなど候補地には偏りがあるが「施設規模や地理的バランスなどを考えながら、何が成功に結びつく選考となるのか考えたい」と話した。10~12会場が予定される開催地は3月に決定する。(スポーツニッポンより)------------------------------日本で開催される2019年ラグビーW杯。その開催地に立候補している自治体は以下のとおり。・札幌市/札幌ドーム 収容人数 41,484人・岩手県・釜石市 ※/釜石鵜住居復興スタジアム(仮称) 15,000(予定)・仙台市/仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台) 19,694・埼玉県・熊谷市 ※/熊谷ラグビー場 24,000・東京都/新国立競技場 80,000(予定)・神奈川県・横浜市 ※/横浜国際総合競技場 72,327・静岡県/小笠山総合運動公園エコパスタジアム 50,889・愛知県・豊田市 ※/豊田スタジアム 40,000・京都市/西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 20,588・大阪府・東大阪市 ※/花園ラグビー場 30,000・神戸市/御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸) 30,132・福岡市/東平尾公園博多の森球技場(レベルファイブスタジアム) 22,563・長崎県/長崎県立総合運動公園陸上競技場 20,246・熊本県・熊本市 ※/熊本県民総合運動公園陸上競技場(うまかな・よかなスタジアム) 32,000・大分県/大分スポーツ公園総合競技場(大分銀行ドーム) 40,0002002年に日本にやってきたサッカーのW杯とは少し性質が異なるものの、翌年の東京五輪に先立って海外からの来場者もそれなりにあるはずで、会場となる施設はもちろん、周辺のインフラ(主として交通機関や宿泊施設)の充実も求められる。その意味では2002年の会場になっている札幌、横浜、静岡、神戸、大分や、サッカーの国際試合やJリーグ等で実績がある仙台、愛知、福岡、長崎、熊本あたりも比較的有利か。組織委員会では東日本大震災の被災地での開催を念頭においており、常識的には環境の整っている仙台が第一候補になるだろうが、かつて日本選手権7連覇の新日鉄釜石を擁した「ラグビーの町」である釜石が開催地として立候補しているのも注目される。会場として予定されているのは鵜住居地区。多くの犠牲を出したあの鵜住居防災センターにほど近い場所にグラウンドをつくり、仮設スタンドを設けて試合を行おうというもの。現地では当初「お金の使いどころが違うのでは?」と批判的な声をあったが、ここにきて復興へ向けての自信につながるとの前向きな受け止め方がされてきている。確かにインフラという面では万全とはいえないが、来場者が実際に被災地を知ることも含めて、被災地釜石で開催することの意義は大きいように思う。地理的なバランスでいえば、記事でも指摘があるようにやや九州に偏っているようにも感じる(すべてJリーグのホームタウンでそれなりに環境ができていることも大きいが)。これまでのラグビーとの関係でいえば、熊谷や東大阪は入れておきたいところ。それにしても秩父宮が入っていないのはちょっと驚きだ。
2015.01.24
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東京都立川市は22日、大規模な地震災害に備える図上防災訓練を同市役所で行い、災害時の迅速な対応に向けて情報の集約や伝達の手順などを確認した。図上防災訓練は災害時の情報収集や指示など、災害対策にあたる職員のスキルアップが狙い。多摩地域を震源とするマグニチュード7・3規模の地震が発生したとの想定で2回に分けて行われ、防災課を中心に納税課、市民課などの職員が参加した。訓練開始と同時に、職員が集まった会議室などには「市内全域で停電が発生」「JR立川駅周辺に滞留者多数」といった情報が続々と入った。現地調査班や医療救護班、避難所班などに分けられた職員らは、ホワイトボードや地図上に情報を書き込むなどして集約。取りまとめを行う本部指揮所班への伝達などに追われた。参加した健康推進課の園部一昭さん(48)は、「情報が一気に入ってきて、てんてこまいになった。この経験を生かして、災害時は迅速、適切に対応したい」と話していた。(読売新聞より)------------------------------災害時に行政が様々な対応を行う際に重要になるのが刻々と変わる状況の把握。図上訓練は情報の整理・共有のシミュレーションであり、行政ができる訓練の中でも最も実践的なものと言えるかもしれない(市民を対象にした訓練の効果は発災時の状況次第)。実際の発災時には加えて情報の収集という問題もある。市内各地からどのようにして情報を集めるのか(例えば情報収集のために職員が市内を巡回するのか、あるいは市民からの情報提供も視野に入れるのか)なども重要な要素になる。電源や通信は不全になることはある程度想定すべきで、そうなった時に何ができるのか、どういう優先順位で処理するのかなど、情報の整理・共有における課題を訓練である程度認識しておきたい。実際には職員は住民対応など現場対応に追われるケースが多いわけで、限られたリソースの中から張り付きで情報整理をする人員をどれだけ配置できるのかという問題もあるだろう。住民対応は見えやすい部分だけに優先されるのは仕方がないが、きちんとした情報共有ができなければどう対応するのか、適切な判断をくだすことは難しくなる。そのあたりは図上訓練を庁内だけで行うのでなく、市民への周知を兼ねる形でやるのも一定の効果があると思うのだがどうだろう。最近はこうした図上訓練を行う自治体が増えてきているが、(実際にその後災害を経験した自治体などで)その効果がどうだったのかという検証もしておきたいところ。
2015.01.23
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昨日1月21日、新宿区の測量年金会館において地図調製技術協会(地調協)主催のシンポジウム「減災に役立つ地図はどうあるべきか」が開催された。地調協が毎年行っている技術研修会のプログラムなのだが、ここ数年はシンポジウム形式として会員以外の一般参加者にも公開している。自分の方で企画・運営に関わらせて頂いたのだが、いいゲストスピーカーに参集頂いたこともあり多くの方に集まってもらえたことに感謝したい。基調講演は国土地理院の宇根寛氏で「地域防災力の向上のためのハザードマップのあり方を考える」。災対法などの法的な根拠の背景やハザード、リスク、ハザードマップなどの定義から始まり、ハザードマップに関するいくつかの事例を解説した。特に興味深かったのが東日本大震災の際に液状に見舞われた我孫子市布佐の例。かつて沼があったことを反映していなかったことが原因でハザードマップでは液状化しないとされていた地区が集中的な被害になったことについて、その背景や、なぜ地図がそうなったのかという要因を丁寧に説明した。これまで色々な場で布佐の液状化とハザードマップの関係については語られていたが、その要因をマップ作りのプロセスを踏まえながら分かりやすく説明したのは、自分の知る限りでは初めてで、今日のシンポの前提としていい話だった。宇根氏の持論は明確だ。減災のためには主体的な避難ができるようになることが重要で、そのためには自然の成り立ちを正しく理解してもらう必要があること。そしてそれを伝えるのが地図ということ。続いて愛知工科大学の板宮朋基准教授による「避難時の自己判断を支援する最適なユーザーインターフェースとは~スマホ用避難ナビおよびVRハザードマップの開発と実証活動~」。板宮氏は様々な事例から「人は逃げない」ことが示されていることを前提に、避難行動を促すツールと行動させるためのインターフェイスの必要性を訴えた。リスクをスコア化してリスクの高い方向をNGとして明示する方式の「デジタル皆助ナビ」を自ら開発、想定されている南海トラフ地震で高い津波が予想されている高知県黒潮町で行った実証実験について報告した。旅先など土地勘のない地域で津波に見舞われることもあり得るわけで、アラートなど明示的な「刺激」を避難行動につなげる哲学や、エリアワンセグでの映像配信などを組み合わせた仕組みは(インフラ整備が前提だが)大きな効果がありそうで、実際に実証実験でもその成果は避難時間に反映されていた。また、板宮氏自身の専門分野がヴィジュアライゼーションであることから、直感的な情報認識にVR(ヴァーチャルリアリティ)が有効であることを示し、運転中の津波を体験できるシミュレータやスマホ用のヘッドマウントディスプレイなどの新しい技術についても紹介。この日は実際に展示もされ、多くの人が体験する機会を得た。午前中最後は自分の話。ここだけの話、目論んでいた講演者数人が日程の関係等で登壇できず、自分がやることになってしまった。「過去の災害の教訓を防災地図にどう役立てるのか」というタイトルだったが、現在のマップにさらに地図学的知見、空間情報科学的知見、災害情報学的知見、さらにはマーケティング的知見を取り込む形で連携できればという話を中心にいくつかの事例を紹介させて頂いた。昼休みは来場者に展示をじっくり見てもらえるよう、例年より少し長めとした。板宮氏のヘッドマウントディスプレイによるVRは特に人気だった。午後は地調協研究教育部会の向山潔氏の被災地自主調査報告から。多くの写真を使って南木曽や御嶽山、広島といった昨年の災害現場の他、雲仙火砕流や神戸都賀川鉄砲水、東日本大震災などの現場を訪れた際のレビューを話した。続いて会員会社の中央ジオマチックス安江茂隆氏による「自治体向け防災アプリ開発」。下田市の津波ハザードマップの事例を中心に、紙ベースのハザードマップをモバイル化する手法やその際に留意すべき事項を話した。避難経路を示すより避難方向を示すべきという示唆は重要なポイントだと感じた。また、紙地図をアプリ化する際に投影法の違いにより直線が歪む点や、アプリのファイルサイズの問題、開発環境の変化への対応など、アプリ開発が抱える課題についても解説した。最後の公演は日建設計の羽鳥達也氏による「『逃げ地図』~リスクコミュニケーションを育む地図の使い方~」。今ではすっかり有名となった逃げ地図。ワークショップでリスクを色分けで可視化して街づくりにフィードバックする手法は地図調製の世界では斬新で、多くの参加者の関心を集めていた。その後火災リスク版や空き巣リスク版、救命リスク版など様々なバージョンが開発され、現在ではゲーム化のフェーズを迎えているとのこと。また、その後多くの地域でワークショップが行われており、逃げ地図が重要なツールとして地域社会に入り込んでいる点は特筆される。今後の展開も注目だ。その後は登壇者全員、さらにはフロアの方々も加わっての意見交換会。様々な議論がされたが、印象に残ったのはそれぞれの立ち位置による視点の違い。それぞれがアイデンティティを生かした取り組みを続けながら、連携し合っていければ、現状多くの問題を抱える防災マップのあり方も一歩ずつ改善されていくのはないか。そんなことを感じた一日だった。願わくば、この集まりから新しい動きが出てきてほしい。
2015.01.22
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この春NHKで『ブラタモリ』が復活するとのこと。先んじて1月頭に放映されたスペシャルでは、タモリさんの「勤務体制」が変わったため全国にブラリすることが明かされました。今の街並みから昔の土地や生活を想像する『ブラタモリ』。番組では古地図の魅力もたっぷり語っています。私たちも、実際に全国に行けなくとも、地図で旅してみてはいかがでしょう。「今昔マップ on the Web」は、現代と過去の地図を同時に見比べることができるサイト。首都圏のほか、京阪神、中京、北海道など9つのエリアに対応しています。エリアを指定すると、Googleマップと古地図を一画面内に分割して表示。古地図の位置を動かすとGoogleマップも連動して動くので、今と昔を同時に空から散歩できますよ。古地図は明治以降の地図が収録されており、首都圏編の場合は1896年(明治29年)から現代まで、9つの地図があります。首都圏では関東大震災や終戦などの歴史も挟むので、今と昔は劇的に変わっているのでは...と思ったら、主要な道路はほとんど変わっていないのがわかります。大きく地形が異なるのが埋立地。品川の東側はほとんど海だったんですね。自宅に居ながらブラり地図散歩。晴れた日には実際に足を伸ばして、現地を歩いても良さそうです。(DMMニュースより)------------------------------埼玉大学教育学部人文地理研修室の谷謙二先生といえばフリーGISのMANDARAでも有名だが、この今昔マップシリーズは以前から愛用させて頂いている。以前はデータをダウンロードする手間があったが、Web対応になってからはお手軽で本当に便利。都市部は明治以降の地形改変や土地利用の変化が顕著で、今昔マップで遡ることで現在の姿からは想像できないようなかつての景観を知ることができる。とりもなおさず、防災を考える場合にその土地の性質をしることは重要で、今昔マップが重宝する。地図好きであれば見ていて飽きないのでまだ未体験の方は是非。
2015.01.21
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南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波を原因とする「津波火災」が首都圏から九州の22都府県で計約270件発生する可能性があるとの予測を名古屋大減災連携研究センターの広井悠准教授(都市防災)が19日までにまとめた。内閣府が発表した南海トラフ巨大地震被害予測は、津波火災には具体的に触れていない。今回は、東日本大震災で起きた津波火災のデータに基づく予測式を用い、東海地方が特に大きく被災する地震のパターンで試算した。広井准教授は「油の漏洩防止や避難施設の防護など、延焼を食い止める対策を考えなければならない」と話している。津波火災発生の最多は静岡の54件で、三重43件、宮崎37件、高知35件、和歌山28件、大分20件、愛媛16件と続く。津波火災は、流された車が衝突して火花が出たり、壊れた建物内の暖房器具から出火したりした上、車のガソリンや石油タンクから流出した油に引火して起きる。消火が難しく、広範囲に延焼する恐れがある。広井准教授らは、東日本大震災後、被災各地の消防本部への聞き取りや現地調査を実施し、岩手、宮城、茨城など6県で計159件の津波火災が起きたとの結果をまとめている。この結果を基に、浸水する建物の数、プロパンガス使用率、世帯当たりの自動車所有台数などから津波火災の発生数の予測式を作成した。南海トラフ地震の予測は、東海地方が特に大きく被災し最大約32万3千人が死亡するとの内閣府の地震想定を当てはめ、約270件の津波火災が起きると算出した。港湾施設のタンクなどから多量の油流出などがなければ93件程度まで抑えられるとの結果も出た。震源域などのシナリオによっては、発生数や分布も変動するとみられる。広井准教授は「南海トラフ巨大地震の被災想定地域は都市部が多く、建物の密集度が高い。津波火災の影響も大きいため、事前の対策が必要だ」と話している。(日本経済新聞より)------------------------------これまであまり注目されていなかった津波火災だが、東日本大震災では多くの例が確認されており、廣井氏はそれを丹念に調査することで法則性を見出している。カギを握るのは車とプロパンガス。それを踏まえて想定は浸水する建物の数、プロパンガス使用率、世帯当たりの自動車所有台数などから計算されている。特に大都市圏では影響が大きく、南海トラフ地震でいえば名古屋・大阪といった湾岸の都市でリスクが高い。津波火災については内閣府の想定にも入っていないだけに、対策はこれからという状況。被害を大きくする可能性が高いだけに、早急な対策が望まれるところ。
2015.01.20
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17日に実施した大学入試センター試験の地理で、富良野市と周辺の地域調査をテーマに地図やグラフなどの資料を読み解く力を試す問題が出た。道内の受験生からは、なじみのある地域が取り上げられ、答えやすかったとの声が出た。 地理A第5問と地理B第6問での共通問題として出題した。各100点中、18点と17点を配点。縮尺20万分の1の地図からJR富良野線の車窓風景を考えたり、月別観光客数の10年ごとの推移を示すグラフから、観光の変化を推し量ったりする設問が並んだ。 旭川市の道教大旭川校で受験した旭川東高3年の高橋利之さん(18)は「思わず『ラッキー』と笑いがこみ上げた。このまま運が続けばいい」。同校3年の館山耀さん(18)も「身近な土地が題材になったので、答えやすかった」と喜んだ。 縦型信号機などの写真から雪国の特徴を判断する設問もあった。雪の多い気候と生活に関する出題について、ベネッセと駿台は「雪の少ない地域の受験生にはイメージしにくかったかもしれない」と分析した。(北海道新聞より)------------------------------これ去年も同じような話があって、記事にしてあった。地理の場合日本地誌の問題を入れれば必ずどこかしらの地域を扱うわけで、致し方のないところ。基本的には公平・不公平のないような問題であることが多いが、地元であれば馴染みというか、地理学的知識以前の情報があることはあるかもしれない。このケースで不公平とまでは思わないが…地理の問題一つ作るのなかなか大変だ。
2015.01.19
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日立造船、日立製作所、ヤンマーは、準天頂衛星システムから配信される高度測位信号を活用して、トラクターを自動制御して農作業を行う実証実験をオーストラリアで実施する。実証実験は、総務省が実施する「海外における準天頂衛星システムの高度測位信号の利用に係る電波の有効利用に関する調査」の委託先に選定されたのを受けて実施する。実験では、オーストラリアの稲を栽培する農場で、高度測位信号を用いて自律走行型ロボットトラクターを制御、実際の農作業を行う実証実験を行う。実証実験を通じて、現在技術実証が進められている、RTNet、RMIT、MADOCAの3種類の高精度測位方式からオーストラリアでの精密農業に適切な方式を選定することを目指す。今回の調査ではオーストラリアの電子基準点を使用した新しい精密単独測位方式(PPP-AR方式)を適用することで測位精度を高め、誤差5cmの精度での農作業を目指す。調査は、日立造船、日立製作所、ヤンマーが中心となって、準天頂衛星運用機関である宇宙航空研究開発機構(JAXA)や、日本とオーストラリアの研究機関が技術協力、調査支援として参加する。日立造船はプロジェクト全体を管理し、高精度測位システム調査検討・測位精度評価と全体評価を行う。日立は、トラクターに搭載されている作物生育センサーのデータと自律走行型ロボットトラクターの走行データを、地理情報クラウドサービスで収集・統合し、PC上の地図に作物の生育状況とトラクターの走行状況を可視化する。ヤンマーは、自律走行型ロボットトラクターを開発・管理・運用する。2014年11月末に実施した最初の実証実験では、自律走行型ロボットトラクターを使用した稲の立毛時期における条間走行と農作業に成功した。今後は1月に稲の生育状況を自律走行型ロボットトラクターで計測するなど、複数の農作業時期を変えて実施する。調査後は、実証実験で得られた成果をもとに、農業従事者や政府関係者へのヒアリングを通して、高度測位信号を用いた精密農業の実用化に向けた課題を抽出する。将来的には、調査実施機関を中心としたコンソーシアムを形成し、精密農業事業を積極的に展開する予定。(レスポンスより)------------------------------位置情報の農業への利用は様々な実証がされているが、今回はその軌道から日本と同様に準天頂衛星の恩恵を受けるオーストラリアでの実験。日本と比べると大規模な農業が行われており、自動化による効果が大きく見込める環境でもある。さらにPPP-AR方式といわれるオーストラリアの電子基準点を使用した新しい精密単独測位方式を適用するとのこと。誤差5cmの測位精度というのは干渉測位まさに測量レベルで、単独測位としては驚異的。そんな時代なのかと驚かされる。この精度がロボット農業のポテンシャルをどこまで高められるのか。オーストラリアはもちろん、狭い土地で農業を行う日本ではこうした精度の高さは大きな力になりそう。農業の概念が大きく変わることになるのかもしれない。
2015.01.18
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1995年1月17日(火)午前5時46分52秒、明石海峡を震源とするM7.3の「兵庫県南部地震」が発生、神戸を中心に甚大な被害になった阪神・淡路大震災から20年を経った。震度7(福井地震がきっかけとなり設定)が適用された初めての事例となったように、その破壊力は凄まじいものだった。発生当初、NHKニュースで各地の震度が表示される中、神戸だけがずっと空白のままだった。その時点で東京でテレビを通じて得られる情報では被害の程度を知る由もなかった。そしてNHKのヘリコプタからの映像で初めて事の重大さを知ることになった。戦後の高度成長を経た社会が初めて経験した大都市直下型地震から知った現実は多かった。立派なビルや高速道路が倒壊している姿を見て、普段気にすることもなかった街中の構造物が大地震にも耐えられないことを初めて認識した。この後首都圏でも高速道路などの耐震補強を行う工事が急増したこともよく覚えている。「ライフライン」という言葉を初めて聞いたのもこの時だった。そしてライフラインの耐震化の重要性が言われるようになったのもこの震災がきっかけで、その一環として日本でGISが本格的に普及していったのはよく知られる話だ。「活断層」という言葉が一般に知られるようになったのもこの時ではないか。それまで学校の授業で学んだ「断層」という言葉が「活」の一文字が加わるだけでとてもリアルで怖いものに感じられたのを覚えている。また、当時自分は都市型時刻表の編集の仕事をしていたこともあり、鉄道などの交通網の復旧過程は細かく追いかけていた。最初関西の鉄道会社に電話するのが怖かった。鉄道は短い区間ごとに段階的な復旧がなされ、その都度暫定ダイヤが組まれ、時刻表はその情報を取材してその段階で知り得る最新の情報を掲載しようというスタンスで編集した。自分もその取材のため、2月に入ってから現地を訪れた。阪神間の交通はまだ途上で、当時動いていた路線を使って福知山線の三田で乗継ぎ、神鉄の谷上から新神戸まで行くことができた。地上に上がると変わり果てた街の姿に涙が出た。埃っぽい街を駅から駅へと歩き回った。途中瓦礫の中で「震災まんじゅう」やらを売って商売をする人々の逞しさにも遭遇した。高速神戸まで歩き、帰りはハーバーランドから天保山へ水上バスが出ているということだったので行ってみたが、ダイヤが合わないのと人が多いので断念、東へ歩いて動いている区間の阪急電車や阪神電車を乗り継いで大阪へ戻った。東京へ戻ってくると、まっすぐ建っているビルが不自然に見えた。その後地図業界に入り、1999年には1万分1地形図の調査で神戸を歩き回った。ちょうど編集作業が終わりを迎える頃、仮設住宅が撤去されるニュースを耳にしたのを覚えている。そして現在の神戸を訪れると、20年前の震災を感じさせるものはほとんど残っていない。震災後に生まれた子供たちももう成人する。地元の皆さんは真剣に震災の風化を懸念していた。これから神戸を訪れる機会がある方には、「人と防災未来センター」へ行ってみることを薦めたい。当時を知る貴重な資料やリアルな映像であの恐ろしさを知らない、あるいは忘れた我々に多くのことを訴えかけてくる防災学習施設として非常に完成されている。あの震災で日本社会が学んだこと、そして自分が学んだことも、数多くありながらそれをその後に活かせているのかといえばまだまだなのだと思う。東日本大震災でも現地で同じことを感じたのだが、被災は重い過去であると同時に、結果として重要な経験値でもある。東京をはじめとした日本の他の大都市でもいずれ震災に見舞われる時が来るだろう。その時に阪神・淡路から何を学び、共有できたのかが問われることになる。今、神戸の人々が持っている経験値をどうやって風化させず共有するのかは日本社会に課せられた重要な課題の一つなのではないか。
2015.01.17
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NTTは、車椅子やベビーカーで移動する人や高齢者、訪日外国人などの身近な移動を安心・便利にサポートする「ダイバシティ・ナビゲーション」をコンセプトとした研究開発を推進していく。国土交通省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に高度な測位環境を活用した様々なサービスの実現を目指す「東京駅周辺高精度社会プロジェクト検討会」を設立。2015年1月下旬から、東京駅およびその周辺において、高精度な屋内測位を効率的に実現するため手法などを明らかにするための実証実験が行なわれる。今回NTTは、同プロジェクトおよび実証実験に、東京駅周辺の鉄道やビル等の施設管理者等とともに参画する。NTTは、車椅子に付けた加速度センサなどから、段差や移動軌跡などの情報を取得・解析し、車椅子やベビーカー、歩行者などの移動を支援する「ソーシャル・バリアフリーマップ」を作成。また、画像認識技術を用いて、スマートフォンで看板など周辺を撮影することで、現在地を特定し、目的地へナビゲーションする技術の検証などを行う。これまで、高精度の屋内位置情報を活用したナビゲーション等のサービス実現に向けては、屋内地図の整備・運用コストや、屋内測位技術の確立ならびにセンサなどの設置・運用コストといった課題があった。NTTでは、技術開発を推進し、低コストでの地図の作成や装置設置を伴わない測位の実現を目指していく。(レスポンスより)------------------------------近い将来シームレスな高精度測位が様々なサービスの基盤となることは間違いないだろう。NTTが実証実験に加わることでその後のサービス展開にも色々と影響力を発揮することになりそう。高精度シームレス測位は一般向けのナビゲーションはもちろん、店舗のマッチングサービスや福祉、防災など、多岐にわたる可能性を秘める。特にSNSなどを通じたリアルタイムなコミュニケーションの橋渡しとして力を発揮しそう。当然地図サービスも大きく関係してくることになるのだが、その土台となるシームレスなプラットフォームはまだこれからというところで、各種センサと補完しあいながらどんな関わり方が最適なのかも含めて様々な視点からの検討が必要か。実証実験そのものも社会的な注目を集めており、いわゆるG空間社会が認知されるきっかけになるかもしれない。
2015.01.16
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政府の地震調査研究推進本部の本蔵義守地震調査委員長(東京工業大名誉教授)は14日の記者会見で、20年前の阪神大震災をきっかけに発足した同本部の活動を振り返り、「活断層の調査が精力的に進められ、(今後の地震発生確率を示す)長期評価や地震動予測地図ができた。活断層に対する国民の認識はかなり適切なものになってきたのではないか」と述べた。一方で、新潟県中越地震や岩手・宮城内陸地震が活断層の知られていない場所で起きたことを踏まえ、「活断層がない所が安心というわけではない」と指摘し、日頃から防災に努める必要があるとの考えを示した。(時事ドットコムより)------------------------------地震調査委員長の会見。確かに「活断層」という言葉や概念が一般に浸透したきっかけは阪神淡路なのかもしれない。91年雲仙噴火の時の「火砕流」や東日本大震災の「長周期地震動」などとケースは似ている。その後活断層の調査研究が進んだことも確かだろう。ただし、「活断層に対する国民の認識はかなり適切なものになってきた」のかと言われれば微妙だ。それは研究者のアウトリーチが足りていない部分もあるし、マスコミの伝え方などの影響もあるかもしれない。すべての活断層が分かっているわけでもない。見つかっていない場所で「活断層がないから安心」という誤解はまだまだ多いのではないか。長期評価や地震動予測地図も数字のマジックが誤解を生みやすいため防災的観点からいえば正しく理解されているとはいい難い。専門知は蓄積されてきているはず。それをどう伝えるのかは依然として大きな課題。
2015.01.15
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東日本大震災の津波で常磐山元自動車学校(宮城県山元町)の教習生と事務職員計26人が死亡したのは、学校が安全配慮を怠ったためだとして、遺族が学校などに約19億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は13日、津波の到達を予測してより速やかな避難が可能だったとして学校の責任を認め、学校に約19億1300万円の支払いを命じた。震災の主な津波訴訟で、遺族側の請求が認められたのは、2013年9月の石巻市の日和幼稚園訴訟の仙台地裁判決(高裁で和解)以来、2例目。高宮健二裁判長は、公共交通機関が不通となり、教習生の帰宅が困難な状況では、教習終了後も学校は安全配慮義務を負っていたと指摘。「教官らは消防車が中学校への避難を呼び掛けるのを聞いたと推認され、学校付近に津波が襲来する事態を予期できた」と述べ、呼び掛けに従っていればもっと迅速に避難を始められたと判断した。経営者や学校長ら個人に対する賠償責任については、呼び掛けを聞いていなかったり、学校内の権限がなかったりしたとして、退けた。教習生25人の遺族は11年10月、事務職員1人の遺族は12年4月に提訴し、併せて審理された。判決によると、学校は11年3月11日の地震発生から約1時間後の午後3時40分ごろ、教習生を送迎バスなどに分乗させて帰宅させた。このうち4台に乗った教習生23人と徒歩で帰宅した2人が津波にのまれて死亡した。学校に残っていた事務職員1人も死亡した。判決後、教習生遺族会代表の寺島浩文さん(52)は「『25人の遺族全員が頑張ってきてここまでこられた』と子どもたちに報告したい」と話した。(河北新報より)------------------------------遺族側の請求が通り、学校側の責任と損害賠償の支払いが命じられた。請求が認められたのは石巻市の日和幼稚園訴訟の仙台地裁判決以来、とのことだが、一般的な目でみれば幼稚園と自動車教習所では監督責任は当然異なると考えていたが、「安全配慮義務」という点で落ち度があったとの判決。詳細を理解していないので判決についての評価は何ともいえないが、自動車教習所は「学校」については正直あまり学校という認識がなかったので、判決で歌われている「安全配慮義務」を解釈する場合には学校だけでなく(人が集まる)施設にも適用されると考えるべきだろうか。店舗などでもお客さんに対する「監督義務」はなくとも「安全配慮義務」は発生するわけで、津波はもとより、水害や地震等で犠牲が出た場合についても責任を問われる可能性があることになる。もちろん、あの震災を経験した今であれば多くの人が大津波警報が出れば少しでも高い場所に逃げるだろう。しかしそれ以前には多くの人がそうした知識を持ち合わせていなかった。そのあたりが判決でどのように評価されたのかは気になるところ。今後も同じような訴訟は起こるだろうし、この判決の与える影響は大きいかもしれない。
2015.01.14
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ごみの不法投棄や違法駐輪、街灯の故障など、大阪市内の身近な問題について、市民が自ら撮った写真をインターネットのサイトに投稿して解決に生かす市の事業「マイコミおおさか」の試験運用が、19日から市内全域で始まる。昨年に市内24区のうち8区で先行して実証実験をしており、今回は対象エリアを拡大した。3月末まで投稿できる。マイコミおおさかは、地図情報を使う民間の投稿サイト「FixMyStreet Japan」を利用し、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した不法投棄などの画像を位置情報を添えて投稿する仕組み。投稿された課題を見た市民や行政に解決を促すことを狙う。無料アプリをダウンロードして登録すれば誰でも参加できる。市は19日以降の投稿から対応する予定。昨年4~7月に市内8区であった実証実験では計165件の投稿があった。内容は駐輪に関するものが37件、ごみ問題が33件と多く、落書きや野良猫のふん害、公園の遊具の破損などの指摘もあった。市民同士が話し合ったり、行政が対応したりして7割以上が「解決済」となった。(朝日新聞より)------------------------------こうした市民参加型の情報提供・共有の仕組みは各地で広がりつつあるが、大阪のような大都市でどの程度の効果があるのか興味深い。特に不法投棄や違法駐輪などは市や警察でも網羅することが難しいのでこうした投稿型の仕組みは一定の効果があるだろう。マナーの悪さが社会にはびこるからこうした仕組みが必要なのだろうけど、(市民同士の)監視社会みたいなものはあまり気持ちのいいものではない。それでも抑止力として働くのであればこの仕組みはありだと思う。後はどれだけ周知できるかだが。
2015.01.13
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都内在住の会社員・Sさん(仮名・45才)は、放置していた虫歯が悪化して歯科クリニックを受診した。レントゲンを見た若手の歯科医は、「これはひどい。早く抜いてインプラントにしましょう」と早口で言った。インプラントとは、顎の骨にチタン製のフィクスチャー(ネジ)を打ち込み、その上に人工歯をのせる治療法のこと。基本的に保険がきかない自由診療で費用は1本30万~500万円と幅広い。いきなりの提案に戸惑うSさんに歯科医は畳みかけた。「『通常は1本50万円ですが、今回は特別に値引きしますよ。40万円で処置します』と言われました。その後も、『じゃあ検査日を予約しましょうか』と一方的に話を進めるんです。私は『予約は電話でします』と言ってその場から逃げ出しました」(Sさん)悩んだSさんは友人に相談して後日、腕がいいと評判の歯科医を訪ねた。「初老の医師は口のなかを丁寧に診察し、『インプラントなんてとんでもない。充分、残せる歯です』と言いました。それで歯医者を変えて現在も治療を続けています。危うく最初の医師の営業トークに騙されるところでした」(Sさん)一部の悪徳歯科医はあの手この手で治療費アップをねらう。『この歯医者がヤバい』(幻冬舎新書)の著者でサイトウ歯科医院(東京・渋谷)の斎藤正人院長の知り合いにはこんな歯科医がいる。「初診で来た患者さんの自宅を『グーグルマップ』の航空写真で検索し、住んでいる地域や自宅の外観から患者さんの収入や暮らしぶりを推測するんです。お金持ちなら高額の自由診療を勧められますからね。彼は『小さなマンションだとガッカリだけど、一戸建てだと俄然、やる気が出るんだ』とうそぶいてますよ」(斎藤さん)一方でこんなもの哀しいケースもある。「とくに競争が厳しい東京や大都市近辺では歯医者が夜逃げすることがあります。歯科技工士や歯科材料問屋の営業マンが電話しても、営業時間内なのに誰もでない。不審に思って駆けつけると医院は見事にもぬけのカラです。高額の診療機器やレントゲン機器、細かな備品にいたるまで何もかもリサイクル業者に売り払い、すべての支払いを踏み倒して姿を消すんです」(斎藤さん)(NEWSポストセブンより)------------------------------週刊誌の記事なので誇張はあるとしても、こういうことがあるだろうなと考えてしまうくらい自分も歯医者についてはハズレが多い。ヤブ医者と言っては失礼かもしれないが、実際に「これは失敗した」と切実に感じた歯医者は多いし、そういうところは後で評判を聞くと「あそこはヤブだよ」ということも多々ある。そして治療技術以上に不思議なのが治療費。歯医者によって全然違うのはなぜだろう。などと考えてこの記事を読むと妙に納得してしまうのだが(もちろん自分が当たった中でもいい歯医者さんも何人かいます)、地図や衛星画像のこういう使い方があったのかというのは発見だった。というか、地理空間情報がこういう形で利用されるのであれば個人情報を守るといっても限度はある。気をつけようもないが、生活というのは見られたくなくても見えてしまうということか。
2015.01.12
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出張で搭乗した伊丹空港(大阪国際空港)発の機内。窓から何気なく見下ろした景色に驚いた。眼下に日本列島が見えたのだ。「そんなの当たり前」と言うなかれ。伊丹の市街地に囲まれた緑地の水面に、地図で見慣れた北海道、本州、四国、九州の四つの島が浮かんでいる。なぜこんな「ミニ日本列島」ができたのか。ベルト着用サインが消えた後、客室乗務員に尋ねてみた。「昆陽池(こやいけ)公園ですね。伊丹空港から旋回して高度を上げていく時に見えることが多いですよ」と言う。後日、調べると昆陽池公園は空港から西に2キロメートルほど。空港は大阪府豊中市、池田市、兵庫県伊丹市にまたがるが、公園は伊丹市役所の近くだ。早速現地に出向く。空からは小さく見えたが、歩くと予想以上に広い。池にはカモやサギなど数え切れないほどの野鳥。都会のオアシスと言うべき地だ。池の中心には木々が茂る島。日本列島のどれかだが、陸地からだと大きすぎて判別しにくい。地元では有名なのだろうか。犬と散歩中の高齢者や下校途中の高校生に聞いてみると「日本列島? 何言うとんねん」。そっけない返事ばかり。誰でも知っているわけではないようだ。帰り道、伊丹市みどり公園課の原田修さんを訪ねる。「公園は1972年に野鳥を呼べる公園として整備され、日本列島も造成されました。地域のランドマークにとの方針でした」古い割に知名度は低いようだが……。「確かに地元でも知らない人は多いようです。空からでないと実感できないせいでは」と原田さん。日本列島の長さは250メートルほど。実際の1万分の1といったところだ。続いて伊丹市立博物館を訪ね、亀田浩館長に公園の歴史を聞く。「昆陽池は行基がため池として造りました」。行基といえば奈良時代、東大寺の大仏建立で中心となった高僧。そこまで歴史が遡るとはビックリ。江戸時代まで伊丹の農地を潤し続けたが、戦後にかけて市街地が取り囲むようになったという。「昆陽池には様々な歴史が詰まっています。日本列島の歴史も興味深いですよ」とも教えてくれた。池の日本列島は造って終わり、ではないらしい。環境の変化に大きく左右され、列島らしい姿を保つ努力が欠かせないという。例えば池の水位。現在も農業用水として利用され、天候や時期によって水位が大きく上下する。そのため、列島が膨れ上がって4島が陸続きになったり、逆にスリムになり本州が分断されてしまったこともある。「環境破壊」も本物と同じく深刻だ。十数年前、島々に大量のカワウが繁殖し、巣を作った。カワウは営巣時、樹木の枝を折り、フンは水質や土壌を汚染する。その結果、島々の樹木はほぼ枯死したという。当時の航空写真を見ると列島は土色。日本全滅だ。カワウ恐るべし。周囲は野鳥の保護区でカワウは駆除できない。地道な植樹活動を続け、数年でようやく列島の緑は復活した。中心となったのが、伊丹の自然を守り育てる会の高木一宇さん。「こんな狭い日本でも大変な手間がかかる。ましてや実際の日本列島の環境を守るには並大抵の努力では無理です」わずか1万分の1以下の日本といえども、環境を守るため、人々が長年努力を積み重ねてきた。失われた緑を復活させるのがいかに大切な営みか。身近にある小さな日本列島が教えてくれる。(日本経済新聞より)------------------------------地理院地図で見てみよう。場所は伊丹空港の西、伊丹駅の北西にあたる。地図上でもしっかりと日本地図の形が表れている。ランドマークといっても五稜郭のような展望塔もない以上、空から見ない限り認識できない。多分に空港から近いからこそ成り立つ話で、地元で知らない人がいるのも無理はない。昆陽池は行基がため池として造ったものとされているようだ。行基といえば現存する最古の日本地図「行基図」でも知られる。そう考えると思いつきで作った日本列島とは思えないのだが。それにしてもこのスケールで日本地図を再現するとはなかなかのもの。是非一度見に行ってみたい。というか飛行機に乗らなきゃ見えないのか…
2015.01.11
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チンギス・ハンが死後、埋葬された場所は国家の最重要機密とされた。埋葬場所が特定されぬよう、埋葬に関与した兵士は埋葬後に自害したと言われているほどだ。埋葬されたとされるブルカン・カルドゥン山は、現地の反対などから現在でも発掘調査などは行われていないという。しかし、考古学的に考えればチンギス・ハンの墓は重要な役割を持つ。「現代のインディ・ジョーンズ」とのあだ名を持つAlbert Yu-Min Lin氏は、墓をひっくり返すことなく、また何も触らずに墓を探す方法を考え出した。超高解像度の衛星や航空写真、モンゴルの測量データなどを組み合わせて当時の3Dイメージマップを作成し、多くのボランティアによる視覚的分析で人間がアクセスしやすい場所を見つけ出すという手法であるようだ。墓を具体的に見つけ出す手法については発表されていないものの、発掘せずに調査を進める手法は他の調査でも有効となる可能性がある。(slashdotより)------------------------------衛星画像とクラウドソーシングによるボランティア捜索といえば昨年のマレーシア航空機捜索が記憶に新しいが、まさか墓探しとは…もっとも、国内ではレーザー測量と赤色立体地図を使って発掘することなく古墳の調査を行っており、空間情報技術が墓探しに使われた例がないわけでもないが。ただ、一方でモンゴル政府や地元の人々が探されたくないと考えているのだとすれば、いくら手法があるとはいってもあまり気が進むものではない。今回提案された方法は昨年のマレーシア航空機の例でも分かるように、ボランティア心をくすぐるやり方ではある。墓に限らず、衛星画像+クラウドソーシングでボランティアによる様々な捜索が可能であることは確かで、今後様々なユニークな試みが出てくるのかも知れない。かつては(画像やツールが高価だったこともあり)こうした作業は専門家の領域だった。それが今では多くのボランティアが気軽に参加できるようになったのだから、空間情報技術が社会で普及・浸透していることの表れなのかもしれない。
2015.01.10
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国土地理院が公開している地理院地図がスマートフォン、タブレットでの利用者向けにリニューアルされた。地形図、災害情報、標高値など地理院地図の各種コンテンツをモバイル端末で閲覧することが可能になった。リニューアルのポイントは・スマホ・タブレットで見やすいデザイン・モバイル端末のGPSを利用した現在位置表示デザインについては、機能をワンボタンに整理したことで小さな画面でも地図が見えるようになった。位置情報については地理院地図がスマートフォンで測位した現在位置にジャンプする機能を備えた。オンラインであれば全国どこにいても周囲の地形や標高等地理院ならではの情報を見ることができる。もっとも、この機能はモバイル地図であればマストだろう。ということでiPhoneで試してみたがさすがに標準版よりはいいものの、まだ最適化というには早いかなというイメージか。タブレットだともう少しいいだろうが、iPhoneではちょっと苦しいかなというところ。インターフェイスもよく整理されているが、メニューを表示させた後一発で折りたたむのがうまくできなかった。現段階ではFieldAccessの方がさすがに使いやすいだろう。見ることができる情報も現時点ではまだ標準版より少ないが、これはいずれ対応なのか。それでも地理院地図がモバイルで使えるようになったのは大きな進歩。気になるのは(機能は異なるものの)有料アプリであるFieldAccessとの棲み分け。これまで地理院がモバイル対応していない中でスマホやタブレットで地理院地図を見るという点では地理院への貢献度は絶大。実際に第1回電子国土賞で電子国土功績賞を受賞しているように地理院でも評価されており、ファンも多いだけに気になるところ。
2015.01.09
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台湾メディアによると、日本の都市伝説は本当に怖い。日本に1999年から閉園している廃墟化した遊園地があることを知らない人はいるだろう。日本グーグルマップにも記載せず、「いかなる地図にも出ないところ」と呼ばれる。 台湾サイト「東森新聞網」の7日付記事では、廃墟化した遊園地は福島高子沼グリーンランド。1973年に開園したが、わずか2年で閉園。1986年になって改めてオープンしたが、1999年に利用客死亡事故で閉園している。今はほとんど知られない存在になった。 この廃墟化した遊園地について、手に入れられる資料は少ない。知られたのは、日本の福島にあり、荒れ果てて、野生樹木に包まれているだけだ。廃墟マニアにとって幽霊屋敷だ。数多くの死者が出たといわれたが、本当の閉園原因は誰でもわからない。 何年も修理を怠っていたので、施設内部の機械も錆び付いてしまっている。その中の彫像を見て帰ったら精神に一時的な異常を来したという話もあった。そして、ビールというイギリス人が2007年に、レンズをじろりと見て、厳しい表情をしている少女の恐ろしい写真を撮ったという話は、「廃墟化した遊園地」の伝説を大きくした。(Livedoorニュースより)------------------------------いわゆる心霊スポットのニュースがこの時期に出てくるのは珍しい。Googleマップにもないとのことだが、よく見ると高子沼の西側に何かそれらしき気配は見える。地理院地図で見てみるとさらに遊園地らしき様子が見える。ただし注記はない。まあ遊園地が閉園していれば注記は削除されるのは当たり前で「Googleマップにない」と大騒ぎするのもおかしな話だが。オルソ画像を見てみると何かの跡地であることは想像できるが、遊園地であった面影はない。高子沼グリーンランドは福島県内最大の遊園地としてジェットコースターや観覧車などもあり、ウサギ園も人気だったようだ。しかし展望台ではカップルが自殺、ジェットコースターから客が投げ出され死亡、さらには近くのペンションが経営難に陥りオーナーが地下のワインセラーで自殺したなどの噂があり、トラブル続きだった模様。そのせいか心霊の目撃情報も多く、入口付近に男性の霊が現れるとか、夜ジェットコースターの近くに行くと女性の悲鳴が聞こえてくるといった話があったらしい。そんなわけで心霊スポットマニアの間で有名になり、あろうことか世界的にも知られるようになってしまった。現在ではソーラーパネルが敷き詰められているとの情報もあり、廃墟すら残っていないようだ。心霊スポットとして騒がれるのは分からなくもないが、むしろ時の流れの無常を感じるニュースだった。
2015.01.08
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ゼンリンは、1月23日から25日まで開催されるゲームハッカソン「Global Game Jam 2015」に協賛、全国約20か所の会場で、ゲーム開発に活用できる「3D都市モデルデータ」などを無償で提供する。「Global Game Jam」は、全世界400以上の会場で、同じ日に同じテーマで開催されるゲームハッカソン。会場に集まったプロからアマチュアまで多様な開発者たちがチームを結成し、48時間という限られた時間の中で、与えられたテーマに沿ったゲームを開発する。今回ゼンリンが無償提供する「3D都市モデルデータ」は、カーナビゲーション向け3D地図データを、Unityなどの3D・CG関連ソフトウエアで利用可能な汎用的3Dフォーマット「FBX 形式」に変換することで、ゲームやシミュレーション向けとして提供できるようにしたものだ。またゼンリンでは、東京・お台場に「ゼンリンお台場会場」を設置、運営。同会場でゲーム開発にチャレンジする参加者の募集も開始した。定員は60名で、募集期間は1月20日まで。参加費は無料。(レスポンスより)------------------------------提供されるデータはUnityでのゲーム開発に利用可能な3D都市モデルアセットで、秋葉原の実際の街並みを基にデータ化した「Japanese Otaku City」と思われる。このデータはゲーム開発者向けに「クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンス(CC-BY)」で公開されており、FBX形式データで提供される。元々はカーナビゲーション目的の3Dデータだが、ゼンリンは今回のハッカソンへの提供も含めてゲームやシミュレーション向けに積極的な展開を見せており、今後政令指定都市を中心とした日本21都市及び欧州・北米の海外50都市以上が提供される予定だという。カーナビゲーションだけの利用では費用対効果が合わなくなってきているという現状もあるだろうが、リアルな3Dデータがゲームなど様々な業界で利用されることでデータそのものの普及がなされれば、地図業界全体にとっても新たな可能性になる。全世界で行われるハッカソンだけに、波及効果は大きそうでどのような形で利用されるのか期待がかかる。
2015.01.07
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今すぐ実現してください!自動車教習所の関門といえば縦列駐車。しばらく運転をしていないとできるかどうか、不安になったりしますよね。でも、BMWが開発中のスマートウォッチ経由の自動駐車システムが実現すれば、もうボタンひとつでささっと駐車ができるようになるかもしれないんです。この駐車用センサーを搭載した特別仕様のBMW i3は「Remote Valet Parking Assistant」というシステムを搭載しており、完全な自動駐車を実現するそうです。システムの起動はスマートウォッチのアプリからできるとのことで、停車後に車外から駐車を指示することもできます。駐車用のセンサーにはレーザーセンサーを利用。また地図情報も駐車に利用するそうです。これはより多くのデータを利用することにより、万が一の事故を防ぎたいという狙いのためなのかもしれません。BMWの自動駐車システムはにラスベガスで開催される総合家電ショー「CES 2015」でも展示されるそうです。最近は自動車メーカーが自動運転や自動駐車システムに取り組んでいますが、スマートウォッチというアイテムを組み込んだBMWの目の付け所には感心させられますね。(Livedoor Newsより)------------------------------ITSの究極の姿が自動運転をベースとした交通革命だとすれば、自動駐車はその入口といったところか。実際のところ、ドライブ好きにとっては自動車の自動運転が実現すれば運転する楽しみが奪われるという声も多いが、自動駐車については「できれば便利だよね」という反応になるのでは。それはそれとしても、わざわざスマートウォッチを経由するという仕組みがよく分からない。ウォッチを経由することですべての車で自動駐車が可能になるのなら話は別だが、そうでないのならばカーナビ、あるいは車そのものに埋め込むべきシステムのような気がするのだが。また、駐車にはレーザーセンサーだけでなく地図情報も利用するとのことだが、現時点では自動駐車を支援するレベルの駐車場の地図はないと思うのだが、この辺りの仕組みもよく分からない。それでもBMWのやること。今はヴェールを脱ぐのを待つべきなのだろう。
2015.01.06
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日本の人工衛星の観測データを、途上国の感染症対策に生かす試みが始まり、途上国や世界保健機関(WHO)の期待が高まっている。宇宙からとらえた地形データをもとに、ウイルスを含む可能性のある水の流れを把握することによって、感染源の調査などに活用できるという。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は昨年7月、WHOの要請を受け、陸域観測技術衛星「だいち」(2011年運用終了)の観測結果から作成した西アフリカの地形データを提供した。だいちは、災害時の被害把握にデータを利用したほか、地球全体の地形データを収集した。WHOから求められたのはナイジェリアのデータ。同国では、下水を採取してポリオウイルスの有無を調べ、感染源や流行地域を推定している。しかし、下水道が整備されていないため、下水は地形に沿って流れ、採取地点の選定や排出源の把握が難航していた。WHOは、5メートル単位で高低差などを見分けられるだいちに着目。地形データから下水の排出源や流れを割り出し、効率的な採取地点を探せるようになった。排出源の面積が、従来の分析より5倍広がった地域もあったという。WHOは「地形が入り組んだ都市部でも役立つ」と評価している。JAXAは今後、エボラ出血熱などの患者を医療機関に搬送する最短ルートを決める際にも、データ活用を提案する予定だ。JAXA衛星利用推進センター国際業務推進室の矢部志津・主任開発員は「衛星データは、標高図や航空写真が整備されていない途上国で需要が高まっている。今後も、公衆衛生分野での活用を提案したい」と話す。(毎日新聞より)------------------------------「だいち」の成果が思わぬところで利用される。クライアントはWHOで使用されるのは画像ではなく全球地形データ。記事のタイトルから「下水?」と思ったのだが、我々がイメージする下水でなく、下水道が整備されていないゆえ下水が地形に沿って流れる、という意味。確かに自然に流れるのであれば、下水網すなわち地形による水系ということになる。水質調査と地形を組み合わせることで感染元や感染経路を特定しようという試みは異分野における地理空間情報データ利用の可能性を示す事例になる。運用が終了してからもこうした利用例が出てくる(それも海外で)のは「だいち」のプロジェクトとしての評価を高めることになるだろう。今後はこうした事例をベースとして、異分野利用を呼びかけていくことも大事。
2015.01.05
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カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備構想をめぐり、横浜を候補地の一つとして政府が検討を始めた。全国の複数自治体がカジノ誘致に名乗りを上げる中、菅義偉官房長官は「首都圏で一つ(整備すべき)と思っている。横浜は有力な候補地だ」と言明した。安倍政権はIRを「成長戦略の目玉」に位置付けており、林文子横浜市長や地元経済界も誘致に意欲を示している。「羽田空港からのアクセスが容易で、岸壁を整備すれば大型クルーズ船の接岸も可能」。政府関係者は地元で浮上している横浜港の山下ふ頭(同市中区)にIR施設を整える構想について、こう評価する。京浜急行電鉄がIR運営の参入を検討していることも念頭に、コンソーシアム(共同組織体)からの提案内容に期待する意向を示した。IRの立地には首都圏のほかに、大阪や沖縄も候補とみられていた。だが2014年11月の沖縄県知事選で当選した翁長雄志知事が、同12月の県議会本会議で「導入は考えていない」と否定的な姿勢を示しており、沖縄は候補から外れる可能性が出ている。東京都の舛添要一知事も20年東京五輪の準備を優先させる構えで、東京でのカジノ構想には慎重な姿勢をとっている。カジノを推進する超党派の国会議員連盟は、カジノ解禁の最初の認定区域について「国内で2、3カ所程度」で限定的にし、影響などを検証しながら段階的に増やすなどとする基本的考え方を提示。14年6月に衆院で審議入りしたIR整備推進法案は衆院解散で廃案となったものの、15年の通常国会に再提出される見通し。法案が成立すれば、その後に立地や実施法の整備が検討される。地元では、林市長が「横浜のウオーターフロントの開発や経済成長の観点から選択肢の一つ」とIR誘致に意欲的で、経済界も「横浜は地理的条件も良く、場所もある」(佐々木謙二横浜商工会議所会頭)などと前向きな姿勢を示している。一方で、施設への入場規制のあり方やギャンブル依存症への対応などの課題も指摘されている。(カナロコより)------------------------------「羽田空港からのアクセスが容易で、岸壁を整備すれば大型クルーズ船の接岸も可能」という点では確かに横浜は条件を満たしている。カジノによる集客効果は現時点では未知数であり、横浜のようにホテルや繁華街等ある程度の施設が整った観光都市であることも重要。また、日本で「カジノ」のイメージが似合う街という意味でもおそらく横浜は上位だろう。「施設への入場規制のあり方やギャンブル依存症への対応」が課題として挙げられているが、「格式の高い遊技場」としての賭博場と考えれば、現行の競馬・競輪・ボート・オートといった公営ギャンブルやパチンコ等の遊技場などのようなオープンなものにはならない可能性が高い。少なくとも鉄火場のようなイメージにはならないのではないか(実際、現在の公営ギャンブルもそうしたイメージからは遠くなっている)。いずれにしても、海外の事例を参考に導入されたとしても、やはり日本流になっていくはずで、海外からの観光客の社交場としての「お・も・て・な・し」の一環となることは予想できる。もっとも、我々庶民にはカジノというもの自体が馴染みのあるものではない。その具体像を示してもらわないと誘致熱も盛り上がらないわけだが。
2015.01.04
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九州ほどの面積に、四つの公用語が存在するスイス。特にフランス語地域とドイツ語地域では、投票行動などの政治面や、文化面で大きな違いがあるとされる。こうした言語地域間の「溝」を世界無形文化遺産に登録しようという動きが今、一部の市民の間で起きている。フランス語地域とドイツ語地域では、国民投票時に投票行動の違いがみられることが多く、こうした言語地域間の違いはスイスでは「レシュティの溝」と呼ばれている。レシュティ(Rösti)とはジャガイモのガレットのこと。ドイツ語地域で食べられることが多く、逆にフランス語圏ではあまりみかけられないことがその名の由来とされる。「レシュティの溝は、多様性の中でも一つにまとまろうとする意志を象徴している。国の『息づく伝統リスト』に登録されるべきだ」。アールガウ州ブルックのヴィンドニッサ博物館の主張は今、スイスで波紋を呼んでいる。さらに、同館展示「レシュティの溝 スイスをつなぐもの」のオープニングでレネ・ヘンギ館長は、「レシュティの溝をヨーデル、フォンデュ、アルプホルンとともに、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録すべきだ」と述べ、近々署名集めを開始する予定だと話した。今回の展示はすでに2004年に、フランス語地域ローザンヌのローマ博物館で行われたものだが、「レシュティの溝は両言語地域間の古い友情を示している」(ヘンギ館長)という理由から、今年ドイツ語地域で開催することが決まった。ローマ博物館のローラン・フルッチュ館長は、「両言語地域間の違いをなくすことはできない。だが、人々の間でこうした多様性が容認されれば、(自分の言語地域以外からくるものを)受け入れやすくなるだろう」と話す。フルッチュ館長によれば、言語地域間の違いが生まれたのは7千年前にさかのぼる。ヨーロッパ全体でみると、スイスは地理的にドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏それぞれの言語圏の端に位置している。言語地域間の違いが顕著だったのが、14年の国民投票結果だ。しかし、言語地域がそこに暮らす人々の投票行動に影響を与えるとは考えにくいと、歴史学者のゲオルク・クライスさんは指摘する。「こうした政治的な溝は、ジャーナリストが作り上げたステレオタイプだ。しょせん、フランス語民族などいないのだ。人々の移動範囲が拡大しているこの時代に、居住地域がどれほど投票行動に影響するのかは疑問だ」クライスさんは、都市と地方との溝や、社会的な溝の方が、人々の投票行動に与える影響は大きいとみている。一方、政治学者レネ・クニューゼルさんは、「レシュティの溝は存在するが、それは社会が作り上げたものだ」と主張する。「地理的にみて、地域を分断するような物理的な障害はない。だが人々の態度や感受性に違いがみられる」フランス語地域とドイツ語地域の違いを示す例は枚挙にいとまがない。フィットネス回数や肝硬変患者の数が両地域で異なるという統計はあるし、フランス語地域では生活保護の受給件数や医者にかかる回数が多いともいわれる。そのため、フランス語地域の人がドイツ語地域の右派から「悪い市民」と揶揄されることもある。スイス人男性が美を競い合う大会「ミスター・スイス」で優勝するのは、きまってドイツ語地域の男性だ。「で、私たちは?」とフランス語地域の人々が悔し涙を流すのが恒例になっているのも事実だ。昨年の夏に行われた全国世論調査では、言語地域間のバリアを感じると答えた人は全体の4分の3。一方、レシュティの溝はないと答えた人は22%いた。特にドイツ語地域ではその割合が25%と多かったのに対し、フランス語地域では14%。レシュティの溝はフランス語地域だけの問題なのだろうか?フランス語地域はドイツ語地域に比べて人口が少ないため、国の行政機関トップに同地域出身者が就任する機会も、ドイツ語地域に比べて少ない。こうしたことに「彼らは不満を募らせている」と、フルッチュ館長は言う。また、ドイツ語地域に根強い保守主義のせいで、フランス語地域の発展が妨げられていると考える人も多く、被害者意識が高まる原因にもなっていると、クニューゼルさんは指摘する。ドイツ語圏の日刊紙NZZ紙・西スイス支局のクリストフ・ビュッヒさんは、「『フランス語地域は隣国フランスの影響が濃い。また彼らは、国の資源を(国民に平等に)配分することや、社会国家に理想を抱いている』との偏見がドイツ語地域にある。だが、フランス語地域に対して特に不満もなく、大して気に留とめてもいない」と語る。しかし実際、「フランス語地域側では、国がルールを定めなければ、ドイツ語地域に経済が集中し、フランス語地域が不利を被るとの不満が根強い」(ビュッヒさん)ため、ドイツ語地域の偏見はあながち間違っていないという。12年にドイツ語圏の週刊誌ヴェルトヴォッヘが掲載した記事はスキャンダルを巻き起こした。誌上でフランス語地域の人を「スイスのギリシャ人」と称したからだ。経済危機真っただ中だった当時のギリシャを引き合いに、同誌は彼らを怠惰でお気楽主義、社会保障のお荷物だと批判した。人類学者のイサベル・ラブー・シューレさんは、この件に社会は過剰に反応したと指摘する。「スイス人の大半は、親のどちらかが他の言語地域出身者。実際、この国を維持しているのは、非常に多様な市民たちだ。しかし、皆がすべての価値感を共有しているわけではないので、国をまとめることは難しい」言語地域間の問題を解決するのは簡単ではない。だが、テニスのロジャー・フェデラーさん(ドイツ語圏出身)とスタン・ワウリンカさん(フランス語圏出身)らスイス代表チームは今年、デビス杯で初優勝を果たし、スイス中が歓喜に沸いた。日刊紙レクスプレスはこう書いている。「テニスのスイス代表は異なる言語間に橋を架けた。政治的議論では成し遂げられなかったことだ」「『レシュティの溝』という言語地域間の違いの象徴が存在することで、互いの違いを認め合うことができる」とクニューゼルさん。スイスは国際的にみても、少数派に配慮を示している国だという。市民の行動範囲は固定されていないので、レシュティの溝が横たわる地域も状況によって変わってくる。だが、溝で地域が分かれるからこそ、各地域がそれぞれ自主性を保つことができると、クニューゼルさんは考える。「ドイツ語やフランス語がうまく話せなくても、こうしてスイスで暮らしていくことができるのだ」レシュティの溝レシュティの溝(独語Röstigraben、仏語barrière de rösti)は、ドイツ語地域(人口の65%)とフランス語地域(人口の23%)の違いを意味する。この溝が位置するのは、主にフリブール州を流れるザーネ川で区切られる地理的境界。レシュティの溝と並行して、「ポレンタ(トウモロコシの粉粥)の溝」というのもある。これはゴッタルド峠南のイタリア語地域(人口の8.3%)とその他の地域に横たわる文化的相違を指しているが、あまり一般的には使われていない。レシュティの溝が登場したのは、フランス語地域の兵士がフランス側の味方に、ドイツ語地域の兵士がドイツ側についた第1次大戦中だった。この言葉が用いられるのは、国民投票結果で地域間の差が出たときが多い。特に、スイスのEU加盟問題や移民問題、国の役割に関するテーマでは、各言語地域で投票行動の違いが見受けられる。スイスの欧州経済地域(EEA)加盟の是非を問う1992年の国民投票では、フランス語地域で加盟賛成が過半数を上回ったのに対し、ドイツ語地域では反対が多かった。結果は50.3%で否決となった。(出典:スイス歴史事典)(SWISSINFO.CHより)-------------------------------興味深い記事。多民族国家や多言語国家は世界的には珍しくない。欧州ではスイスの他ベルギーも同じようなケースとして知られている。しかし我々のように島国で暮らしているとなかなかこうした感覚を知る機会は少ない。文化や気質の違いが国家形成に与える影響はどの程度のものなのだろうか。こうしたケースを突き詰めていくと、そもそも国家とは何なのかという根本的な疑問にも行きあたる(スイスは連邦共和制)。それが地理の面白さでもあるのだが。スイスには4つの言語があるとかつて授業では習った。しかし実際のところ言語話者の割合ではドイツ語が60%強を占めて最多。フランス語は20%、イタリア語は6%、ロマンシュ語は1%にも満たない。記事で取り上げられているのもドイツ語とフランス語の間の話だ。記事では「レシュティの溝」は主としてフランス語圏での意識として強いとあるが、この元記事自体がドイツ語で書かれているものなのでそこは何ともいえない。一方でこの「溝」をスポーツが埋めている事例や、「多様性の中でも一つにまとまろうとする意志を象徴」と捉えることでユネスコの無形文化遺産への登録を目指すなど興味深い動きもあるが、それはいみじくも国家として「レシュティの溝」に悩まされていることを表してはいまいか。スイスは観光地としても魅力的な場所でもあり、日本人にも高い人気を誇るが、訪れた際にそんな国の一面を感じてみるのもまた旅の面白さかもしれない。
2015.01.03
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古河市は地図情報大手のゼンリンと「古河市洪水ハザードマップ」を制作する協定を結んだ。民間と共同でハザードマップを作るのは初めてという。市は6年前、利根川・渡良瀬川が氾濫(はんらん)した時に備えて、浸水想定地域を分類した洪水ハザードマップを作った。しかし、浸水エリアを見直したことから、改訂版が必要になった。そこでゼンリンが費用すべてを広告費でまかない、新たな洪水ハザードマップを制作することになった。地図に盛り込む防災の最新情報などは市が提供するという。(朝日新聞より)------------------------------市町村が発行するハザードマップを民間と共同でというのは新たな試み。ゼンリンでは様々な市町村と災害時の地図製品提供などの協定を結んでいるが、今回はこれに加えて「洪水ハザードマップ協働発行に関する協定」が加えられている。現在の洪水ハザードマップは平成21年3月に作成されてものだが、利根川・渡良瀬川の浸水エリアの見直しに伴い改訂される。市が行政情報の提供、監修および配布業務を行い、ゼンリンがすべての費用を広告収入で賄い、製作業務も行う。地図は平成27年3月完成予定で、4月には市内全戸に配布するという。従来は市の防災関連予算で作成するハザードマップだが、製作だけでなく(広告収入による)資金調達も含めてゼンリンに委託するというもの。ハザードマップに広告が入るというのは斬新だが、認知率が低くあまり見られていないことが課題となっているハザードマップに対して広告クライアントを獲得するという試みは挑戦的ともいえる。もっとも、広告が入ってくることで内容も必然的に改良されることになるだろうし、新たなハザードマップのプロトタイプとなっていく可能性もある。この試みが成功するようであれば、今後のハザードマップのあり方や位置づけも変わってくることになるかも知れないだけに注目したい。
2015.01.02
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2015年のスタートが切られました。皆さまあけましておめでとうございます。今年は阪神淡路大震災から20年の節目になります。昨年は豪雪に始まり、木曽の土石流や広島の土砂災害などの豪雨災害が重なった他、御嶽山噴火、長野県神城断層地震など災害が立て続けに起こった年でもありました。2011年に津波の脅威が人々の脳裏に刻まれたように、土石流や火山災害への関心が高まりつつあり、同時に自らの暮らす土地の性質と災害の関係もずいぶん論じられるようになりました。さらなる周知で減災を進めるには、災害情報の流通についての産学官の連携、とりわけ研究者と行政、マスコミによる研究成果の共有がこれまで以上に重要になるように感じます。また、Microsoft Windowsが発売30周年を迎える。今では私たちの暮らしに欠かせなくなったコンピュータ。地図もまた、コンピュータやインターネット抜きでは語れない時代になっており、時代のスピード感に翻弄されつつある今日この頃です。そして、今年は太平洋戦争終戦から70年。平和な日常というものを今一度噛みしめるタイミングでもあるかと思います。私たちの経済活動も平和の上に成り立っていることを忘れないようにしたいものです。今年も懲りずに駄文を重ねることになるかと思います。どうか見守って頂き、ご指導ご鞭撻を頂ければ幸いです。2015年が愛と希望にあふれた年でありますよう。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2015.01.01
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