狭い家のどこにいてもリリーを探そうとしてしまう目が悲しいです。
眠れない夜には電気をつけてフランスの道という安野さんの絵とエッセーを読んで、今私はフランスのホテルにいて、明日はここへ向かうんだ!と思うことで、リリーはいなくて当たり前と思い込もうとしています。
やっと昨夜少し眠ることができて、今朝は空腹も感じられ壊れかけていた気持ちから抜け出せそうです。
骨にするという道を選んだのには理由があります。
また会おうね!とリリーに別れを告げたのは、三途の川で待っていて欲しいという意味ではなく、私が骨になったらリリーの骨をいっしょに粉にしてもらって庭にまいてもらう!と決めているから
骨と骨になって出会うという意味なのです。
そもそも私は仏教徒ではないし六文銭など持たないで旅立つので、三途の川は渡りません。
リリーもお坊さんに念仏を唱えてもらったりしなかったし、洋猫混じりですから三途の川は渡らないはず
天国という場所もあるかどうか解らない!
でも、骨と骨がいっしょになって粉になれたなら、再会したと言えるのでは?
粉になって土に帰り、雨で土に溶け込んで川へ流れ込む水滴のひとつになる
川から海へむかって流れるリリーのひとしずくと私のひとしずく!必ずいっしょに流れて行きたい
そんな風にまた出会っていっしょに過ごそうね!と
骨になったのは私の車が入る場所でした。
リリーはそのほとんどの時間をこの場所で過ごしたので、他の場所で火葬したくなかったのです。
大きめの白いバンの後ろに設置された小さな焼き場
リリーを抱いて部屋から階段を降りて車の中の鉄の板に乗せて、持っていったすべての花を入れることはできなかったけれど、庭のバラとアナべルでリリーを包みドアを閉めて・・・
およそ1時間で花と小さなタオルは灰になってリリーの骨を包んでいました。
それを丁寧にどけてくださって、小さな骨を説明しながら私が用意しておいたちょっとエスニックなツボにリバティーのクリステルに包んでから入れてもらいました。
600度にもなるという小さな焼き場からトレーに一度移して熱を冷ましてから
熱いトレーの上での作業は大変そうでした。
すべての作業が終わるまで2時間
リリーが入ったツボはまだほんのり温かくて、それをしっかり抱きしめて、動物が大好きだとおっしゃるご夫妻にお礼を言って戻りました。
お仕事なので当たり前だと言えばそれまでだけれど、私への配慮もたくさんあってリリーにもたくさん声をかけてくれて嫌な思いを何もせずリリーを送ることができました。
車からは煙突が出ていて、それがどうしても駐車場の上に垂れかけている白のモッコウバラを枯らしてしまうから、枝を動かしてからやりましょうか?
と、思いもしない気遣いをしてくださったので感謝して、枯れこむのは覚悟の上でそのまま火葬してもらいました。
骨になって患部は2箇所だったことも分かりました。
内出血していたのか?臓器が腐っていたのか?腎臓と肺のあたりがひどく黒くなっていたのです。
まるで悪魔のような黒さに見えました。
時々ツボをあけて骨を撫でてあげるといいですよ!と言われたけのだけれど、それはちょっと・・・
そのときはできないと思っていたのに、今日はツボをあけて骨をなでてみました。
家のどこにでも残像があるけれど、りリーは明らかにここにいるのだと
リリーのツボを出窓に置くときに、前からいる芙美枝さんのシュガーポットを横へ移動させました。
そのとき蓋が開いてしまって、閉めようとしたらリリーの大きな毛玉がみえました。
去年の夏にたくさんの毛玉を作ってしまってひと冬かかってそれを取って、落ちていたのを拾って入れてあったのを忘れていました。
あのほわほわの白い毛にもう一度触れたいと思っていたから、拾ってあってよかった・・・
リリーの骨のツボにいれたらなんだか少し気持ちが落ち着きました。
壊れていきそうだった気持ちにはどめがかかった感じです。
もう2度とこんな悲しみに出会いたくない!と思いながらも、宣言しました。
私は死ぬまで迷惑でも自分勝手でもいいから猫と暮らすと!!
目が綺麗なブルーでまるく、顎は三角で、ホワホワの毛なみで、しっぽが太くて立派なリリーにそっくりなバーマンという種類の猫が混じった子を探して、絶対にまたいっしょに暮らす!と
リリーが亡くなったあとで庭で咲いた百合、出窓ではリリーの横で真っ白の百合が香りを放っています。
PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
Category