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僭越ながらピアノを教えている。その発表会を明日に控え、昨夜はジャズのコンボに参加して練習した。素人ぞろいのなかで、ジャズと言うのは演奏するよりも聴くほうが大事と痛感しているこの頃である。例えば演奏テクニックはその楽器それぞれで教師についたり,教則本で勉強できるが、ジャズにはこれ以上の即興と言うものがある。教則本にも教師も教えてくれない。またジャズを教える教師と言うのもあまりあてにはならず、ぜいぜいが大物ジャズメンのコピーをテキストにするだけで。ジャズで最も大切な即興演奏の要素は教えてくれない。教えようがないからだ。やはりたくさんの曲を聴いて自分の血肉にするしかないのだが、素人にはなかなかそんな時間もない。昨夜は、エンディングのテーマは力を抜けと言った。この意味が伝わらないのだ。そこで、いろいろな物の例えを作ってみる。演奏は長距離走と同じで、最初から飛ばしていては後半だれてしまう。ペース配分が大事で、最初のテーマは助走、アドリブソロはいわば本番、エンディング(曲の終了部分)はいわばクールダウンにあたるから、ベースは4ビートからカウンターに切り替え、シンバルはハイハットにするとかブラシにするとか工夫が必要なのだ。聴いている方はこれで曲の終わりが近いとわかるのだ。こういうイロハは聴いていなければわからない。アドリブソロは、先人のスコアをコピーするのが定説だが、これはしんどい作業である。アマチュアにとってプロのアドリブをコピーするのは至難の技、もっともこれで飯を食っている教師もいるのだが。わたしはコピーよりも教則本とスケールをとにかく繰り返せという。教える手間はかからないし、演奏者のテクニックは向上する。あとはジャズを聴くのみ。おそらく100聴いて1のフレーズが出せれば御の字だろう。やたらとアドリブは練習しないこと。これをやると手癖がつき、フレーズが陳腐になる可能性あり。
それよりも退屈な教則本とスケールを繰り返しやることで欲求不満を作り出し、一挙にアドリブにぶつけたほうが良い。そうすれば他人の影響ではなく、本人のアドリブソロが作りだせる。しかしこの方法だけでは人に合う合わないの問題がある。大人を教えるわけなので、教則本をあてがって「はいこのとおりやってください」では戸惑うだけである。
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