本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2020.01.12
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カテゴリ: 現代文学一般
​​  短篇「最後に臼が笑う」(Audible)が面白かったので読んでみた「カラフル」が、児童文学的ではあるのだけど還暦オヤジにも面白く感じられ、直木賞受賞作の本作品を図書館で見つけて単行本で読んだ。


​・6篇の短編集、最初の「器を探して」はあまりピンと来なくて一度はドロップアウトしたのだけど、再読で2編目の「犬の散歩」で少し魅かれはじめて、3編目「守護神」でドはまりになって・・・一気読みだった。結果、最初の1編と最後の1編が自分的にはイマイチだと思うのだが(著者や編集者の感覚ズレてるってこと?)トータルとしては面白かった。この感覚は、若い頃にレコードアルバムを買って聴いたらそれなりにいいなと思ったのだけど、最初の1曲とラスト1曲はイマイチだった、しかもラスト1曲はアルバムタイトルだったみいな感じに似ているような気がした。

「器を探して」
 仕事に生きながら疑問を感じている女性が、秘書として器を探しに美濃を訪れ実生活とは切り離された世界で理想の美濃焼を探す。理想の瀬戸黒を見つけたが売ってもらえるかどかは焼き人のフィーリング次第だという
〇男の瞳はあきらかにお茶ではないなにかを誘いかけていたが、それはお茶よりもむしろ自然なことのように思える。男の厚い指が土をこねるのを想像し・・・
●なにかってあれですよね。あまり理解できないし共感できなかった。プロポーズを無視して出張にきているのにケーキを買って帰れば彼はたちどころに機嫌を直して微笑むだろうというラストにも納得がいかない。いったんここで読むのを挫折したのだけど・・・

「犬の散歩」
 ホステスの話かと思ったら、ホステスのバイトをしながら犬の里親を探すボランティアをする主婦の話だった。あまりペットには興味ないので・・・と思って読んでいたら
〇「犬は私にとっての牛丼なんです」
●っていうセリフで、えっどういうこと?とだんだん惹き込まれ・・・

「守護神」
で完全に持っていかれてしまった。主人公の裕介がチャラ男ではなくて本当は不器用な文学青年で、本当はレポートの代筆ではなくて自分の思いをぶちまけたいのだと理解したニシナミユキ。守護神がまさか(いわくつきの)二宮金次郎のことだったとは!

「鐘の音」
・TVで「さぶ」を見たせいか山本周五郎的かなと思った。仏像修復師、そんな昔から職業はあったのだろうけど初めて知った。そんな職人的な仕事が今でも同じ形で残っていることはないのかもしれない。ちょっとしたミステリーにもなっている人情ものだと理解した。

「ジェネレーションX」
・読みやすい、分かりやすい、面白いの3拍子。この作品がこれまでの森絵都作品に求めていたイメージ。「最近の若者は・・」とか「新人類」とか言われていたけどいつのまにか立場逆転。謝罪に向かう車中で電話をかけまくるやつが案外に謝罪の達人だった。電話も高校時代野球部の仲間が約束通り10年後に集まって試合をするためのトラブルに関するものだった。何とか9人そろうと思った矢先、一人参加できずにピンチ!っていうところで、主人公も実は高校球児だったって話

「風に舞い上がるビニールシート」
・タイトルになった短編作品なんだけど、残念ながら共感できなかったなと思う。そもそもフィールドに生きがいを感じているエドと結婚すべきではなかったし、結婚してからも自らがフィールドに行く生活を選択するという道があったのに・・・最後の最後で〇「アフガンに行かせてください」って言葉が出てある意味ハッピーエンドなんだろうけど遅すぎるぜ!と思ってしまった。





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Last updated  2020.01.12 17:26:42
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