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静岡大理学研究科・防災総合センターの北村晃寿教授が焼津市中里の平地で実施したボーリング調査の解析から、1854年に起きた安政東海地震と同じタイプの大地震の平均発生間隔を推定した。導き出した推定間隔は150年から230年程度で、歴史地震の解釈や古文書記録などと整合性が取れる内容。30日に京都大で開かれる日本古生物学会例会で発表する。北村教授は2014年11月に実施したボーリング調査で採取した堆積物を解析した。海の浅瀬に生息する貝化石を含む海成層の上限を確認したのは、現在の海面より約15・2メートル下。さらに、貝化石や植物などの放射性炭素年代測定で海成層の上限は約7千年前の地層だと分かった。国土地理院の測地データで、同市付近は年間約8ミリの速度で沈降を続けてきたことから、7千年分の沈降量は約56メートルと算出される。この沈降量と、ボーリング調査で確定した海成層上限の深さとの差約40・8メートルが隆起量と考えられる。同市付近には、安政東海地震で1・8メートル隆起したという古文書記録がある。一方、同じタイプと考えられる明応地震(1498年)と宝永地震(1707年)では隆起を示す古文書は見つかっていない。北村教授は「明応と宝永の隆起がいずれも1メートル未満なら、記録がなくてもおかしくない」とみる。仮に隆起量を1・0~1・8メートルの4段階に設定して計算すると、平均発生間隔は150~320年。北村教授はさらに「隆起量を3地震合わせて約3メートル」とみることにより、1回あたりの平均隆起量を1・0~1・3メートルに狭める。発生間隔は150~230年程度に限定され、歴史地震の解釈により近づく結果となる。北村教授は「地震間隔を推定する新たな方法を確立する手応えをつかんだ。追加調査で精度を上げ、歴史地震研究の進展につなげたい」と意欲を示す。(アットエスより)------------------------------現在の測地データによる年間の沈降量から7千年分の沈降量を推定して、海成層の上限の深さから今度は隆起量を推定するという方法。結果として古文書と整合するということだが、地震による隆起を推定するのはなかなか難しいところ。東北地方太平洋沖地震の例をとっても、隆起や沈降など、地震後も含めてかなり複雑な動きをしているのを見ると、単純に隆起だけ考えていいのか、という素朴な疑問もある。このあたりは他の専門家がどういう評価をするのかを聴いてみたいところだが、発表は日本古生物学会でとのこと。
2016.01.31
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信州大などの学術調査団は28日、長野県大町市の北アルプス・鹿島槍ヶ岳(2889メートル)にある「カクネ里雪渓」が氷河である可能性が高いとの調査結果を発表した。昨年9月に本格調査に入り、巨大な氷の塊である「氷体」が、重力によって継続的に動いているのが確認できたという。国内では富山県内の3か所で氷河の存在が確認されているが、今後まとめる論文が学会で認められれば、長野県内では初となる。カクネ里雪渓は、長さ約700メートル、最大幅約400メートル、厚さ約40メートル以上の氷体。鹿島槍ヶ岳の北東側斜面、標高1800~2200メートルに位置する。氷河と認められるには、氷体が自重で継続的に山を下っていることを裏付ける必要がある。調査団は昨年9~10月、ポール5本を氷体に打ち込み、全地球測位システム(GPS)で、ポールが移動しているかどうか測定した。その結果、昨年9月24日から10月18日までの間に、中流部に設置したポールが15~17センチ、上流部と下流部では12~13センチ、動いたことが確認された。大町市役所で記者会見した調査団団長の小坂共栄ともよし・信州大山岳科学研究所特任教授は「確実に氷体が移動していることが認められた」と話した。調査団は3月の日本地理学会で調査結果を発表後、日本雪氷学会に論文を提出し、受理されれば正式に氷河と認定される。国内では、いずれも富山県の立山連峰にある剱岳(2999メートル)2か所と雄山おやま(3003メートル)の計3か所の雪渓が氷河と認定されている。(読売新聞より)------------------------------カクネ里雪渓は位置的にはここだろうか。詳細は地理学会での発表を見てみないと何ともいえないが、実際に移動が確認されていることを考えれば認定される可能性は高いだろう。国内では立山連峰に次ぐ4例目となり、比較的最近まで教頭における氷河の南限はカムチャッカ半島とされていたことを考えれば画期的なことだが、これも衛星測位により移動体の観測方法が確立されたことが大きいだろうか。こうなると同様の手法で他の雪渓でも氷河の調査ができないかという期待も高まるところ。氷河地形そのものは中部山岳以外では北海道の日高山脈等で見られるが、現存する氷河の発見が低緯度の北アルプスに集中しているのは、標高もさることながら、世界的に見ても雪が多い日本海側の気候が影響しているからとされている。そういう意味では今後も新たな発見があるとすれば北海道よりはやはり北アルプスということになるのかも知れない。
2016.01.30
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修学旅行で(沖縄県に)来県した静岡県立裾野高校の2年生27人が27日、本紙(沖縄タイムス)の記事をデジタル地図上に落とし込んだアプリを使って、那覇市の国際通りとその周辺を歩いた。生徒たちは、タブレット端末で現在地の地図と、その場所に関する記事や写真を確認しながら街歩き。景観の変化や歴史を楽しみながら沖縄のことを学んだ。生徒たちは、情報処理の授業の一環で、アプリを製作してきた。現在の地図とともに、1919年、48年、75年当時など数種類の地図や記事が取り込まれており、沖縄戦前後や本土復帰後の市街地の変遷を知ることができる。例えば、旧沖縄山形屋(現ホテルJALシティ那覇)前で地図をタップすると、同店閉店の記事(99年)が出てくる。現在の様子を撮影して載せることもできる。アプリを活用した那覇巡りは昨年に続き2度目。生徒たちは、沖縄タイムスの記者らから説明を受けながら、タブレットと実際の街並みを見比べていた。鳥居大輔さん(17)は「数年後にはまた街が変わっているかもしれない」と、各地を撮影。「動画も作ると、面白そう」とアイデアを膨らませていた。横山菜々さん(17)は「年代を経るうちに観光客向けの道になっていった様子が分かった。平和通りは日用品の店が多くて、今も地元の人に親しまれているようでよかった」と話した。 (沖縄タイムスより)------------------------------記事は沖縄での修学旅行の事例だが、記事を地図上に表示するアプリは用途も広く、それなりの需要が見込める分野ではないかと思う。これまでも地図上にニュースを表示するようなサイトはあったが、アプリという形で使えれば便利。地図をプラットフォームに場所というキーでニュースを読むというアプローチでニュースを配信するようなサービスイメージ。ジャンルによってはニュースとその背景にある地勢や地域性を関連付けて考えることでより深い理解につながるケースもありそう。ポイントはデータベースの検索性やジャンル等のフィルタリング機能、表示させるニュースをいつまで遡るのかというあたりだろうか。もちろん、ニュースによってはピンポイントな場所を示すことができないものもあるだろうし、自動マッチングでおかしな場所に表示されるようなこともあるかも知れないが。面白いと思うんだけどな。
2016.01.29
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鬼怒川決壊などの大規模水害で常総市民らが多数逃げ遅れて自宅に取り残されたことを受け、水害ハザードマップの在り方を検討する国土交通省の有識者委員会第2回会合が26日、同省で開かれ、各市町村が起こり得る水害の特徴を分析して反映させるなど、マップ作成手引のたたき台を示した。3月上旬にも手引の素案を決定する。同省によると、マップは、地域住民が水害リスクを学べる詳細な情報を盛り込んだ通常版と、家屋倒壊危険区域や避難場所など避難する際の最低限の情報が分かる緊急時版の二つを想定している。マップ作成時は、国や県が作成した浸水想定区域図に加え、各市町村が地域の水害の特徴に合った被害規模の分析などを求めている。その中で、市町村を越えた広域避難の可能性も検討する必要性を強調した。スマートフォンやインターネットでもマップを閲覧できるようにするなど、住民への幅広い周知徹底も盛り込む。同省は、二つのマップにそれぞれ盛り込む情報や、浸水範囲の示し方などについて委員間で意見が分かれたことから再度検討する。委員長の片田敏孝群馬大大学院教授は、マップ作成には国や都道府県の支援が重要とした上で「常総の水害をきっかけに今こそ災害に備える時ということを広く訴える必要がある」と話した。(茨城新聞より)------------------------------委員会の資料等はこちらで公開しているので興味ある方はご一読を。マップを通常版と緊急版に分けることや市町村に寄る分析が新たな動きになるだろうか。スマートフォンでの提供は既に広がりつつある(とはいってもまだまだ少ないが)。中でも市町村が地域性を加味することは大きな意義があるように思う。これまでは県から浸水想定が来てそれをそのまま地図業者へ回すような形だったので、市町村の関与する度合は高まることになる。これは住民にしてみればより身近な、生活に密着した情報に立脚したマップになるだろうし、職員にしてみても作ることに関与することで発災時にマップの内容を念頭に置いた対応が可能になる(昨年の常総市のケースでは残念ながらそこができていなかったので)。作成にあたり市町村の関与が増える分、大なり小なり職員の負荷が増えることも考えられることから、市町村のリソース的にどうなのか、という問題はある。しかし、その分発災時の負荷が軽減できることが期待できることや、そもそも地域防災計画との関連を考えれば、防災・危機管理担当者がマップに関わるのはむしろ自然なことだと思う。「二つのマップにそれぞれ盛り込む情報や、浸水範囲の示し方などについて委員間で意見が分かれた」とのことだが、またしても委員会に地図学の人が入っていないのが何とも片手落ちの感が。というのも、アウトプットは主題を伝える非常に重要な部分であり、これまでのハザードマップが「伝わらない」という課題を抱えていたことは明らかなのだから。もちろん、片田委員長をはじめ、山崎さんや関谷さん、田村さん(危機管理が専門だがGISにも長けている)など豪華メンバーではあるのだけれど。ここのところ地図づくりというものがどんどん軽い扱いになってきていることを危惧している。
2016.01.28
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九州・山口を襲った記録的な寒波の影響は26日も続き、水道管凍結などによる断水や給水制限があった。朝日新聞の同日夕までのまとめでは、影響は九州・山口の全8県で26万世帯以上に及び、各県からの災害派遣要請を受けて自衛隊も給水支援などにあたった。福岡県大牟田市では、各地で水道管が凍結、破損して漏水が相次ぎ、配水池の水位が急激に低下して給水に不安が生じたため、26日午前0時から市全域約5万5千世帯への給水をストップ。これを含め、同県では18市町で12万世帯以上が断水した(午後6時時点)。このほか、長崎市や諫早市など長崎県内の14市町で約5万6千世帯が断水し、鹿児島県(約1万8千世帯)や佐賀県(約1万6千世帯)でも被害が目立った。影響は、教育や医療の現場にもおよび、福岡県教育委員会によると、水道管の凍結や破裂で水道やトイレが使えなくなるなどして市町立の小学155校、中学70校が休校。県内の私立高校では専願入試の日程と重なり、大牟田市の私立高校は仮設トイレを設置するなどして対応した。陸上自衛隊西部方面総監部によると、九州では熊本を除く6県から災害派遣要請があり、計15カ所にトレーラーを派遣して住民への給水支援をした。病院などにも給水を行った。交通の乱れは回復が進んだが、西日本高速道路によると、九州北部を中心に一部で雪が残っており、長崎自動車道や大分自動車道などの一部区間で通行止めが続いている。福岡管区気象台によると、冬型の気圧配置は解消され、27日には晴れ間ものぞく見込みで、日中の最高気温も週末にかけて平年より高くなるという。(朝日新聞より)------------------------------寒波による思わぬ影響。水道の凍結→破裂が災害の一つの形として現れた。26万世帯も断水に見舞われるとはさすがに予想できなかっただろう。水道の凍結は朝の冷え込みで-4℃以下が一つの目安なのだという。都内多摩東部にある我が家でも、過去に水道の凍結は経験している(その時は湯沸かしの方の水道がやられた)。凍結しても日中に気温が上がれば解消するが、厄介なのは水道管の破裂だ(水が凍結の際に膨張することで破裂が発生する)。破裂してしまえば業者に修理を頼むしかないが、一度に多くの破裂が発生る得場修理にはかなり時間がかかるし、今回のように状況によって給水を停止することもあり得る。寒冷地などでは冬季に水道が凍結することは自然なことであるから、さまざまな対策がされている。水道管の保温や凍結防止の水抜き、そしてよく見るのは水道を止めずに、わずかに水を出しっぱなしにしておく方法だ。しかし今回のように日頃凍結とは無縁の地域ではこうした準備はなされていないだろう。今回のようなケースを教訓として、低温が予想される際には凍結防止の呼びかけをするなど、周知をすることも必要になるのではないだろうか。
2016.01.27
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25日、メリリャ自治都市とモロッコ北部の都市アルホセイマでマグニチュード6.3の地震が発生した。europa pressによると、人的被害はないとのことだが、建物の被害があり、学校が休校になるなどの影響が出ているようだ。スペインでもアンダルシア地方を中心に揺れが観測され、問合せが相次いだという。地震多発国である日本から見ると、ヨーロッパは地震災害が少ないような印象を持つ人は多いだろう。実際、イギリスやフランスから来日している人が(日本人の基準で考えれば)さほど大きくないような地震でも驚いたり怖がったりしている例は時折目にする。しかしヨーロッパ全体として地震が少ないかといえば必ずしもそうではない。特に南欧ではこれまでかなりの頻度で地震災害が発生している。直近では2009年にイタリアで発生したラクイラ地震が知られている。この地震は群発地震であり、中でも4月6日に発生したM5.8(Mw6.3)の地震により308人の死者を出した被害そのものはもとより、地震の危険度を判定する国の委員会が地震発生前の3月31日に、大地震の兆候がないと発表したことで被害が拡大につながったとして裁判になり、一審では委員会メンバー7人(行政官2人、学者5人)に実刑判決が出たことでも記憶に新しい。イタリアやギリシャなど地中海近辺で地震が多いのは、ユーラシアプレートとアフリカプレートの境界部分にあたり断層が多いという点で日本と類似しているが、専門家によると地質構造が日本以上に複雑で、単純なプレートの沈み込みなどでは説明できないのだという。スペインやポルトガルも同様に頻繁に地震が発生している国だが、スペイン国土地理院(IGN)のデータをもとに、スペイン領土及びイベリア半島で発生した地震をプロットした地図が公開されている。これによると1373年から公式に観測された地震は10万件以上を数えるという。この地域を襲った地震災害の中で最も有名なのは1755年のリスボン大震災だ。ポルトガル沖の太平洋で発生したこの地震はMw8.5程度と推定される大きなもので、津波による死者1万人を含め6万2000人が犠牲になったとされる(理科年表)。なお、リスボンを襲った津波の波高は、6~15mと推定されている。(東日本大震災の際に、ヨーロッパではこのリスボン大震災が引き合いに出されることが多かったらしい)大陸貿易で隆盛を極めていたポルトガルがこの地震を機に衰退したとする見方があることや、当時のヨーロッパの思想家に大きな衝撃を与えたことで、その後の社会の宗教感や哲学へ決定的な影響をもたらした点で、歴史的にも大きな意味を持つ。また、ドイツの哲学者イマヌエル・カントがこの地震をきっかけに、地震を自然現象として捉えてメカニズムの解明を試みるなど地理学に傾倒していった点でも大きなエポックであり、地震学の黎明としての意味も大きい。なお、リスボン地震は1531年にも3万人の死者を出したものがあり、繰り返し発生していることも分かっている。このようにヨーロッパでは決して地震がないわけではない。もちろん、ヨーロッパ全体としてみれば頻度が高いとはいえないかもしれないが、少なくとも南欧においては「地震が少ない」というのはあまりあてはまらない説と認識しておいた方がいい。
2016.01.26
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石川県輪島市が、昨年放映された連続テレビ小説「まれ」のロケ地マップを作り、物語ゆかりのスポットや観光名所を巡るコースをPRしている。A3判で5000部を作成し、JR金沢駅や県内の道の駅、首都圏などで配布する。マップには、ヒロイン津村希まれが住んでいた桶作家がある「大沢町」、夢を語り合う「外浦村のやぐら」、オープニングシーンに登場する「琴ヶ浜海岸」、希の家族が再出発を誓う「希の丘」など22か所を写真付きで掲載。朝市や塩田、輪島キリコ会館なども含め、1時間半~3時間で散策するモデル4コースを提案している。通学場面に使われた「いろは橋」近くの休憩施設では、5月からロケセットの美容室「サロン・はる」も展示予定で、マップで紹介している。「まれ」の撮影地となった輪島は、ドラマや映画などのロケ地を紹介する雑誌「ロケーションジャパン2月号」(東京都港区、部数3万5000部)の「第6回ロケーションジャパン大賞」で、ドラマ「下町ロケット」など24作品の中から「日本一」に選ばれた。市を訪れた2015年の観光客数は、北陸新幹線延伸開業効果もあって、前年よりも3割ほど多い142万人だったといい、市観光課は「旅先選びに大きな効果がある『ロケ地日本一』をキーワードに、さらなる誘客につなげたい」と意気込む。市は4月にも東京・品川駅などで、ロケ地マップと記念タオルなどの2000セットを配布するという。(読売新聞より)------------------------------映画や人気ドラマの舞台になることが地域おこしの切り札の一つであることは間違いないだろう。ただ、どこまで狙ってできるのか、と考えると、いかんせん他力本願な部分も多い。まず作品がヒットすることが前提。さらにはロケ地が効果的に使われることで視聴者にそれなりの印象を残すことも必要。映画でいえばかつて話題になった大林宣彦監督の「尾道三部作」(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)などがいい例で、尾道の名前を高め、多くの観光客を呼ぶ効果をもたらした。テレビではNHKの朝ドラは多くの人が見ている点で有利だろう。ただし、現在放送中の『あさが来た』のように時代ものになるとストレートには反映しにくい。そういう意味では近年のロケ物では『あまちゃん』と『まれ』が双璧だろう。『あまちゃん』は震災に遭った北三陸に光を当て、『まれ』は北陸新幹線の開業に合わせる形で能登の美しさを全国に紹介した。実際、これらの土地を訪れるとロケ地は観光の対象となっているし、記事にあるようなマップが作られたりもしており、それなりの経済効果は出ているだろう。もう一つの注目すべき形が、アニメの舞台として「聖地」と呼ばれる地域振興例だ。首都圏近郊では『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(通称『あの花』)で一躍有名になった秩父市が典型例だろう。アニメのヒット以降、秩父の街を「聖地巡礼」に訪れる若い人が増えたことは地元でも大きな驚きだったようだが、今では聖地らしくお土産なども関連商品が多くなっている。少し変わった例では、テレビアニメから劇場版へと飛び火した『ガールズ&パンツァー』(通称『ガルパン』)の聖地となった大洗がある。普通は聖地巡礼といえば若者が多かったが、「ガルパンおじさん」と呼ばれる層が大洗を訪れるようになったのだ。もちろん全国的に見れば成功例ばかりではないし、ここに記したような成功例であっても、これが継続できるのかといえばなかなか難しい。こうして「ロケ地」や「聖地」として人が訪れるきっかけがある時にどれだけ地域の魅力を見せられるのか、あるいは次の手を打てるのか、といったことは重要になってくる。個人的には、狙いすぎず、さりげないロケ地であることに魅力を感じるのだが。
2016.01.25
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国土交通省北海道開発局は22日、十勝岳(2077メートル)の積雪期の噴火を想定した合同図上訓練を、旭川市の旭川合同庁舎で行った。2回目となる今回は、国、道警、美瑛、上富良野両町などに加え、新たに陸上自衛隊も参加し、11機関の計66人が、避難誘導の課題などを話し合った。十勝岳は、1926年5月の噴火で、熱で解けた雪が火山灰とともに下流に押し寄せる泥流災害が発生、死者・行方不明者は144人に上った。訓練はこの経験を参考に、噴火警戒レベルが最高の「5」(避難)まで段階的に引き上げられる状況を想定した。参加者は4班に分かれ、はじめに、机上に十勝岳周辺の地図を置いて泥流が及ぶ想定範囲をペンで記入。さらに、レベルが引き上げられた際に所属機関が取る行動と、想定される課題点を、紙に書き出しながら話し合った。(読売新聞より)------------------------------積雪期の噴火ということで、いわゆる複合災害への対応のための図上訓練。図上訓練は地図を用いて様々なケースを想定して課題を洗い出そうというもので、特にこうした複合災害の場合は単一のハザードマップでは想定しきれないため、図上訓練による課題抽出は重要なプロセスといえる。十勝岳では過去にも同様の例があることから、図上訓練の実施はマストでもある。1926年と現在ではさまざまな事情が変わっていることから、当時はなかったような課題も出てくるはず。こうした検討はもちろんのことだが、過去にあったような泥流災害のイメージを(図上訓練のプロセスや結果と併せて)住民に認識してもらうことも重要だろう。また、同様なリスクを抱える地域は全国に複数あるはずで、検討内容は関係機関や住民ばかりでなく、他の地域とも共有できればなおいい。まずは訓練の具体的なプロセスや検討された内容や使用された地図などが公開されることが第一歩になるだろうか。
2016.01.24
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道の駅の可能性や課題を考える「いばらき『道の駅』シンポジウム」(茨城新聞社主催、国土交通省関東地方整備局、県後援)が21日、水戸市千波町の県民文化センターで開かれた。聴衆430人が参加する中、大久保太一常陸太田市長らがパネリストを務め、地域おこし面の役割について意見交換。地域をアピールする力の大切さをかみしめた。シンポジウムでは、愛媛県内子町の道の駅で直売所を運営する野田文子さんが「農家が元気にする道の駅」と題して講演。年間70万人以上が訪れるほどで、「内子町産だけを売るようにルールを定めた」と、地元産への特化を成功の要因として挙げた。また、県立農業大学校の学生が道の駅での就業体験を報告した。パネルディスカッションでは、常陸河川国道事務所や県土木部の代表者が全国で1079カ所に達した道の駅の現状や、観光や農業振興の起爆剤として期待されている現況を説明した。「道の駅旅案内全国地図」の守屋之克編集長は、課題のある道の駅には(1)見るべきものがない(2)どこかで見たような土産ばかり扱う(3)周辺観光情報が得られない傾向が強いと注意を促し、観光地理学が専門の小原規宏茨城大准教授は「道の駅の成功には、そこに行けば地域の良さがあるという安心感、『オール常陸太田』の実現が必要」と指摘した。7月に道の駅「ひたちおおた」がオープンする常陸太田市の大久保市長は「常陸太田のファンを増やしたい。地域経済を好循環させ、交流人口と定住人口増につなげたい」と意欲を見せた。(茨城新聞より)------------------------------仕事柄色々な道の駅に寄る機会は多いのだけど(というか道中にあれば意識的に寄るようにしている)、そのレベルは本当に色々だ。とても道の駅とはいえないような粗末なところもあったし、逆に何度でも訪れたいような立派なところもある。当たり外れが大きいとでもいえばいいのかな。道の駅が増えるのはドライバーにとってありがたいことだが、存在意義が曖昧になっているようなケースもある。多くの場合は地域おこしみたいな動機で道の駅を設置するのだろうけど、その部分では空回りしているケースも多い。個人的には必ずしも観光的要素がなくてもいいと思っている。どこもここも一級の観光地なんてあり得ないし、適度な感覚で休憩ができるならそれでいいという面もある。ただし、地域のことを知るための情報はマストとしてあって欲しい。自然環境や産業など、その地域の人がどんな暮らしをしているのかが分かればその道の駅の存在意義になる。そもそも道の駅は必ずしも観光目的である必要はない。例えば地域の買い物や交流の場になっているようなケースもあるけど、それは一つのあり方だと思う。そういう意味では多様性は認めていい。また、最近は道の駅を防災ステーション的な位置づけにする動きもある。これも一つのアイディアだと思う。その地域として道の駅に何を求めるのかは、もっと地域の中で話し合われてもいいのではないか。そういう中から、地域としての発信であったり、地域で暮らす人たちが訪れやすい場所としての役割も含めて、広がっていけばいい。
2016.01.23
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長野県は、北アルプスや八ケ岳など主要な高山の踏破に必要な技術や体力を細かいルート別に格付けした「ピッチマップ」をまとめた。市町村や山岳関係者が発行する地図に難易度を示してもらい、登山者が自分の力量に応じてルートを選べるようにした。県が全国に先駆けて二〇一四年から運用する山の難易度表「信州山のグレーディング」では、登山口から山頂の全体を通した行程の難易度を示していた。途中までは初心者が通れるルートがあっても、難易度が高く表示されることもあり、実用に課題があった。ピッチマップでは南北アルプスや八ケ岳などの百二ルートを計四百二十九区間に細分化し、初心者向けのAから上級者向けのEに分類した。区間ごとの難易度を、登山客により分かりやすく知らせることができる。県がグレーディングを充実させる理由は、登山ブームで初心者が力量に見合わない山に挑戦するケースが後を絶たないからだ。県内の山岳遭難件数は一三年に過去最高の三百件を記録し、高止まりの状態が続く。県の担当者は「昔は、等高線からルートの難しさを想定できる熟練者ばかりだった。今は初心者を山に受け入れる態勢が必要になっている」と話す。今回の四百二十九区間のうち、八割を占めるAとBは初心者や初級者でも登れる区間。中級者向けのCや上級者のDになると、はしごや鎖場、不安定な岩が目立つ「ガレ場」などの難所が待ち構え、身体能力や地図を読む力が必要だ。最高難度のEに設定したのは北アルプスの槍ケ岳から奥穂高岳を縦走する間にある三区間。中でも、V字に切れ込んだ岩の尾根を渡る「大キレット」は極めて危険度が高い。体力やバランス感覚のほか、安全な経路を見つける熟練の判断力なども必要とされる。県は今後、山を抱える市町村や山岳関係者にピッチマップの活用を呼び掛ける。県の担当者は「登山は自己責任。遭難や事故を防ぐため、実力に合ったルート選びの参考にしてほしい」と話した。(中日新聞より)------------------------------山全体をグレーディングするのとは別に、行程を細分化して難易度を示したもの。なるほど、これなら全体として難易度が高い山でで「ここまでなら」という選択ができる。ルートの難易度を示すことはもちろん大事だが、登山者側が自分の体力や技量を適切に認識しているのかという問題もある。登山者による適不適の目安になるチェックシートのようなものがあるとなおいいのかも知れない。(もちろん単独の場合とベテラン同行者がいる場合でも異なるだろう)また、せっかくこうしたピッチマップを作ったのであれば、例えば民間の登山ガイドや登山地図とも共有できないだろうか。作った以上は周知されなければ意味がないし、指標として利用されて、そこからフィードバックがあって更新されていくようなサイクルができればなおいい。ヤマレコのようなSNSを巻き込むのも効果的だろう。かつては紙地図を持って山に入るのが当たり前だったが、今では位置情報を利用したアプリを使用する人も多い。こうしたアプリにも情報が提供されて、位置情報と難易度が連携するようなことも必要では。例えば季節や天候等などがリアルタイムで反映されるような仕組みがあれば多くに人に使われるように思うのだが。
2016.01.22
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2015年に国内の港湾にクルーズ船が寄港した回数で、12年連続でトップの座を維持してきた横浜港が3位に転落したことが、19日に国土交通省が公表した速報値で分かった。中国人旅行客の急増でにぎわう博多港(福岡県)と長崎港(長崎県)に抜かれた。地理的に有利な九州地方の港への寄港回数は16年も増加が予想され、横浜港はさらに差を広げられそうだ。速報値によると、クルーズ船の15年の横浜港への寄港回数は、14年より21回少ない125回。これに対し、博多港は144回増えて259回、長崎港は56回増の131回を記録した。福岡市クルーズ課によると、259回の寄港のうち、9割を超す236回が上海や天津など中国発着の船だった。同課は「中国国内での日本への関心の高まりや円安などの影響で、クルーズの需要が急伸している」とし、16年の寄港回数は約400回と予想する。長崎県港湾課も今年は約190回の寄港を見込んでいる。一方、横浜市の客船誘致等担当課長は「九州と横浜との地理的な条件が大きく異なる」と話す。江成課長によると、中国では1週間以上の休暇の取得が少なく、4~5泊のクルーズ旅行が人気だという。上海港から博多港まで1日半で到着するのに対し、横浜港までは3日ほどかかり、「足を延ばしてもらうのは難しい」と説明する。ただ、横浜港にも課題がある。同港の大さん橋国際客船ターミナルでは観光シーズンの4~10月、停泊の予約がいっぱいで断るケースもあるという。このため、横浜市では大黒ふ頭や新港ふ頭でも大型客船が寄港できるよう改修工事を進めており、18年度の供用開始を目指す。横浜市の客船誘致等担当課長は「世界各地を周遊する大型客船を積極的に誘致できるよう、着実に改修を進めたい。また、中国でさらにクルーズ旅行が普及すれば、『九州以外の港にも行ってみたい』との要望が出る可能性もある」と話している。(読売新聞より)------------------------------地図上で上海との位置関係を見ると、確かに福岡・長崎が優位なのはよく分かる。思えば遣隋使・遣唐使の頃から九州が大陸との玄関口だったわけで、原点に戻りつつあるというべきか。逆にいえば横浜の開港は黒船以降大挙日本にやってきた西洋に向けられたものと考えることができる。記事では中国の休暇事情にも触れているが、確かに短い休みでは横浜はいかにも遠い。でも個人的には関門海峡を抜けて神戸や大阪に向かってもいいのになとも。風光明媚な瀬戸内海こそクルーズにピッタリだと思うのだが。
2016.01.21
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道路が雪に覆われると、標識や道路標示が見えなくなってしまう。この問題に、自律走行車はどのように対処するのだろうか。フォードの手法を紹介。現在開発されている自律走行車は、さまざまなセンサーを使って周囲の世界を読み取っている。ほかの自動車や歩行者、障害物などを見つける仕事は、もっぱらレーダーとLIDAR(ライダー;光を用いたリモートセンシング技術)が行い、標識や道路標示は普通、カメラで読み取る。そのため、冬になると問題が生じる。標識や道路標示は、雪に覆われると見えないからだ。雪で覆われている道路を走行するとき、人間は通常、縁石やほかのクルマなどの目に見える目印に基づいて、最も妥当と思われる推測をする。フォードは、これと似たことをするよう、自律走行車に教えているのだという。フォードは、自律走行車が走行する道路の詳細な地図を開発している。この地図には、縁石の正確な位置、車線、木々、標識のほか、制限速度を始めとする規則など、詳細な情報が含まれている。クルマは、周囲のことを理解していればいるほど、人間や他の車両といった一時的な障害物のリアルタイムな検知に、センサーと計算能力を集中させることができる。そして、この地図を使うことで、クルマはいかなる時も、1cmの精度で現在地を割り出すことができる。例えば、クルマから車線は見えないが、近くの一時停止の標識は見えて、その標識が地図にあるとしよう。その場合はLIDARスキャナーが、標識からの正確な距離をクルマに教える。そうすれば、車線からどれくらい離れているのかはすぐにわかる。フォードの自律走行開発の責任者を務めるジム・マクブライドは、「われわれの自律走行車は、雪の中でも完璧に走行することができる」と語る。「地表面で見えるものをすべて、われわれの地図と突き合わせる。その地図には、全車線の位置や、道路の全規則に関する情報が入っている」と説明する。フォードは2015年12月に、実際の降雪の中で、この機能をテストしたという。場所は、自動走行車の試験のためにミシガン州に建設された人工の街「Mシティ」だ。(WIRED.jpより)------------------------------当ブログでもたびたび紹介している自動運転支援用の高精度地図はまさにこのためにあるのだが、そのあたりを分かりやすく説明してくれている記事。センサーにできること、地図にできることそれぞれに役割分担がある。もちろん、その前提としての高精度測位もある。自動運転を公道で実現するにはこれらの要素のひとつも欠かせないだろう。もちろんセンサーは自動運転の肝の部分でもあり、非常に重要だ。車間をとって車を制御するのも、いざという時事故を回避するのもセンサーの力があればこそである。例えば、カーブを曲がったすぐ先に交差点があるとして、人が運転していれば標識等から交差点の存在を認識して十分に減速してカーブに入る。もしセンサーだけであれば、カーブを曲がってからセンシングしていたら停止が間に合わないケースも出てくる。地図データで車が事前にカーブや交差点の存在を与えておけば、センサーとの組み合わせで安全に停止することができる。画像センサーで標識や道路のペイント等を認識するにも、記事のような雪ばかりでなく、例えば夜であったり、雨であったりで見えにくいということは誰しも経験があるだろう。こうした情報もデータベース化されていれば、事前に情報を与えることでセンサーを補助して、より安全な走行に貢献することができる。高精度地図はこうした役割を果たすことで自動運転には不可欠のツールとして注目されている。その一方で運用の難しさも指摘されている。一つは精度の問題。自動運転支援にはレーン単位の詳細な情報が必要になるし、高い位置精度も求められる。そして何よりも、地図が常に最新の状態にないと安全は担保できない。ではリアルタイムの地図更新をどのように実現するのか。これは地図づくりの長きにわたる課題でもあるのだが。一般的には道路管理者から事前に図面を入手して地図化するということをするのだが、どうしても図面が網羅的には集まらない。市町村による(あるいは担当者による)温度差が大きく、一律な入手ができない。また、細かい線形改良や拡幅のような情報が漏れる、といったようなケースもある。そもそも現状の業務においては、道路管理者にとって地図作成者へ資料を提供すること自体がオプション的業務であり、インセンティブもない。技術的には点群データをリアルタイムで自動作成する技術や、(準天頂衛星が4機体制になる2018年を見こして)高精度測位によるプローブデータをリアルタイムで地図に反映する方法でビッグデータ的に変更箇所を更新していくといった技術も出てきてはいる。しかしそれでもたまたまプローブがとれない道路もあるだろうし、属性データは別途入力する必要があるなど、それだけで更新ができるわけではない。それでも、地図は必要だということは間違いない。
2016.01.20
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東日本大震災の津波で大槌町の民宿屋上に乗り上げた観光船「はまゆり」の復元計画に黄信号がともっている。寄付金を募って復元する予定だったが、必要額の4億5千万円に対し、昨年12月末時点で寄付は約355万円止まり。町の復興事業見直しでは「縮小」と判定され、実現が危ぶまれている。はまゆりは、隣の釜石市が所有していた全長約28メートル、排水量109トンの観光船。大槌町で検査中に津波に巻き込まれ、海岸線から約150メートル内陸まで流された。水が引いた後、巨大な船体が高さ約10メートルの屋根の上に取り残された光景は津波の猛威を示す象徴となった。倒壊の危険があるため2011年5月に船を解体したが、「震災の風化を防ぎたい」との住民の要望を受け、町は設計図を基に、新たな建材を使って元の場所に原寸大で再現することを決定。財源として寄付金を充てると条例で定めた。ところが周知不足もあり、集まったのは必要額の1%にも満たない。同時期に寄付の受け付けを始めた、死者を悼む「鎮魂の森」整備事業が2億3千万円近く集めたのとは対照的で、町総合政策課の担当者は「復興事業が忙しく、PR活動に手が回らなかった」とうつむく。(岩手日報より)------------------------------東日本大震災の発生からまもなく5年。「風化」と言葉にしてしまえばそれで終わってしまうが、空気が少しずつ変わっていく過程を今目の当たりにしているのだろう。発災直後にはさまざまなマスコミに取り上げられ、津波被害の象徴的光景だった「はまゆり」。当時は遺構として残すべきという論調が多数を占めていたように思う。危険なので解体は免れない、ということが分かると復元という声が出たのも自然なことだった。しかしいかんせん時間がかかり過ぎた。多くの人がはまゆりのことを忘れ、こうして久しぶりに記事を見て「ああそういえば」というのが偽らざる心境だろう。つまりはそれが風化ということだ。もちろん、あの段階で早急に復元というのも無理な話だった。多くの震災遺構がそうであるように、その光景を見るたびに辛い思いをする人もたくさんいる。また、生活や地域経済の再建を最優先しなければならない時季に、震災以降の復元にリソースはかけられないという事情もある。寄付金も集まっていない。周知が足りていないというのは確かにそうだが、それ以上に全国的な関心が薄れてしまっている現実は否定できない。その一方で「鎮魂の森」に寄付金が集まったのは、地元の賛同が得やすかった(つまりは需要があった)ということなのだと思う。大槌町では旧役場庁舎も遺構として保存する案があったが、解体派の町長が選挙で勝利したことで実現は難しくなっている。震災遺構保存の空気は薄れつつあるのは被災地全体の傾向でもある。それでも各自治体が何らかの形で震災の遺構を残しておくべきだ考える。もちろん反対する人への配慮も必要で、落としどころは難しい。忘れたい悲しみがあり、忘れてはいけない教訓がある。その線引きは百人百様で難しいが、未来の減災のための義務としてやっておくべきこともある。もちろん、遺構だけが残ればいいというものではない。震災の記憶そのものをどう伝えるのか。遺構、語り部、映像、画像、小説や芸術作品などさまざまなコンテンツがあっていいし、IT技術を活用したアーカイブなどもありだろう。どこかでこうした事業にリソースを割かなければならないのではないか。特に人だろう。地元の意向を汲み取りつつアイディアが出せる人材が集まることが一番の早道なのだが。
2016.01.19
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災害関連で時折興味深い番組を提供してくれるNHKスペシャル。阪神・淡路大震災発生から21年目の1/17に関連番組を当ててきた。阪神・淡路大震災では6434人が犠牲になっているが、番組はデータを分析から亡くなった方の要因を明らかにしようというもの。今頃?という印象を持った人も多かったようだけど、何年かかってでも検証できることは検証しておいた方がいい。今日も番組で知ったことが明日役に立たないとも限らないのだから。防災とはそういう性質のものだと思っている。阪神・淡路大震災で亡くなった方は必ずしも即死ではない。地震発生からしばらくは生きていて、その後に何らかの原因で亡くなっているということが前提になる。一つは死因の多くは圧迫死である。その大半は圧死による即死、胸や腹が圧迫されたことによる窒息死であったという。窒息というのは胸など身体が圧迫されることでも起こるというのはあまり知られていないことかもしれない。地震災害で最も最初に訪れる生死の境目はまさにここで、運悪く圧死するのか免れるのか、また即死を免れても建物や家具の下敷き等になり圧迫された状態で救助されるまで耐えられるのか、ということになる。防ぐには耐震化しかない。家具の倒壊は固定等である程度防ぐことはできても、建物そのものが倒壊してしまえば生死は運頼みになってしまう。また耐震の難しさは1軒でもダメだと周囲が影響を受ける可能性があることだ。100%の耐震が実現しない限り、被害が広がるリスクは消えない。番組がもう一つ注目したのが火災による死者だった。多くの火災は数時間を経てから発生しており、いわゆる「通電火災」(電気が復旧した際に倒れていたり断線している電気器具から発火する)ということが言われていたが、番組では電力会社が当該エリアを通電した時間と、火災の発生時間をGISで重ねることで、その因果関係を視覚化した。これは非常に有意義だった。通電火災を防ぐにはブレーカーを落とすことで、最近では避難の際にブレーカーを落とすことを呼び掛けているが、例えば避難以前に建物の下敷きになっているような状況であればブレーカーの操作はできない。感震ブレーカーの設置が有効とされているが、普及率はわずか6%だという。これはもっと普及させなければならない。一方で、感震ブレーカーのようなものは火災を防ぐには絶対的な効果があると思うが、夜間の地震発生などでは、揺れを感知した瞬間に電気が落ちて真っ暗になることで安全な避難に支障がでないかという危惧もある。このあたりは非常灯の整備や就寝時に懐中電灯を常備しておくなどの対策が考えられるが。もう一つ明らかになったのは、救援に各地から駆けつけた消防隊員たちが、渋滞で現場に近づけなかったこと。そしてその渋滞の原因が地震によって生じた道路や橋梁の段差であったことが、国土地理院が公開している航空写真から判明したのだ。番組で明らかになったことは、こうしたいくつかの要因で、発災時にはまだ生きていて(即死しなかった)救援を待っていた人たちがその後命を落とすことになってしまったことである。本当に気の毒なことだが、あの時点では仕方のないことだったのかも知れない。犠牲者に報いるためにも、当然教訓として今後に生かされるべきものだし、そのために研究者や関係機関等はそれぞれの立ち位置から今後の災害に向き合っていかなければならないだろう。もう一つ注目しているのは今回このようなデータ分析や可視化がGISで行われたこと。それも、時間の経過を一つの軸にしているいわば4D(4次元)GISであることは、特筆すべき成果なだと思う。
2016.01.18
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佐賀空港は2000メートル滑走路(RWY11/29)が1本の地方管理空港。現在国内線は全日本空輸(ANA/NH)の羽田線が1日5往復、春秋航空日本(SJO/IJ)の成田線が1日1往復で、国際線は春秋航空(CQH/9C)の上海(浦東)線が週3往復、ティーウェイ航空(TWB/TW)のソウル(仁川)線が週3往復となっている。機材は、各社とも小型機のボーイング737型機やエアバスA320型機を投入。また、ANAが貨物便を週5往復運航している。佐賀空港の2014年度利用者数は55万96人で、このうち外国人は約3万人。佐賀県では2024年度までに4倍の約12万人を目指す。県は佐賀空港を「九州のゲートウェイ空港」として認知してもらえるよう、新愛称を導入。これを契機に、国際線を中心としたLCC誘致を推進する。16日に開かれた新愛称の導入記念イベントでは、県出身のアーティストのミヤザキケンスケ氏と100人以上の子供が制作した巨大絵の除幕式が開かれ、人型ロボット「ペッパー」が空港の専任コンシェルジュに就任した。佐賀県は訪日客12万人実現に向けてロードマップを策定しており、2015年度から18年度を第1ステージ、2019年度から24年度を第2ステージ、2025年度以降を第3ステージと設定。訪日外国人12万人を目指す2024年度までには、新路線開設や増便により、上海線が週5往復、ソウル線が週5往復、杭州線が週4往復、台湾線が週5往復、香港線が週4往復の就航を想定している。また、2025年度以降はこれら5路線を多頻度化し、東南アジア・南アジアを結ぶ路線を誘致する計画を策定している。国内線旅客便についても、2018年度までに羽田線を1日6往復、成田線を1日2往復に増便し、関西線を1日2往復で新設することを想定。2024年度までには、羽田線を1日7往復に増便し、名古屋路線を1日1往復で開設を目指す。一連のロードマップ実現に向け、駐機場や旅客ターミナルビル、駐車場の拡張を進める。2024年度までに、現在4スポットある駐機場を6スポットに、国内・国際線ともに搭乗待合室と保安検査場を現在の1機分から2機分に、チェックインカウンターを3社分から5社分程度に増やす。また、駐車場も現在の約1600台から約1.4倍の約2300台に拡張する。滑走路についても、現在の2000メートルを2500メートルへの延長を検討する。2018年度までに必要性や効果などの調査・検討を始める。(Aviation Wireより)------------------------------有明海沿岸の干拓地に立地する佐賀空港は1998年開港と比較的新しい。干拓地であることからバードストライクが発生しやすい空港でもあるのだが、その立地がゲートウェイ空港には好都合でもある。九州の玄関口となるのは本来福岡空港だが、同空港は市街地に位置する(それゆえにアクセスが非常に便利でもある)ため、騒音問題があり早朝や深夜の運用は難しいことに加え、拡張も簡単ではない。そこで佐賀空港を拡張することで成田、関西、中部に次ぐ九州国際空港を整備しようという構想は以前からあった。実際に夜間貨物便の誘致には成功しており、福岡市、熊本市、長崎市などへは約1時間程度でアクセスが可能という佐賀の地理的な強みもある。こうりた立地を考えればLCC誘致もいい狙いなのではないだろうか。福岡や長崎、阿蘇など観光地へのアクセスがいいのは何といっても好都合だ。九州の玄関が佐賀と聞いてしまうと妄想的ではあるものの、それなりのポテンシャルは持っているように思う。ただし、LCCでやってくる観光役を県内の観光地へ誘致するのはまた別問題。その点でも隣接県との広域連携が望まれるところだ。
2016.01.17
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東日本大震災の津波による脅威は記憶に新しい。近い将来、発生が懸念される南海トラフ巨大地震で、兵庫県が想定した阪神間臨海3市(尼崎、西宮、芦屋)の死者数は1万5459人(夏の正午想定)と試算される。大半は津波による被害のため、確実に避難できれば救える命は多い。17日で阪神・淡路大震災から21年。臨海3市の「海際の備え」について検証する。まずはデータをもとに課題などを探った。南海トラフ巨大地震で、臨海3市への最短津波到着時間は111分~117分。最高津波高は3・7~4メートルに達するとされる。ゼロメートル地帯が多い尼崎の浸水面積は最悪で981ヘクタールと予測され、市域の約5分の1が水につかることになる。夏の正午に起きた場合の死者数は、尼崎が神戸に次ぐ県内2位の8343人、西宮が6974人で、芦屋は142人。逆に冬の朝5時のケースでは、夜間人口の多い西宮(7664人)が尼崎(7059人)を上回る。では、南海トラフが起き、避難する場合はどうすればいいのか。海抜の高い北側に逃げる方法や、高いビルに駆け上がって避難する方法が挙げられる。3市の津波避難ビル指定施設数と収容人員は表の通り。しかし、避難ビルの立地場所に偏りもあり、カバーできない地域もある。また、どの地域にどんな避難ビルがあるのか、住民の認知度不足も課題となっている。災害時の拠点となる避難所施設の耐震化率は芦屋100%。尼崎は84%、西宮92・1%で、今後の整備が急がれる。巨大地震発生時、最も危ぐされるのが、高齢者や障害者など自力での避難が難しい「避難行動要支援者(要支援者)」だ。西宮は1万410人、芦屋は2824人(申し出た高齢者を含む)。高齢者すべてをカウントしている尼崎は9万5638人となっている。2013年の災害対策基本法改正で、要支援者名簿の作成が各市町に義務付けられ、住民基本台帳データや介護保険、障害者手帳などをもとに把握が進む。だが、対象者範囲を限定的にすれば、見落とす恐れがある半面、大きく捉えるほど見落としは減るものの、支援の具体化が難しくなる問題も出てくる。阪神・淡路や東日本など全国各地で相次ぐ地震を教訓に、自治体同士や民間団体などと災害協定を締結する動きが加速する。ライフラインや物資供給、交通輸送など多岐にわたり、尼崎が63件で最多。西宮46件、芦屋34件となっている。広域的被害が予測される南海トラフでも、きちんと発動することができるのか、検証も求められている。(注)被害想定は、最大クラスの地震が起きた際、液状化による堤防の沈下を考慮して県がシミュレーションした結果。水門などは、耐震性があり自動化されたものや常時閉鎖している施設を除き、開放状態として扱っている。(神戸新聞NEXTより)------------------------------阪神地区は21年前に阪神・淡路大震災を経験しているとはいえ、南海トラフ地震となれば予想される被害も異なる。最も懸念されるのが津波ということになる。津波到達までの時間はそれなりにあるが、比較的高台に逃げやすい芦屋市はともかく、西宮市の大部分や尼崎市は低地が広がっているため津波避難ビルの利用も現実的な選択になる。その際に気がかりなのが地震の被害の程度である。阪神・淡路のような直下型とは異なるものの、長周期地震動によるビルへの影響や液状化、さらには木造家屋の倒壊や火災で避難経路が確保できるのかも考慮が必要になる。21年前の経験から全国的に見れば耐震化率は高いが、たとえ1%であってもそこが火元になる可能性は否めない。もう一つ心配されるの現象に津波火災がある。東日本大震災の際に注目されたが、被害が拡大する可能性が高いのが火元になる自動車、そしてプロパンガスが多い地域ということになる。そうした状況も考慮して避難先を決定しなければならないだろう。記事にあるように要支援者の問題も大きい。共助でどこまでできるのか、その範囲は明確ではないし、東日本大震災の際には、助けに行った人(消防団等も含む)が犠牲になっているケースも多いだけに、事前に(リストの把握等)どれだけの準備ができているのかはカギを握ることになる。もちろん今後考えられる地震災害が南海トラフとは限らない。さまざまなケースを想定して日頃から防災の引き出しを増やしておくことも必要だろう。行政も含めて、経験値は高いはずの地域。さまざまなノウハウの発信にも期待したい。
2016.01.16
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米アルファベット傘下のグーグルは、モバイル端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」とアルゴリズム技術を利用してユーザーの欲求と要求を予測している。その最新例が、地図アプリ「グーグルマップ」に追加した「ドライビングモード」という機能だ。この機能を使えば、ユーザーが行き先を設定しなくても、目的地の候補やそこまでの所要時間が表示される。グーグルは、ユーザーの居場所や自宅・職場の場所(ユーザーがグーグルマップに保存したもの、または何度も訪れたことによって推測されたもの)のほか、ユーザーが直近1時間以内にグーグルマップやグーグルの検索エンジンで目的地を検索した履歴を分析することで、これを実現している。グーグルマップは、こうしたデータや時刻などの情報を基に自動で目的地候補を提示する。このため、30分前に近くのホームセンターを検索した後、グーグルマップを起動して車を走らせると、その店舗までの行き方と推定所要時間が表示される。これは、ユーザーがインターネットで検索クエリー(キーワード)を入力するのを待つのではなく、ユーザーが知りたいことに積極的に答えようとするグーグルの幅広い取り組みの一環だ。スマートフォンでのネット利用が増えていることが背景にある。スマホはパソコンに比べて文字を入力しづらいが、グーグルにとっては有用な予測を行うために得られるデータが多い。このため、リアルタイムのオンラインデータ解析でトップに立つグーグルが提供する、こうした魅力的だが薄気味悪い機能にさらに期待しよう。2012年にサービスを開始したパーソナルアシスタント機能「グーグルナウ」は、電子メールやカレンダー、スマホの位置情報のデータを利用して、ユーザーが必要とする情報を予測して提示したり、リマインダーを送ったりしている。グーグルはこのプッシュ機能を主力のモバイル検索アプリに組み入れている。(ウォール・ストリート・ジャーナル/プレビュー記事のみ引用)------------------------------「予測される」ということ自体に違和感を感じなくもないが、今となっては文字入力の予測変換機能などはすっかりお馴染だし、慣れればそれはそれで便利なのだろうとは思う。ただ、頻繁に使用する文字入力では変換候補もどんどん更新されていくし、そもそも打つ文字そのものもランダムだからあまり気にならないのだが、訪れる場所が(過去の履歴等から)地図上で推測されてしまうのは、何とも行動を見透かされているようで気持ちいいものではない。こうしたパーソナライズされたサービスは(自動とはいえ)常にプライバシーの秘匿とはトレードオフの関係になる。便利さの裏にはそれなりのリスクもあるということは(現在の世の中では当たり前になりつつあるが)意識しておいた方がいい。記事中にもある「魅力的だが薄気味悪い機能」という表現(まあ翻訳の問題もあるが)は言い得て妙。しかしGoogleの最大の強みでもある検索機能の充実ぶりはまさにこうした延長線上にあるのだと改めて思い知らされる。
2016.01.15
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2013年11月以来火山活動が続く西之島は半年前に比べ、海面上の陸地面積はやや小さくなったものの、体積は増えていることが、国土地理院の計測で明らかになった。国土地理院は、昨年12月9日に測量用航空機「くにかぜ3」により西之島の斜め上空から撮影した写真を8日公開した。この空中写真と正射画像を解析した結果、島の面積は約2.71平方キロメートル(参考値)と分かった。昨年7月28日に無人航空機撮影の写真から解析した時の面積は約2.74平方キロメートル(参考値)だったので、約0.03平方キロメートルわずかながら減少している。一方、海面上の体積は、約8,801万立方メートル(参考値)で、昨年7月時点の約8,511万立方メートルから約290万立方メートル増えていた。また、最高標高は約142メートル(参考値)と、約8メートル低くなっている。こうした地形変化について、火山噴火予知連絡会西之島総合観測班班長の中田節也(なかだ せつや)東京大学地震研究所教授は、次のように解説している。面積の縮小は、海中に流入する溶岩の減少により、波浪による侵食が新たな溶岩による陸地面積の拡大を上回ったため。海面上の体積増加は、溶岩の流出率の低下によって粘性が上がり、溶岩チューブ(表面が固まった溶岩の内側を溶岩が遠方まで流れ、活動停止後にはチューブ状の空洞になる)の中を海岸まで流れるのではなく、地表面だけを流れる結果、溶岩などの厚みが増した。最高標高の低下は、粘性が上がり噴火がより爆発的となり、火口径が拡大したため、と考えられる。西之島については、海上保安庁も昨年6月から7月にかけて実施した測量船「昭洋」と無人調査艇「マンボウ2」による海底地形調査、海底地震観測の結果から、西之島の噴火による噴出物総量は約1.6億立方メートルであることを昨年10月に発表している。この量は、太平洋戦争後では1990~95年に噴火活動が続いた雲仙普賢岳の約2.4億立方メートルに次ぐ大きさで、溶岩が海岸まで達し、死者1人を出した桜島の昭和噴火(1946年)の約1億立方メートルを上回る。(ハフィントンポストより)------------------------------今回の撮影は、防衛省の協力を得て、小笠原諸島を対象に平成27年12月上旬に実施したもの。西之島周辺は12月9日に撮影された。(撮影された写真等は地理院地図に掲載されている)また、さまざまな資料も公開されている。・西之島正射画像・海岸線の変遷 (PDF形式:378KB)・火口周辺の地形比較 (PDF形式:227KB) ・これまで撮影した空中写真の比較(PDF形式:140KB)・これまでの計測結果の比較 (PDF形式:60KB)・西之島 地形判読図 (PDF形式:818KB)・西之島 地形変化図 (PDF形式:1.8MB)・平成25年からの西之島噴火による地形の変化について(第九報) (PDF形式:64KB)・西之島計測結果へのコメント(東京大学地震研究所中田節也教授) (PDF形式:120KB)以前にも書いたが、海底火山が噴火して、島が形成されて徐々に変化していくという地球の活動をまさにリアルタイムで見ているのが西之島。非常に貴重なサンプルでもあり、とりわけさまざまなセンサー技術で、観測・比較ができる点は興味深いし、一般の人にも分かりやすいのではないか。この一連の流れはアウトリーチの一つとして、世の中に周知してもいいのではないか。せっかくのアウトリーチのチャンス。逃す手は無いように思うのだが。
2016.01.14
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妙高市は、スマートフォンなどの携帯端末で閲覧できる外国人向けの市内観光案内アプリケーション「妙高ナビ」の無料配信を始めた。英語と台湾語に対応する。外国人専用アプリの提供は県内初という。妙高山麓の自然やスキー場、温泉地などを画像とともに紹介する。キーワード検索のほか、ホテルやレンタカーなどを比較できる検索機能も備えた。インターネットに未接続でも地図や現地情報を閲覧できる。目的地までの所要時間と距離、経路を地図上に表示する機能もある。米アップルの基本ソフト(OS)「iOS」と米グーグルのOS「アンドロイド」のいずれにも対応。1月下旬をめどに動画の閲覧などもできるようにする計画で、当面は約3千件のダウンロード数を目指す。(産経ニュースより)-----------------------------観光立国を標榜し、インバウンド政策に力を入れている近年。東京五輪効果があるのかどうかは分からないが、訪日観光客が飛躍的に増えていることは確かで、それは地方にも及んでいる。記事にある妙高はなりでなく、スキーリゾートは特に人気で、オーストラリアやニュージーランドなど南半球からも多くのスキー客が来ている。北海道のニセコなどは顕著な例だろう。こうした流れの中で、受け入れ側にどれだけ「おもてなし」の態勢が整っているのかは訪日観光客招致に向けての大きなポイントになる。近年の傾向として、訪日観光客は必ずしも人気観光地ばかりを求めていない。むしろ地域の文化を感じられたり、そこに暮らす人たちに近い目線での体験が人気になっているのだ。その意味では地方にも十分勝算はあるのではないかと思っている。ただし、受け入れのための工夫は必要。妙高の場合はスキー客が主体になるだろうが、シーズンオフにも人を呼ぶために何をアピールすべきか、という課題もある。アプリを地元の(役所や観光協会ばかりでなく)さまざまな人が発信できるようなプラットフォームとして、アイディアを出し合うのも一つの手だろう。また、アプリと併せて重要なのがWifi環境(特に無料での)の整備ではないか。訪日観光客を誘致する意味ではこの点は必須と考えるべきだ。また、地方では町ごとの縦割りでは限界がある。広めのエリアを設定して、広域連携をとることも重要になる。新幹線のネットワークを上手く利用すれば、県内だけでなく長野や富山、金沢なども合わせて周遊することも十分に可能だろう。まずはスキー客をどのように「つかむ」のか。アプリが上手に利用されればいいのだが。
2016.01.13
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「成人の日」の11日、神戸・阪神間の各自治体でも成人式が開かれた。阪神・淡路大震災から17日で21年。今年から新成人は全員が震災後の生まれとなった。ふるさとの復興とともに育った若者たちは大人になった今、震災をどのようにとらえているのか-。成人式の会場で耳を傾けた。「阪神・淡路の教訓を生かしたい」。そんな思いを抱き、神戸学院大で地域防災を学ぶ福原克弥さん(20)=神戸市西区=は、東日本大震災の被災地などでボランティア活動を続けてきた。それでも「被災を経験していない僕らの世代は、地震の本当の恐ろしさを理解しにくい」と感じるという。事実、震災について「現実味がない」「物心ついたときには街はきれいになっていた」という新成人の声も少なくなかった。「待っていても何も学べない。自分たちから記憶を引き継ぐ行動を起こしていきたい」と福原さん。今後、阪神・淡路の被災者から学生が体験を聞く催しを開くつもりだ。震災で祖母を亡くした大阪大2年の浅山智也さん(20)=西宮市=は「大人たちが苦労して復興を実現していく中で育ったのが、僕らの世代。両親が語り継いできたものを大事にしたい」と思いを語った。神戸親和女子大2年の伊山美(み)汐(しお)さん(20)=神戸市北区=の両親は震災時に同市内の避難所運営に携わった縁で結婚した。毎年1月17日が近づくと、両親から傷ついた神戸の街の様子を聞かされた。昨年秋、神戸市職員の父純造さん(43)が派遣されている宮城県石巻市を訪ねた。津波の爪跡が今も生々しく残り、さら地が広がっていた。「夢は学校の先生」という伊山さんは被災の現実を目の当たりにし、「防災を学び、子どもの命を守る」と心に決めた。「神戸市消防局で働く父から被災地の様子や体験を聞いて育った」と話す神戸常盤大2年の浦上祥由美(あゆみ)さん(20)=同市西区。大学では看護を学び、震災直後の医療現場の様子も映像で知った。「搬送された人を助けようと誰もが必死。私も震災が起きても動じず、必ず人を助ける思いを持ち続ける」と誓う。(神戸新聞より)------------------------------時間の流れは本当に早い。阪神・淡路大震災から21年。今年の新成人は震災を知らない世代となった。人防災未来センターのように震災の教訓を伝える施設はあるものの、当時の記憶が徐々に薄れていったり、震災を知らない世代が少しずつ増えていったりと、風化はどんどん進んでいく。それは仕方のないこと。過去の災害が忘れられ、薄れていく中で何ができるのかが本当の防災であるともいえる。それでもまだ親や先輩から話を聞く機会も多い神戸の若者たちは全国的に見れば防災意識はかなり高い方だろう。また記事にもあるように東日本大震災の被災地をボランティアで訪れた若者も多い。今後はこの世代こそが未来の防災を担う人材になっていくはずだ。今年は東日本大震災から5年。当時の小学生がもう高校生になっている。時代がスピードを上げる中で、何を残し、何を伝えていくのか。そんなことを考えさせられた成人の日だった。
2016.01.12
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京都の正月といえば白みそに丸餅の雑煮を連想するが、丹波地域ではみそを餅ではさんで食べたり、雑煮ではなく納豆餅を食べ、府北・中部の多くは、頭芋(かしらいも)などの入らない餅だけの雑煮であることが、大阪府立大の中村治教授=京都市左京区=の調査でわかった。中村教授は「雑煮は身近なため、特徴がないと思われがちだが、地域の文化として大切にしてほしい」と話す。京都府立大や京都工芸繊維大の研究者たちでつくる「洛北の文化資源共同研究会」の活動の一環。中村教授が生まれ育った同区岩倉には、あんの詰まった独特の「もん餅」を食べる習慣があることから興味を持ち、府内の分布を調べた。対象を伝統的な食文化が色濃く残る京都府北・中部に絞って訪問したり、聞き取りしたりして調べた。京丹波町では、餅のみの雑煮に加え、自家製みそをはさんだ餅を食べていた。餅で納豆を包む納豆餅は、右京区京北と南丹市美山町を中心に食べられていたが、同市八木町神吉や同市日吉町中世木のほか、京都市北区の中川、雲ケ畑などでも見られた。中村教授は、右京区京北などは、気温が低く納豆作りに適していたため、みその代わりに納豆を入れる納豆餅が広まったとみる。京都の新春の菓子「花びら餅」と同様に、みそや納豆を包む前の餅を「花びら」と呼ぶ地域もあった。また、納豆餅の地域を取り囲むように、餅だけや1種類だけ具が入る雑煮のエリアが広がっていた。府北部の伊根町や与謝野町岩滝から福知山・綾部市、南丹市八木町などを経て西京区桂や左京区修学院などでもそうだった。中村教授は「丹波杜氏(とうじ)として知られた住民たちが、こうじを上手に取り扱う技術とともにみそ作りを伝えた。そこから餅を煮て、みそに入れる雑煮のかたちが広まったのでは」とみる。京都府立大京都和食文化研究センターの山下満智子特任教授は「雑煮は室町時代の京都が発祥とされる。京都のみそ店には丹波地方出身者が開いた店も多く、何らかの影響を及ぼしたのかもしれない」と話している。調査結果は、年内に研究会の報告書としてまとめる予定。(京都新聞より)------------------------------雑煮の味や中身は地域性が顕著に出ることからしばしば地理学的に捉えられる。実際にこれまでもそうした研究はあるし、さまざまな雑煮地図が公開されている。論文では2003年の日本調理科学会誌に掲載された「実態調査による雑煮の地域的な特徴」(名倉秀子他)がピンポイント。地図では、「お雑煮をめぐる物語(日本列島雑煮文化圏図)」で「角餅・丸餅分岐ライン」が提唱されている。また、国土地理院でもかつてホームページのお正月スペシャルのコンテンツの一つとして「日本全国お雑煮マップ」を紹介しており、現在は国立国会図書館によるアーカイブとして閲覧することができる。こうした全国分布による地域性の把握はマクロな捉え方として地域性が分かりやすいし、地域によっては(京都の白味噌雑煮)のように、全国的に特長が知られるものも出てきている。こうした捉え方は日本の中での分布を知るには有効である一方、それぞれの地域の中でも多様性があるのも事実で、地域内文化圏のようなものが顕著に見られる地域もある。記事の研究はそうしたミクロな地域性がよく調べられており非常に興味深い成果といえる。雑煮を通じて詳細な地域の文化的特性が示されるのはこの地域に限らないだろうし、一つの方法論として全国に飛び火してもいいと思うし、全国でデータベース化するような試みがあっても面白い。首都圏や関西圏などはそれぞれの家庭ごとの特長を見ていくことで、それぞれの家族のルーツのようなものを知る手掛かりにもなり得るし、それが何らかの形で変化(マイナーチェンジ?)しているとすれば、それも示されるかもしれない。また、類似性から地域の結びつきが分かることになるかも知れない。何らかの形で「雑煮ビッグデータ」が収集できれば面白いのだけど。
2016.01.11
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政府は9日、小型無人機「ドローン」を活用した民間業者による宅配促進に向け、自治体を対象にした全国規模アンケートを3月までに実施する方針を固めた。ドローンの需要や課題を把握し、事業を後押しするのが目的。2月には中山間地域で配送実験を行う。いずれも国土交通省が主体の事業で、結果を官民による協議会で分析し、ドローン活用の方策を探る。 アンケートは、安倍晋三首相が昨年11月に「3年以内にドローンを使った荷物配送を目指す」と打ち出したことが背景。施策への反映を目的とした基礎データ収集と位置付ける。(共同通信より)------------------------------こうしたドローンの利用法については注目している。山間部、とりわけ限界集落と呼ばれるような山村では、過疎・高齢化の進行で、いわゆる買い物難民の問題が出てきている。近隣に店がないような状況も多く、宅配が頼りになるだけに、ドローン宅配が実現すれば利便性が向上することは間違いない。一方で注文をどうするのかという問題もある。特に高齢者の場合、インターネットで商品を選んで注文というのはなかなか難しい。別のインターフェイスが併せて考慮されれば一番いい。電話注文や、見守りや巡回などとの連携もひとつの手だろう。ドローン側の課題は航続距離(発着基地の確保)が一つ。また、技術的には衛星測位によるオートパイロットが前提となるだろうが、電線などの障害物をどう避けるかというような問題もありそう。実現すれば山村の救世主になり得るがどうだろう。
2016.01.10
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釧路市動物園がスマートフォンを活用した情報発信に乗り出した。園内の地図や行きたい獣舎の案内に加え、動物図鑑やスタンプラリーなどの機能を盛り込んだアプリを開発中だ。人型ロボットの「ペッパー」も近くお目見えし、情報発信に一役買う。釧路市動物園は東京ドーム約10個分の47・8ヘクタールの広さで、多摩動物公園(東京)に次いで国内2位の面積。園内で迷う利用客も多く、職員が問い合わせを受けることも多かった。そこで2014年から釧路工業技術センターや釧路高専などと協力し、スマホを活用した地図や案内機能の研究に着手。釧路に拠点を持つ東京のIT企業の協力を仰ぎ、本年度内にスマートフォンの衛星利用測位システム(GPS)機能を活用した園内案内など、初期の機能を盛り込んだアプリが誕生する見通しが立った。ほかにも園内の動物約50種類の生態や特徴などを紹介する動物図鑑や、クイズに答えるとスタンプが集まるラリーなどの機能を盛り込む予定という。アンケートを用意し、来場者がどこから来たかなどの情報を入手することも計画している。将来的には英語にも対応できるようにし、外国人観光客の利便性も高める。また、昨年秋には工業技術センターがソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」を購入。スマホを持たない人のための案内用に動物園で使う予定だ。釧路市動物園は「広くて人的余裕が足りない分をITでカバーしたい。案内機能や情報発信など今回培った技術を、観光など地元の他の産業に生かせるようにできれば」と話している。(北海道新聞より)------------------------------釧路市動物園の場所はこちら。そしてこちらが公式な園内案内図。これを見ると確かに広い。迷う人がいるのも分かるし、冬だったらさらに大変だ。広ければ広いほど案内は難しくなるので、位置情報を活かしてスマホで案内というのは妙案。加えてスマホなら記事中のスタンプなど付加価値も色々と出てくる。そしてスマホを持たない人ようにロボットとは。IT動物園として有名になるかも。
2016.01.09
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富士通は2016年1月6日、電気・ガス・水道・通信などのユーティリティー分野向けの資産管理パッケージソフトで、米GE(ゼネラル・エレクトリック)が開発した「Smallworld」の取り扱いを開始すると発表、同日付けで国内販売を開始した。富士通の自社サービスで活用するほか、システム構築や保守・運用と合わせてSIサービスとして提供する。設備の資産管理機能を提供する。地図情報だけを提供する一般的なGIS(地理情報システム)とは異なり、業種ごとに異なる管理機能を備える。例えば、電力事業における送配電設備や、ガス事業における導管設備、通信事業における通信設備などを管理する機能を提供する。あらかじめ各種の設備をオブジェクトとしてモデル化してあり、相互の接続関係なども認識している。地図データの読み込みの時間を短縮できるように、Google Mapsやその他の地図データを活用した継ぎ目のないマップデータベースを採用した。これにより、設備資産の数が膨大なシステムにおいても、処理速度が低下することなく利用できるとしている。Smallworldが登場した背景には、ユーティリティー事業者が保有するネットワーク型設備が複雑であり、これらの設備を日常的に管理・保全する負担が大きい、という状況がある。設備の設置状況を可視化したり、設置場所での作業効率を高めたりするために、資産管理システムが必要になる。(ITproより)------------------------------GEの「Smallworld」はネットワーク資産管理(NAM)ソリューションとして、大規模ネットワーク型インフラ事業向けのオブジェクト指向設備管理システムとして知られる。さまざまなインフラ管理システムと連携するGISと考えれば分かりやすいだろうか。主なユーザーは電力やガス、水道などのユーティリティー関係の他、通信、CATV、鉄道など1300以上の企業に導入されており、日本の大手通信会社もユーザーとなっている。インフラが大規模化・複雑化する中でオブジェクトモデルの強みを発揮してシェアを伸ばしている。とりわけ近年は、電力会社やガス会社も通信ネットワークとの連携が求められるようになっていることから、ニーズが拡大しているという背景もある。近年国内ではインフラの老朽化による更新需要が高まっており、GEにとっては魅力的な市場であることは間違いない。ただし、販売については通常のGISと異なり、各事業の管理システムとの連携が必要になるため、SIサービスとして導入するのが現実的な選択。その意味ではさまざまな大規模インフラのシステムのSIを手掛ける富士通の関与は分かりやすい図式といえる。
2016.01.08
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国土地理院が「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」を取りまとめた。国土地理院では観光立国の実現や2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて、訪日外国人旅行者の円滑な移動や快適な滞在のための環境整備の一環として、平成26年に、座長の日本地図学会会長でもある森田喬法政大学教授をはじめ、地図をテーマにした数々の著書でお馴染の今尾恵介氏や東京大学大学院総合文化研究科のロバート・キャンベル教授ら有識者が名を連ねる「外国人にわかりやすい地図表現検討会」を設置し、外国人の目線で分かりやすい地図を作成するための標準として、地図上での地名等の英語表記ルールや、分かりやすい地図記号の検討を進めてきた。報告書はこちら(PDF)。地図に記載する地名等の英語表記ルールでは、ローマ字表記から英語表記への変換方法がこれまでも懸案となっていたが、ローマ字表記のうち地形や種別を表す部分を英語に置き換える「置換方式」が基本となり、名称の構造上置換方式が適用できない場合や、適用しても日本人が元の日本語の地名を認識することが困難な場合にはローマ字表記に地形や種別を表す英語を追加する「追加方式」が採用される。具体的な例としては、以下のようになる。置換方式の例:筑波山→Mt. Tsukuba、利根川→Tone River追加方式の例:月山→Mt. Gassan(置換方式は適用不能)、荒川→Arakawa River置換方式・追加方式をそれぞれ適用する基準をまとめると以下のようになる(表は報告書から転載)また、選択フローも示されている(フローは報告書から転載)やや複雑であることは否めないが、感覚的に理解できる部分もある。全体としては慣れるしかないのだろうが。外国人にわかりやすい地図記号については、アンケート調査結果に基づいたショッピングセンター/百貨店など外国人旅行者に必要と思われる18種類の施設の地図記号イメージが報告書にまとめられており、国土地理院では今年度中にこのイメージに基づいた具体的な地図記号を作成し、公表する予定だという。アンケートで支持された記号はいずれも直感的に分かりやすく、このまま採用されても違和感はない。実際には注記と併用されるケースもありそうで、その際に注記の種別を表す部分を省略するケースとしないケースについてもアンケートが取られており、記号本体と併せて検討される。今後はこうしたルールをいかに普及させるのかという点も重要になる。国土地理院では「関係機関、地方公共団体、民間地図会社などにも広く周知し活用を促進する」としているが、どれだけ受け入れてもらえるかで効果は変わってくる。また、地図ばかりでなく、現地でのサインや道路の方面標識などとも連動しなければ、せっかくルール化したところで訪日観光客にとっては混乱の元になってしまう。普及と定着は、ある意味ルールづくり以上に重要な課題であると認識することが必要なのではないだろうか。
2016.01.07
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ミツバチ不足で将来凶作に陥る恐れがある米国の「危険領域」マップが公開された。アーモンドやリンゴ、ベリー類、タマネギ、ブロッコリーなど、何十種類もの作物がミツバチに授粉を頼っている。アーモンドやリンゴ、ベリー類、タマネギ、ブロッコリーなど、何十種類もの作物が、ミツバチに授粉を頼っている。過去10年間のミツバチの減少を理由に、農業経営者は、農作物の成長を維持するために、自家飼育ミツバチに頼るようになってきた。だが、ヴァーモント大学の環境プランナーであるインソ・コウらは、『米科学アカデミー紀要』に発表した新たな論文(PDF)で、次のように指摘している。野生のミツバチも極めて重要で、ミツバチによる授粉の20パーセント以上を占めているというのだ。野生のミツバチは、生息地として広大な草地も必要とするが、そうした生息地も消えつつある。牧草地を、ミツバチによる授粉を必要としない農作物(トウモロコシや大豆など)向けの農業生態系に変える農業経営者が増えているからだ。この問題はどれほど切迫しているのだろうか? コウ氏らのチームはそれを調べようと、野生ミツバチの個体数の現状と、今後の予想推移をモデル化した。チームは、公開されている衛星データを利用して、米国の土地を、農地や牧草地などの用地に分類した。続いて、ハチ生態学の専門家14人に対して、米国に現在生息する野生ミツバチ約4,000種の生息地として適している地域を尋ねた。そしてこのデータを、ミツバチとその生息地に関する現地調査の情報と組み合わせることで、本記事冒頭に掲載した危険地域マップを作成した。分析の結果、研究チームは、この数年間に米国の23パーセントの地域で野生ミツバチの個体数が減少していることを発見した。これは、米国の将来の食糧安全保障に影響する規模だ。さらにコー氏らは、ミツバチによる授粉に依存している農地の39パーセントが、野生ミツバチの個体数が減少している地域にあることを示している。コウ氏は、自家飼育ミツバチによって、ある程度はその穴埋めができるが、「農作物の授粉体制に、野生ミツバチをもっとうまく組み込む必要がある」とメールで述べている。ミツバチが激減していることを考えるとなおさら、野生ミツバチを失うわけにはいかない。彼らは、「無償で実に効率よく授粉してくれて、適切な生息地を与えるだけでいい」からだ。(WIRED.jpより)------------------------------これは興味深い記事。アメリカの農業生産と受粉を通じた野生ミツバチとの関係が分かりやすく示されている。特に牧草地の重要性について触れられている点。休耕地の意義や、混合農業の有効性、もっといえばかつての三圃式農業の評価など、農業の営みについて色々と考えさせられる。日本でも農業とミツバチの関係は同じ。ハウスもののイチゴやメロンなどが事例として紹介されるケースが多いし、梅、サクランボ、カボチャなどもミツバチの受粉に頼っている。ただ、野生のミツバチの分布との関係はあまり知られていないのではないだろうか。農業にさまざまなテクノロジーが関与する時代ならばこそ、自然や環境という、農業の基盤になる条件にも今一度目を向けなければならないことを痛感する。
2016.01.06
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インテックは1月4日、クラウド型の統合位置情報プラットフォームサービス「i-LOP」正規版の提供を開始した。i-LOPは、GPS、Wi-Fi、非可聴音(音波)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの複数の位置測位技術をスマホやWebアプリから簡単に扱えるプラットフォーム製品。屋内外のシームレスな測位やテーマパークや遊園地、動物園などのイラストマップにおける正確な位置表示、来店客へのクーポン配信など、位置を軸としたさまざまなサービスを実現する。2015年1月に国土交通省が主体となって行った「東京駅周辺高精度測位社会プロジェクト」でも一定の成果を上げた。また、同年10月にはクローズドβ版を利用し、「大成建設との医師や看護師の位置把握に関する実証」「TOA製スピーカーを使った音波による屋内位置把握に関する実証」「立命館大学とのキャンパスマップを使った屋外位置表示精度の検証」などで効果を実証してきた。満を持して、1月4日から正規版の提供が開始される。価格は、初期登録料10万円、月額費用50円/IDから。インテックでは今後、新しい測位技術への対応などを行うとともに、IoT/M2M基盤との連携も予定。豊富なセンサー情報やソーシャル情報と連携することで、さらに充実した加工・分析・予測サービスを提供し、より豊かな暮らしを実現するとしている。(ASCII.jpより)------------------------------i-LOP(アイロップ)の詳細はこちら。インテックによると、i-LOPの実装技術は以下のとおり。・縮尺や方位が正確でないイラスト地図へ正しく位置をプロットする「イラストマップ」の技術・アプリ未起動や未インストールの状態でもWi-Fiを活用して位置を検知しプライバシーに配慮したうえでPUSH等を行う技術・非可聴音の応答を1秒以内に行う技術・複数の測位技術による入力から最適な測位結果だけをクラウドへ問い合わせる技術・BLE装置などネットワークに接続されていない測位用デバイスの故障を予測・検知する技術大まかなサービスの特長はシームレス測位+イラストマップ表示+プッシュ配信といったところか。実証実験も経ており技術的には申し分ないが、ビジネスの応用としてどんなことが可能か。同社は以下の例を挙げている。(1)病院:医師や看護師の院内現在位置を把握することで呼び出しや緊急時の対応が迅速化される。また所在情報の管理が徹底されるべき特定の場所(感染症病室など)への立ち入り記録を確実に行うなど「そこにいた」ことの裏付けを行える。(2)文教:Wi-Fiが完備されている多くの学内では、学生は普段からWi-Fi接続可能な機器を持参している。そうした個人機器を活用することで、確実な授業出欠把握や、特定教室内にいる場合だけの閲覧やファイル配信、緊急時の各個人向け一斉連絡などが可能になります。(3)アミューズメント施設や各種展示施設:博物館など展示物以外の収蔵を多く抱える場所では、特定の場所で付加的な閲覧が可能になるなど位置を活用した新しい展示方法が検討できます。また、展示の効果を高める音響制御システムと位置情報用非可聴音の連動で、不自然感のない測位と情報提供が可能になります。いずれもジオフェンス機能を用いた付加価値創出のサービス。ただし、いずれの例においても、病院や学校、各種施設といったサービスの受け手側でも、ある程度i-LOPを前提とした体制を構築する必要があり、その部分のコストや人的負担が一つのネックになりそう。そのあたりはサービスの費用対効果がどれだけ明示できるのかがポイントになりそう。もちろん上記以外のビジネスへも様々なアイディアで応用は可能だろう。ただし、対象となく顧客層は位置情報技術についての知見はそれほどないことが予想され、サービスの具体像や効果をどれだけイメージさせることができるか。そういう意味では顧客側にそのプロセスを考えさせずにソリューションが提供できるような(ある意味パッケージ的な)クラウドサービスである必要がある。先進的な企業であれば独自の目論見を描いて導入する目もあると思うが、大多数の企業はソリューション買いになるのではないだろうか。それでもひとたび費用対効果が実証されれば、急速に広がる可能性は秘めており、まずか技術やソリューションの周知がi-LOPの第一歩となりそうだ。
2016.01.05
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函館山からの眺望が観光ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星に認定されている北海道函館市は、今年3月の北海道新幹線開業を控え、ますます盛り上がりをみせる。ナポリ、香港と並んで「世界三大夜景」の一つに数えられ、地元の観光関係者は「日本一美しい夜景は函館」と胸を張る。「函館の夜景はなぜ美しいのか」。NHK「ブラタモリ」でも函館の案内人を務めた函館工業高等専門学校准教授(都市地理学)の奥平理さん(50)にその秘密を聞いた。函館の地形は離れ島だった函館山と陸地の間に沿岸流が運んだ土砂が堆積(たいせき)してできた陸繋島(りくけいとう)。奥平さんは函館山から陸地へ曲線状に延びる「くびれ」が美しさの最大の要因と指摘する。「このくびれは世界のどこを探しても他にない。まさに自然の造形美なんです」函館山の標高は334メートルで、東京タワーとほぼ同じ。見下ろす角度が10度くらいで「景観をもっとも見やすい角度で、距離も近い。天然の展望台」という。さらに海に囲まれていることでほぼ360度見渡すことができ、イカ釣り船のいさり火や青森側の夜景も望むことができる。函館山の北部に連なる高台から、函館山をかえりみる「裏夜景」が楽しめるのも魅力だ。「若いカップルの間では裏夜景を見に行くのが人気のデートコースになっていて、ドライブ中、車の中から眺めることもできます」。函館に隣接する七飯町や北斗市にも新たな展望台が設けられ、夜景スポットの掘り起こしが進む。しかし、人口減少や住宅地が山のふもとから北部へ移ったことで夜景の光量が落ち、形も少し変わったという。以前はボランティア団体が8月13日を「夜景の日」として花火を打ち上げるなどしていたが、資金難などで2009年を最後に中止。昨年10月に発表された「日本新三大夜景」でも4位に甘んじた。奥平さんは「函館の夜景は市民にとって原風景であり、誇り。プライドを取り戻したいとの市民の思いに火をつけたのではないか」と“落選”をむしろ歓迎する。北海道新幹線の開業も控え、夜景観光をいっそう盛り上げる好機だととらえる。「市民も久しぶりに函館山に上って夜景を眺めたり、家のカーテンを開けて光の一つになったりしてほしい」と呼びかける。(毎日新聞より)------------------------------100万ドルの夜景として知られる函館。個人的には何度も訪れたお気に入りの街ということもあるけれど、夜景の美しさはこれまで見た中でも随一だと思う。美しい夜景に有利な条件は海があることで、国内で有名な神戸や長崎、あるいは横浜などもこれにあたる。なかでも函館のよさは、記事中にもあるように陸繋島に市街地が発展したことにあるだろう。山から砂州いっぱいに広がる市街地を見おろし、その両側に海がある。海岸線の絶妙にくびれと海に浮かぶ漁火も美しさを演出する。これは陸繋島という自然がつくりあげた地形条件に加えて、そこに人が街をくつったことも大きな要因だろう。夜景はそこに暮らす人々の営みの灯りだ。家々であれ、商業施設であれ、工場であれ、漁火であれ、それはこの街の営みの現れであり、それが美しい夜景として見えているということ。例えば街が衰退すれば、自然条件は変わらないとしても、現在のような夜景は見られなくなる。夜景はある意味刹那的な産物ともいえるのかもしれない。新幹線が開通することで、函館がどう変わるのかはまだ未知数。新幹線の函館北斗駅は函館の市街地からはかなり離れている。札幌へ向かう人たちはこれまでは函館で乗り換えてたので、途中下車観光というプランもあったが、函館北斗乗り換えだともしかすると函館にまでわざわざ来なくなってしまうかもしれない。2030年に新幹線が札幌まで伸びれば尚更、函館はスルーされてしまう可能性もある。それを防ぐのは函館の街が寄らずにはいられない、あるいは目的地としたいような魅力的な街でなければならないし、その切り札の一つが夜景であることは間違いない。
2016.01.04
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緊急速報メールの誤送信があった和歌山県では、南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、スマートフォンの画面で家族がどこに避難しているかなどをリアルタイムに確認でき、情報を家族で共有することができる「避難アプリ」の開発を検討している。県の担当者は「アプリで災害での犠牲者をゼロにできれば」と期待を寄せるが、便利さを追求する一方で、誤伝達がないよう運用面の管理もより厳しく求められそうだ。災害時の避難では、平成23年の東日本大震災での津波で、家族が事前に避難場所を話し合っていたことで各自ばらばらに高台に避難して助かるケースがあった一方、事前の話し合いがなく、家族を助けようとして自宅に帰って命を落としたケースも多くみられた。いざというときに備える大切さを踏まえ、同県は23年度に、あらかじめ避難場所を記載して財布などに入れて携帯する紙製の「避難カード」を全国に先駆けて導入。カードの記載を家族と一緒にすることで、避難時のお互いの行動を把握し合えることが狙いの一つだった。家族間での情報共有をさらに進めようと、県は若者にも浸透しているスマホのアプリに注目。28年度当初予算案にアプリ制作にかかる関連費用を計上する方向で調整している。アプリでは、あらかじめ自分や家族の避難場所を登録。衛星利用測位システム(GPS)を活用して現在地や避難場所に到着したことを家族に知らせたり、災害時に自分が目指す避難場所の開設状況が分かったりする機能を盛り込む予定。(産経ニュースより)------------------------------まさに前日津波の誤報騒ぎがあった和歌山県の話題。確かに災害時の家族の安否は多くの人が最も気にするところ。東日本大震災の際に家族を助けに自宅に戻った人の多くが犠牲になったことは残念なことだが、戻った気持ちは理解できなくもない。こうした悲劇を防ぐためには、家族の安否を把握できるようにすることが有効になるが、そのためにアプリを利用しようというもの。釜石で多くの子どもたちが助かったケースでは、子どもたちの防災教育を手掛けた群馬大の片田教授が事前に逃げることの重要性を説くとともに、家族がバラバラであってもお互いに最善をつくして逃げることを話合わせ、『家族は必ず逃げるから信じて自分が助かることだけを考える』ことを実践したことが功を奏したことが知られている。大事なのはお互いの信頼関係に基づいて「てんでんこ」で避難することだろう。和歌山県の避難カードは避難所を認識する意味ではよくできていると思うが、記載した避難所に縛られ過ぎてしまえば逆効果になることもあるのでは、と危惧する。指定された避難所が本当に安全かどうかはその時の状況によっても異なる。東日本大震災でも避難所として指定されていた場所が津波に飲まれ、そこに集まっていた人が犠牲になったケースも多い。特に、自宅の方が避難所よりも高台にありながら、わざわざ避難所まで降りてきて被災した人もいる。家族が避難カードに記載された避難所にいることに縛られてしまうと、同じようなことになりかねない。スマホアプリであれば、位置情報が使えるのだから、リアルにどこの避難所にいるのかを位置情報を使って家族で共有することで、こうした問題は防げるのではないか。一応の想定行動を事前に話し合っておくことは必要だが、最も大事なことはその時の状況の中で自ら判断して、自分の身を守ることにある。アプリを使うのであれば、そういうツールとして設計して欲しい。
2016.01.03
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1日午後、和歌山県全域の携帯電話利用者に「大きな津波の観測があった」との緊急速報メールが自動配信され、和歌山県は約1時間後に誤報だったと発表した。津波観測システムに津波の高さを測定するために必要な、潮の満ち引きのデータを県職員が入力しないミスがあったため、通常の波が津波と判定された。県によると、午後2時8分「和歌山県沖にて大きな津波の観測があった」と高台避難を呼び掛けるメールが送信された。3時1分に「さらに大きくなっている」と送信した。誤報と確認し、県は3時15分に訂正のメールを配信した。受信した人の数は不明。実際に高台に避難した人もいたという。(共同通信より)------------------------------結果的に誤報でよかった、というところだが、(マスコミも含め)多くの人がもっとも緩んでいる元旦というタイミングで誤報が流れたというのは絶好の訓練機会であったともいえる。いわば多くの人が試された元旦。統計のとりようもないだろうが、果たしてどれくらいの人が実際に受信し、避難したのだろうか。記事では「実際に高台に避難した人もいたという」とされているが、避難した人の行動は危機管理上は正解であることをまず前提にしなければならない。何らかのアラートが発表されて、それに対する訂正情報がない以上はやはり避難すべきだろう。誤報は職員の入力漏れということだが、観測システムそのものは正しく動作している。この点は重要だ。そして県が誤報と確認して訂正メールを配信したのは1時間以上過ぎてからである。もし誤報でなく、本当の津波であれば訂正情報を待っていたら被災していたことになる。もちろん、県の訂正情報を待たず他の方法で誤報と認知した人もいる。SNSでも関連情報が流れていたし、気象庁の情報を確認した人も多いだろう。しかし気象庁は警報を発表していないため「現在津波警報等は発表していません」ということになる。それで誤報であると判断した人が多いのではないか。今回のケースでは地震の観測があったわけでなく、気象庁が津波を観測したわけでもない。アラートのソースはあくまでも津波観測システムであり、しかも前述したようにシステムはきちんと動作している。気象庁が地震等を観測していないとしても、観測システムが観測しているとすれば、きちんと確認される前の段階では、何かしら起きていると考えるべきだろう。気象庁が観測していない津波をシステムが捉えることだってあるかも知れないのだ。(そのための観測システムでもあるだろう)例えば1605年に発生した慶長大地震では、揺れの記録がほとんど残っていないにもかかわらず、大津波による被害が広域で記録されている。揺れを伴わない地すべりによる津波とみられている。もちろん、観測網は日進月歩で進化している。しかし自然災害は往々にして防災の一歩先をいくものであると認識しておいた方がいい。今回の誤報は幸いとして、県は是非(システムはもちろんだが)情報を受けた人の行動について検証して欲しい。今後の防災の重要な手掛かりになるはずなので。また、今回高台に避難した人がこの誤報によりオオカミ少年効果に陥らないようなフォローも必要。少なくとも誤報で逃げた人が馬鹿を見るような報道は控えて欲しいと思う(この共同の記事もそういうふうに読めてしまうので)。
2016.01.02
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2015年が始まりました。あけましておめでとうございます。この10年で地図は内容も見せ方も変化しました。地図の主題はより多様になり、パーソナラズ化も顕著です。デバイスの多様化は地図のビジュアリゼーションに大きな影響を与え、デバイスに最適化する形で様々なアイディアが具現化され、地図表現も進化を遂げています。その一方で、主題に対して最適化されたビジュアルという点では(それぞれデバイスの特性による制限もあり)まだ官僚の余地があるように思います。ハザードマップなどはその代表例かもしれません。もう一つ、最近考えるのは一般図のよさももっと見直されるべきなのではないかという点です。確かに明確な主題図は分かりやすいですが、一般図を見ながら地勢を読み解くという作業も地図を読む楽しみの一つです。こうしたことをもっと周知していくのも地図に関わる者のミッションなのではないでしょうか。今年も思うままに駄文を重ねることになるかと思います。引き続き温かく見守って頂き、ご指導ご鞭撻を頂ければ幸いです。2015年が誰にとっても素晴らしい年になりますよう。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2016.01.01
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