本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2024.09.17
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テーマ: お勧めの本(7403)
・夏の鈴鹿に登ると、とくに沢登りするとほぼ漏れなく蛭が付いてくる、血を吸われたことは数知れず蛭の集団に襲われたこともある、身近だけど謎に思うことも多々あるヒル。

・「ヤマビル研究会」の少年たちはその謎を解明しながら、次々に新たな疑問を生み出していく。その彼らのセンス、それらを解明していこうというアイデアのセンスに脱帽だ!

〇「ヒル研のいいところは、その研究の仕方にあります。学校の理科の実験では、答えが決まっていて、実際にそうなるかを確かめるだけです。でも、ヒル研では誰にもわからないことを自分たちの手で発見していきます。そこがすごく楽しいです。」
・少年たちのある意味体を張ったヒル研究は、「サバクトビバッタ・・・」に匹敵する面白エンタメノンフィクションだと思うが、ポスドクの研究者でもない小学生たちの発想と行動力でしかも身近なぶんだけ面白い。今まで謎だったヒルの生態が明らかになってなるほどだった。一粒で二度おいしい的な感じ。

2024/9/4読了




〇わたしたちでは気づかない二酸化炭素濃度のわすかな変化に、ヒルは気づいているのだ。

・水槽で飼っている100匹以上のヤマビルが、息を吹きかけると二酸化炭素に反応して一斉にヒルダンスを始めるらしい。夏に鈴鹿の山で枯れ葉に覆われた登山道を歩いているときに無数のおチビちゃんを主体にしたヒル軍団が興奮して襲いかかってきたことがあるけどワシらの呼気に反応してたのね。テントの中もヒルだらけだった。今思い出してもおぞましい記憶だ。

〇ジョニーさんの首にヒルが付いたら上から落ちてきたことに、消防士さんの首につけば下から上がってきたということになるのだ。
・ジョニーさんとは「ヒル下がりのジョニー」というヒル除け薬を開発した人で「ヤマビル研究会」のよき協力者。
・この実験の前に子供たちは体を張った実験をしていたのだが、これでヒルは木から落ちてくるという迷信が否定されて足元から這い上がってくるのだと証明されたのだった。すごいぞ「ヤマビル研究会」の少年たち!
・ワシもずっと前から、ヒルが上から落ちてくるってのはおかしいなと経験的に思っていたんですよね。やっぱりなと納得。水の中でもなく水辺のジメジメした草むらを歩くとヒルが付くと思っていました。んで納得!
・とは言え、どんなに用心して足元や袖口など密封して万全だと思っていても何故かどこからかヒルは侵入してくるんですよね。やっぱり「ヒル下がりのジョニー」を使わないといけないのでしょうか。鈴鹿の沢登りはもうずっとご無沙汰です。

・ヒルを運ぶのは鹿ではない。水の流れでヒルは移動するのだという説にびっくりした。大発見ではないか!
・局所では水の流れ、大きな地域での広がりには鹿が関係していることが後に明らかになる。

〇ヒル被害をなくすには、草を刈って乾燥させればいい。

〇そのようにひっそり生きてきたヒルが、最近にわかに広がってきたのは、生態系のバランスがどこかで崩れたからである。(手入れの行き届かない山林が増えてヒルの生息に適した環境が拡がったこと、シカが増えたことなど)

いろんなジャンルの本があるけど本は面白いですね。次は何を読むかが悩みですが、この本は久々の大ヒットでした。面白すぎたので感想文の投稿も遅くなってしまいました。

ご訪問ありがとうございました。





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Last updated  2024.09.17 21:40:57
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